Print Page Options
Previous Prev Day Next DayNext

Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
列王記Ⅱ 15:27-25:30

イスラエルの王ペカ

27 イスラエルの新しい王、レマルヤの子ペカは、ユダの王アザルヤの第五十二年に即位し、サマリヤで二十年間治めました。

28 ペカも主の前に悪を行い、イスラエルの民を偶像礼拝の罪に陥らせた、ネバテの子ヤロブアム一世にならいました。

29 ペカが王位にある時、アッシリヤの王ティグラテ・ピレセル(プル)が攻めて来て、イヨン、アベル・ベテ・マアカ、ヤノアハ、ケデシュ、ハツォル、ギルアデ、ガリラヤ、ナフタリの全土を占領し、住民を捕虜として連れ去りました。 30 その時、エラの子ホセアが謀反を企て、王を暗殺して、自分が王座につきました。

イスラエルの新しい王ホセアは、ユダの王ウジヤの子ヨタムの第二十年に即位しました。

31 ペカ王のその他の業績は、『イスラエル諸王の年代記』に記録されています。

ユダの王ヨタム

32-33 ユダの新しい王ヨタムは、イスラエルの王ペカの第二年に二十五歳で即位しました。父はウジヤ、母はツァドクの娘エルシャ。彼はエルサレムで十六年間治めました。

34-35 ヨタムは父ウジヤのように、主の前に正しいことを行いました。しかし、高台の礼拝所は取り除かなかったので、人々はそこでいけにえをささげたり、香をたいたりしました。彼の在位中に、神殿の上の門が造られました。 36 ヨタムのその他の業績は、『ユダ諸王の年代記』に記録されています。

37 そのころ、主はシリヤの王レツィンとイスラエルの王ペカに、ユダを攻めるよう仕向けました。 38 ヨタム王は死んで、ユダの歴代の王とともにエルサレムの旧市街、ダビデの町の王室墓地に葬られ、その子アハズが王となりました。

ユダの王アハズ

16 ユダの新しい王、ヨタムの子アハズは、イスラエルの王ペカの第十七年に、二十歳で即位し、エルサレムで十六年間治めました。

アハズは、先祖ダビデのようには、主の前に正しくありませんでした。 それどころか、彼はイスラエルの歴代の王のように偶像礼拝を行い、イスラエルの民がこの地に入った時に主が滅ぼされた国々の異教の風習にならい、焼き尽くすいけにえとしてわが子を神々にささげることまでしました。 このほかにも、高台の礼拝所や繁った木の下の祭壇でいけにえをささげたり、香をたいたりしました。

そのころ、シリヤ(アラム)の王レツィンとイスラエルの王ペカの連合軍がユダに宣戦布告し、エルサレムを包囲しましたが、町を占領することはできませんでした。 それでも、レツィン王はエラテの町を取り戻し、ユダの人々を追い出して、シリヤ人を移住させました。今もそのままです。

アハズ王はアッシリヤの王ティグラテ・ピレセルに使者を送り、援軍を要請しました。 このため、神殿や宮殿の宝物倉にあった金銀を贈り物として差し出したので、 アッシリヤの王はシリヤの首都ダマスコを攻撃し、住民を捕虜としてキルに連れ去り、レツィン王を殺しました。

10 アハズ王は、ティグラテ・ピレセル王に会うためダマスコへ行き、そこで、異教の神殿にある見慣れない祭壇に目を留めました。さっそくその寸法を書き留めて図面を作り、くわしい説明書きとともに、それを祭司ウリヤに送りました。 11-12 ウリヤは指示されたとおりに祭壇を築き、王のために準備しました。王は、ダマスコから帰るとすぐに、いけにえをささげました。 13 祭壇の上に、焼き尽くすいけにえと穀物の供え物とをささげ、さらに注ぎのささげ物を注いでから、和解のいけにえの血を振りかけました。 14 それから、これまで神殿の入口にあった青銅の祭壇を、神殿の正面から新しい祭壇の北側に移し替えました。 15 王は祭司ウリヤに、新しい祭壇の上で、朝ごとにささげる焼き尽くすいけにえと夕べの穀物の供え物、王の焼き尽くすいけにえと穀物の供え物、民のささげ物、および、これらに添える注ぎのささげ物をささげるように命じました。焼き尽くすいけにえや他のいけにえの血も、新しい祭壇に振りかけられました。王が、「古い青銅の祭壇は、私が個人的に伺いを立てるために使おう」と言ったので、古い祭壇はもっぱら占い用に使うことになりました。

16 祭司ウリヤは、王の命令どおりにしました。

17 それから王は、神殿にあった車輪つきの台を解体し、横木とその上に載せてあった洗盤を取りはずしました。また、青銅の牛の背に載せてあった大洗盤を下ろして、敷石の上に置きました。 18 さらに、アッシリヤ王に敬意を表して、宮殿と神殿との間にしつらえた祝祭用の通路を取りはずしました。

19 アハズ王のその他の業績は、『ユダ諸王の年代記』に記録されています。 20 王は死んで、エルサレムの旧市街、ダビデの町の王室墓地に葬られ、その子ヒゼキヤが王となりました。

イスラエルの王ホセアと首都サマリヤの陥落

17 1-2 イスラエルの新しい王、エラの子ホセアは、ユダの王アハズの第十二年に即位し、サマリヤで九年間治めました。悪政でしたが、歴代の王ほどではありませんでした。

アッシリヤの王シャルマヌエセルはイスラエルを攻め、ついにホセア王を服従させました。イスラエルは、毎年アッシリヤにばく大な貢ぎ物を納めることになったのです。 しかし、ホセア王は謀反を企て、エジプトのソ王に、アッシリヤの支配から脱することができるように援軍を頼みました。ところが、これが発覚し、アッシリヤ王は貢ぎ物を納めることを拒んだホセア王を反逆のかどで牢に入れ、鎖につなぎました。 こうして、イスラエルにアッシリヤ軍がなだれ込み、三年の間、首都サマリヤを包囲しました。 ホセア王の第九年、ついにサマリヤは陥落し、イスラエルの民はアッシリヤに捕らえ移され、ハラフの町、ゴザンのハボル川のほとり、メディヤ人の町々に住まわせられたのです。

こうした災難が臨んだのは、民がほかの神々を礼拝してエジプトの奴隷生活から彼らを救い出した神、主に対して罪を犯したからです。 人々は、主が追い払った異邦人の悪い風習に染まっていたのです。 ほかにも、ひそかに多くの悪を行い、国中に異教の神々の祭壇を作っていました。 10 彼らはすべての高台や、よく繁った木の下にも、石の柱や神々の像を立て、 11 主がこの地から一掃した異邦人の神々に香をたいていました。こうして、数々の悪を重ねたので、ついに主の激しい怒りを招きました。 12 あれほど主がはっきりとくり返し警告していたのにもかかわらず、彼らは偶像礼拝にふけっていたのです。

13 主は再三再四、イスラエルとユダに預言者を送り、悪の道から離れて彼らの先祖たちに与えたおきてを守るよう、警告してきました。 14 ところがイスラエルの民は、いっこうに耳を貸そうとしませんでした。彼らは先祖たちと同じように強情で、彼らの神、主を信じようとしませんでした。 15 主の教えに耳をふさぎ、主が先祖と結んだ契約を軽んじ、その警告を無視しました。主のきびしい警告があったにもかかわらず、偶像礼拝の罪に陥ったのは、彼らの愚かさのゆえでした。 16 主の命令などどこ吹く風で、金で鋳込んだ二つの子牛の像を造り、さらに、恥ずべき忌まわしい偶像を造り、バアルを礼拝し、太陽や月や星を拝みました。 17 また、息子や娘さえ焼き殺してモレクの祭壇にささげ、占いやまじないに走り、悪の限りを尽くしたのです。こんなことをしていて、主の激しい怒りを買わないわけがありません。 18 とうとう主は、ユダ族だけを残してイスラエルの民を一掃してしまったのです。

19 主の命令を守ろうとしなかったのは、ユダの民も同じでした。彼らもまた、イスラエルがたどった悪の道を進みました。 20 そこで主は、ヤコブのすべての子孫を見限り、侵略者の手に渡し、ついに投げ捨てたのです。 21 イスラエルはダビデ王朝から分離すると、ネバテの子ヤロブアム一世を王に迎えました。このヤロブアムがイスラエルを主から引き離し、いっそう大きな罪を犯させたのです。 22 イスラエルの民は、王の持ち込んだ悪から離れようとしませんでした。 23 それで、ついに主は彼らを取り除いてしまったのでした。預言者によって警告されたとおり、イスラエルの民はアッシリヤに引いて行かれ、今なおそこにとどまっています。

サマリヤへの移住者

24 アッシリヤの王は、バビロン、クテ、アワ、ハマテ、セファルワイムの住民を連れて来て、サマリヤの町々に住まわせました。こうして、サマリヤをはじめイスラエルの町々は、アッシリヤ人のものとなったのです。 25 これらのアッシリヤ人たちは、そこに住み始めたころ、主を恐れなかったので、主はライオンを送り込み、ライオンは彼らの何人かを噛み殺しました。 26 彼らはアッシリヤの王に使者を立て、こう報告しました。「私たちイスラエルに植民した者は、この地の神の教えを知りません。その神がライオンを送り込んで、私たちを滅ぼそうとしました。その神を礼拝しなかったからなのです。」

27-28 そこで王は、サマリヤから捕らえ移した祭司をイスラエルに帰らせ、新しい住民に、神のおきてを教えることにしました。それで、祭司の一人がベテルに帰り、バビロンからの移住者に主を礼拝する方法を教えました。 29 それでも移住者たちは、同時にめいめいの神々をも拝んでいました。彼らの偶像を自分たちが住む町の近くにある、高台の礼拝所に安置しました。 30 バビロンから来た人々はスコテ・ベノテ神、クテから来た人々はネレガル神、ハマテから来た人々はアシマ神を拝み、 31 アワ人はニブハズ神とタルタク神の像を拝み、セファルワイムから来た人々は、アデラメレク神とアナメレク神の祭壇にわが子を火で焼いてささげました。 32 彼らは、一方でイスラエルの主を礼拝し、他方では同僚の中から祭司を任命して、高台の祭壇でいけにえをささげました。 33 このように、出身地の習わしを守り続けていたのです。

34 この傾向は今も残っています。彼らは、心から主を恐れることもなく、のちにイスラエルと改名したヤコブの子孫に与えられた、主の教えを守ることもなく、ただ、昔からの故国の習わしに従っていました。 35-36 主がヤコブの子孫と結んだ契約によれば、イスラエルの民は異教の神々を礼拝したり、これにいけにえをささげたりすべきではなかったのです。彼らは、驚くべき力と奇跡によってエジプトからイスラエルの民を連れ出した主だけを礼拝すべきでした。 37 ヤコブの子孫は主のおきてをすべて守り、どんなことがあってもほかの神々を礼拝してはならなかったのです。 38 それは、主がこう命じられたからです。「わたしがあなたがたと結んだ契約を忘れて、ほかの神々を礼拝してはならない。 39 わたしだけを礼拝しなさい。わたしはあなたがたを、すべての敵から救い出そう。」

40 しかしイスラエルは、このことばに耳をふさぎ、ほかの神々を礼拝しました。 41 一方、バビロンからの移住者は、主を礼拝したものの、同時に彼らの偶像も拝みました。今でも、彼らの子孫は同じことをしています。

ユダの王ヒゼキヤ

18 1-3 ユダの新しい王、アハズの子ヒゼキヤは、イスラエルの王ホセアの第三年に、二十五歳で即位し、エルサレムで二十九年間治めました。母はゼカリヤの娘アビ。その治世は先祖ダビデと同じように良いものでした。

ヒゼキヤ王は高台の礼拝所を取り除き、石の柱を壊し、忌まわしいアシェラ像を切り倒しました。また、人々が香をたいて祈るようになっていた、モーセの作った青銅の蛇を粉々にしました。それは王が指摘したとおり、元をただせば、ただの青銅にすぎなかったのです。 王はイスラエルの神、主に心から信頼していました。あとにも先にも、ヒゼキヤのような王はいませんでした。 すべての点で主に従い、主がモーセに授けられた命令を注意深く守りました。 主は彼とともにいて、彼のすることをみな祝福しました。彼はアッシリヤの王に刃向かい、貢ぎ物を納めることをやめました。 また、ガザとその周辺までペリシテ人の領土を占領し、大小の町々を攻撃しました。

アッシリヤ王のシャルマヌエセルがイスラエルのサマリヤの町を包囲したのは、イスラエルの王ホセアの第七年、ヒゼキヤ王の第四年のことでした。 10 三年後、サマリヤは陥落しました。 11 その時、アッシリヤの王はイスラエル人を捕虜としてアッシリヤに移し、ハラフの町、ゴザンのハボル川のほとり、メディヤの町々に住まわせました。 12 そうなったのは、彼らが彼らの神、主に聞き従わず、その命令を守らなかったからです。それどころか、彼らは主との契約を踏みにじり、主のしもべモーセが与えたすべてのおきてに背いたのです。

セナケリブの攻撃と脅迫

13 そののち、ヒゼキヤ王の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブがユダの要塞化された町々を残らず占領しました。 14 ヒゼキヤは、ラキシュにいるアッシリヤ王のもとに使者を送って、和平を求めました。「私が間違っておりました。わが国から引き揚げてくださるなら、お望みどおりの賠償金を支払います。」アッシリヤの王の要求は銀三百タラントと金三十タラントでした。 15 ヒゼキヤ王は、神殿と宮殿の宝物倉にある銀を全部、この賠償金にあてました。 16 足りない分は神殿の扉と柱の金箔をはぎ取ってまで、アッシリヤの王に渡しました。

17 ところがアッシリヤの王は、前線の将軍、主計長、参謀長に大軍をつけてエルサレムに送ったのです。彼らは、布さらしの野(城外にあった、布をさらす職人たちの作業場)に面した大路に沿って、上の池の水道のそばに宿営しました。 18 三人は、ヒゼキヤ王とじきじきに話し合うことを望みましたが、ヒゼキヤは自分の代わりに、宮内長官エルヤキム、書記官シェブナ、補佐官ヨアフを休戦交渉の代表に立てました。

19 アッシリヤの将軍ラブ・シャケは彼らに言いました。「ヒゼキヤ王に伝えよ。アッシリヤの大王の仰せだ。『私の手からおまえを助け出せる者はいない。 20-21 外国の口先だけの援助を当てにして私に反逆するとは、もってのほかだ。同盟国の中で、どの国が実際にその約束を果たしてくれようか。エジプトか? エジプトなど頼りになるものか。エジプトは葦の杖にすぎず、おまえの重みで折れ曲がり、おまえの手を突き刺すことになるだろう。エジプトのファラオは少しも当てにならない。 22 それともおまえたちは、「きっと主が助けてくださる」とでも言うのか。だとしたら忘れるな。それは、おまえが取り除いた高台の祭壇の神々である。主とやらをエルサレムの祭壇で拝めと命じているとは、あきれ果てたものだ。』 23 どうしたらよいか教えてやろう。わが主君アッシリヤの王と賭けをするがいい。そちらが馬に乗れる者二千人を用意するなら、こちらで二千頭の馬を出そう。 24 おまえたちの小さな軍隊では、わが主君の軍隊の最小部隊を指揮する最下位の将校さえ、脅かすことはできまい。たとえエジプトが馬や戦車を出してくれたとしても、それが何の助けになるのか。 25 思い違いをするな! われわれの野心からここに来たのではない。主がわれわれを送り、『攻め上ってこの民を滅ぼせ』と言われたのだ。」

26 エルヤキムとシェブナ、ヨアフは、たまりかねて口をはさみました。「私たちにはアラム語がわかりますから、どうかアラム語で話してください。城壁の上にいる民が聞いているので、ヘブル語は使わないでください。」

27 しかし、ラブ・シャケは平然と答えました。「わが主君がわざわざ私をよこしたのは、おまえたちやおまえたちの主君とだけ話すためではない。城壁の上にいる民にも話しかけるためなのだ。彼らもおまえたちといっしょに、自分の糞を食べ、自分の尿を飲むようになるからだ。」

28 こう言い捨てると、彼は城壁の上にいる者たちに大声で呼びかけました。「アッシリヤの大王の仰せを聞け!  29 『ヒゼキヤにだまされるな。彼はおまえたちを、私の手から救い出せない。 30 主がわれわれを救い出してくれるとか言っているそうだが、決してだまされてはならない。 31-32 ヒゼキヤの言うことなど聞かずに、降伏せよ! そうすれば、自分の国で平和に暮らせるのだ。そのうち、この国と同じように穀物とぶどう酒がたくさんでき、オリーブの木とみつに恵まれた、新しい地に連れて行ってやろう。それが助かる唯一の道だ。いくらヒゼキヤが、主が救い出してくれると言っても、そんなたわごとに耳を貸すな。 33 アッシリヤの王の手から国を救った神々がいたか。 34 ハマテ、アルパデ、セファルワイム、ヘナ、イワの神々は、サマリヤを助けたか。 35 どこの神が、私の手から国を救えたか。いったい何を根拠に、主はエルサレムを救えるなどと考えているのだ。』」

36 城壁の上の者たちはヒゼキヤ王の命令どおり、黙って、何も答えませんでした。 37 ヒルキヤの子で宮内長官のエルヤキム、書記官シェブナ、アサフの子で補佐官のヨアフは、自分たちの衣を裂いてヒゼキヤ王のもとに行き、アッシリヤの将軍ラブ・シャケが言ったことを報告しました。

19 それを聞いたヒゼキヤは、衣を裂き、荒布をまとって、祈るため神殿に入りました。 それから、エルヤキム、シェブナ、および年長の祭司たちにも荒布をまとわせ、アモツの子の預言者イザヤのもとに遣わしました。

「王はこう仰せです。『今日は苦難と侮辱と不名誉の日だ。子どもが生まれようとしているのに、母親には産み落とす力がない。 おそらく、あなたの神、主は、生ける神をそしってはばからないアッシリヤの将軍のことばを聞いて、彼を罰してくださるだろう。われわれ少数の残った者のために祈ってほしい。』」

5-6 イザヤは言いました。「主のおことばである。『あなたがたの主君に、あのアッシリヤ人がわたしを冒瀆したことを気にかけるな、と伝えよ。』 アッシリヤの王は、本国から悪い知らせを受け、引き揚げることになるだろう。そして、本国へ戻ったら殺される。それもみな、主のお取り計らいなのだ。」

するとまもなく、アッシリヤの将軍は、リブナにいるアッシリヤの王のもとに帰りました。王がラキシュを離れたという知らせを受けたからです。 その後、エチオピヤの王ティルハカが攻めて来るという知らせが、アッシリヤの王のもとに届きました。その攻撃を受ける前に、彼はヒゼキヤ王に再び使者を立てました。

10 「おまえが信頼している神にたぶらかされるな。神が、『エルサレムを敵の手に渡さない』と言っても、信じてはならない。 11 今まで、アッシリヤの諸王が行く先々でどんなことをしたか、よく知っているはずだ。私の先祖たちは、諸国を手あたりしだい、片っぱしから打ち破って回ったのだ。なぜ、おまえだけが、そうならないと言えるのか。 12 ほかの国々の神は、国を救ったか。ゴザン、カラン、レツェフ、およびテラサルにいるエデンの人々の場合を見よ。彼らは皆殺しにされたではないか。 13 ハマテの王とアルパデの王は、どんな目に会ったか。セファルワイム、ヘナ、イワの王たちは、どうなったか。」

ヒゼキヤの祈りと主のことば

14-15 ヒゼキヤ王はこの手紙を受け取って目を通すと、神殿に上り、それを主の前に広げ、こう祈りました。「ケルビム(契約の箱を守る天使の像)の上に座しておられるイスラエルの神、主よ。あなただけが、全世界を支配する神様でいらっしゃいます。あなたは天と地とを創造なさいました。 16 主よ。どうか御顔をこちらに向け、よくごらんください。耳を傾け、生ける神に反抗するこの男のことばを、しっかりとお聞きください。 17 主よ。確かに、アッシリヤの王は、あらゆる国々を滅ぼし、 18 その国々の偶像を焼き払いました。それらの偶像はもともと神ではなく、人間が木や石で造ったものにすぎなかったので当然です。 19 私たちの神、主よ。お願いですから、私たちを彼の手から救い出してください。そうすれば、全世界は、あなただけが神であることを知るでしょう。」

20 イザヤは人をやって、主に告げられたことばを王に伝えました。「イスラエルの神、主はお語りになります。『わたしはあなたの祈りを聞いた。 21 わたしはセナケリブ王にこう答える。処女であるシオンの娘はおまえなど少しも恐れない。エルサレムの娘はおまえをさげすみ、あざ笑う。 22 おまえはだれに反抗し、だれをののしったのか。だれに向かって、そんなに高慢な態度をとるのか。相手はイスラエルの聖なる神ではないか。

23 おまえは鼻高々に言った。「私の戦車は高い山に登り、レバノンの最高峰まで占領した。高くそびえるレバノン杉と良質の糸杉を切り倒し、辺境の地に至るまで手中に収めた。 24 占領した多くの井戸の水を飲んで元気を取り戻し、近寄っただけでエジプトを震え上がらせた」と。

25 神であるわたしに動かされていたのを、知らなかったのか。わたしがおまえに、すべての城壁のある町々を占領するよう命じたのだ。 26 だからこそ、あの征服された国々は、おまえに逆らう力を失ったのだ。まるで、灼熱の太陽のもとでしなびた草、途中で枯れた穂のように。 27 わたしはおまえが何を計画し、次にどこへ行こうとしているか、何もかも知っている。また、わたしについて言っている悪口も、みな筒抜けだ。 28 おまえがあまりに思い上がっているので、その鼻に鉤を引っかけ、口にはくつわをはめ、もと来た道に引き戻してやる。 29 はっきり言っておく。今年、わたしの民は自然に生えた麦を食べ、それを翌年の種もみにする。そして三年目には、豊作にわくだろう。

30 わが民ユダよ。敵の包囲を免れた者たちは、再び大きな民となる。地中深く根を張り、神のために実を結ぶようになる。 31 わが民の残りの者は、エルサレムで強くなる。わたしが熱い思いでそうするからだ。

32 アッシリヤの王はこの町に入らせない。王は盾を持って町に近づくことはできない。とりでを築いて町を攻めることも、矢を射かけることもできない。 33 王は来た道を引き返す。 34 わたしが、わたしのために、また、わたしのしもべダビデのために、この町を守り、救うからだ。』」

35 その夜、主の使いがアッシリヤの軍勢十八万五千人を打ち殺しました。翌朝になって見ると、死体があたり一面に転がっていました。

36 セナケリブはニネベに帰って行きましたが、 37 彼の神ニスロクの神殿で礼拝していた時、王子アデラメレクとサルエツェルに殺されました。二人は東トルコのアララテに逃げ、王子エサル・ハドンが新しく王となりました。

病にかかったヒゼキヤ

20 そのころ、ヒゼキヤは重病をわずらい、明日をも知れぬ身となりました。預言者イザヤは彼を訪ねて来て言いました。「身の回りを整理しておかれますように。病気は治らない、と主のおことばがありました。」

王は顔を壁に向け、主に嘆願しました。 「ああ主よ。どうか、私がいつもあなたにお従いし、何につけてもあなたをお喜ばせしようとしてきたことを思い出してください。」こう言って、彼は泣き伏しました。

イザヤがまだ中庭を出ないうちに、再び主のことばがありました。 「わたしの民の指導者ヒゼキヤのもとに引き返して、こう告げなさい。先祖ダビデの神、主は、王の祈りを聞き、涙を見た。わたしは彼を癒やそう。三日後には、彼は床から起き上がり、神殿の前に立つ。 彼の寿命を十五年延ばそう。そしてアッシリヤの王の手から、王とこの町とを救い出す。そうするのは、わたしの栄光のため、また、わたしのしもべダビデのためである。」

イザヤは、干しいちじくをゆでて軟膏を作り、それをヒゼキヤ王の腫れものに塗るよう指示しました。すると、王は治ったのです。

ヒゼキヤはイザヤにこう言いました。「主が私を癒やされ、三日後にまた神殿に行けるという証拠を見せてください。」

イザヤは言いました。「よろしい。主はあなたにしるしを見せてくださいます。日時計の上の影を十度進ませるか、それとも十度引き戻すか、どちらを選びますか。」

10 「影は進むと決まっているから、あとに戻るようにしてください。」

11 イザヤはそのように祈りました。すると、主は日時計の影を十度後戻りさせたのです。

バビロンからの使者

12 そのころ、バルアダンの子、バビロンの王メロダク・バルアダンは、ヒゼキヤ王が病気だというので、見舞いの使者を送り、手紙と贈り物を届けました。 13 ヒゼキヤは使者を喜んで迎え、宝物として大事にしまってある金、銀、香料、香油、武器などをすべて見せました。

14 そこでイザヤは、ヒゼキヤに会って尋ねました。「あの人たちは何を求めたのですか。どこから来たのですか。」

ヒゼキヤは、「はるばるバビロンから来られました」と言いました。

15 イザヤが、「彼らは宮殿で何を見たのですか」と聞くと、「私の宝物倉にある物は全部見せました」とヒゼキヤは答えました。

16 すると、イザヤはヒゼキヤに言いました。「主のおことばを聞きなさい。 17 『この宮殿にある物が、一つ残らずバビロンに運ばれる時がくる。先祖の宝物はすべて持ち去られ、何も残らない。 18 あなたの息子のうちから、捕虜になって、バビロン王の宮殿で宦官として仕える者が出る。』」

19 「よくわかりました。主のお望みなら、それもけっこうです。」実を言うと王は、自分が生きている間は平和と安全が保証されると考えていたのです。

20 ヒゼキヤ王のその他の業績、貯水池と水道を造って町に水を引いたことなどは、『ユダ諸王の年代記』に記録されています。 21 こうして王は死んで、その子マナセが新しく王となりました。

ユダの王マナセ

21 1-2 ユダの新しい王マナセは十二歳で即位し、エルサレムで五十五年間治めました。母はヘフツィ・バハで、彼は、以前この地に住んでいた異教の民の風習にならい、主の前に悪を行いました。

3-5 彼は、父ヒゼキヤが取り壊した高台の礼拝所を再建し、イスラエルのアハブ王をまねてバアルのために祭壇を築き、忌まわしいアシェラ像を造りました。また太陽神をはじめ、月や星の神のための祭壇を、なんと神殿の中に置いたのです。 さらに、わが子を偶像の祭壇にいけにえとしてささげ、まじないや占いに凝り、霊媒や口寄せを行いました。このように、マナセ王のすることがあまりにもひどかったので、主の激しい怒りを引き起こしました。 恥ずべきことに、アシェラ像を神殿に安置さえしたのでした。神殿は、かつて主がダビデとソロモンに、次のように説明した場所にほかなりません。「わたしはこの神殿に、そして、わたしがイスラエル全部族の町から選んだエルサレムに、いつまでもわたしの名を置く。 もしイスラエルの民が、わたしがモーセを通して与えておいた命令に従うなら、もう二度と彼らを父祖の地から追い出さない。」

しかし、人々は主に聞き従わず、マナセは民をそそのかして、すでにイスラエル人の前で主に滅ぼされた周辺の国民がなしたことよりも、さらに悪いことを行わせたのです。

10 それで主は、預言者たちによって、次のように言いました。 11 「ユダの王マナセはこのように主の目に悪を行い、その非道ぶりは以前この地にいたエモリ人以上で、王はユダの民に偶像礼拝の罪を犯させた。 12 それゆえ、わたしはエルサレムとユダに大きな災いを下す。それを聞く者は、恐怖のあまり激しい耳鳴りに襲われるだろう。 13 わたしはエルサレムをサマリヤと同じ目に会わせる。洗った皿を乾かすために引っくり返すように、エルサレムを引っくり返す。 14 生き残ったわずかな民さえ見限り、敵の手に渡す。 15 それは、わたしが彼らの先祖をエジプトから連れ出した日から今日まで、彼らが悪に悪を重ね、わたしの怒りを招いたからだ。」

16 マナセ王は、主が忌みきらう偶像礼拝を民にさせたばかりでなく、罪のない人々を大ぜい殺しました。エルサレムは、その犠牲者の死体で埋め尽くされるほどでした。

17 罪にまみれたマナセ王のその他の業績は、『ユダ諸王の年代記』に記録されています。 18 王は死んで、ウザにある宮殿の庭に葬られ、その子アモンが新しく王となりました。

ユダの王アモン

19-20 ユダの新しい王アモンは二十二歳で即位し、エルサレムで二年間治めました。母はヨテバ出身のハルツの娘メシュレメテで、彼は主の目に悪を行いました。

21 彼は父の悪をそっくりまね、父の拝んだ偶像を拝み、 22 先祖代々仕えてきた主を捨てて、主の命令に耳をふさぎました。 23 アモンの家来たちは彼に謀反を起こし、宮殿の中で王を殺しました。 24 ところが、今度は武装した民衆が暗殺者たちをみな打ち殺し、アモンの子ヨシヤを王にしました。 25 アモン王のその他の業績は、『ユダ諸王の年代記』に記録されています。 26 王はウザの宮殿の庭にある墓地に葬られ、その子ヨシヤが新しく王となりました。

ユダの王ヨシヤ

22 1-2 ユダの新しい王ヨシヤは八歳で即位し、エルサレムで三十一年間治めました。母はボツカテ出身のアダヤの娘エディダで、彼は主の目にかなうことを行い、先祖ダビデにならって完全に主に従いました。

3-4 ヨシヤ王の第十八年に、王はメシュラムの子アツァルヤの子、書記官シャファンを使いに出し、神殿にいる大祭司ヒルキヤに指示しました。「礼拝に来る人々が、神殿の入口にいる祭司に渡す献金を集めなさい。 5-6 その金を工事監督者に渡し、それで神殿を修理する大工や石工を雇い、木材や石材を買わせなさい。 ただし彼らは正直者ばかりなので、支出報告書の必要はない。」

ある日、大祭司ヒルキヤが書記官シャファンのところに来て、「神殿で律法の書を発見した」と報告しました。ヒルキヤは、その巻物をシャファンに見せました。 9-10 シャファンは神殿の修理状況を王に報告した時、ヒルキヤが発見した巻物のことにもふれ、王の前でそれを読み上げました。 11 王はその内容を聞くと、恐れて自分の衣を裂きました。 12-13 それから祭司ヒルキヤ、シャファン、王の補佐官アサヤ、シャファンの子アヒカム、ミカヤの子アクボルに命じて、主に尋ねさせたのです。「私たちはどうしたらよろしいでしょう。私たちはこの書の教えを守ってきませんでした。私たちも私たちの先祖も、あなたのご命令に従わなかったので、あなたは激しく怒っておられるに違いありません。」

14 そこで祭司ヒルキヤ、アヒカム、アクボル、シャファン、アサヤは、エルサレムのミシュネ地区へ行って、女預言者フルダに会いました。彼女は、ハルハスの子ティクワの子で、宮殿の衣装係をしているシャルムの妻でした。 15-16 彼女は彼らに、主が語られたことばを伝えました。「あなたがたを使いに出した人に告げなさい。『わたしは、あなたがたが読んだ書にあるとおり、この町と民を滅ぼすつもりだ。 17 ユダの民はわたしを捨てて、ほかの神々を拝み、わたしを激しく怒らせた。もう、その怒りはとどめようがない。 18-19 しかし、この地がのろわれて荒れ地となるという警告を読んだ時、あなたは深く心を痛め、謙遜になり、衣を裂いて、わたしの前で涙を流した。それで、あなたの願いを聞き入れよう。 20 あなたが死ぬまで、この民に災いは臨まない。わたしがこの場所に下す災いを、あなたは見ないですむ。』」

彼らは、このことばを王に伝えました。

神の律法に従うヨシヤ王

23 1-2 そこで王は、使者をユダとエルサレムの長老や指導者たちに送り、自分といっしょに神殿へ上るよう命じました。ユダとエルサレムに住む祭司と預言者全員、それに身分の高い者も低い者もみな、神殿に集まりました。王は、神殿で発見された『契約(律法)の書』を一同に読み聞かせました。 王は正面の柱のわきに立っていました。朗読が終わると彼らは、主に従い、契約の書に命じられているすべての戒めを守ることを厳粛に誓いました。

そのあと、王は大祭司ヒルキヤをはじめ祭司たち、および神殿の警護に当たる者に命じて、バアルやアシェラ、太陽や月や星を礼拝するための備品・装具をすべて取り壊し、それらをエルサレム郊外のキデロンの野で焼き、灰はベテルへ運ばせました。 次に、先のユダの王たちが任命した異教の祭司たちを処刑しました。彼らは、ユダの全地とエルサレム周辺の高台にある礼拝所で香をたき、バアルや太陽、月、星、天体に対しても香をたいていたのです。 さらに王は、アシェラ像を神殿から取り除き、エルサレム郊外のキデロン川に運んで焼き、粉々に砕いて灰とし、その灰を共同墓地にまきました。 さらに、神殿の回りにあった男娼の家も取り壊しました。それらの家で、女たちがアシェラ像のために布を織っていたからです。

王は、ユダの町々に住む、主に仕える祭司たちをエルサレムに連れ戻しました。そして、北はゲバから南はベエル・シェバに至るまでの高台の礼拝所を、全部たたき壊しました。次に、エルサレム市長ヨシュアの邸宅の入口にあった礼拝所も取り壊しました。その邸宅は、町の門を入って左側にありました。 高台の祭司たちは、ほかの祭司たちと共に食事はしたものの、エルサレムにある主の祭壇で供え物をささげる役には就きませんでした。

10 それから王は、だれも二度と、自分の息子や娘をモレクのいけにえとしてささげることがないように、ベン・ヒノムの谷にあるトフェテの祭壇を取り壊しました。 11 また、神殿の入口に近い、宦官ネタン・メレクの部屋の隣にある馬と戦車の像を壊しました。それは、先のユダの王たちが太陽神に献納したものだったからです。 12 さらに、ユダの王たちが宮殿のアハズの部屋の屋上に造った祭壇と、マナセが神殿の二つの庭に造った祭壇も粉々にし、キデロンの谷にまきました。

13 それから王は、エルサレムの東、破壊の山の南にある丘の上の礼拝所を取り除きました。それは、ソロモンがシドン人の悪の女神アシュタロテ、モアブの悪神ケモシュ、アモン人の悪神ミルコムのために建てたものです。 14 ヨシヤ王は石の柱を粉々に砕き、忌むべきアシェラ像を切り倒し、それらのあった場所に人骨をまき散らして汚れた所にしました。

15 さらに、イスラエルに罪を犯させたヤロブアム一世の築いた、ベテルにある祭壇や礼拝所を壊し、石の柱を粉々に砕き、アシェラ像を焼き払いました。

16 ヨシヤ王は、山麓に墓があるのを見つけました。そこで家来に命じて、その墓から骨を取り出し、それをベテルの祭壇の上で焼かせて、祭壇を汚れたものとしました。こうして、かつて預言者がヤロブアムの祭壇はこうなる、と言っていたとおりになったのです。

17 王は、「あそこに見える石碑は何か」と尋ねました。すると、町の人々は答えました。「ユダから出て来て、あなたが今ベテルの祭壇に対してなさったことを預言した、預言者の墓(Ⅰ列王記13章参照)です。」

18 王は言いました。「そうか。では、そのままにしておきなさい。だれも彼の骨にさわってはならない。」

それで人々は、彼の骨も、サマリヤから来たあの預言者の骨も焼きませんでした。

19 ヨシヤ王はサマリヤの高台の礼拝所をすべて取り払い、ベテルでしたように粉々にしました。それらはみな、イスラエルの王たちが建て、主の激しい怒りを買ったものでした。 20 王はまた、異教の神々に仕える祭司たちを彼ら自身の祭壇の上で殺し、その祭壇を汚れたものとするため、その上で人の骨を焼きました。こうして、彼はエルサレムへ帰って行ったのです。

21 王は民に、『契約の書』にあるとおり、過越の儀式を執り行うよう命じました。 22 イスラエルを士師が治めていた時以来、過越の祭りが祝われたことはありませんでした。イスラエルとユダの諸王のどの時代にも例がありません。 23 この過越の祭りは、ヨシヤ王の第十八年、エルサレムで行われました。

24 ヨシヤ王はまた、霊媒や口寄せ、それにエルサレムとユダの全地にある、ありとあらゆる偶像を一掃しました。祭司ヒルキヤが神殿で発見した書物にある律法のことばを、忠実に守ろうとしたからです。 25 ヨシヤのように完全に主に立ち返り、モーセのすべての律法を守った王は、彼のほかにはいませんでした。

26 それにもかかわらず、マナセ王の悪行がもたらしたユダへの主の激しい怒りは収まりませんでした。 27 主は言われました。「わたしは、イスラエルを退けたようにユダも退ける。わたしが選んだ町エルサレムも、わたしが自分のものだと言った神殿も捨てる。」

28 ヨシヤ王のその他の業績は、『ユダ諸王の年代記』に記録されています。 29 そのころ、エジプトの王ネコが、アッシリヤの王のもとに行こうとユーフラテス川に向かっていました。ヨシヤはネコを迎え撃つために出陣しましたが、メギドで彼に見つかり、殺されました。 30 ヨシヤの家来たちは遺体を戦車でエルサレムに運び、彼の墓地に葬りました。民は、ヨシヤ王の子エホアハズを新しい王に選びました。

ユダの王エホアハズ

31-32 ユダの新しい王エホアハズは二十三歳で即位し、エルサレムで三か月間王位にありました。母はリブナ出身のエレミヤの娘ハムタルで、彼は先王たちにならって主の前に悪を行いました。

33 ファラオ・ネコは、エホアハズが王になることに反対でした。そのため、彼をハマテにあるリブラに幽閉し、ユダに銀百タラント(三千四百キログラム)と金一タラント(三十四キログラム)の科料を課しました。 34 そしてヨシヤの子エルヤキムをエルサレムで王位につけ、名をエホヤキムと改めさせました。一方、エホアハズはエジプトへ連れて行かれ、そこで死にました。 35 エホヤキム王は、エジプトのファラオが要求する銀を差し出すために、国民に重税を課さなければなりませんでした。

ユダの王エホヤキム

36-37 ユダの新しい王エホヤキムは二十五歳で即位し、エルサレムで十一年治めました。母はルマ出身のペダヤの娘ゼブダで、彼もまた先王たちにならって主の前に悪を行いました。

24 エホヤキムが王であった時代に、バビロンの王ネブカデネザルがエルサレムを攻めました。エホヤキム王は降伏し、三年間、貢ぎ物を納めたのち背きました。 そこで主は、かねて預言者たちによって警告したとおり、カルデヤ人、シリヤ人、モアブ人、アモン人の略奪隊を送って、ユダとその民を滅ぼそうとしました。 3-4 こうした災いがユダに臨んだのは、主のじきじきの命令によるものでした。それは、マナセがエルサレムを罪のない人の血で満たしたため、主がそれらの罪を赦さず、ユダを一掃しようと決めていたからです。

エホヤキム王のその他の業績は、『ユダ諸王の年代記』に記録されています。 王は死んで、その子エホヤキンが新しく王となりました。 当時、バビロンの王がエジプト川からユーフラテス川に至る、以前のエジプトの全占領地を押さえていたので、エジプトのファラオはその後、再び攻めて来ませんでした。

ユダの王エホヤキン

8-9 ユダの新しい王エホヤキンは十八歳で即位し、エルサレムで三か月間王位にありました。母はエルサレムのエルナタンの娘ネフシュタで、彼も先王たちにならって主の前に悪を行いました。

10 エホヤキンが王であった時、バビロンの王ネブカデネザルの軍隊が、エルサレムを包囲しました。 11 さらに王自身もやって来て、この作戦に加わりました。 12 エホヤキン王とその家臣たち、王母はそろって降伏し、王は捕虜としてバビロンへ引いて行かれました。ネブカデネザル王の第八年のことです。

13 バビロン軍は神殿と宮殿の宝物を残らず持ち出し、ソロモンが主の命令で神殿にしまっておいた金の器具を、片っぱしから二つに断ち切ってしまいました。 14 ネブカデネザル王は、エルサレムから一万人を捕虜として連れ去りました。多くは、王子、高官、えり抜きの勇士、職人、鍛冶屋でした。貧しい人や、手に職のない人々だけがあとに残されたのです。 15 エホヤキン王とその妻たち、家臣、それに王の母をはじめ、 16 七千人の精鋭部隊、戦争に役立つ職人と鍛冶屋千人が捕虜となりました。 17 このあとバビロンの王は、エホヤキン王の叔父マタヌヤをゼデキヤと改名し、次の王にしました。

ユダの王ゼデキヤ

18-19 ユダの新しい王ゼデキヤは二十一歳で即位し、エルサレムで十一年治めました。母はリブナ出身のエレミヤの娘ハムタルで、彼もまたエホヤキムと同じく主の前に悪を行いました。

20 主の怒りによって、ついにエルサレムとユダの民は壊滅に至ったのです。その後ゼデキヤ王は、バビロンの王に反逆を企てました。

エルサレム陥落

25 そこで、ゼデキヤ王の第九年の第十の月の十日にネブカデネザル王は全軍を率いて攻撃をしかけ、エルサレムを包囲しました。 それは、ゼデキヤ王の第十一年まで続きました。

最後の年の第四の月の九日になると、町に残っていた最後の食糧も底をつきました。 4-5 その夜、王とその手勢は、内側の城壁に穴をあけ、宮殿の庭園の近くにある、二重の城壁の間の門を通り抜けて、アラバへ逃げました。町を包囲していたバビロンの兵士たちはあとを追い、エリコの平原でゼデキヤ王を捕らえたので、王の軍隊は散り散りになりました。 ゼデキヤはリブラへ連行され、バビロンの王の前で裁判を受けました。 その結果、目の前で息子たちが次々に殺されるのを見せられたのち、両眼をえぐり出され、足かせにつながれたままバビロンへ連行されました。

ネブカデネザル王の第十九年の第五の月の七日、王の侍従長ネブザルアダンがバビロンからエルサレムに到着し、 神殿や宮殿をはじめ、町中のめぼしい建物を全部焼き払いました。 10 また、バビロン軍を指揮して、城壁を取り壊しました。 11 町に残っていた人々と、バビロンの王に忠誠を誓ったユダの逃亡兵全員は、捕虜としてバビロンへ連行されました。 12 貧民街に住む者だけが、土地を耕すために残されたのです。

13 バビロン軍は、神殿の青銅の柱と青銅の洗盤を台もろとも壊し、青銅をすべてバビロンへ運びました。 14-15 また、つぼ、十能、火皿、芯切りばさみ、さじ、その他、いけにえをささげるために使う青銅の器具もすべて奪いました。金や銀の鉢はその他の金銀とともに、溶かして金塊や銀塊にされました。 16 ソロモンが神殿のために作った二本の柱と台つきの大洗盤は、あまりにも重くて、量ることができませんでした。 17 柱の高さはそれぞれ十八キュビト(約八メートル)あり、その上に回りを青銅の網細工とざくろで飾った三キュビトの柱頭がついていました。

18 ネブザルアダンは、祭司長セラヤと次席祭司ゼパニヤ、それに、三人の神殿警備員を、捕虜としてバビロンへ連れて行きました。 19 ユダ軍の司令官、徴兵官、王の五人の側近、町に隠れているところを見つかった六十人の農夫は、 20 捕らえられて、リブラにいるバビロンの王のもとへ引き出され、 21 剣で切り殺されました。こうして、ユダの民は祖国を追われて捕囚の身となったのです。

ユダを統治したゲダルヤ

22 ネブカデネザル王は、アヒカムの子、シャファンの孫ゲダルヤを、ユダに残った者を治める総督に任命しました。 23 バビロンの王がゲダルヤを総督に任命したと聞くと、イスラエルのゲリラ部隊の指導者たちは、部下を引き連れ、ミツパにいるゲダルヤのところへ来ました。ネタヌヤの子イシュマエル、カレアハの子ヨハナン、ネトファ人タヌフメテの子セラヤ、マアカ人の子ヤアザヌヤと、その部下たちです。 24 ゲダルヤは、彼らにこう保証しました。「武器を捨ててバビロン軍に下れば捕虜にもならず、この地に住めよう。」

25 ところが、それからしばらくして、王族の一人であったイシュマエルは、十人の部下を連れてミツパへ行き、ゲダルヤをはじめ、ユダ人とバビロン人からなる総督府の職員を殺してしまったのです。 26 ユダの民はバビロン軍の報復を恐れて、ゲリラ部隊の指導者たちとともに、あわててエジプトへ逃げました。

エホヤキンの釈放

27 エホヤキンは、捕囚となって三十七年目の第十二の月の二十七日に、牢から釈放され、自由の身となりました。それは、バビロンの王エビル・メロダク即位の年のことでした。 28 彼はエホヤキンに親切にし、バビロンで共に獄につながれていたどの王に対するよりも厚遇しました。 29 エホヤキンはそれまでの囚人服から新しい服に着替え、一生の間、いつも王の食卓で食事をしました。 30 エホヤキンは生きている間、王から日々の生活費を支給されました。

Japanese Living Bible (JLB)

Copyright© 1978, 2011, 2016 by Biblica, Inc.® Used by permission. All rights reserved worldwide.