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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
歴代誌Ⅰ 10-23

サウルの死

10 ペリシテ人はイスラエル軍を攻め破ったので、イスラエル軍は敗走し、ギルボア山のふもとで虐殺されました。 ペリシテ人は、サウルと三人の息子ヨナタン、アビナダブ、マルキ・シュアを捕らえ、彼ら全員を討ち取りました。 サウルは、ペリシテ人の射手たちに囲まれてねらい撃ちされ、深手を負ったため、 苦しい息の下から、そばにいたよろい持ちに命じました。「さあ、おまえの剣で私を殺してくれ。あの割礼も受けていない者どもに捕まって、なぶり者にされたくないのだ。」

しかし、よろい持ちは恐ろしくて手が出せません。そこでサウルは剣を取り、その上にうつぶせに倒れて自害したのです。 よろい持ちは王の死を見届けると、自分も同じように自害しました。 こうして、サウルと三人の息子はみな討ち死にし、彼の全家は一日のうちに滅び去ってしまったのです。

谷にいたイスラエル軍は、味方が総くずれとなり、王と王子たちが戦死したと聞くと、町を捨てて逃げ出しました。以来、ペリシテ人がその町々に住むようになりました。 翌日、ペリシテ人が兵士の死体からめぼしい物をはぎ取り、あたりに散らばっている戦利品を集めようと引き返して来た時、サウルと息子たちのなきがらを見つけました。 それで彼らはサウルの武具をはぎ取り、彼の首をはねました。そして、その首を自分たちの国へ持ち帰って見せ物とし、偶像の前で勝利を祝いました。 10 武具は彼らの神々の神殿に奉納し、首はダゴンの宮にさらしたのです。

11 ヤベシュ・ギルアデの人々は、ペリシテ人がサウルの首をさらしたことを聞きました。 12 彼らのうちの勇士は、行って王と三人の王子のなきがらを取り返し、ヤベシュにある樫の木の下に葬り、七日の間、断食して喪に服しました。

13 サウルは、主に不従順であったために死んだのです。彼は霊媒に伺いを立て、 14 主の導きを求めようとはしませんでした。それで、主は彼を殺し、王位をエッサイの子ダビデに渡されたのでした。

イスラエルの王となったダビデ

11 イスラエルの長老、指導者たちはヘブロンにいるダビデのところへ行き、こう申し出ました。「私たちはあなたの身内です。 サウルが王であった時でも、私たちを率いて戦場に行き、安全に連れ戻してくださったのは、あなたでした。主はあなたに、『あなたがわたしの民イスラエルの牧者となり、王となる』と仰せになったではありませんか。」

ダビデは主の前で、彼らと契約を結びました。彼らは、主がサムエルに告げたとおり、ダビデに油を注いでイスラエルの王としたのです。 ダビデとイスラエルの指導者たちは、エブスとも呼ばれていたエルサレムへ行きました。そこには、その地の住民エブス人が住んでいました。 5-6 エブス人は彼らが町に入ることを断ったので、ダビデは、のちにダビデの町と呼ばれるようになったシオンの要塞を占領しました。その時、ダビデはイスラエルの指導者に、「真っ先にエブス人を殺した者をかしらとしよう」と約束しました。ツェルヤの子ヨアブが真っ先にエブス人を殺し、ダビデの軍隊の将軍になりました。 以来、ダビデはこの要塞に住んだので、エルサレムのこの一角が、ダビデの町と呼ばれたのです。 ダビデは要塞の周辺まで町を広げましたが、町の残りの部分を再建したのはヨアブでした。 主が共におられたので、ダビデの名声はいよいよ高まり、勢力を増していきました。

ダビデの勇士たち

10 ダビデの勇士の中で最も勇敢であった人々は次のとおりです。彼らは、主のことばどおり、イスラエルの指導者たちを助けて、ダビデをイスラエルの王とした人たちです。

11 まず、ハクモニ人の子ヤショブアムは三勇士の筆頭でした。彼は、一度に槍で三百人を殺したことがありました。

12 三勇士の第二は、アホアハ氏族に属するドドの子エルアザルです。 13 彼はペリシテ人と戦った時、王とともにパス・ダミムにいました。大麦畑に隠れていたイスラエル軍が逃げ始めた時、 14 彼は最後まで踏みとどまり、味方を立ち直らせてペリシテ人を倒しました。そして主が、イスラエルに大勝利をもたらしてくださったのです。

15 ある時、三十人の勇士のうちのこの三人が、アドラムのほら穴に身をひそめていたダビデのもとに来ました。ペリシテ人はレファイムの谷に陣を張っていました。 16 その時、ダビデは要塞におり、ペリシテ人の前哨部隊はベツレヘムを支配していました。 17 ダビデがベツレヘムの城門のそばにある井戸の水を飲みたいと家来にもらした時、 18-19 この三人はペリシテ人の陣営を突破してその井戸から水をくみ、ダビデのところへ持ち帰ったのです。ところがダビデは、その水を飲もうとしないばかりか、それを神へのささげ物として注ぎかけ、言いました。「これを飲むことは許されない。いのちをかけて運んで来た、三人の勇士の血に等しいものだ。」

20 ヨアブの兄弟アブシャイは、三十人の勇士の指揮官でした。彼は一度に槍で三百人を殺し、三十人の仲間に加えられました。 21 アブシャイは彼らの中心で名高い人物でしたが、三勇士には及びませんでした。

22 カブツェエル出身の偉大な勇士を父に持つベナヤは、名うてのモアブの巨人二人を殺しました。また、ある雪の日に、すべりやすいほら穴に降りて行って、ライオンをしとめました。 23 またある時は、機織棒のように太い槍を持った、身長二・二メートルもあるエジプト人を打ち倒しました。その時、彼はたった一本の杖を手に相手に近づき、エジプト人から槍をもぎ取って、それで刺し殺したのです。 24-25 ベナヤはあの三勇士と同じくらい名が知れ、三十人の勇士の中でも特に高い評判を得ていたので、ダビデは彼を護衛長にしました。

26-47 ダビデの家来で、そのほか名高い勇士は次のとおり。ヨアブの兄弟のアサエル。ベツレヘム出身のドドの子エルハナン。ハロリ出身のシャモテ。ペロニ出身のヘレツ。テコア出身のイケシュの子のイラ。アナトテ出身のアビエゼル。フシャ出身のシベカイ。アホアハ出身のイライ。ネトファ出身のマフライ。ネトファ出身のバアナの子ヘレデ。ギブア出身のベニヤミン族で、リバイの子のイタイ。ピルアトン出身のベナヤ。ガアシュの谷近くの出身のフライ。アラバ出身のアビエル。バハルム出身のアズマベテ。シャアルビム出身のエルヤフバ。ギゾ出身のハシェムの子たち。ハラル出身のシャゲの子ヨナタン。ハラル出身のサカルの子アヒアム。ウルの子エリファル。メケラ出身のヘフェル。ペロニ出身のアヒヤ。カルメル出身のヘツロ。エズバイの子ナアライ。ナタンの兄弟ヨエル。ハグリの子ミブハル。アモン出身のツェレク。ヨアブ将軍のよろい持ちで、ベロテ出身のナフライ。エテル出身のイラ。エテル出身のガレブ。ヘテ人ウリヤ。アフライの子ザバデ。ルベン族の指導者三十一人に加わっていた、シザの子アディナ。マアカの子ハナン。ミテニ出身のヨシャパテ。アシュタロテ出身のウジヤ。ホタムの子で、アロエル出身のシャマとエイエル。シムリの子エディアエル。エディアエルの兄弟でティツ出身のヨハ。マハビム出身のエリエル。エルナアムの子エリバイとヨシャブヤ。モアブ出身のイテマ。エリエル。オベデ。メツォバヤ出身のヤアシエル。

12 サウルから身を隠し、ツィケラグにいたダビデのもとに馳せ参じた勇士たちは次のとおりです。 彼らはみな、右手も左手も同じように使うことができ、弓と石投げの名手で、サウル王と同じくベニヤミン族の出身でした。

3-7 彼らの長はギブア出身のシェマアの子アヒエゼルで、その他の者は次のとおり。アヒエゼルの兄弟ヨアシュ、アズマベテの子のエジエルとペレテ、ベラカ、アナトテ出身のエフー、三十人の勇士よりも評判の高かったギブオン出身のイシュマヤ、エレミヤ、ヤハジエル、ヨハナン、ゲデラ出身のエホザバデ、エルウザイ、エリモテ、ベアルヤ、シェマルヤ、ハリフ出身のシェファテヤ、エルカナ、イシヤ、アザルエル、ヨエゼル、ヤショブアム。以上はコラ人です。それにゲドル出身のエロハムの子のヨエラとゼバデヤ。

8-13 ガド族で評判の勇士たちも、荒野にいるダビデのもとに集まりました。彼らは盾と槍の名手で、「かもしかのように足が速く、しかもライオンのような顔をした人々」でした。その長はエゼル。第二はオバデヤ。第三はエリアブ。第四はミシュマナ。第五はエレミヤ。第六はアタイ。第七はエリエル。第八はヨハナン。第九はエルザバデ。第十はエレミヤ。第十一はマクバナイ。

14 彼らは軍の将校で、いちばん弱い者でも普通の兵士百人に匹敵し、強い者ともなると千人にも匹敵しました。 15 彼らはヨルダン川の水があふれる時に川を渡って、両岸の低地を占領したことがあります。

16 ほかに、ベニヤミンとユダの各部族からも、ダビデのもとへ集まった人々があります。 17 ダビデは彼らを迎えに出て言いました。「私を助けに来てくれたのなら、私たちはこれから友人だ。しかし、もし罪のない私を敵に売り渡すために来たのなら、父祖の神が報復してくださるように。」

18 その時、聖霊が彼らに臨み、三十人の勇士の一人アマサイが答えました。

「ダビデ様。私たちは味方です。
エッサイの子よ。私たちは家来になります。
あなたと、あなたを助けるすべての者に平安がありますように。
神が共におられるからです。」

ダビデは彼らを味方に加え、隊長に取り立てました。

19 ダビデがペリシテ人とともにサウル王との戦いに出て行った時、マナセ族出身の幾人かも、イスラエル軍を離れてダビデのもとにやって来ました。ところが、いざ戦いという時になって、ペリシテ人の将軍たちは、ダビデの部隊が戦闘に加わることを拒んだのです。激論の末、ペリシテ人はダビデの部隊を送り返しました。ダビデとその部下がサウル王に寝返って、自分たちを窮地に陥れるのではないかと恐れたのでした。

20 ダビデがツィケラグへの道を進んでいた時、彼を頼って来たマナセ部族の人々は、次のとおりです。アデナフ、エホザバデ、エディアエル、ミカエル、エホザバデ、エリフ、ツィルタイ。みなマナセ部隊の将校でした。 21 彼らはすぐれた勇士ばかりで、ダビデを助けてツィケラグでアマレクの略奪隊と戦いました。

22 ほとんど毎日のように人々が集まって来たので、ダビデの軍隊は神の陣営のように強大になりました。 23 ヘブロンでダビデのもとに集まった人々はみな、主のことばどおり、ダビデがサウルに代わって王になることを願っていました。その数は次のとおりです。

24-37 ユダ族から、盾と槍で武装した兵士六千八百人。

シメオン族から、すぐれた勇士七千百人。

レビ人から四千六百人。

アロンの子孫である祭司から、エホヤダと勇気ある若者ツァドクに率いられた三千七百人。ツァドクとその一族の二十二人は、戦う祭司団の将校でした。

サウルの属していたベニヤミン族から三千人。この部族の大多数は、サウルについていました。

エフライム族から、各氏族での名門の勇士二万八百人。

マナセの半部族から、ダビデを王とするために集まった一万八千人。

イッサカル族から、部族の指導者が二百人。彼らはみな時代の流れに通じ、イスラエルの進むべき最善の道を知っていました。

ゼブルン族から、訓練された勇士五万人。彼らは完全に武装し、心からダビデに仕えました。

ナフタリ族から、千人の将校と、盾と槍で武装した兵士三万七千人。

ダン族から、戦いの備えをした兵士二万八千六百人。

アシェル族から、訓練された兵士四万人。

ルベンとガドの各部族、それにマナセの半部族が住んでいたヨルダン川の東側から、あらゆる種類の武器を備えた兵士十二万人。

38 これらの戦士たちは、ダビデをイスラエルの王にする目的で、ヘブロンに集結しました。実のところ、イスラエルの民のすべてが、ダビデが新しい王になることを望んでいたのです。 39 すでに迎えの準備がされていて、彼らは三日間ダビデとともに宴を張り、飲み食いしました。 40 近くから来た者も、イッサカル、ゼブルン、ナフタリのように遠くから来た者も、ろば、らくだ、らば、牛などで食物を運んで来ました。小麦粉、干しいちじくの菓子、干しぶどう、ぶどう酒、油、牛、羊などが、この祝宴のために山ほど運ばれてきました。国中が喜びにわきかえっていました。

神の箱の移動

13 ダビデは将校全員を集めて会議を開き、 イスラエルの全集団に呼びかけました。「あなたがたが私を王にすることを願い、また主がそれを承認してくださるなら、祭司やレビ人も含めてイスラエル全土にいる同胞に、すぐここへ集まれと伝えよう。 それから、神の箱を持ち帰ろう。サウルが王となってからは、ずっと放置したままなのだから。」

提案は満場一致で採択されました。

そこでダビデは、キルヤテ・エアリムから運び出される神の箱を迎えるために、エジプトのシホルからレボ・ハマテに至るまでの、全イスラエルを召集したのです。

ダビデと全イスラエルは、ケルビムの上に座している主なる神の箱を持ち帰ろうと、別名バアラともいう、ユダのキルヤテ・エアリムへ行きました。 神の箱はアビナダブの家から運び出され、ウザとアフヨが御する真新しい牛車に載せられました。 ダビデと全国民は、歌を歌い、琴、竪琴、タンバリン、シンバル、ラッパを鳴らし、主の前で力のかぎり踊りました。 ところがキドンの打ち場まで来た時、牛がつまずいたので、ウザは思わず手を伸ばし、箱を押さえました。 10 すると主の怒りがウザに向かって燃え上がり、ウザはその場に倒れました。 11 ダビデはこの出来事に憤慨し、その場所をペレツ・ウザ(「ウザへの怒り」の意)と名づけました。今でもそう呼ばれています。

12 あまりのことに、ダビデは主を恐れ、「どうして神の箱を私のもとに運ぶことなどできようか」と言いました。

13 それで、それをダビデの町に持ち帰ることをあきらめ、ガテ人オベデ・エドムの家に置くことにしました。 14 神の箱は、三か月間オベデ・エドムの家に置かれていました。その間、主はオベデ・エドムとその家族を祝福しました。

王権の確立

14 ツロの王ヒラムはダビデの宮殿の建築を助けようと、石工や大工を送り、たくさんの杉材を提供しました。 ダビデは、主がなぜ自分を王とし、王国を強大にしてくださったのか、その理由がはっきりわかりました。主の民に喜びを与えるためだったのです。 ダビデはエルサレムに移ってからさらに妻をめとり、多くの息子や娘をもうけました。

4-7 エルサレムで生まれた子は次のとおりです。シャムア、ショバブ、ナタン、ソロモン、イブハル、エリシュア、エルペレテ、ノガハ、ネフェグ、ヤフィア、エリシャマ、ベエルヤダ、エリフェレテ。

ペリシテ人は、ダビデがイスラエルの新しい王になったと聞くと、何とかして彼を捕らえようと兵を集めました。一方ダビデもペリシテ人の来襲を事前に知り、軍隊を召集しました。 ペリシテ人はレファイムの谷に侵入し、 10 それを知ったダビデは主に伺いを立てました。「もし出て行って戦ったら、私は勝てるでしょうか。」

すると主は、「そうしなさい。勝利を与えよう」と答えました。

11 そこでダビデはバアル・ペラツィムで攻撃をかけ、彼らを粉砕しました。彼は、「神様は私を用いて、水がどっと破れ出るように敵を打ち破ってくださった!」と言って喜びました。そういうわけで、そこはバアル・ペラツィム(「破れの場所」の意)と呼ばれるようになりました。

12 戦いのあとイスラエル軍は、ペリシテ人が置き去りにして行った多くの偶像を拾い集めましたが、ダビデはそれを焼き捨てるよう命じました。

13 そののち、ペリシテ人は再びレファイムの谷に侵入して来ました。 14 この時もダビデは、どのようにすべきか主に伺いを立てると、主はこう答えました。「バルサム樹の林を回って行き、そこから攻めなさい。 15 バルサム樹の木々の上から行進の音が聞こえたら、それを合図に攻めるのだ。わたしがあなたの先に立って進み、敵を打つ。」

16 ダビデは命じられたとおりにしました。彼はギブオンからゲゼルに至るまでことごとく、ペリシテ軍を打ち破りました。 17 こうして主は、ダビデへの恐れを諸国の民に植えつけたので、ダビデの名声はあまねく広まりました。

神の箱を幕屋に移す

15 ダビデはエルサレムに自分の宮殿を建て、神の箱を安置する新しい神の天幕(幕屋)を張りました。 それから、次のように命じたのです。「神の箱を新しい場所に移すとき、レビ人以外は箱をかついではならない。彼らは永遠に主に仕えるために選ばれたからだ。」

ダビデはイスラエルのすべての民をエルサレムに召集し、神の箱が新しい幕屋に移されることを祝いました。

4-10 その時集まった祭司とレビ人は、次のとおりです。

ケハテ氏族、百二十人、指導者ウリエル。メラリ氏族、二百二十人、指導者アサヤ。ゲルショム氏族、百三十人、指導者ヨエル。エリツァファン氏族、二百人、指導者シェマヤ。ヘブロン氏族、八十人、指導者エリエル。ウジエル氏族、百十二人、指導者アミナダブ。

11 ダビデは大祭司ツァドクとエブヤタル、それにレビ人の指導者ウリエル、アサヤ、ヨエル、シェマヤ、エリエル、アミナダブを呼び、 12 言いました。「あなたがたはレビ人の諸氏族の指導者だ。レビ人全員が身をきよめ、イスラエルの神の箱を、私があらかじめ準備した場所に運びなさい。 13 前に主がお怒りになったのは、あなたがたに運ばせず、定められたとおりにしなかったからだ。」

14 祭司とレビ人は、神の箱を運び入れるに先立って、きよめの儀式を受けました。 15 それからレビ人は、主がモーセを通して命じられていたとおり、箱をかつぎ棒で肩にかつぎました。

16 ダビデ王はレビ人の指導者たちに、楽器の伴奏つきの合唱隊を編成し、彼らが十弦の琴、竪琴、シンバルを打ち鳴らし、喜びの声を上げて歌うよう命じました。 17 そこでヨエルの子ヘマン、ベレクヤの子アサフ、メラリ氏族出身のクシャヤの子エタンが、その長に任命されました。

18 以下は、彼らの補佐に選ばれた者たちです。

ゼカリヤ、ベン、ヤアジエル、シェミラモテ、エヒエル、ウニ、エリアブ、ベナヤ、マアセヤ、マティテヤ、エリフェレフ、ミクネヤ、門衛オベデ・エドムとエイエル。

19 ヘマン、アサフ、エタンは、青銅のシンバルを鳴らしました。 20 ゼカリヤ、アジエル、シェミラモテ、エヒエル、ウニ、エリアブ、マアセヤ、ベナヤは、十弦の琴の八重奏団を編成しました。 21 マティテヤ、エリフェレフ、ミクネヤ、オベデ・エドム、エイエル、アザズヤは、八弦の竪琴を弾きました。 22 歌の指揮者は、その道に通じているレビ人の長ケナヌヤでした。 23 ベレクヤとエルカナは、神の箱の警護に当たりました。 24 祭司のシェバヌヤ、ヨシャパテ、ネタヌエル、アマサイ、ゼカリヤ、ベナヤ、エリエゼルは、行進の先頭に立ってラッパを吹き鳴らす役につきました。オベデ・エドムとエヒヤは、箱の警護に当たりました。

25 こうして、王をはじめイスラエルの長老と軍の将校たちは、大きな喜びをもって神の箱をエルサレムに運ぼうとオベデ・エドムの家へ行きました。 26 今度は、契約の箱をかついだレビ人は何の害も受けなかったので、雄牛と子羊を七頭ずついけにえとしてささげました。 27 ダビデと契約の箱をかつぐレビ人、合唱隊員と指揮者ケナヌヤは、みな亜麻布の衣を着ていました。ダビデはさらに、亜麻布のエポデ(祭司が儀式で着る装束)を着ていました。 28 そしてイスラエルの指導者たちは、大歓声とともに、角笛とラッパが響き、シンバルが鳴り、十弦の琴と竪琴が高らかにかなでられる中、契約の箱をエルサレムへと運び上ったのです。

29 契約の箱がエルサレムに到着した時、サウル王の娘でダビデの妻ミカルは、窓からその様子を見て、気がふれたように踊るダビデに深い嫌悪を感じていました。

神の箱の前での奉仕

16 こうして神の箱は、ダビデがあらかじめ用意しておいた幕屋に運び込まれました。イスラエルの指導者たちは、神の前に、焼き尽くすいけにえと和解のいけにえをささげました。 いけにえをささげ終わると、ダビデは主の名によって民を祝福し、 集まっていた全員にパンとぶどう酒と干しぶどうの菓子を配りました。

また、レビ人の中から、契約の箱の前で仕える者を選び、イスラエルの神、主を絶えず覚えて感謝し、ほめたたえ、そして民への祝福を祈り求めるようにさせました。この務めに任じられたのは次の人々です。 かしらはアサフで、彼はシンバルを鳴らし、彼の同僚には、ゼカリヤ、エイエル、シェミラモテ、エヒエル、マティテヤ、エリアブ、ベナヤ、オベデ・エドム、エイエルがいて、みな十弦の琴と竪琴を弾きました。 祭司のベナヤとヤハジエルは、契約の箱の前で決まった時間にラッパを吹き鳴らしました。

この時からダビデ王は、幕屋での主への賛美にアサフの指揮する祭司の合唱隊を用い始めたのです。

彼らは歌いました。

「さあ、主に感謝し、主に祈れ。
世界の人々に、偉大なみわざを伝えよ。

主をたたえ、そのすばらしいみわざを告げ知らせよ。

10 主の聖なる名を誇れ。

主を慕い求める者すべてを喜ばせよ。
11 主とその御力とを尋ね求めよ。
絶えず御顔を慕い求めよ。
12-13 主のしもべアブラハムの子孫よ。
主に選ばれたヤコブの子らよ。
偉大なみわざと、驚くべき奇跡と御力とを思い起こせ。
14 このお方こそ、私たちの神、主!
その御力は全世界にわたる。
15 主の契約を、いつまでも忘れるな。
そのことばは千代にも及ぶ。
16 主はアブラハムと契約を結び、
イサクに誓いを立て、
17 ヤコブにも確証して、
イスラエルへの永遠の契約とされた。
18 『あなたがたの相続地として
カナンの地を与える。』
19 その時、イスラエルの数はごくわずかで、
しかも、約束の地では外国人であった。

20 彼らは、国から国へと渡り歩いた。

21 神はだれにも手を出すことを許さず、

彼らを害する者は、たとえ王でも殺された。
22 『わたしが選んだ民を害するな。
わたしの預言者だから、ふれてはいけない。』
23 全地よ、主に歌え。
日ごと、主が救い主であることを宣べ伝えよ。
24 主の栄光を国々に知らせ、
すばらしいみわざを、すべての人に語り告げよ。
25 主は偉大で、高らかにほめたたえられるべきお方、
すべての神々にまさって恐れられるべきお方。
26 他国で、神々と呼ばれるものはみな悪霊で
主こそが天をお造りになった。
27 尊厳と栄誉は御前にあり、
力と歓喜はみそばにある。
28 国々の民よ、
主の大いなる力と栄光とをたたえよ。
29 御名にふさわしく、ほめたたえよ。
ささげ物を携えて、御前に出よ。
聖なる衣を着けて、主を礼拝せよ。
30 全地よ、主の御前におののけ。
世界はびくとも動じない。
31 天は喜び、地は楽しめ。
諸国の民は言え。『主が王である』と。
32 大海は鳴りとどろけ。
野とその中にあるものは喜び躍れ。
33 森の木々も、主の御前で喜び歌え。
主が地をさばきに来られるからだ。
34 主に感謝せよ。
その恵みは深く、愛といつくしみは限りない。
35 主に叫べ。
『私たちの救いの神よ、どうかお救いください。
私たちを国々から呼び集め、
安全に救い出してください。
そうすれば、あなたのきよい御名に感謝し、
声の限りほめたたえます。』

36 イスラエルの神は、永遠にほむべきかな。」

この歌にすべての民は「アーメン」と和し、主をほめたたえました。

37 ダビデは、レビ人のアサフと同僚たちを幕屋で仕えさせ、毎日の日課として決められたことを規則正しく行わせました。 38 この中には、エドトンの子オベデ・エドム、ホサ、同じ門衛の六十八人がいました。

39 一方、ギブオンの丘にある古い幕屋も、そのままになっていました。ダビデは、そこで祭司ツァドクと同僚の祭司たちを仕えさせました。 40 彼らは、主がイスラエルに命じられたとおり、毎朝毎夕、焼き尽くすいけにえを祭壇の上でささげました。 41 王はまた、絶えず注がれる主の愛と恵みに感謝をささげる務めに、ヘマンとエドトンをはじめ数人の者を指名しました。 42 彼らはラッパを吹き、シンバルを鳴らし、合唱隊に合わせて、高らかに主をほめたたえました。エドトンの子らは門衛に任じられました。

43 祝いが終わり、民がそれぞれ自分の家へ帰って行ったので、ダビデも家族を祝福するために戻って行きました。

ダビデへの神の約束

17 新しい宮殿に住むようになってからしばらくして、ダビデは預言者ナタンに言いました。「私が杉材のりっぱな家に住んでいるというのに、畏れ多くも神の契約の箱は天幕に置かれたままだ。」

すると、ナタンは答えました。「あなたのお考えどおりなさったらよろしいかと思います。それが主の御心でしょう。」

ところが、その夜、ナタンに神のことばがありました。 「ダビデに言いなさい。『神殿を建ててはならない。 わたしは、イスラエルをエジプトから連れ出した日から、ずっと天幕を住まいとしてきた。 その間に一度も、わたしの民を養い育てる牧者としてわたしが立てた指導者の一人にでも、わたしのために神殿を建てよ、と言った覚えはない。』 わたしのしもべダビデに伝えなさい。『天地の支配者であるわたしは言う。わたしは、羊飼いのあなたを選んで、イスラエルの王とした。 あなたがどこへ行っても、共にいて、あなたの敵を滅ぼした。あなたに最高の名声を与えよう。 わたしの民イスラエルに永遠の住まいを与えるので、二度と不安におののくことはない。悪い国々も、以前のように手出しはできない。 10 士師が国を治めていたころは、絶えず外敵におびえていたが、今、すべての敵を制圧する。あなたの子孫を、あなた同様イスラエルの王にすると、明言しよう。

11 あなたが地上の生涯を終え、この世を去る時、あなたの子を王座につかせ、王国をいっそう強固にする。 12 その子が神殿を建てるのだ。わたしは彼の家系と王座を、永久に不動のものとする。 13 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。サウルのように、恵みと愛を取り去るようなことはしない。 14 彼を永久に、わたしの民とイスラエル王国の上に立てよう。彼の子孫がいつも王となる。』」

15 ナタンは、主のことばをそのままダビデに伝えました。

ダビデの祈り

16 そこで王は幕屋に入り、主の前に座し、言いました。「ああ、主なる神よ。私がいったい何者で、家柄がどうだというので、こんなにまでしてくださるのですか。 17 これまで私にしてくださったどんな大きなことも、これからすると約束してくださったことに比べれば取るに足りません。主なる神よ。今、あなたは、将来にわたって私の子孫が王になる、と約束してくださいました。まるで私が偉大な功労者でもあるかのように語ってくださいました。 18 この上、何を申し上げられましょう。私がただの人間にすぎないことをご存じの上で、あなたは私に名誉を与えられました。 19 私を深く思いやり、このようなすばらしい約束をお与えくださったのです。 20 主よ、あなたのようなお方はほかになく、あなたのほかに神はありません。あなたのような神がほかにいることなど、耳にしたこともありません。

21 イスラエルのような民がほかにいるでしょうか。あなたは比類のない民にしようと、私たちをエジプトから救い出し、あなたの民となさいました。そして、私たちの前から他の国々を追い払うために数々の奇跡を行って、あなたの御名があがめられました。 22 あなたの民イスラエルがいつまでもあなたのものであり、あなたが私たちの神となったことを明らかにしてくださったのです。

23 主よ。私と私の子孫がいつまでもこの民を治めるというお約束を謹んでお受けします。 24 どうか、このことによって、御名が永遠にあがめられますように。すべての者が、あなたはいったん約束したことを必ず実行なさる方であることを知ることができますように。そうすれば、『天地を支配なさるお方は、イスラエルの神のほかにない』と告白するようになります。イスラエルは、いつまでも私の子孫が治めるようになります。 25 このことをはっきり示してくださったので、大胆に祈ることができました。 26 このすばらしい約束を下さったのは、神様ご自身です。 27 どうか、この祝福が、いつまでも私の子孫の上にとどまりますように。主よ、あなたの祝福は永遠の祝福だからです。」

ダビデの勝利

18 その後、ダビデはペリシテ人を制圧し、ガテと周辺の町々を占領しました。 次いでモアブを制圧し、モアブは毎年、ダビデに多額の貢ぎ物を納めるようになりました。 さらに、ツォバの王ハダデエゼルがユーフラテス川流域まで領土を広げようとした時、ダビデは、ハマテまで出て彼の野心を打ち砕きました。 戦車千台を奪い、騎兵七千、歩兵二万を捕虜にしたのです。戦車は百台だけをイスラエル軍のために残し、残りは全部、使えないように解体しました。

ダビデはまた、ダマスコからハダデエゼル王の援軍として参戦したシリヤ軍二万二千人を打ち、 シリヤ(アラム)の首都ダマスコに守備隊を置きました。シリヤも毎年、多額の貢ぎ物を納めるようになりました。こうして主は、ダビデの行く先々で彼に勝利を与えられたのです。 ダビデは、ハダデエゼル王の家来たちが持っていた金の盾をエルサレムに持ち帰りました。 同時に、ハダデエゼルの町ティブハテとクンから大量の青銅を奪いました。のちにソロモンはこの青銅を溶かして、神殿用の大洗盤や柱、祭壇でいけにえをささげるための種々の道具を作りました。

ハマテの王トウは、ダビデがハダデエゼルの軍勢を打ち破ったことを知ると、 10 王子ハドラムを使者としてダビデのもとに送り、戦勝を祝いました。同時に、同盟を結ぶしるしに、金、銀、青銅など多くの贈り物をしました。ハダデエゼルとトウとはこれまで仲が悪く、何度も戦っていたからです。 11 ダビデはこれらの贈り物を、エドム、モアブ、アモン、ペリシテ、アマレクの国々から奪った金銀とともに主にささげました。

12 また、ツェルヤの子アブシャイは、塩の谷でエドム人一万八千人を打ちました。 13 そして、エドムに守備隊を置き、毎年、多額の貢ぎ物をダビデに納めさせるようにしました。このように主は、ダビデの行く先々で彼に勝利を与えました。 14 ダビデはイスラエル全土を支配し、正しく民を治めました。

15 ツェルヤの子ヨアブは軍の総司令官、アヒルデの子ヨシャパテは史官、 16 アヒトブの子ツァドクと、エブヤタルの子アヒメレクは祭司の長、シャウシャは王の秘書官、 17 エホヤダの子ベナヤはケレテ人とペレテ人からなる王の護衛隊の隊長、ダビデの子たちは王の側近を務めました。

アモン人との戦い

19 アモンの王ナハシュが死に、その子ハヌンが新しく王となりました。

2-3 その時、ダビデは言いました。「彼の父はずいぶん私に親切にしてくれた。その礼に、ハヌンに友好の気持ちを示そう。」そこで、弔問の使者を立てました。しかし使者が着くと、ハヌン王の側近は彼にこう警告したのです。「ダビデが父君に敬意を表してこの者たちをよこした、などとお考えになってはなりません。この地を征服しようと探りに来たに違いありません。」

そこでハヌン王は、使者たちのひげをそり落とし、服を半分切り取って腰から下が丸見えになるようにし、さんざん侮辱した上で追い返しました。 そのいきさつを知ったダビデ王は、ひどい目に会った一行に、ひげが伸びるまでエリコにとどまるように伝えました。 ハヌン王は自分が判断を誤ったことに気づくと、銀一千タラントをかけて、メソポタミヤ、アラム・マアカ、ツォバから歩兵、戦車、騎兵を雇いました。 雇い入れた戦車三万二千台とマアカ王の全軍はメデバに陣を張り、そこでハヌン王がアモン人の町々から集めた軍勢と合流しました。

ダビデはこれを知ると、ヨアブの率いるイスラエル最強の軍隊を差し向けました。 これをアモン軍が迎え撃ち、メデバの町の門で戦闘が開始されました。その間、敵側の外国人部隊は町の外に出ていました。 10 ヨアブは敵が前後にいるのを知り、兵力を二分して、一部をシリヤに立ち向かわせました。 11 残りは彼の兄弟アブシャイの指揮下に入って、アモン人に対しました。

12 ヨアブはアブシャイに言いました。「もし、シリヤが強くて私の手に余るようだったら助けに来てくれ。もし、アモン人が強くておまえの手に余るようなら助けに行こう。 13 勇気を出せ。私たちの民のため、私たちの神の町々のため、堂々と戦おう。主が最善をなしてくださることを信じて。」

14 ヨアブの指揮する隊が攻撃をしかけると、シリヤは退却して逃げ出しました。 15 一方、アブシャイの率いる隊から攻撃されていたアモン人も、シリヤが退くのを見て、あわてて町に逃げ込みました。そこで、ヨアブはエルサレムに帰りました。

16 敗走したシリヤ人は、ユーフラテス川の東から、ハダデエゼル王の将軍ショファクの率いる隊を呼びました。 17-18 この知らせが届くとダビデは、イスラエル中の兵を動員し、ヨルダン川を渡って敵軍と対戦しました。結果は、またもシリヤ軍の大敗北となり、ダビデはシリヤ軍の戦車兵七千と歩兵四万を討ち取り、さらに将軍ショファクも打ちました。 19 それを見たハダデエゼル王の軍は降伏し、ダビデ王に隷属する者になりました。これにこりたシリヤは、二度とアモン人を助けようとはしませんでした。

20 いつも春になると戦いが始まりましたが、翌年の春、ヨアブはイスラエル軍を率いて、アモン人の町や村を襲撃し、片っぱしから占領しました。さらにラバの町を包囲し、ダビデ王がエルサレムにとどまっている間に、これも攻め落としました。 ダビデは戦場に到着すると、ラバの王から冠を奪い、自分の頭に載せました。冠は宝石がちりばめられており、金一タラント(約三十四キログラム)の重さがありました。このほかにも、おびただしい数の戦利品を持ち帰り、 また、その町の住民を連れて来て、のこぎり、鉄のつるはし、斧などを使う仕事につかせました。占領したアモン人のすべての町の住民も同じようにしました。それから、ダビデと全軍はエルサレムに帰りました。

ペリシテ人との戦い

その後、ゲゼルでは、再びペリシテ人との戦いが始まりました。しかし、フシャ出身のシベカイが巨人の子孫シパイを倒したので、ペリシテ人は戦意を失って降伏しました。

それとは別のペリシテ人との戦いがあった時、ヤイルの子エルハナンは、巨人ゴリヤテの兄弟ラフミを殺しました。ラフミの槍の柄は、まるで機織棒のようでした。

6-7 また、ガテで戦いがあった時、手足の指が六本ずつという巨人の子孫がイスラエルを罵倒しましたが、ダビデの兄シムアの子ヨナタンが彼を打ち殺しました。 彼らはみなガテの巨人の子孫で、ダビデとその家来たちによって殺されました。

ダビデの人口調査

21 時にサタンが、ダビデに人口調査をさせるように仕向けて、イスラエルに災いをもたらしました。

王は、ヨアブをはじめ指導者たちに命じました。「国中の人口を完全に調べ上げ、その人数を報告してほしい。」

すると、ヨアブが反対意見を述べました。「主が民を百倍に増してくださっても、みなあなたの民ではありませんか。それなのになぜ、そんな要求をなさるのですか。なぜ、イスラエルに罪を犯させるようなことをなさるのですか。」

しかし、王が説き伏せたので、ヨアブは命令どおりイスラエル中を巡り歩き、エルサレムに帰って来ました。 ヨアブが報告した総人口は、全イスラエルで戦いに出られる者が百十万人、ユダで四十七万人でした。 ただし、ヨアブは王の命令に心を痛めていたので、数の中にレビとベニヤミンの二部族を入れませんでした。

この人口調査は神の御心を損なったので、神はイスラエルを罰しました。

ダビデは神に言いました。「私は罪を犯しました。どうかお赦しください。自分のしたことがどんなに間違っていたか、今わかりました。」

そこで主は、王の相談役である預言者ガドに語りました。 10-11 「ダビデに次のように伝えよ。『主は、三つのうち一つを選べと言われる。 12 三年間のききんか、三か月の間敵に苦しめられることか、それとも、御使いが国中を荒らし、三日間恐ろしい疫病に悩まされることかだ。よく考えて、私を遣わされたお方に何と答えるか決めるように。』」

ガドはダビデのもとに行き、そのとおり伝えました。

13 王は答えました。「一つを選ぶのはつらいことです。どうか、私を人の手にではなく、主の御手に陥らせてください。主のあわれみは深いからです。」

14 すると、神はイスラエルに疫病を下したので、七万人が死にました。 15 病気が猛威をふるっている時、主は一人の御使いを送って、エルサレムを滅ぼそうとしました。しかし、主はあわれに思って考えを変え、御使いに、「もう十分だ。手を引きなさい」と命じたのです。御使いはその時、エブス人オルナンの打穀場に立っていました。 16 王は、御使いが抜き身の剣をエルサレムの方に差し伸べ、天と地の間に立っているのを見ました。そこで、その場に居合わせたイスラエルの長老たちとともに荒布をまとい、地にひれ伏しました。

17 ダビデは神に願いました。「人口調査の命令を出して罪を犯したのは、この私です。民が何をしたというのでしょう。主よ、私と私の家族を滅ぼしても、民は滅ぼさないでください。」

18 すると、御使いはガドに、「王がエブス人オルナンの打穀場に祭壇を築くように」と指示しました。 19-20 王はさっそく、小麦の打穀をしていたオルナンに会いに行きました。オルナンが振り向くと、御使いの姿が見えたので、彼の四人の子は走って隠れました。 21 オルナンは王が来るのも見て、打穀場から出て来てひれ伏しました。

22 ダビデはオルナンに言いました。「それ相応の金を払うから、この打穀場を譲ってくれないか。ここに主のための祭壇を築きたいのだ。そうすれば、伝染病も収まるだろうから。」

23 「王よ、どうぞお気に召すままにお使いください。よろしければ、焼き尽くすいけにえ用の牛も差し上げます。打穀の器具を、たきぎ代わりに使っていただいてけっこうです。穀物のささげ物がお入り用でしたら、小麦がございます。何でもご用立ていたします。」

24 「いや、十分な金額で買い取らせてほしい。おまえのものを取って、それを主にささげるわけにはいかない。ふところを痛めずに、いけにえをささげることはしたくないのだ。」

25 そして、ダビデはオルナンに六百シェケル(約七キログラム)の金を与えました。 26 こうして手に入れた場所に主のための祭壇を築き、その上で、焼き尽くすいけにえと和解のいけにえをささげました。ダビデが大声で主を呼ぶと、主は彼に答え、天から下った火がいけにえを焼き尽くしました。 27 それから、主は御使いに命じて、剣をさやに納めさせました。 28 ダビデは願いが聞かれたのを見て、もう一度いけにえをささげました。 29 当時、モーセが荒野で造った幕屋と祭壇は、ギブオンの高台にありました。 30 しかしダビデは、神を求めてそこまで行くことができませんでした。抜き身の剣を持つ御使いを恐れたからです。

22 そこで、ダビデ王は言いました。「このオルナンの打穀場こそ、主の神殿を建て、イスラエルの焼き尽くすいけにえをささげる祭壇を築くのにふさわしい場所だ。」

神殿建設の準備

王はイスラエル在住のすべての外国人を召集し、神殿建築用の石を切り出す仕事に当たらせました。 彼らは、門の扉の釘および留め金用の鉄を大量に作りました。また、とても量りきれないほどの青銅を精錬しました。 ツロとシドンの人々は、おびただしい数の杉の丸太を、いかだに組んで運んで来ました。

「ソロモンはまだ若くて未熟だ。主の神殿は、世界中に知れ渡るほどのすぐれた建築にしなければならない。いざというときのために、今から準備をしておく。」

ダビデはこう考えて、自分が生きている間に多くの建築材料を集めました。 そのあとでその子ソロモンに、イスラエルの神のために神殿を建てるよう命じたのです。

7-8 「私はかねがね神殿を建てたいと思っていたが、そうしてはならないと主が仰せられたのだ。『あなたは大きな戦いで多くの人を殺し、わたしの前に大地を血で染めてきた。だから、わたしの神殿を建てることはできない。 だがあなたに一人の子を授ける。その子の代には周囲の国と平和を保つようにするので、彼はソロモン(「平和」を意味する)と呼ばれる。わたしは彼の治世の間、イスラエルに平和と平穏をもたらそう。 10 彼こそが神殿を建てるのだ。彼はわたしの子となり、わたしは彼の父となる。わたしは彼の子孫にいつまでもイスラエルを治めさせる』と。 11 どうか今、主があなたとともにおられ、主があなたについて語られたとおり、あなたが神殿をりっぱに建て上げることができるように。 12 主があなたに正しい判断力を与えて、イスラエルの王となったとき、主の教えをすべて守れるようにしてくださるように。 13 主がモーセを通してイスラエルにお与えになった教えを、あなたが注意深く守るなら、あなたは栄える。何ものも恐れず、強く、雄々しく、熱心でありなさい。

14 私は苦労して、金十万タラント、銀百万タラント、それに量りきれないほど多くの鉄や青銅を集めた。壁用の木材や石材も集めた。これだけあれば、工事の第一段階は間に合うだろう。 15 あなたには、数えきれないほど大ぜいの石工や大工、さまざまな種類の熟練工がついている。 16 彼らはみな金や銀の細工人、鉄や青銅を扱う専門家ばかりだ。さあ、仕事にかかるがよい。主が共におられるように。」

17 そして王は、イスラエルの全指導者に、ソロモンを助けて神殿建設に当たるように命じました。

18 「あなたがたには主がついておられ、周囲の国々との間に平和が与えられてきたではないか。私が神の民のために、御名によってこれらの国々を服させたからだ。 19 さあ、全身全霊をかけてあなたがたの神、主に従いなさい。そして、主の建てられる神殿に、契約の箱と礼拝に用いる聖なる器具を運び入れなさい。」

レビ人の組み分け

23 すっかり年老いたダビデはソロモンに王位を譲り、 その即位式にイスラエルのすべての政治的、宗教的指導者を召集しました。 レビ族で三十歳以上の男の人数を数えたところ、その合計は三万八千でした。

4-5 ダビデはこのように指示しました。「そのうち、二万四千人は神殿の仕事を監督しなさい。六千人は管理者と裁判官、四千人は門衛となり、あとの四千人は私の作った楽器で主を賛美しなさい。」

ダビデは彼らを、レビの三人の息子の名にちなんで、ゲルションの組、ケハテの組、メラリの組に分けました。

ゲルションの組は、さらに二人の子の名にちなんで、ラダンの班とシムイの班に分けられました。 8-9 その班がまた、ラダンとシムイの子たちの名にちなんで、六つのグループに分けられました。ラダンの子は、指導者エヒエル、ゼタム、ヨエル。シムイの子はシェロミテ、ハジエル、ハラン。

10-11 シムイの各氏族には、四人の子の名がつけられました。長はヤハテで、次がジザ。エウシュとベリアは子どもが少なかったので、合わせて一つの氏族を構成しました。

12 ケハテの組は、その子の名にちなんで、アムラム、イツハル、ヘブロン、ウジエルの四つの班に分けられました。

13 アムラムはアロンとモーセの父です。アロンとその子たちは、人々のささげ物を主に奉納する奉仕に取り分けられました。アロンはいつも主に仕え、御名によって人々を祝福したからです。

14-15 神の人モーセについて言えば、その子ゲルショムとエリエゼルはレビ族に入れられました。 16 ゲルショムの子たちの長はシェブエルです。 17 エリエゼルのひとり息子のレハブヤは子どもが大ぜいいたので、氏族の長となりました。

18 イツハルの子たちの長はシェロミテ。

19 ヘブロンの子たちの長はエリヤ。第二はアマルヤ、第三はヤハジエル、第四はエカムアム。

20 ウジエルの子らの長はミカで、第二はイシヤ。

21 メラリの子はマフリとムシ。マフリの子はエルアザルとキシュ。 22 エルアザルには息子がなく、娘たちが、いとこに当たるキシュの息子たちと結婚しました。 23 ムシの子はマフリ、エデル、エレモテ。

24 人口調査の時、二十歳以上のレビ人はみな、以上の氏族やその一族に組み入れられ、神殿の奉仕を割り当てられました。 25 ダビデがこう言ったからです。「イスラエルの神、主は平和を与えてくださった。これからは、主はエルサレムにお住みになる。 26 レビ人はもう、幕屋や礼拝の器具をいちいち運ばなくてもよい。」

27 このレビ族の人口調査は、ダビデが死ぬ前に行った最後のものでした。 28 レビ人の仕事は、神殿でいけにえをささげるアロンの子孫である祭司を補佐することでした。また、神殿の管理に当たり、きよめの儀式を行う手伝いもしました。 29 供えのパン、穀物のささげ物用の小麦粉、それにオリーブ油で揚げたり、オリーブ油を混ぜ合わせたりした、パン種(イースト菌)を入れない薄焼きのパンなどを用意しました。また、すべての物の重さや大きさをはかり、 30 毎日、朝と夕方には、主の前に立って感謝をささげ、賛美しました。 31 さらに、焼き尽くすいけにえ、安息日のいけにえ、新月の祝いや各種の例祭用のいけにえも用意しました。そのときに応じて必要な数のレビ人がこれに当たりました。 32 彼らは幕屋や神殿の管理を行い、求められることは何でも行って、祭司たちを助けました。

Japanese Living Bible (JLB)

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