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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
エレミヤ書 33:23-47:7

23 神は再び、エレミヤにこう語りかけました。 24 「おまえは人々が何と言っているか聞かなかったのか。彼らは、神はユダとイスラエルを選んでおきながら見捨ててしまった、と言っている。イスラエルはもはや国家としての価値がなくなったと、あざ笑っている。 25-26 だが、わたしはこう答えよう。わたしが昼と夜、天と地の法則を変えないように、わたしの民を捨てるはずはない。わたしは決して、ユダヤ人とわたしのしもべダビデとを見限らない。また、ダビデの子がやがてアブラハム、イサク、ヤコブの子孫を支配するという計画を変えない。それどころか、彼らにあわれみをかけ、その財産を元どおりにする。」

ゼデキヤへの警告

34 バビロンのネブカデネザル王とその支配下の国々の軍隊が一つになって、エルサレムとユダの町々を攻めている時、主からエレミヤに次のことばがありました。 「ユダのゼデキヤ王に、主がこう言うと伝えなさい。わたしはこの町をバビロン王に渡すので、彼は町を焼く。 おまえは逃げられない。捕虜になってバビロン王の前に引き出され、有罪を宣告される。そしてバビロンへ連れて行かれる。 だがユダのゼデキヤ王よ、次のことをよく聞くのだ。おまえは戦争や虐殺に巻き込まれて死ぬことはなく、 人々に囲まれて安らかに死ぬ。みな、おまえの先祖にしたように、おまえを記念して香をたく。人々はおまえのために、『ああ、王様が死んでしまった』と泣く。このことを確かに言っておく。」

そこでエレミヤは、そのとおりゼデキヤ王に知らせました。 ちょうどその時、バビロン軍はエルサレムとラキシュ、アゼカを包囲していました。ユダでまだ残っている城壁のある町は、ここだけだったのです。

奴隷の解放

ゼデキヤ王が、エルサレムにいる奴隷を全員解放したのちに、主からエレミヤに次のことばがありました。 王は全住民に、ヘブル人(イスラエル人)の奴隷は男女を問わずすべて自由の身にするようにと命じたのです。ユダヤ人は兄弟同士だから、奴隷にしてはいけないというのです。 10 高官や住民はみな王の命令に従い、奴隷を自由の身にしましたが、それは一時的なことでした。 11 あとで心変わりして、使用人を再び奴隷にしました。 12 それで、次のことばがエルサレムにあったのです。 13 イスラエルの神は、こう言います。「わたしは、奴隷だったおまえたちの先祖をエジプトから連れ出した時、彼らと契約を結んだ。 14 わたしは彼らに、ヘブル人の奴隷は例外なしに、六年の年季が明けたら自由の身にしなければならない、と念を押した。だが、このことは実行されなかった。 15 しかし最近になって、おまえたちは、わたしが命じたとおりの正しいことをして、奴隷を自由の身とした。『きっと命じられたとおりにします』と、神殿で、おごそかに約束した。 16 ところが今になって急に態度を変え、誓いを破ってわたしの名を汚し、いったん自由にした者たちを再び奴隷にした。 17 結局おまえたちはわたしの言うことを聞こうとせず、奴隷を解放しなかったので、戦争とききんと疫病でおまえたちを殺す。流浪の民として世界中に散らす。 18-19 おまえたちは契約を守らなかったので、誓いを確かなものとするために牛を二つに断ち切ってその間を通る儀式にならい、おまえたちを真っ二つにする。高官であろうが、宮廷の役人であろうが、祭司であろうが、一般市民であろうが、誓いを破った以上は、家畜のように殺す。 20 わたしがおまえたちを敵の手に渡すので、敵はおまえたちを殺す。おまえたちの死体は、はげたかや野獣のえじきとなる。 21 わたしはまた、ユダのゼデキヤ王と部下である役人たちを、いったんこの町から遠のいたバビロン王の軍勢に引き渡す。 22 わたしが呼び戻すので、バビロン軍は再びこの町を攻撃して占領し、火をつける。ユダの町々を、必ず見る影もなく壊し、猫の子一匹いない廃墟にする。」

レカブ家の人々

35 ヨシヤの子のエホヤキムがユダ王国の王であった時、主はエレミヤに、こう語りました。 「レカブの家系の人たちが住んでいる所へ行き、神殿へ連れて来なさい。奥の一室に案内し、ぶどう酒をすすめるのだ。」 そこで私は、ハバツィヌヤの子エレミヤの子ヤアザヌヤのところへ行き、レカブ家を代表する彼と、その兄弟、息子たちを連れて、 神殿へ行き、イグダルヤの子で預言者のハナンの息子たちに与えられている部屋に入りました。その部屋は宮殿の役人が使う部屋の隣で、神殿の入口を守るシャルムの子マアセヤの部屋の真上にありました。 私は彼らの前にぶどう酒の入ったつぼとコップを置き、「さあ飲みなさい」とすすめました。 ところが、彼らはことわったのです。「私たちはぶどう酒を飲みません。先祖レカブの子ヨナダブが、子々孫々、永久にぶどう酒を飲んではならないと命じたからです。 また、家を建てたり、作物を植えたり、ぶどう園を造ったり、畑を所有したりせず、いつもテントに住むようにと言いつけました。言われたとおりにして、自分の地で、満ち足りた長寿を全うするためです。 私たちは、あらゆる点でヨナダブの言いつけを守りました。ぶどう酒は一滴も口にしませんでしたし、家族の者も、同じようにしてきました。 家を建てたり、畑を所有したり、作物を植えたりもしませんでした。 10 テントに住み、先祖ヨナダブが命じたことをみな忠実に守ってきました。 11 ところが、バビロンのネブカデネザル王がこの国に攻め上った時、怖くなってエルサレムへ引っ越すことに決めました。それで今、ここにいるのです。」

12 その時、主はエレミヤに語りました。 13 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。「ユダとエルサレムへ行って、レカブ家の人たちから教訓を学びなさい。 14 彼らは先祖の命令を守り、ぶどう酒を飲まない。ところがおまえたちは、わたしがくり返し語ったのに、聞こうとも従おうともしない。 15 わたしは次々に預言者を送り、悪の道から離れ、ほかの神々を拝むのをやめるようにと言わせた。わたしのことばに従うなら、おまえたちと先祖に与えたこの地で、平和に暮らせるようにすると言わせた。だがおまえたちは、聞こうとも従おうともしなかった。 16 レカブ家の人たちは先祖の言いつけを守ったというのに、おまえたちはわたしの言うことを聞こうとしなかった。 17 だから、イスラエルの神であるわたしは言う。おまえたちはわたしのことばに耳を傾けず、呼んでも顔をそむけているので、ユダとエルサレムに、前々から言っておいたすべての災いを下す。」

18-19 エレミヤはレカブ家の人たちのほうを向いて、こう言いました。「イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。『おまえたちはあらゆる点で先祖の命令に従ったので、おまえたちの家系には、わたしを礼拝する者が絶えない。』」

エホヤキム、エレミヤの巻物を焼く

36 ヨシヤの子でユダ王国のエホヤキム王の第四年に、主からエレミヤに次のことばがありました。 「巻物を取り、わたしがイスラエル、ユダ、その他の国々について語ったことをみな書き記しなさい。ヨシヤの時代に語ったことから始め、わたしのことばを残らず書き留めるのだ。 ユダの民は、わたしがこれからしようとしている恐ろしいことが文字になっているのを見て、悔い改めるかもしれない。そうすれば、わたしは彼らを赦す。」 そこでエレミヤは、ネリヤの子バルクを呼びました。バルクはエレミヤの口述どおり、全部の預言を筆記しました。 書き終わったあと、エレミヤはバルクに言いました。「私は囚人の身だから、 次の断食の日、私の代わりに神殿でこれを読み上げなさい。その日は、人々がユダ全国から上って来る。 もしかしたら、彼らは悪の道を離れ、手遅れにならないうちに主に赦しを求めるかもしれない。もっとも、ここに書かれている神ののろいは、すでに宣告ずみなのだが。」 バルクは言われたとおり、神殿で、神のことばをひと言ももらさず人々の前で読みました。

このことは、ヨシヤの子エホヤキム王の第五年に当たる十二月の断食日に起こりました。その日、ユダ全国から、神殿の儀式に参列するために人々が上って来ました。 10 バルクは巻物を読むため、シャファンの子の書記ゲマルヤの事務所へ行きました。この事務所は新しい門の入口に近く、境内の奥の集会所のそばにありました。 11 シャファンの子ゲマルヤの子ミカヤは、神のことばを聞くと、 12 宮殿の会議室へ報告に行きました。ちょうど、役人たちが待っています。そこは、書記官エリシャマをはじめ、シェマヤの子デラヤ、アクボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、ハナヌヤの子ゼデキヤのほかに、同じ職務につく人たちがいました。 13 ミカヤが事情を伝えると、 14-15 役人たちはクシの子シェレムヤの子ネタヌヤの子エフディを使いに出し、バルクに、彼自身の口から神のことばを語るため、出向くようにと言わせました。バルクは同意しました。 16 バルクが読み終えると、一同はおびえきって言いました。「ぜひ王のお耳に入れなければ。 17 何はともあれ、このことばはどこから手に入れたのだ。エレミヤが口述したのか。」 18 バルクは、エレミヤの口述どおり書き写したと説明しました。 19 役人たちはバルクに忠告しました。「さあ、二人とも身を隠しなさい。居場所をだれにも知らせてはいけない。」 20 それから、巻物を書記官エリシャマの部屋に隠し、王に報告するために出かけました。

21 報告を聞いた王は、さっそくエフディに、その巻物を取って来させました。エフディはそれを書記官エリシャマのところから持って来て、王と側近の者たちの前で読みました。 22 ちょうど十二月で寒かったため、王は宮殿の暖房設備のある部屋にいて、暖炉の前に座っていました。 23 エフディが三、四段読むたびに、王はナイフでその部分を切り裂き、火に投げ入れたので、とうとう巻物は全部灰になってしまいました。 24-25 ところが、エルナタンとデラヤとゲマルヤのほかは、だれも抗議もしません。この三人は、巻物を焼かないようにと訴えましたが、王は耳を貸しませんでした。そのほかの家来は、王のひどい仕打ちを見ても、感情を外に出しませんでした。 26 王は王子エラフメエルとアズリエルの子セラヤとアブデエルの子シェレムヤに命じて、バルクとエレミヤを逮捕させようとしました。しかし、主は二人を隠したのです。

27 王が巻物を焼いたのち、主はエレミヤに命じました。 28 「別の巻物を手に入れ、前のように、わたしの言ったことをすべて書き、 29 そのうえで王に言うのだ。『主は、こう宣告する。前の巻物には、バビロン王がこの国を荒らし、何もかも壊すと書いてあったので、おまえは怒って焼いた。 30 そこで、ユダ王国のエホヤキム王について、次の一項目をつけ加える。彼には、ダビデの王座につく者がいなくなる。彼の死体は捨てられ、太陽の炎熱と夜の霜にさらされる。 31 わたしは彼とその家族、家来たちを、それぞれの罪のゆえに罰する。彼らに、またユダとエルサレムの全住民に、予告しておいたすべての災いを下す。わたしの警告を聞こうとしなかったからだ。』」 32 エレミヤは、もう一つの巻物を取り、先に言ったことをみなバルクに口述しました。ただし、今度は、前にはなかったこともつけ加えてありました。

エレミヤ、投獄される

37 バビロンのネブカデネザル王は、エホヤキムの子エコヌヤの代わりにヨシヤの子ゼデキヤを、ユダの新しい王に選びました。 ところが、ゼデキヤ王も、家来も、国に残っている民も、主がエレミヤを通して語ったことばを聞きませんでした。

それにもかかわらず王は、シェレムヤの子エフカルとマアセヤの子の祭司ゼパニヤをエレミヤのもとに送り、自分たちのために祈ってほしいと言わせたのです。 そのころ、エレミヤはまだ牢に入れられていなかったので、自由に出入りできました。 エジプト王の軍隊が、包囲されたエルサレムを救援するためユダの南の国境に現れたので、バビロン軍は一戦を交えるため、エルサレムから退却していました。 その時、主からエレミヤに次のことばがありました。 「イスラエルの神が、こう言う。これから先どうなるかを聞くため、使いをよこした王に言いなさい。エジプト王の軍隊はおまえたちを助けに来たが、やがてエジプトへ逃げ帰る。バビロニヤ人が彼らを破って、もと来た所に押し返す。 一方、バビロニヤ人はこの町を占領し、すっかり灰にする。 バビロニヤ人がもう来ないと考えて、自分を欺くな。そんなはずはないからだ。 10 万一バビロン軍を負かし、生き残りのわずかな兵が重傷を負ってテントに横たわっていたとしても、彼らははい出して来ておまえたちを破り、この町に火をつける。」

11 バビロン軍がエジプトと戦うためにエルサレムの囲いを解いた時、 12 エレミヤは町を出てベニヤミンの地へ行き、自分の買った土地がどうなっているかを見ようとしました。 13 ところが、ベニヤミンの門を出ようとした時、歩哨に見つかり、バビロニヤ人に通じる裏切り者として捕らえられたのです。その歩哨は、ハナヌヤの孫でシェレムヤの子のイルイヤでした。 14 「とんでもない誤解だ。味方を裏切るつもりは少しもない」と、エレミヤは抗議しました。しかし、イルイヤは聞こうとせず、役人たちの詰め所に連れて行きました。 15-16 彼らが怒ったのは言うまでもありません。彼らはエレミヤをむちでさんざんたたいたあげく、書記官ヨナタンの家を改造した地下牢に閉じ込めました。エレミヤは長い間そこにいました。

17 ゼデキヤ王は彼のところへ使いを送り、こっそり宮殿に呼び寄せました。主からのことばが最近あったかどうか尋ねたかったのです。エレミヤは、「はい、ありました。あなたはバビロン王に負けます」と答えました。 18 続いてエレミヤは、牢に入れられたことに話題を変えました。「私は牢に入れられるようなことは何もしていません。いったいどんな罪を犯したというのですか。もし私が、あなたや家来や一般の民衆に対して何か悪いことをしたのなら、それを教えてください。 19 あなたの前で、バビロン王は来ないと断言した預言者たちは、今どこにいるのですか。 20 お願いです。どうか私を、あの地下牢に戻さないでください。あそこにいたら、死んでしまいます。」 21 そこでゼデキヤ王は、エレミヤを地下牢に戻さないよう手配し、代わりに宮殿付属の牢に入れて、町にパンがある限りは、毎日、焼き立てのパンを一個ずつ与えるようにと命じました。こうして、エレミヤは宮殿付属の牢にとどまることになりました。

エレミヤ、井戸に入れられる

38 しかし、マタンの子シェファテヤ、パシュフルの子ゲダルヤ、シェレムヤの子ユカル、マルキヤの子パシュフルは、エレミヤが人々に次のように言うのを聞いていました。 「エルサレムに残っている者はみな、剣かききんか疫病で死ぬ。しかし、バビロニヤ人に降伏する者は助かる。 エルサレムの町は、間違いなくバビロニヤ人に占領される。」 これを聞いた四人は王のところへ行き、こう進言しました。「あの男を生かしておいてはいけません。あんなことを言われたら、わずかしか残っていない兵士と民衆の士気は、くじかれてしまいます。あの男は裏切り者なのです。」 王は同意しました。「よろしい。おまえたちの好きなようにせよ。私には、おまえたちを止めることはできない。」 そこで彼らはエレミヤを牢から連れ出し、綱を使って、構内にある空の井戸につり降ろしました。この井戸は王子マルキヤのものでした。中に水はありませんでしたが、泥がたっぷりたまっていたので、エレミヤはその中に沈みました。

王の信任の厚い役人でエチオピヤ人のエベデ・メレクは、エレミヤが井戸に閉じ込められたと聞くと、 王がさばきの座についているベニヤミンの門に駆けつけました。 「王よ。あの四人は、エレミヤを井戸につり降ろすという、悪を行いました。町にはもう、パンはほとんどありません。このままだと、彼は飢え死にします。」 10 すると王は、エベデ・メレクに、三十人を連れて行き、エレミヤが死なないうちに引き上げるようにと命じました。 11 エベデ・メレクはさっそく三十人の男たちを連れて、使い古した衣料が保管してある宮殿の倉庫へ行きました。そこで見つけたぼろきれや着物をかかえてエレミヤのいる井戸へ行き、綱に結びつけてつり降ろしました。 12 エベデ・メレクは、大声でエレミヤに言いました。「ぼろきれをわきの下にはさみ、その上に綱を巻きつけなさい。」エレミヤがそのとおりにすると、 13 彼らはエレミヤを引き上げ、元いた宮殿の牢に帰しました。

ゼデキヤ、エレミヤに質問する

14 ある日、ゼデキヤ王は使いを出し、エレミヤを神殿の通用門に呼んで言いました。「ぜひとも聞きたいことがある。何事も隠し立てはならない。」 15 「ほんとうのことを申し上げたら、王は私を殺すに決まっています。あなたが私のことばに耳を貸すはずがありませんから。」 16 王は、自分の造り主である全能の神を指して、絶対にエレミヤに手をかけたり、いのちをねらう者に引き渡したりしないと誓いました。 17 そこでエレミヤは、王に言いました。「イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう告げます。『もしおまえがバビロン軍に降伏するなら、おまえもおまえの家族も生き延び、しかも町は焼かれずにすむ。 18 だが、降伏することを拒むなら、町はバビロンの兵士によって焼き払われ、おまえは恐ろしい運命をたどる。』

19 王は言いました。「だが、私は降伏するのが怖い。バビロニヤ人は、先に投降したユダヤ人に私を引き渡すだろう。そうなったら、どうなることかわかったものではない。」 20 ためらう王に、エレミヤは答えました。「主に従いさえすれば、彼らの手に落ちることはありません。王のいのちは助かり、万事がうまく運びます。 21-22 しかし、あくまで降伏を拒むなら、王宮にいる女性はみな引き出され、バビロン軍の将校たちのものになります。女性たちは、王を恨み、こう言うでしょう。

『王はエジプト人という、すてきな友人をお持ちです。
ごらんなさい、彼らはみごと裏切り、
王を悲惨な運命に渡しました。』

23 ご家族はみな、バビロニヤ人の前に引き出されます。王ご自身も同じ目に会います。あなたはバビロン王に捕らえられ、町は焼け野原になります。」

24 これを聞いた王は、エレミヤに言いました。「今私に言ったことをだれにも話してはならない。 25 家来どもが、会見のことを知って、話の内容を教えなければ殺すと脅したら、こう言うのだ。 26 『ヨナタンの地下牢にいたら死ぬに決まっているので、そこへ送り返されないよう、王に嘆願しただけです』と。」 27 王の推測どおり、まもなく町の役人たちが押しかけ、エレミヤに、なぜ王はおまえを呼び出したのかと尋ねました。エレミヤは、王に言われたとおり答えたので、だれもほんとうのことを知ることがありませんでした。王との会見を立ち聞きした者はいなかったからです。 28 エレミヤは、エルサレムがバビロニヤ人の手に落ちるまで、牢に閉じ込められたままでした。

エルサレムの陥落

39 ユダ王国のゼデキヤ王の第九年の十二月末、ネブカデネザルの率いる軍隊は再びエルサレムを攻撃し、町を包囲しました。 それから二年後の六月末、ついに彼らは城壁を破り、町を占領しました。 バビロン軍の将校はみな入城して中央の門に座り、戦勝祝賀会を開きました。そこにいたのは、ネルガル・サル・エツェル、サムガル・ネブ、サル・セキム、指揮官のネルガル・サル・エツェル、そのほか大ぜいでした。 ゼデキヤ王とその護衛兵たちは、町が落ちたのを見て、夜の間に抜け出し、王宮の庭のうしろにある二重の城壁の間にある門を通り、ヨルダンの渓谷に向かって野原を横切ろうとしました。 ところがバビロニヤ人は王を追いかけてエリコの草原で捕まえ、ハマテの地リブラにいたネブカデネザルのところへ引き立てました。バビロン王はゼデキヤに宣告を下しました。 バビロン王はゼデキヤの目の前で、彼の子どもと、ユダの貴族全員を殺しました。 そのあとでゼデキヤの両眼をえぐり出し、鎖につないで、奴隷としてバビロンへ引いて行ったのです。 一方、エルサレムの町は王宮もろとも焼き払われ、城壁は無残な姿をさらすばかりでした。 親衛隊長ネブザルアダンとその部下は、町に残っている住民と、投降した者をバビロンへ連れて行きました。 10 しかし、すごく貧しいわずかの人たちはそのままユダの各地に残しておき、畑とぶどう園を与えました。 11-12 一方、ネブカデネザル王はネブザルアダンに、エレミヤを捜し出すよう命じました。「あの男が無事かどうか見て来い。十分面倒を見てやり、欲しい物は何でも与えるのだ。」 13 そこで、親衛隊長ネブザルアダン、宦官の長ネブシャズ・バン、指揮官ネルガル・サル・エツェル、そのほかの将校たちは、王の命令を実行に移す相談をしました。 14 まず兵士たちを送ってエレミヤを牢から連れ出し、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤに預け、無事に家へ帰らせることにしました。こうしてエレミヤは、国に残っている人々と共に、故国で暮らすことになったのです。 15 バビロン軍が来る前、エレミヤがまだ牢に閉じ込められていた時、主から次のことばがありました。 16 「エチオピヤ人エベデ・メレクに、こう伝えよ。イスラエルの神である天の軍勢の主は言う。わたしはこの民に、予告した災いをすべて下す。この町をおまえの見ている前で滅ぼすが、 17 おまえは救い出す。おまえがひどく恐れている者の手にかかって殺されるようなことはないから、安心するがいい。 18 わたしに信頼した報いとして、おまえのいのちを助け、危害を受けないように守るから。」

エレミヤ、解放される

40 親衛隊長ネブザルアダンは、バビロンへ引いて行かれるエルサレムとユダの捕虜といっしょに、エレミヤをラマまで連れて行き、そこで彼を釈放しました。 2-3 隊長はエレミヤを呼んで言いました。「あなたの主は、かねてからの預言どおり、この国に災いを下しました。ユダの民が主に罪を犯したので、こうなったのです。 さあ、鎖をはずして、あなたを自由の身としましょう。私といっしょにバビロンへ来るなら、それもけっこうです。あなたの生活が十分に保証されるように、責任をもって取り計らいましょう。もちろん、帰ってもかまいません。あなたの自由です。好きな所へ行きなさい。 もし、自分の国にいたければ、バビロン王がユダの総督に任命したゲダルヤのもとへ帰り、残っている人たちといっしょに生活しなさい。いずれにしても、あなたの気持ちしだいです。好きなようにしなさい。」ネブザルアダンは、食糧と贈り物を与えたうえでエレミヤを去らせました。 エレミヤはゲダルヤのもとへ帰り、国に残っている人たちといっしょに暮らしました。

ゲダルヤ、暗殺される

田舎にいたユダヤのゲリラ隊の隊長たちは、バビロン王が民全員をバビロンへ連れて行ったわけでなく、ゲダルヤを総督に任命して、あとに残った貧しい民を治めさせていることを聞きました。 そこで彼らは、総督府のあるミツパに来て、ゲダルヤに面会しました。隊長たちの名は次のとおりです。ネタヌヤの子イシュマエル、カレアハの子ヨハナンとヨナタン、タヌフメテの子セラヤ、ネトファ人エファイの子ら、マアカ人の子エザヌヤ。ほかに部下もいっしょでした。 ゲダルヤは、バビロン軍に降伏するのが一番安全だと説得しました。「ここにいて、バビロン王に仕えなさい。そうすれば、何もかもうまくいきます。 10 私はミツパにいて、行政指導に来るバビロニヤ人たちに、あなたがたのことを口添えしましょう。好きな町に落ち着いて、この国で生活しなさい。ぶどうと夏の果物、それにオリーブの実を取って、たくわえておきなさい。」 11 モアブや、アモン人のところ、エドム、その他の近くの国々にいたユダヤ人たちは、ユダにはわずかながらもまだ人々が住んでいること、バビロン王は全員を連れて行かなかったこと、ゲダルヤが総督になったことなどを聞きました。 12 彼らはみな、亡命先の国々からユダに帰って来ました。まず、ミツパに足を止め、ゲダルヤと善後策を講じてから、放置されていた畑へ行き、ぶどう酒用のぶどうをはじめ、多くの作物を集めました。

13-14 このことがあってからまもなく、カレアハの子ヨハナンとほかのゲリラ隊長らがミツパに来て、アモン人の王バアリスがネタヌヤの子イシュマエルに、ゲダルヤを暗殺させようとしていると知らせました。ところが、ゲダルヤは信じようとしません。 15 しかたなく、ヨハナンはゲダルヤとひそかに相談することにしました。だれにもわからないようにイシュマエルを殺す役を、買って出ようというのです。ヨハナンは言いました。「彼があなたを殺すのを、黙って見ていることはできません。そんなことになったら、国へ帰って来たユダヤ人は、どうなるのですか。残っている人たちが散り散りになって滅んでも、いいのでしょうか。」 16 しかし、ゲダルヤは答えました。「そんなことは、絶対してはならない。あなたはイシュマエルについて、うそをついているのだ。」

41 十月に入って、王族の一人、エリシャマの子ネタヌヤの子イシュマエルは、十人の部下を連れてミツパに来ました。ゲダルヤは一行を食事に招きました。 ところが食事の最中に、イシュマエルと、仲間の者は、突然立ち上がって剣を抜き、ゲダルヤを殺したのです。 さらにそこから出て、ミツパでゲダルヤのそばにいたユダヤ人の役人、バビロンの兵士をも虐殺しました。

次の日、外部の人がこの出来事をまだ知らないうちに、 シェケム、シロ、サマリヤから、神殿で礼拝するために、八十人の者がミツパに来ました。めいめいひげをそり、着ている物を裂き、体に傷をつけて、供え物や香を運んでいました。 イシュマエルは、わざと泣きながら町の外へ出て、彼らを見ると言いました。「さあ、いっしょに来て、ゲダルヤがどうなったか見てください。」 こうして全員が町に入ると、イシュマエルと部下たちは、そのうちの十人を残して全員を殺し、死体を穴に放り込みました。 助かった十人は、「隠しておいた小麦、大麦、油、それにみつを必ず持って来るから、いのちだけは助けてくれ」と、イシュマエルに頼んだのです。 死体を投げ込んだ穴は大きなもので、アサ王がイスラエル王国のバシャ王を恐れて、ミツパの防備を固めた時に掘ったものでした。 10 イシュマエルは、王女たちと、親衛隊長ネブザルアダンがゲダルヤに任せた人たちを捕虜にし、すぐさまアモン人の国へ旅立ちました。

11 カレアハの子ヨハナンをはじめとするゲリラ隊長たちは、イシュマエルのしたことを聞くと、 12 部下を引き連れてあとを追い、ギブオンの近くの池のそばで一行を見つけました。 13-14 捕虜になっていた人たちは、ヨハナンとその部下たちの姿を見ると、歓声を上げて走って来ました。 15 一方、イシュマエルは八人の部下と共に、アモン人の地へ逃げ延びました。

エジプトへの逃亡

16-17 さて、ヨハナンとその部下は、救い出した兵士、女性、子ども、宦官などを引き連れて、ベツレヘム近郊のゲルテ・キムハムという村へ行き、そこでエジプトに脱出する準備を始めました。 18 イシュマエルが、バビロン王の立てた総督ゲダルヤを殺したというニュースが伝わったら、バビロニヤ人はどんな報復に出てくるかわからない、と恐れたのです。

42 ヨハナン、ホシャヤの子イザヌヤ、将校たちをはじめ、身分の高い者も低い者も、そろってエレミヤのところへ行き、 こう頼みました。「どうか、あなたの神である主に祈ってください。よくご存じのように、私たちはあとに残った、ほんのひと握りの仲間です。 あなたの神である主が私たちに、どうしたらいいか、またどこへ行ったらいいかを教えてくださるよう、頼んでください。」 「いいでしょう。神に尋ねてみましょう。神の語ることは、包み隠さずお知らせします。」 「もし、私たちが神の語ったことに背くなら、のろわれてもかまいません。 私たちは、おことばが気に入っても気に入らなくても神に従います。従いさえすれば、何もかもうまくいくからです。」

それから十日して、主の返事がエレミヤにありました。 彼はヨハナンと、その下にいる隊長たち、それに身分の高い者も低い者もみな呼んで、 こう言いました。「あなたがたは私を代わりに立て、イスラエルの神に尋ねさせました。これが神からの返事です。 10 『この地にとどまりなさい。そうすれば、おまえたちを祝福する。誰ひとり危害を加える者はいない。わたしは、おまえたちに刑罰を下したことを後悔している。 11 これ以上バビロン王を怖がらなくてよい。わたしがついているからだ。必ず彼の手からおまえたちを助け出す。 12 おまえたちのために、王に同情心を起こさせるので、彼はおまえたちを殺したり、奴隷にしたりせず、かえって、これまでどおり国にいられるように取り計らってくれる。』 13-14 しかし、主に逆らって、『ここにいるのはいやだ』と言い、戦争や飢えや危険のない別世界だと考えているエジプトへ、どうしても行こうとするなら、 15 イスラエルの神は、きっぱり断言します。『ユダの残りの者よ。どうしてもエジプトへ行くと言ってきかないなら、 16 おまえたちの恐れている戦争とききんが、すぐうしろからついて行き、おまえたちを滅ぼす。 17 これが、エジプトに住もうと言いはる者の運命だ。おまえたちは間違いなく剣と、ききん、疫病で死ぬ。エジプトでわたしが下す災いを免れる者は、一人もいない。』 18 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう断言します。『わたしの怒りと憤りは、エルサレムの住民に注がれたように、エジプトへ行った者にも注がれる。おまえたちは侮られ、憎まれ、のろわれ、ののしられる。しかも、二度と祖国を見ることはできない。 19 なぜなら、わたしは「ユダの残りの者よ、エジプトへ行ってはならない」と、はっきり命じたからだ。』」こう言うと、エレミヤは話をしめくくりました。「私が今日警告したことを、決して忘れてはなりません。 20 もし、それでも行くなら、いのちはありません。あなたがたが私を代わりに立てて神に祈らせ、『神の語るとおりを知らせてください。私たちは従いますから』と言ったことは偽りだったということになるからです。 21 私は今日、神のご命令を、そのとおり伝えました。ところがあなたがたは、いつものように、やはり従おうとしません。 22 だから、このことを心に刻みなさい。あなたがたは、どうしても行くのだと言ってきかないエジプトの地で、剣とききんと疫病によって死にます。」

43 エレミヤが、神のことばをすべての人に語り終えた時、 2-3 ホシャヤの子アザルヤと、カレアハの子ヨハナン、その他の思い上がった者が、エレミヤに言いました。「うそをつけ。神が、エジプトへ行ってはならないなどと言うはずがない。ネリヤの子バルクが陰謀を企て、そう言わせたに違いない。われわれをこの地に残して、バビロニヤ人に殺されるようにしたり、奴隷としてバビロンに連れて行かれるようにしたりするために。」 このように、ヨハナンをはじめゲリラ隊長たちと残っていた者はみな、主の命令に従ってユダにとどまることを拒みました。 こうして、亡命先の近くの国々から帰って来た人も含めて、すべての者が、ヨハナンや他の隊長と共に、エジプトをめざして出発しました。 その中には、男、女、子ども、王女たち、それに親衛隊長ネブザルアダンがゲダルヤに託したすべての人がいました。彼らは、エレミヤとバルクも力ずくで連れて行き、 エジプトのタフパヌヘスに着きました。彼らは主のことばに従わなかったのです。

タフパヌヘスで、主は再びエレミヤに語りました。 「ユダの人たちを呼び集めなさい。彼らの見ている前で、このタフパヌヘスにあるエジプト王の宮殿の入口にある敷石の間に、大きな石を埋めなさい。 10 それから、皆にこう言うのだ。

イスラエルの神である天の軍勢の主は言う。わたしは間違いなく、わたしの意のままに動くバビロンの王ネブカデネザルを、エジプトに連れて来る。そして彼の王座を、今隠した石の上にすえる。彼は、その石の上に王の天蓋を張る。 11 彼はエジプトに来て町を破壊し、わたしが殺そうと思っている者をみな殺し、わたしが捕虜にしようと思っている者を捕虜にする。また、多くの者が疫病にかかって死ぬ。 12 彼はエジプトの神々の神殿に火をつけ、偶像を焼き、人々を奴隷にして連れ去る。彼はまた、羊飼いが着物についたしらみをつぶすように、エジプトを踏みつぶし、しかも無傷で去る。 13 ヘリオポリスにある偶像の記念塔は壊され、エジプトの神々の神殿も焼き払われる。」

偶像礼拝と災難

44 エジプト北部のミグドル、タフパヌヘス、メンピスの町々、それにエジプト南部に住む全ユダヤ人について、次のことばがエレミヤにありました。 2-3 「イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。『おまえたちは、わたしがエルサレムとユダのすべての町にしたことを見た。それらの町々は、はなはだしい悪のために灰になり、廃墟となって、今は住む者がだれもいない。自分も先祖も知らなかった神々を拝んで、わたしの怒りを買ったからだ。 わたしはわたしのしもべである預言者を送って、わたしの憎んでいるこのような恐ろしいことをしないようにと、何度も警告し、説得してきた。 それなのに彼らは少しも言うことを聞かず、悪の道を捨てなかった。そして、神々にいけにえをささげ続けた。 そのため、わたしの憤りは爆発し、火のようにユダの町々とエルサレム市内に燃え移り、現在のような廃墟としたのだ。』 イスラエルの神であり、天の軍勢の神である主は、あなたがたに尋ねます。『なぜおまえたちは、自らいのちを絶とうとしているのか。ユダから逃げてこの地に来た者は、男、女、子どもはもちろん、抱かれている乳飲み子さえ、一人として死を免れることはできない。 おまえたちは、エジプトへ来てまで偶像を拝み、香をたいて、わたしの怒りをかき立てている。だから、おまえたちを徹底的に滅ぼし、全世界の国々ののろいとし、きらわれ者とする。 おまえたちは、ユダとエルサレムでの先祖の罪、ユダの王と王妃たちの罪、おまえたち自身の罪、それにおまえたちの妻の罪を忘れたのか。 10 今この時まで、わびた者は、だれもいない。一人として、わたしに立ち返ろうとせず、わたしがおまえたちの先祖に与えたおきてに従おうともしない。』 11 そのため、イスラエルの神である天の軍勢の主は言います。『わたしは怒りで全身が熱くなった。おまえたちを一人残らず滅ぼす。 12 エジプトに来ることを強く主張した、生き残りのユダヤ人を皆殺しにする。彼らはこのエジプトの地で倒れ、ききんと剣でいのちを失い、身分の高い者も低い者も、一人残らず死ぬ。彼らはさげすまれ、忌みきらわれ、のろわれる。 13 わたしは、エルサレムの住民を剣とききんと疫病で罰したように、エジプトにいる彼らを罰する。 14 ここに来たことを悔い、ほかの者と別行動をとって故国に帰る者のほかは、ただの一人も、わたしの憤りから逃げることはできない。』」

15 そこに居合わせた女たちと、妻が偶像に香をたいていることを知っている男たちは、声を一つにして言い返しました。エジプト南部には、おびただしい数のユダヤ人がいたのです。 16 「そんな偽のおことばには、同意できません。 17 好きなようにさせてください。先祖や王たち、重立った人たちが、ユダの町々やエルサレムでいつもしていたように、『天の女王』に思うぞんぶん香をたきたいのです。あのころは、食べ物がどっさりあり、幸せいっぱいでした。 18 ところが、『天の女王』に香をたいて拝むのをやめてからは、災い続きで、剣とききんに倒れてきたのです。」 19 女たちも、負けずに口をはさみました。「私たちは夫と相談して『天の女王』を拝み、それにぶどう酒を注ぎ、女王にかたどったケーキを作ったのです。黙って内緒でしたわけではありません。」 20 エレミヤは答えました。 21 「あなたがたや、あなたがたの先祖、王、重立った人たち、それにすべての民が、ユダの町々とエルサレムで偶像に香をたいていたことを、主がご存じないとでも思うのですか。 22 神があなたがたの悪に我慢できなくなったので、祖国は今のように荒れ果て、徹底的に破壊され、のろわれ、だれも住まない地になったのです。 23 こんな恐ろしい運命に見舞われたそもそもの原因は、あなたがたが香をたき、主に罪を犯し、主に従うことをやめたことにあります。」

24 さらにエレミヤは、女たちも含め、全員に言いました。「エジプトに住むすべてのユダヤ人は、主のおことばを聞きなさい。 25 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう語ります。『おまえたちも妻も、「天の女王」にいけにえをささげることは絶対にやめないと言った。しかも、そのことを態度で証明してきた。それなら、「天の女王」に誓ったことを果たすがいい。 26 だが、エジプトに住むすべてのユダヤ人よ。わたしの言うことをよく聞きなさい。これからは、「神よ、どうか助けてください」と言って、わたしの助けと祝福を求めても無駄だ。 27 わたしはおまえたちに目を留めるが、祝福のためではない。災いが直接襲うようにするためだ。だから、おまえたちは戦争とききんで倒れ、ついには死に絶える。 28 ユダに帰るほんのひと握りの者だけは、わたしの憤りに会わない。だが帰国を拒んで、エジプトに居すわる者はみな、ほんとうのことを言っているのがわたしであるか、それとも彼らであるかを、いやというほど思い知る。 29 わたしが前々から警告していたことはみな実現し、わたしはこの地でおまえたちを罰する。これが、わたしのことばが正しいという証拠だ。 30 わたしは、ユダ王国のゼデキヤ王をバビロンのネブカデネザル王に渡したように、エジプトのホフラ王を、彼のいのちをねらう者の手に渡す。』」

バルクへのメッセージ

45 ヨシヤの子エホヤキム王が即位して四年目に、バルクはエレミヤが語る神のことばをそのまま書きつけました。そののち、エレミヤは彼に言いました。

「バルクよ。イスラエルの神が、あなたにこう言います。 『おまえはこう言った。「私は実にみじめな人間だ。もう十分に苦しんできたのに、神は、なおも苦しみを加えた。出るのはため息ばかりで、ゆっくり休むことさえできない。」 こう言うバルクに、次のように答えてやりなさい。わたしは、わたしの建てたこの国を壊し、わたしの築いたものを引き抜く。 おまえは、自分のために特別なことを求めてはならない。わたしはこの民に大きな災いを下すが、おまえのことは、報いとして、どこへ行っても守ることにしている。』」

エジプトについてのメッセージ

46 ほかの国々についてエレミヤが聞いた神のことばを、次に書き留めておきます。

エジプト人について――

ユダ王国のヨシヤの子エホヤキム王が即位して四年目に、エジプトのネコ王の率いる軍隊が、ユーフラテス川沿岸のカルケミシュで、バビロンのネブカデネザル王に敗れた時、エジプトについて次のことばがありました。

「エジプト人はよろいに身を固め、戦いに出て行け。
馬に鞍をつけ、いつでも乗れるようにしておくのだ。
かぶとをかぶり、槍の穂先をみがき、よろいを着よ。
だがどうしたわけか、
エジプトの軍勢は恐れに取りつかれて逃げて行く。
人一倍の武勇を誇る兵士さえ、
うしろを振り向きもせず、一目散に逃げる。
恐れが四方八方から彼らを取り囲む。
どんなに足の速い者も、どんな勇士も、
逃げることはできない。
北のユーフラテス川のほとりで、
彼らはつまずき倒れる。
洪水の時期のナイル川のようにわき上がり、
各地にあふれていくこの強大な軍隊は、
どこの国のものか。
それは、すべての国々を洪水のように覆い、
すべての敵を破るとうそぶく、エジプトの軍隊だ。
馬と戦車、それに無敵を誇るエジプト兵たちよ、
さあ、来なさい。
盾を取り、弓を引きしぼるエチオピヤ、
プテ、ルデの人たちも来るがいい。
10 今日こそ、天の軍勢の主の日、
わたしが敵に復讐する日だ。
剣は、おまえたちの血に飽き、酔うまで働く。
今日、天の軍勢の主であるわたしに、
北の地ユーフラテス川のほとりで、
いけにえがささげられるからだ。
11 エジプトの娘よ、薬を探しにギルアデに上れ。
だが、それでも、おまえの傷は治らない。
どんなに薬を使っても、元の健康は取り戻せない。
12 国々はおまえの恥を聞いた。
地はおまえの絶望と敗北の叫び声で満ちる。
おまえの勇士たちは鉢合わせして、共に倒れる。」

13 次に神は、バビロンのネブカデネザル王が

エジプトを攻撃することについて、こう語りました。

14 「エジプトで、バビロン軍の来襲を大声で伝えよ。
ミグドル、メンピス、タフパヌヘスの町の人々に
言い広めよ。
滅びの剣が周囲を食い尽くすから、
兵士を集めて戦いの準備をせよ。
15 なぜ、おまえたちの雄牛の神アピスは、
真っ青になって逃げたのか。
主が敵の前で、彼を打ちのめしたからだ。
16 数えきれないほどの人が倒れ、死人の山ができる。
その時、ユダヤ人の残った者は言う。
『さあ、生まれ故郷のユダへ帰ろう。
こんな恐ろしい虐殺の現場から遠ざかろう。』
17 エジプトの王ホフラの名を、
『力はないが、実に騒がしい男』と変える。」
18 天の軍勢の主である王は、こう言います。
「タボル山か海に突き出たカルメル山のように
背の高い者が、エジプトに襲いかかる。
19 エジプトの住民は、荷物をまとめ、
捕虜となって連れて行かれるしたくをせよ。
メンピスの町は根こそぎにされ、
一人も生き残らないからだ。
20-21 エジプトは若い雌牛のように肌がつややかだ。
だが、北からあぶが飛んで来て彼女を追い回す。
名高い傭兵たちも、
おびえきった子牛のようになり、向きを変えて逃げる。
徹底的な罰がエジプトに下り、
大災害の見舞う時がきたからだ。
22-23 エジプトは、蛇が身をくねらせて姿を消すように、
音もなく逃げる。
代わりに侵略軍が入って来て、
数えきれないほどの兵士が、
森の木立を切り払うきこりのように、
人々をなで切りにする。
24 この北から来た民の前では、
エジプトは少女のように無力だ。」

25 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。「わたしはテーベの神アモン、その他のエジプトの神々を罰する。また、エジプト王と、王を頼りとするすべての者を罰する。 26 彼らを、彼らを殺すことを生きがいとするバビロンのネブカデネザル王と、その軍隊の手に渡す。しかし後に、エジプトは戦争の荒廃から立ち直る。

27 祖国に帰るわたしの民よ、

怖がったり、うろたえたりしてはならない。
わたしは遠くにいるおまえたちを救い、
おまえたちの子孫を遠くの国から連れ戻すからだ。
イスラエルは帰って来て平穏無事に住み、
何ものにもおびえない。
28 わたしのしもべヤコブよ、恐れるな。
わたしがついている。
わたしは、おまえの寄留していたすべての国々を
滅ぼすが、おまえには手をかけない。
懲らしめはするが、
それはおまえを正しい者とするためだ。

ペリシテ人についてのメッセージ

ペリシテ人について――

47 ガザがエジプト軍に占領される前に、この町のペリシテ人について神がエレミヤに語ったことばは、次のとおりです。

主はこう言います。

「北から洪水が押し寄せて、
ペリシテ人の地にあふれようとしている。
それは、町々とその中にあるものを何もかも破壊する。
強い男たちでも恐れて悲鳴を上げ、
国中の民が泣きわめく。
遠くから聞こえるひづめの音と、
地響きを立てる戦車の車輪の音を聞きなさい。
父親は、泣き叫ぶわが子には目もくれず、
一目散に逃げる。
すべてのペリシテ人と、ツロおよびシドンの同盟軍の
滅ぼされる時が、ついにきたのだ。
主が、カフトル(クレテ島周辺)からの開拓者である
ペリシテ人を滅ぼすのだ。
ガザとアシュケロンの町は、
跡をとどめないまでに破壊され、廃墟となる。
アナク人の子孫は、
どれほど嘆き悲しまなければならないことか。」
主の剣は、いつになったら休むつもりでしょう。
さやに収まって、静かに休みなさい。
しかし、いったん主が使命を与えたからには、
じっとしていることはできません。
アシュケロンの町と、海岸沿いの住民は、
どうしても滅ぼされなければならないのです。

モアブについてのメッセージ

モアブ人について――

Japanese Living Bible (JLB)

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