Bible in 90 Days
主のしもべの苦難と栄光
13 「見よ。わたしのしもべ(メシアである主イエス)は
繁栄し、高く上げられる。
14-15 ところが、彼を見て多くの人が驚く。
遠い外国から来た者や王は、その前に出ると、
ことばもなく黙り込む。
今まで一度も見たことのないものを見、
一度も聞いたことのないことを聞くからだ。
彼らは、打ちたたかれて血まみれになり、
人とは思えないほどくずれた顔だちの、
わたしのしもべを見る。
だが彼は、多くの人の罪をきよめるのだ。」
53 しかし、それを信じる人は
なんと少ないことでしょう。
だれが、耳をすまして聞くでしょう。
神はだれに、救いの力を示すのでしょう。
2 主の目には、彼は不毛の地に芽を吹いた
柔らかな新芽のようで、
私たちの目には、
心引かれるものは何一つなく、
慕うようなものもありません。
3 私たちは彼をさげすみ、受け入れませんでした。
彼は悲しみの人で、
苦しみをなめ尽くした人でした。
私たちは彼に背を向け、
そばを通っても顔をそらしました。
彼が侮られても、そ知らぬふりをしていました。
4 しかし、彼は私たちの悲しみを負い、
私たちの嘆きをにないました。
私たちは、彼がそんなに苦しむのは、罪を犯して
神に罰せられているからだと思いました。
5 しかし、私たちの罪のために傷つき、
血を流したのです。
彼は私たちに平安を与えようとして、
進んで懲らしめを受けました。
彼がむち打たれたので、私たちはいやされました。
6 私たちは神の道を離れ、
羊のようにさまよい出て、
自分勝手な道を歩いてきました。
しかし神は、私たち一人一人の罪を
彼に負わせたのです。
7 彼は痛めつけられ、苦しみ悩みました。
それでも、ひと言も語りませんでした。
子羊のようにおとなしくほふり場へ引いて行かれ、
毛を刈り取られる羊のように、
非難を浴びせる者たちの前に黙って立ちました。
8 人々は彼を裁判にかけ、刑場へ引き立てました。
はたして、彼が死ぬのは自分たちの罪のためであり、
身代わりに罰を受けて苦しんでいることを
知っていた者が、その時代にいたでしょうか。
9 彼は罪人扱いを受け、富む者の墓に葬られました。
悪いことをしたわけでもなく、
悪いことばを口にしたわけでもありません。
10 彼を傷つけ、悲しみで満たすのは、
主の計画だったのです。
罪の赦しのためのささげ物として、
そのたましいをささげるとき、
彼は多くの子孫を見ることができます。
彼は復活し、
神の計画は彼の手によって成し遂げられます。
11 彼は、自分のたましいが苦しみもだえた末、
神のみわざが実現するのを見て、満足します。
「わたしの正しいしもべは、
このような苦しみを経験して、
多くの人を神の前に義とする。
彼が人々の罪をすべてになうからだ。
12 それゆえ、わたしは 彼に、
偉大な勝利者としての栄誉を与える。
彼は進んでいのちをささげたのだ。
彼は罪人の一人に数えられ、多くの人の罪を負い、
罪人のために神にとりなしをした。」
エルサレムの将来の栄光
54 「子どものない女よ、歌え。
エルサレムよ、大声を張り上げ、喜びの歌を歌え。
今や、捨てられた女のほうが、
夫のある女より、祝福されているからだ。
2 住まいを広げ、部屋を造れ。
3 以前の着物は小さくなり、今にもはち切れそうだ。
あなたの子孫は、外国の捕虜になっていた間
荒れはてていた町々を取り戻し、
祖国を占領していた国々を支配するようになる。
4 恐れてはいけない。
あなたは二度と辱めを受けない。
若いころの恥も、やもめの時代の悲哀も、
永久に思い出さない。
5 あなたを造った者が夫になるからだ。
その名は全能の主。あなたを救い出す者、
イスラエルの聖なる神、全地の神である。
6 わたしは、夫に捨てられて悲しむ
若妻のようなあなたを呼んだ。
7 ほんの少しの間あなたを見捨てたが、
今はあわれんで、あなたを取り戻す。
8 しばらくの間、怒って顔をそむけたが、
今は永遠の愛をもって愛する」
と、あなたを救い出す主は約束します。
9 「わたしはノアの時代に、
いのちあるものを再び洪水で滅ぼさないと誓った。
同じように今は、
あなたを外国の捕虜にした時のように
もう怒りをぶつけないと誓う。
10 山々が動いて場所を変え、丘が消えてなくなっても、
わたしの愛はあなたから離れない。
平安を与えるという約束を、
どんなことがあっても破らない。」
あなたをあわれむ主は告げます。
11 「嵐にもてあそばれ、苦しみ悩んできた
わたしの民よ。
わたしはあなたをサファイヤの土台の上に建て替え、
回りの壁を宝石で造る。
12 光るルビーで塔を建て、
まぶしく輝く宝石で門と城壁を造る。
13 あなたの町に住む者はみな、
わたしの教えを受け、めざましい繁栄を遂げる。
14 正しく公正な政治が行われ、
敵に侵略される心配もなく、
平和な生活を楽しむようになる。
恐ろしいことは起こらない。
15 たとえ戦いをしかける国があっても、
あなたを罰するために、
わたしがそうさせるのではない。
わたしはあなたの味方だから、
相手はあなたによって倒される。
16 炉の火を吹き起こして武器を作る者は、
わたしが造った。破壊する軍隊も、わたしが造った。
17 しかし、やがて来る日には、
あなたに向けられるどんな武器も役に立たなくなり、
法廷でどんなに偽証がなされようと、
あなたは正しいと認められるようになる。
これが、主のしもべの特権であり、
わたしからの祝福だ。」
こう主は語ります。
渇いている者への招き
55 「渇いている人がいるなら、金を持っていなくても、
自由に飲みに来なさい。
最上のぶどう酒とミルクと穀物を
無料で持って行きなさい。
2 どうして、少しも力のつかないもののために
金を無駄遣いするのか。
少しも腹の足しにならない食べ物のために
金を払うのか。わたしの言うことを聞きなさい。
そうすれば、たましいを元気にする
栄養価の高い食べ物をどこで手に入れるか、教えよう。
3 わたしのところへ来て、耳を傾けてよく聞くのだ。
あなたがたは立つか倒れるかの瀬戸際なのだ。
わたしはあなたがたと永遠の契約を結び、
ダビデ王を愛したように、
今も変わらず、あなたがたを愛したい。
4 彼は回りの国々を倒し、わたしの力を証明した。
5 あなたもまた国々に命令するだけで、
彼らは走って来て仕える。
それは、あなたの力や功績によるのではない。
あなたの神であるこのわたしが、
あなたを輝かせた結果である。
6 見いだすことのできる間に主を探し求めなさい。
近くにいる間に主を呼び求めなさい。
7 悪事を捨て、悪いことをしようとする思いを、
きっぱりと捨てなさい。
主に立ち返るなら、
主はあなたをあわれんでくださいます。
私たちの神に帰りなさい。
神は赦してくださいます。
8 「わたしの計画はあなたがたの考える計画とは違い、
わたしの思いはあなたがたの思いと同じではない。
9 天が地より高いように、
わたしの道はあなたがたの道より高く、
わたしの思いはあなたがたの思いより高い。
10 雨や雪は天から降って来て地をうるおし、
穀物を成長させ、
農夫には種を、空腹な人にはパンを与える。
11 わたしのことばも同じだ。
送り出せば必ず実を結ぶ。
わたしの望みどおりのことをし、
送られた先々で大きな影響を及ぼす。
12 あなたは喜びと平安に包まれて生活し、
山も丘も野の木々も、周囲のものはみな喜ぶ。
13 いばらの生えていた所には、糸杉が茂り、
いらくさが生えていた所には、
ミルトスの木が芽を出す。
この奇跡はわたしの名を偉大にし、
わたしの力と愛を示す永遠のしるしとなる。」
人々の救い
56 神である主はこう命じます。
「正義を守り、すべての人に公正であれ。
正しいことを行いなさい。
もうすぐ、あなたを救い出しに行くからだ。
2 わたしの安息日には仕事をせず、
この日を守る人は幸いだ。
きびしく自戒して、
悪いことをしない人は幸いだ。
3 わたしの祝福は、主を信じる外国人にも及ぶ。
彼らに、『主は私たちを劣った者とする』
と考えさせてはならない。
宦官(宮廷につかえる去勢男子)の場合も同じだ。
ほかの人同様、彼らも完全にわたしのものとなれる。
4 安息日をきよい心で守り、わたしの喜ぶことを進んで行い、わたしの教えを守る宦官に、こう約束する。 5 わたしの家とわたしの城壁のうちで、息子や娘を持つことにまさる名を彼らに与える。わたしが与える名はいつまでも価値のあるもので、決してすたれることはない。 6 また、神の民の仲間入りをしてわたしに仕え、わたしの名を愛し、わたしのしもべとなって安息日をきよく守り、わたしの契約を受け入れた外国人には、次のように約束する。 7 わたしは彼らをエルサレムにあるわたしの聖なる山へ連れて行き、わたしの祈りの家で喜ばせる。わたしは彼らのいけにえや供え物を受け入れる。わたしの神殿は『すべての民の祈りの家』と呼ばれるからだ。」 8 追放されたイスラエルの民を呼び戻す主は、その民イスラエル以外の者たちも集めると告げます。
邪悪な者に対する神の叱責
9 「野の獣よ、来て羊を裂き殺せ。
森の獣よ、来て、わたしの民の骨まで食らえ。
10 わたしの立てた見張りであり羊飼いである
イスラエルの指導者は、みな目が見えないので、
危険に気づかない。
みな愚かで、危険が近づいても警告しない。
寝ころんで夢を見るのが大好きだ。
11 彼らは貪欲な犬で、満足することを知らない。
自分の利益だけを追い求める愚かな羊飼いで、
めぼしいところから、
できるだけ多くもうけてやろうと目を光らせている。
12 彼らはこう言った。
『さあ、酒を手に入れ、宴会を開こう。
みんなで酔っ払うのだ。
これこそ生きがいというものだ。
さあ、浴びるほど飲もう。
明日は今日よりもっとすばらしいことが
あるかもしれない。』」
57 正しい人が滅び、神を敬う人が道半ばで死んでも、
誰ひとり深刻に考えず、不思議にも思いません。
神がそのような人を、災いが来る前に取り去ったことに
気づく者は一人もいません。
2 神を敬う人は、死んで、
平和そのものの安息に入ります。
3 「だがおまえたち、女占い師の子、
姦夫と娼婦の子孫よ、ここに来るがよい。
4 おまえたちは、だれをからかい、
大きな顔をして舌を出すのか。
罪人とうそつきの子よ。
5 おまえたちは木の陰で熱心に偶像を拝み、
谷や岩の間で子どもをいけにえにする。
6 おまえたちの神々は、
谷川に転がっているなめらかな石ではないか。
おまえたちはそれを拝み、
わたしとは似ても似つかぬその神々を、
相続財産としている。
そんなことをして、わたしが喜ぶと思うのか。
7-8 おまえたちは山の上で偶像を拝み、
わたしを捨てて姦淫の罪を犯した。
とびらを閉めて偶像を据え、それらを拝んだ。
わたしの代わりに偶像を愛することは姦淫である。
9 おまえたちは、かぐわしい香と香水を
モレクへの供え物にした。
遠い道をいとわず、地獄にまでも行って、
愛を注ぐ新しい神々を見つけようと必死になった。
10 長い旅に疲れても決してあきらめず、
気持ちを強く持ちながら旅を続けた。
11 どうして、わたしよりも他の神々を恐れるのか。
わたしのことなど心になかったのは、どういうわけか。
わたしがあまりにも優しすぎたので、
恐れることはないと考えるようになったのか。
12 さらに、おまえたちの正しさと良い行い、
そんなものは、おまえたちを救えない。
13 集めた偶像が、はたして、いざというときに
救ってくれるかどうか試してみるがいい。
それらの偶像は、吹けば飛ぶように
頼りにならない代物だ。
一息で吹き飛んで行く。
しかし、わたしに信頼する者はこの地を得、
わたしの聖なる山を受け継ぐ。
悔い改めた者への慰め
14 さあ、道を造れ。石や岩を取り除け。
捕らわれていたわたしの民の帰国に備えて、
すばらしい道を整えるのだ。」
15 永遠を住まいとする
高く上げられた聖なるお方が語ります。
「わたしは高くて聖なる所に住んでいるが、
そこには、心のへりくだった謙遜な人が住む。
わたしは謙遜な人を生き返らせ、
悔い改めた人に新たな勇気を起こさせる。
16 いつまでもあなたと戦い、
怒りをぶつけるわけではない。
そんなことをしていたら、
わたしが造った全人類は死に絶えてしまう。
17 わたしは怒って、貪欲な者たちを打った。
ところが、彼らは性懲りもなく罪を犯し続け、
思いのままに悪の限りを尽くした。
18 彼らのしわざはこの目で見た。
しかし今は、ともかく彼らをいやそう。
彼らを導き、慰め、
罪を嘆いて告白するように導こう。
19 近くにいる者にも遠くにいる者にも、
平安があるように。わたしは彼らをいやす。
20 それでもなお逆らう者は、
少しも静まることのない海のようだ。
片時も休まず泥を吐き出している。
21 そのような者に平安はない。」
こう神は語ります。
ほんとうの断食
58 「ラッパのような大声で叫べ。
わたしの民に、彼らの罪が何であるかを知らせよ。
2 彼らはいかにも神を敬うかのように振る舞っている。
毎日神殿へ来て、律法の朗読を聞いて喜ぶ。
彼らはそれに従うことを望み、
神の戒めを軽んじることなど考えられない、
といったふうに見える。
見た目には、正しく礼拝することを心から願い、
神殿での奉仕をことのほか愛しているようだ。
3 彼らは不満げに言う。
『あなたの前で断食したのに、
なぜ心に留めてくださらないのですか。
なぜ、私たちのいけにえをごらんにならないのですか。
どうして、私たちの祈りを
聞いてくださらないのですか。
たくさんの罪滅ぼしをしたのに、
目も向けてくださいませんでした。』
その理由を説明しよう。
おまえたちは断食の最中にも悪い楽しみにふけり、
雇った労働者を虐げている。
4 考えてもみなさい。仲間割れしながら断食して、
いったいどんな益があるというのか。
そんな断食をしても、
わたしとの関係は少しも良くなるはずがない。
5 そんな罪滅ぼしが何だ。
風に揺られる葦のように頭を下げたり、
荒布をまとって灰をかぶったりすることを、
はたしてわたしが望んでいるだろうか。
6 わたしの喜ぶ断食とは、労働者を虐げるのをやめ、
公平な扱いをし、
彼らに正当な支払いをすることではないか。
7 空腹の者には食べ物を分け与え、
身寄りのない者、暮らしに困っている者を
家に迎えること、それがおまえに望むことだ。
寒さに震えている者には着物を着せ、
親族が助けを求めるなら助けを惜しまないことだ。」
8 このようにすれば、
神はあなたに輝かしい光を注ぎ、
あなたはいやされ、
神への思いが、あなたを導きます。
あなたの善良さがあなたの前を守る盾となり、
主の栄光があなたをうしろから支えます。
9 あなたが呼べば、「わたしはここにいる」と、
主はすぐに答えます。
あなたのすべきことは、
弱い者を虐げることをやめ、
偽りの告発をしたり悪質なうわさを流したりするのを
やめることです。
10 飢えた者に食べさせ、困っている者を助けなさい。
そうすれば、あなたの光は暗闇の中から輝き渡り、
あなたを取り囲む暗闇は真昼のように明るくなります。
11 主は片時も休むことなくあなたを導き、
ありとあらゆるすばらしいもので満足させ、
いつも元気で満たしてくださいます。
あなたは、よくうるおった庭園のようになり、
豊かに水がわく泉のようになります。
12 息子たちは、長い間人の住んでいなかった
町々の廃墟を建て直し、
「城壁と町を造り直す恩人」と呼ばれます。
13 「安息日をきよい心で守り、その日には
仕事や趣味に熱中したりせず、喜んで一日を過ごし、
主の聖なる日だと喜びをこめて言い、
自分のしたいことをせずに無駄口を慎み、
わたしをあがめるなら、
14 わたしはあなたの喜びとなる。
わたしは、あなたに高い所を駆け巡らせ、
あなたの父ヤコブに約束しておいた祝福を
あますところなく受け継がせる。」
主は、このように語りました。
罪、告白、救い
59 さあ、耳をすまして聞きなさい。
主があなたがたを救わないのは、
力がないからではありません。
耳が聞こえなくなったのでもありません。
あなたがたの声は間違いなく主の耳に届きます。
2 問題はあなたがたの罪です。
罪があなたがたと神との断絶のもとなのです。
罪のために、神は顔をそむけ、
いっこうに聞こうとされません。
3 あなたがたの手は血に染まり、
あなたがたの指は罪に汚れています。
あなたがたはうそをつき、不平を言い、
正しいことに盾を突きます。
4 公正で、人に偏見をもつまいと心がける者は、
一人もいません。
訴えはうそで固められています。
あなたがたは悪事を企んで、
それを行うことに力を入れます。
5 恐ろしい結果を招く計画を練ることに
時間をかけます。
6 手当たりしだい人をだまし、不当に扱います。
やることなすこと罪にまみれ、
暴虐があなたがたのしるしです。
7 足は悪を求めて走り、
人殺しとなると全速力で走ります。
頭には罪を犯すことしかなく、
どこへ行っても悲惨と死の足跡を残します。
8 平和がどんなものか、正義や善意がどんなものか
知りません。
いつでも、どんな所でも悪いことをするので、
あなたがたに従う者たちも、平和の味を知りません。
9 こんな悪に染まっているからこそ、
あなたがたは神の祝福を見いだせないのです。
だからこそ、あなたがたに危害を加える者を、
神は罰しないのです。
光を望みながら暗闇に閉ざされているのも、
むりはありません。
暗がりの中を歩いて当然です。
10 盲人のように手探りで歩き、
真昼なのに真夜中のようにつまずいても、
不思議ではありません。
元気な若者と比べたら、
死人同然に見えるのも、もっともです。
11 あなたがたは飢えた熊のようにほえ、
鳩のように、いかにも悲しそうなうめき声を上げます。
神を見上げますが、神は守ってくれません。
横を向いてしまったのです。
12 正しい神の前に、あなたがたの罪が積み上げられ、
それが、あなたがたに不利な証言をするからです。
私たちは、自分がどんなにひどい罪人であるかを
知っています。
13 自分の不従順さを知っています。
私たちは、神である主を否みました。
自分がひどい反逆者であり、
どんなに誠実さに欠けているかを知っています。
それというのも、私たちはどううそをつこうかと、
入念に考えているからです。
14 法廷では正しい人を不利にし、
公正な精神など、かけらもありません。
真実は路上で行き倒れになり、
正義は追放されています。
15 真実は行方不明になり、
まじめな生活をしようと心がける者は、
すぐさま攻撃の的になります。
主はこのような悪を見、
何の手も打たれていないのを不快に思いました。
16 また、誰ひとりあなたがたを助ける者がなく、
誰ひとりも介入しないのを不思議に思いました。
そこで、ご自分の大能の力と正義をもって
あなたがたを救い出そうと、
介入してきたのです。
17 神は正義のよろいをまとい、救いのかぶとをかぶり、
復讐と激しい怒りの衣を身に覆いました。
18 敵国の悪事に報い、
遠くの国々に対しても怒りに燃えて報復するのです。
19 そしてついに、人々は西から東に至るまで、
神の御名を敬い、あがめるようになります。
御口の息に押し流されるように、
神はやって来ます。
20 罪に背を向けたシオン(エルサレム)の
住民のもとに、救い主としてやって来るのです。
21 主はこう告げます。
「これが彼らへの約束だ。
わたしの霊は決して彼らから離れない。
彼らは正しいことを望み、悪を憎むようになる。
彼らだけでなく、子々孫々、永遠にそのようになる。」
エルサレムの栄光
60 「わたしの民よ、起き上がれ。
神の栄光があなたから輝き始めた。
すべての民に見えるように、
その光を輝かせるのだ。
2 夜のような暗闇が地上に住む者全部を覆うが、
主の栄光があなたから輝き出る。
3 国々の民は、あなたの光を慕って来る。
力ある王たちは、
その上に輝く主の栄光を見るために来る。
4 目を上げて回りを見よ。
息子や娘が遠い国から帰って来るからだ。
5 世界中の商人が
多くの国々の財宝を運んで来るので、
あなたの目は喜びに輝き、心は躍る。
6 らくだの大群が押し寄せる。
ミデヤンとシェバとエファからも、
ひとこぶらくだが黄金と乳香を携えて来て、
共に神をほめたたえる。
7 ケダルの羊の群れはあなたのものとなり、
ネバヨテの雄羊はわたしの祭壇にささげられる。
こうして、わたしはその日、栄光に輝くわたしの神殿を
ひときわすばらしいものとする。
8 雲のようにイスラエルへ飛び帰り、
鳩のように巣へ舞い戻るのはだれか。
9 わたしは多くの国々の船を取っておいた。
それも最良の船を。
イスラエルの子らを遠い所から連れ帰り、
いっしょに財産も運んで来るためだ。
それは、世界中に知れ渡った
イスラエルの聖なる神が、すべての人の見ている前で、
あなたを光り輝く者としたからだ。
10 外国人も来て、あなたの町々を建てる。
その王たちも、こぞってあなたに仕える。
わたしは怒ってあなたを打ったが、
恵みをもってあなたにあわれみをかける。
11 あなたの城門は常に開かれていて、
多くの国々からの富を受け入れる。
世界中の王があなたに仕える。
12 同盟を結ぼうとしない国々は滅び、
二度と立てなくなるからだ。
13 レバノンの栄光である糸杉、プラタナス、
松などの森はあなたのものとなり、
わたしの聖所を美しくするのに役立つ。
こうして、わたしの神殿は
神々しい光を放つようになる。
14 セム族(ノアの長男セムを祖とする種族。ユダヤ人の別称)を
敵視する者たちの子孫が来て、
あなたに深々と頭を下げ、
その足に口づけする。
彼らはエルサレムを、『主の都』、
『イスラエルの聖なる神の栄光に輝く山』と呼ぶ。
15 あなたはすべての人に軽蔑され、憎まれ、
のけ者にされていたが、これからは永遠の誉れ、
代々にわたるすべての人の喜びとなる。
わたしが、そうするからだ。
16 力ある王や強国が、
競ってあなたの必要にこたえようと、
最上の物資を持って来る。
あなたはその時、
主であるこのわたしがあなたの救い主であり、
イスラエルの全能の神であることがわかる。
17 わたしは、青銅を金と、鉄を銀と、
材木を青銅と、石を鉄と交換する。
平和と正義があなたの監督者となる。
18 暴虐は姿を消し、あらゆる戦争は終わりを告げる。
あなたの城壁は救いとなり、
あなたの門は賛美となる。
19 もはや太陽や月の光はいらない。
あなたの神であるわたしが、
あなたの永遠の光、あなたの栄光となるからだ。
20 あなたの太陽は永久に沈まず、その月は欠けない。
わたしが永遠の光となり、
悲しみの日は終わるからだ。
21 民は一人の例外もなく正しい人となり、
いつまでもその他を継ぐ。
わたしが自分の手で彼らをそこに植えるからだ。
これは、わたしの栄光を現す。
22 最小の家族が大氏族となり、
弱小の群れが強大な国家となる。
時がきたら、主であるわたしは、
これらのことをみな実現する。
主の祝福の年
61 神である主の霊が私の上にあります。
苦しんでいる人や悩んでいる人にすばらしい知らせを
伝えるために、主は私に油を注ぎました。
心の傷ついた人を慰め、捕虜になった人に自由を、
捕らわれていた人に釈放を告げるために、
神は私を送りました。
2 嘆き悲しんでいる人に、
神の恵みの時と敵が滅びる日のきたことを
知らせるために、神は私を送りました。
3 嘆き悲しむすべてのイスラエル人に、
神は与えます。
灰の代わりに美しさを。悲しみの代わりに喜びを。
重い心の代わりに賛美を。
神はご自分の栄光のために、
優雅で強い樫の木のように彼らを植えたのです。
4 彼らは廃墟を建て直し、
はるか昔に壊された町々に手を加え、
長い間荒れはてていた所を、
にぎやかな町に戻します。
5 外国人は使用人となって家畜の群れを飼い、
畑を耕し、ぶどう園の番人となります。
6 あなたがたは、主の祭司、
神に仕える者と呼ばれるようになります。
あなたがたは国々の富で肥え太り、
その財宝を誇りにします。
7 恥と不名誉に代わって、二倍の繁栄にあずかり、
永遠の喜びにひたるのです。
8 「主であるわたしは、正義を愛し、不正と盗みを憎む。
わたしは、苦しんだわたしの民に報い、
彼らと永遠の契約を結ぶ。
9 彼らの子孫は国々の間に知れ渡り、尊敬される。
すべての者が、彼らは神に祝福された民だと認める。」
10 神が私をどんなに幸福にしてくださったか、
お話ししましょう。
神は私に救いの衣を着せ、
正義の外套をかけてくださいました。
私はまるで、婚礼の服をまとった花婿、
宝石で身を飾った花嫁のようです。
11 主は諸国に、
ご自分の正義を示します。
こうして、すべての人が神をたたえるのです。
神の正義は芽を吹いた木々、
ここかしこに青い芽が出た
早春の庭園のようです。
エルサレムの新しい名
62 私はシオンを愛し、エルサレムを心から慕っています。
だからこそ、エルサレムが正義をまとって
まぶしく輝き、救いによって栄光を放つまでは、
この都のために祈るのをやめたり、
神に叫ぶのをやめたりしません。
2 やがて国々はあなたの正義に気がつき、
王たちはあなたの栄光に目がくらむようになります。
あなたは神から、新しい名を頂きます。
3 神はあなたを御手の中に抱きしめ、
すべての者に見えるように高く上げます。
あなたは、王の王である方の、
光り輝く冠となるのです。
4 もう二度と、「神に見捨てられた地」とか
「神が忘れてしまった地」とか呼ばれません。
新しい名は「神が喜ぶ地」また「花嫁」です。
主があなたを喜び、ご自分のものにするからです。
5 エルサレムよ、あなたの子らは、
おとめをめとる若者のような喜びをもって、
あなたを世話します。
神は、花婿が花嫁を喜ぶように、
あなたを喜びます。
6-7 エルサレムよ、私は城壁の上に見張りを置きました。
その人が昼となく夜となく、
約束の成就を神に祈り求めるためです。
祈る人たちよ、少しでも手を抜いてはいけません。
神がエルサレムをしっかり建て上げ、
全地の人の尊敬と称賛の的とされるまでは、
神の手を休ませてはいけません。
8 主はエルサレムに、心をこめて誓いました。
「再びあなたを敵の手に渡さない。
再び外国の兵士に穀物とぶどう酒を
横取りさせない。
9 自分で栽培したものは自分の口に入れ、
わたしをたたえるようになる。
神殿の内庭で、手づくりのぶどう酒を飲む。
10 さあ、行って、
わたしの民が帰って来るための道を整えよ。
土を盛り、石を除き、イスラエルの旗を高く掲げよ。」
11 見なさい。
主はあらゆる国に使者を送って、こう言わせました。
「わたしの民に、神である主が、
たくさんの贈り物を持って
あなたを救いに行く。」
12 彼らは「聖なる国民」「主に買い取られた者」
と呼ばれ、
エルサレムは「慕わしい地」「神が祝福した都」
と呼ばれるようになります。
神の復讐と救いの日
63 エドムから来る、あの人はだれですか。
目にも鮮やかな深紅の衣を着て、
ボツラの町から来る、あの人はだれですか。
王の衣をまとい、威風堂々とやって来る、
あの人はだれですか。
「それは、あなたに救いを告げ知らせる主だ。
大きな力をもって救う主だ。」
2 「どうしてお着物が、
ぶどうを踏みしぼったときのように真っ赤なのですか。」
3 「わたしは、ひとりで酒ぶねを踏んだ。
手伝ってくれる者は一人もいなかった。
わたしは激しく怒り、
敵をぶどうのように踏みつぶした。
真っ赤になって怒り、敵を踏みにじった。
着物に染みついているのは、彼らの血だ。
4 わたしの民のかたきを討ち、
虐げる者の手から救い出す時がついに来たのだ。
5 わたしは辺りを見回したが、
彼らに手を貸す者は一人もいなかった。
わたしはあきれ返り、身のすくむ思いをした。
だから、だれの手も借りず、ひとりで復讐したのだ。
6 わたしが怒って国々を踏みつけたので、
彼らはよろめき、倒れた。」
賛美と祈り
7 私は神の恵みを人々に知らせます。
そのなさったすべてのことのゆえに神をたたえます。
私はまた、イスラエルに示された
神の深いあわれみを喜びます。
神は愛によって、あわれみを示したのです。
8 「彼らはわたしのものだ。
彼らはもう二度と道を誤らない」
と、神は言いました。
こうして神は、彼らの救い主となったのです。
9 彼らが苦しむとき、神はいつもいっしょに苦しみ、
彼らを救い出しました。
神は、ご自分の愛によって彼らを買い戻し、
彼らを高く掲げ、これまでずっと彼らを導きました。
10 ところが、彼らは神に反抗し、
神の御霊を悲しませたのです。
それで神は、彼らの敵となり、彼らと戦ったのです。
11 その時、彼らは神のしもべモーセが
イスラエルをエジプトから連れ出した時のことを
思い出し、叫びました。
「モーセを羊飼いに立てて、イスラエルの民を導き、
海を通らせた方は、どこにいますか。
ご自分の国の中に御霊を送られた神は、
どこにいますか。
12 モーセが手をあげた時、
人々の見ている前で海を二つに分け、
ご自分の評判を永遠のものとした方は、
どこにいますか。
13 人々に海の底を通らせたのは、どなたですか。
彼らは荒野を駆け巡る優秀な馬のように、
少しもつまずきませんでした。
14 谷間で草を食べる家畜のように、
主の御霊は彼らに休息を与えました。」
こうして神は自ら、ご自分の名声を
不動のものとしたのです。
15 ああ主よ、どうか天から見下ろして、
栄光に輝く聖なるお住まいから、
私たちに目を留めてください。
いつも示してくださった愛は、
どこへ行ったのですか。
神の力、あわれみ、同情は、
いったいどこにあるのですか。
16 神が今でも私たちの父であることに、
変わりはありません。
たとえ、アブラハムとヤコブが私たちを見捨てても、
神は私たちの父であり、大昔からの救い主です。
17 主よ、なぜ私たちを頑固にし、
罪を犯して神に背くようにされたのですか。
どうか、戻って来て、私たちを助けてください。
私たちは神のもの、どうしても神が必要です。
18 エルサレムが私たちのものであった期間は、
なんと短かったことでしょう。
敵はこの都を破壊しました。
19 ああ神よ、どうして私たちを、
主の名で呼ばれたことのない外国人のように
取り扱われるのですか。
64 ああ、神が天を引き裂いて地上に降りてきますように。
山々は御前で、どれほど揺れ動くことでしょう。
2 すべてのものを焼き尽くす栄光の火は、
森林を灰にし、海を干上がらせるでしょう。
国々は御前で震えるでしょう。
その時になって、敵どもは、
神の御名が響き渡っている理由を知ります。
3 神は私たちが夢にも考えていなかったような
恐ろしいことをするので、
神が来る時、山々は打ち震えるでしょう。
4 世界が始まって以来、私たちの神のように、
待ち望む者にすばらしいことをしてくれる方は、
ほかにありません。
5 神は、喜んで正しいことを行う者、
神につき従う者を喜んで迎えてくれます。
ところが、私たちは神を敬わず、
一生罪を犯し続けています。
そのため、神の怒りが重くのしかかっているのです。
このような者が、どうして救われるでしょう。
6 私たちはみな罪の毒に冒され、汚れきっています。
これこそ正義だという最上の着物をまとっても、
悪臭を放つぼろきれにすぎません。
私たちは秋の木の葉のように色あせ、
しおれて落ちます。
あえなく罪の風に吹き飛ばされるばかりです。
7 それでもなお、誰ひとり神の名を呼び、
あわれみにすがろうとしません。
そこで神も、私たちから顔をそむけ、
罪に引き渡したのです。
8 しかし主よ、それでもなお、神は私たちの父です。
私たちは粘土で、神は陶器師です。
私たちはみな御手によって造られました。
9 主よ、どうか、そのように怒らないでください。
私たちの罪を早く忘れてください。
どうか、私たちを見て、
神の民であることを心に留めてください。
10 あなたの聖なる町々は破壊されたままです。
エルサレムは住む者もいない荒れ地になっています。
11 先祖が神を礼拝した、
あの聖なる美しい神殿は焼け落ちました。
美しい物は何もかも壊されました。
12 主よ、これでもなお、
私たちを助けることを拒むのですか。
黙って眺めるだけで、なおも私たちを罰するのですか。
さばきと救い
65 主はこう告げます。
「わたしのことを聞きもしなかった民が、
今ではわたしを捜し出す。
かつてわたしを捜しもしなかった民が、
わたしを見いだす。
2 ところが、イスラエルはどうだろう。
わたしが一日中手を広げて招いているのに、
今も逆らっている。
自分の思いどおりに悪の道を歩き続けている。
3 多くの園で偶像を拝み、家の屋上で香をたき、
いつもわたしを怒らせている。
4 夜は夜で、墓地や洞窟へ出かけて悪霊を拝み、
豚や、その他の禁じられているものを食べる。
5 それでいて、人には平然と、
『そばに来るな。汚らわしい。
おれはおまえよりきよいのだ』と言う。
彼らを見ると、わたしは息苦しくなる。
昼も夜も、わたしを怒らせるからだ。
6 さあ、これが、わたしの書いた声明文だ。
『わたしは黙っていない。きっと報復する。
そうだ、間違いなく報復する。』
7 彼らの罪だけではない。
先祖の罪にも報復する。
先祖たちも、山々の上で香をたき、
丘の上でわたしを侮辱したからだ。
今こそ、いやと言うほど悪に報いよう。
8 だが、全部を滅ぼすわけではない。
悪いぶどうの房に
良いぶどうも混ざっていることだから、
イスラエル人全部を滅ぼしはしない。
中には、心のきよい、わたしのしもべもいるのだ。
9 その残りの者を取っておき、イスラエルの地を与える。
わたしの選ぶ者がその地を受け継ぎ、
そこでわたしに仕えるようになる。
10 わたしを尋ね求めた者のために、
シャロンの平野は再び羊の群れで埋まり、
アコルの谷は家畜の群れを飼う所となる。
11 しかし、それ以外の者たちには容赦しない。
彼らはわたしと神殿とを捨て、
『幸運』と『運命』の神々を拝んできた。
12 それゆえ、剣に渡す『運命』に定めよう。
また、彼らの『幸運』は暗いものとなろう。
わたしが呼んだ時にこたえず、
わたしが語った時に聞こうとしなかったからだ。
そればかりか、わたしの目の前でわざと罪を犯し、
よりによってわたしの憎むことをしてきた。」
13 それで、神である主は告げます。
「おまえたちは飢えるが、
わたしのしもべたちは十分に食べる。
おまえたちはのどが渇くが、彼らは存分に飲む。
おまえたちは悲しみに沈み、恥を見るが、彼らは喜ぶ。
14 おまえたちは、悲しみと苦しみと絶望の中で
泣き叫ぶが、彼らは喜びのあまり歌いだす。
15 おまえたちの名は、わたしの民の間で、
のろいの代名詞となる。」
それは、主があなたがたを殺し、
真の主のしもべをほかの名で呼ぶからです。
16 「しかし、祝福を祈り求め、誓う者がみな、
まことの神の御名を使うようになる日が来る。
わたしが怒りを静め、
おまえたちのした悪事を忘れるからだ。
新しい天と地
17 わたしは新しい天と地とを造る。
それは目をみはるほどすばらしいので、
もうだれも、古い天と地とを思い出さなくなる。
18 わたしの造るものをいつまでも喜びなさい。
わたしはエルサレムを、幸福の都として建て直す。
そこに住む者はいつも喜びにあふれる。
19 エルサレムとわたしの民は、わたしの喜びだ。
そこにはもう、泣き声や叫び声は聞かれない。
20 生まれてすぐに死ぬ赤ん坊はいなくなる。
百歳まで長生きしても、まだ老人とは呼ばれない。
その若さで死ぬのは罪人だけだ。
21-22 その時には、
家を建てればいつまでも住むことができる。
昔のように、外国の軍隊が侵入し、
家を壊されることはない。
わたしの民はぶどう園を作り、
取れた実を自分で食べる。
敵が横取りすることはない。
だれもが木の寿命ほども長生きし、
丹精して作った穀物を、
長い間楽しみながら食べる。
23 せっかく刈り入れた物が敵の食糧になったり、
生まれた子どもが戦場で死んだりすることはない。
彼らは主に祝福され、その子らも祝福されるからだ。
24 彼らが呼ぶ前から、わたしは答える。
彼らが困って相談を持ちかけるとき、
わたしは先回りして、彼らの祈りに答える。
25 狼と子羊はいっしょに草を食べ、
ライオンは牛のようにわらを食べ、
蛇はちりを食べて、人にはかみつかない。
その時、わたしの聖なる山で、
傷つくものは一人もなく、壊れるものは一つもない。」
主はそう語ります。
さばきと希望
66 「天はわたしの王座、地はわたしの足台だ。
あなたがたにこれ以上の神殿を
建てることができようか。
2 わたしはこの手で天と地を造った。
全部がわたしのものだ。
それでもわたしは、
謙遜になって深く罪を悔い、
わたしのことばにおののく者に目をかける。
3 しかし、自分勝手な道を選び、
罪にふける者はのろわれる。
彼らのささげ物を、わたしは絶対に受け入れない。
たとえ牛を祭壇にささげても、見向きもしない。
子羊や穀物をささげても、
犬や豚の血を供えたときのように、顔をしかめる。
わたしに香をたいているつもりでも、
偶像を拝んでいるのだとみなす。
4 わたしは彼らに、彼らが恐れているものを送る。
わたしが呼んだのに答えようとせず、
話しかけたのに聞こうともしなかったからだ。
それどころか、わたしの見ている前で悪いことをし、
わたしが憎むことを、
そうと知りながら行った。
5 神を恐れる者は、神のことばを聞いておののけ。
あなたがたの同胞は、わたしに忠実だというだけで、
あなたがたを憎み、退ける。
『神に栄光があるように。主を信じて、
せいぜい幸せになるがいい』と彼らはあざける。
だが、そう言う彼らが恥を見るようになる。」
6 町が騒ぎ立っています。
いったいどうしたというのでしょう。
神殿から聞こえてくる、
あのすさまじい物音は何でしょう。
あれは、主が敵に報復している音です。
7-8 こんなに不思議なことを見聞きした者が
いるでしょうか。
まだ産みの苦しみの前に、一日のうちに、
突然、イスラエルの国が産み落とされるのです。
陣痛が始まると同時に、
赤ん坊が生まれ、国が出現するのです。
9 「わたしは胎を開かせておきながら、
産ませないことがあろうか」
と、あなたの神である主は言います。
そんなことは、天地がひっくり返っても、
あるはずがありません。
10 エルサレムを愛し、そのために嘆いてきた者よ、
エルサレムといっしょに喜び、楽しめ。
11 エルサレムをこの上もない喜びとせよ。
赤ん坊が母親の豊かな乳房を吸うように、
エルサレムの栄光を堪能するまで飲め。
12 主は告げます。
「繁栄が川のようにエルサレムにみなぎりあふれる。
わたしがそのようにするからだ。
外国の富はこの都に流れ込む。
子どもたちはエルサレムの乳房を吸い、
わきに抱かれ、ひざの上であやされる。
13 わたしはその都で、幼児が母親に慰められるように、
あなたがたを慰める。
14 あなたがたはエルサレムを見て心を躍らせる。
あなたがたのからだは力が満ちる。
すべての人が、
神の民に加えられた主の恵み深い御手と、
敵に向けられた主の憤りとを見る。」
15 見よ。神は怒りをぶちまけ、激しく責めたてるために、
火に包まれ、すべてのものを破壊する
速い戦車に乗って来ます。
16 火と剣で、世界をさばくのです。
主に殺される者が、いかに多いことでしょう。
17 主は告げます。
「庭の木のうしろに隠してある偶像をこっそり拝み、
そこで豚の肉やねずみ、その他の禁じられている物を
おいしそうに食べる者はみな、悲惨な最期を迎える。
18 わたしには、彼らが何をしようとしているか、すべてわかっている。何を考えているかも知っている。そこで、すべての国の人々をエルサレムの前に集め、わたしの栄光を見せる。
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