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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
出エジプト記 15:19-28:43

19 ファラオの馬と騎手と戦車が、海の中を進もうとした時、水の壁はくずれ、彼らの頭上に覆いかぶさったのです。しかしイスラエル人は、乾いた地を渡りました。

20 アロンの姉で女預言者のミリヤムが、タンバリンを手に、女たちの先頭に立って踊り始めました。

21 ミリヤムは歌いました。

「主の勝利をたたえ、心から喜び歌おう。
主は馬も人も海に投げ込んだ。」

マラの水

22 このあとモーセは人々を率いて、紅海からさらにシュルの荒野へ出ました。三日間、水のない日が続きました。 23 やっとマラに着きましたが、水はあるものの苦くてとても飲めません。それで、マラ〔「苦い」の意〕という名がついたのです。 24 人々はモーセに不平を言い立てました。「何とかしてくれ! のどが渇いて死にそうだ。」

25 モーセは主に助けを求めました。すると、主は彼に一本の木を示し、それを水に投げ入れなさいと命じるのです。そのとおりにすると、水は甘くなりました。

このマラで、主はモーセを試みました。 26 「もしもあなたがわたしに従い、正しいことを行うなら、エジプト人を悩ませた病気であなたが苦しまなくてすむようにしよう。わたしはあなたを癒やす主である。」

27 こうして一行がエリムに着くと、そこには泉が十二と、なつめやしの木が七十本ありました。その泉のそばで、彼らは野営しました。

うずらとマナ

16 それから、彼らはエリムを発ち、エリムとシナイ山との間に広がるシンの荒野に向かいました。荒野に着いたのは、エジプトを出た翌月の十五日でした。 そこでも人々は、モーセとアロンを非難しました。 「ああ、エジプトにいればよかったのに。あのまま主の手にかかって死んだほうがまだましだった。あのころは、少なくとも食べ物はたっぷりあった。なのに、あなたたちはこんな荒野に私たちを連れ出し、ここでみんなを飢え死にさせようとしている。」

主はモーセに言いました。「天からパンを降らせよう。毎日みんな外へ出て、その日に必要なだけ集めなさい。これは、わたしの指示を守るかどうかを見るテストにもなる。 ただ、六日目だけは、ふだんの二倍集めさせなさい。」

モーセとアロンは、人々を全員呼び集めて言いました。「あなたがたをエジプトから救い出したのは主だったということが、今日の夕方にはわかる。 7-9 そして朝になったら、主のすばらしさをもっとよく知ることになるだろう。不平を言ったのを、主はちゃんと聞いておられたのだ。私たちに文句を言ったつもりだろうが、私たちは取るに足りない人間なのだ。けれども、主は夕方には肉を、朝にはパンを下さると約束なさった。さあ主の前へ出て、どうお答えになるか聞くがいい。」

10 そして、アロンが一同を呼び集めると、今まで人々を先導してきた雲の柱の間から、突然、主の栄光が荒野に輝きわたりました。 11-12 主はモーセに告げました。「みなの不平は確かに聞いた。わたしの返事はこうだ。『夕方には肉を、朝にはパンを満足のいくまで食べさせよう。これによって、わたしがあなたがたの神、主であることを知るようになる。』」

13 その夕方、おびただしい数のうずらが飛んで来て、宿営全体を覆いました。翌朝、テントの回りの砂漠に露が降り、 14 露が消えると、あとには霜のような薄くて小さなものが一面に残りました。 15 人々はそれを見て口々に、「いったいこれは何だ?」と言いました。そこで、モーセが説明しました。「これは主があなたがたに下さったパンです。 16 みんな、一人当たり一オメル(一オメルは二・三リットル)の割で、家族に必要なだけ集めなさい。」

17 人々は外へ出てそのパンのようなものを集めました。 18 集めたものを量ると、ちょうど一人当たり一オメルずつあって、みなに十分行き渡りました。たくさん集めた者も余らず、少ししか集めなかった者も足りなくならず、どの家族にもちょうど必要なだけありました。

19 「これを明日まで残しておいてはいけない。」モーセはきつく注意しました。

20 ところが中には言うことを聞かない者もいて、翌朝まで残しておいたところ、そのパンのようなものは朝になると、虫がついて悪臭を放ちました。モーセは指示を守らない者をしかりました。 21 こうして人々は毎朝、それぞれ家族の人数に応じて必要なだけ集めました。日が昇って日ざしがだんだん強くなると、それは溶けて消えてしまうのです。

22 六日目には、ふだんの二倍に当たる二オメル(四・六リットル)を集めました。どうして六日目だけ二倍なのか、指導者たちは不思議に思い、モーセにわけを尋ねました。 23 モーセは言いました。「主が、その翌日を休息の日と定められたからだ。その日は一日、主のことだけを考えて過ごし、日常の仕事はいっさい休まなければならない。だから、今日のうちに、明日の分まで調理しておきなさい。」 24 今度は、次の朝になっても、虫もつかず、悪臭もなく、少しも傷んでいません。 25 モーセは言いました。「今日は、昨日取っておいた分を食べなさい。主の安息日だから、今日は外に出ても何もない。 26 集められるのは六日間だけだ。七日目は安息日で、何も見つけることはできない。」

27 そう言われたにもかかわらず、ある者は安息日に食べ物を集めに出かけました。しかし、やはり何も見つかりませんでした。 28-29 主はあきれてモーセに告げました。「いつになったら、この民は言うことを聞くのか。六日目にいつもの二倍を与えるのは、二日分の量が十分あるようにということなのがわからないのか。七日は休息の日としてわたしが与えたのだから、テントの中にいて、食べ物を取りになど外へ出たりしないようにしなさい。」

30 そこで、人々は七日目には休むようになりました。

31 この食べ物はのちに、「マナ」〔「これはいったい何だろう」の意〕と呼ばれるようになりました。コエンドロ(エジプトやパレスチナ地域に自生する一年草)の種のように白く、平べったくて、はちみつ入りのパンのような味がしました。

32 モーセはさらに、主からの指示をみなに伝えました。「記念としてマナを一オメル取っておき、主がエジプト脱出の時、荒野でどういうパンを与えてくださったか、のちの時代の人たちが見られるようにするのです。」 33 モーセはアロンに、容器を持って来て一オメル分のマナを入れ、それを主の前の聖なる場所に納めて、何代も保存するよう命じました。 34 アロンはそのとおりにしました。すべて主が命じたとおりです。やがて、それは契約の箱に納められることになります。

35-36 こうしてイスラエル人は、その地の作物が取れるカナンの地に着くまで四十年間、ずっとマナを食べ続けました。

岩からの水

17 さて、主の命令に従って、イスラエルの民はシンの荒野をあとにし、レフィディムへ旅を続けました。ところが着いてみると、また水がありません。 再び、彼らの不満が爆発しました。「水はどこだ? 水をくれーっ!」彼らは騒ぎたてます。モーセは、「静かに! いいかげんにしなさい。いったいどこまで主が忍耐してくださると思っているのだ」と、彼らをしかりました。 しかし、のどの渇きに苦しむ彼らに効果はありません。「何だと? おまえこそ、なぜわれわれをエジプトから連れ出したんだ! 子どもたちや家畜もいっしょにこんな所まで連れて来て、あげくの果てに死なせようなんて、あんまりではないか。」

モーセは主に願いました。「どうしたらよいのでしょう。この人たちは、今にも私に石を投げつけて殺しかねない有様です。」

5-6 主はモーセに言いました。「長老たちを連れ、あなたが先頭に立ってホレブ山(シナイ山)まで人々を導きなさい。わたしはその岩の上であなたに会う。岩をあなたの杖、ナイル川を打ったあの杖で打ちなさい。すると水があふれ出て、みなに十分行き渡るだろう。」モーセが言われたとおりにすると、水が吹き出しました。 モーセはその場所を、マサ〔「主を試みる」の意〕、また、メリバ〔「議論」あるいは「争い」の意〕と名づけました。この場所で人々が、「主はわれわれを助けてくれるのか、どうなのか」と言い争い、主が自分たちを生かすかどうか試みたからです。

アマレクとの戦い

さて、アマレクの戦士たちがイスラエル人に戦いを挑もうと、レフィディムへやって来ました。 モーセはヨシュアに、アマレク軍と戦うために人々を召集するよう命じました。そして、「私は明日、神の杖を持って丘の頂に立つ」と言いました。

10 ヨシュアとその部下はアマレク軍と戦うために出て行き、一方、モーセとアロンとフルは丘に登りました。 11 モーセが手に持った杖を差し伸べている間は、イスラエル軍が優勢に立ちましたが、腕を下げるとアマレク軍が優勢になりました。 12 モーセの腕はしびれて、とうとう棒のようになってしまいました。もうこれ以上、杖を持っていることができません。アロンとフルは、石を転がして来てモーセを座らせ、両側に立って、日が暮れるまで二人がかりで彼の腕を支え続けました。 13 こうして、ヨシュアの率いるイスラエル軍は、アマレク軍をみごとに打ち破ったのです。

14 主はモーセに言いました。「このことを書き記して永遠に残る記録としなさい。いつまでも忘れないようにするのだ。またヨシュアに、アマレク人はわたしが完全に滅ぼし、記憶にさえ残らないようにする、と伝えなさい。」

15-16 モーセは祭壇を築き、それをアドナイ・ニシ〔「主は私の旗」の意〕と呼びました。モーセは言いました。「主の旗を掲げなさい。こののち何代にもわたって、主がアマレク人と戦ってくださる。」

モーセを訪ねるイテロ

18 やがてモーセのしゅうと、ミデヤンの祭司イテロのもとに知らせが届きました。神がご自分の民とモーセのために、どんなにすばらしいことをなさったか、どのようにしてイスラエル人をエジプトから助け出されたかを知らされたのです。

イテロは、家に帰されていたモーセの妻チッポラを連れ、モーセのところに来ました。 3-4 ゲルショム〔「外国人」の意〕とエリエゼル〔「神は私の助け」の意〕の二人の息子もいっしょでした。こういう名がついたのは、上の子が生まれた時、モーセが「私は外国をさまよう放浪者だ」と言い、次の子の時は、彼が「父祖の神は私を、エジプトの王の剣から助け出してくださった」と言ったからです。 5-6 一行が来たのは、ちょうど人々がシナイ山のふもとで野営していた時でした。

「私だ、イテロだよ。チッポラと孫たちを連れて、会いに来たのだ。」

イテロがそう伝えると、モーセは大喜びで迎えに出、あいさつを交わしました。さっそくその後の消息を尋ね合い、それからモーセのテントに入って、時のたつのも忘れるほど、心ゆくまで語り合いました。 モーセはイテロに、今までのことをくわしく話しました。イスラエル人を救うために、主がエジプトの王とその国民に何をされたのか、ここまで来る途中どんな問題が起こり、主がそれをどのように解決してくださったか話したのです。

イテロは、主がイスラエル人を心にかけ、エジプトから助け出してくださったことをたいへん喜びました。 10 「主はすばらしい。ほんとうにおまえたちをエジプトと王の圧制から救ってくださった。イスラエル人を助けてくださったのだ。 11 われわれの信じる主のように偉大な方は、ほかにいない。今度こそ、それがよくわかったよ。あの傲慢で残忍なエジプト人から、ご自分の民を救い出されたのだから。」

12 イテロは神にいけにえをささげました。そのあと、アロンやイスラエルの指導者たちも会いに来て、みなでいっしょに食事をし、神の恵みを感謝し合いました。

13 翌日、モーセはいつものように座って、朝から夕方まで人々の間の不平や訴えを聞いていました。 14 全く息つく暇もありません。モーセのあまりの忙しさに驚いたイテロが聞きました。「一日中こんなに大ぜいの人が、あなたに相談しにやって来るとは。どうして、この山のような仕事を一人だけで片づけようとするのか。」

15-16 「それは、難しい問題が起きると、みな私のところへ来て判断を仰ぐからです。裁判官のように、どちらが正しいか、どちらが間違っているかを決めたり、神様が求める生き方はどういうものかを教えたりします。みんなのために神のおきてを実際問題に当てはめて裁くのです。」

17 「うむ、それはよくない。 18 こんなやり方を続けていたら、あなたのほうがまいってしまうよ。もしあなたが倒れたら、みんなはどうなってしまうだろう。 何もかも一人で片づけるには、荷が重すぎるのではないかな。 19-20 余計なことかもしれないが、私の意見を聞いてもらえるだろうか。あなたはこの人たちの顧問弁護士のような存在になったらいいと思う。神様の前に立つ代理人になるのだ。彼らの問題を神様のもとに持って行って決定していただき、その決定を彼らに伝える。人々におきてを教え、正しい生活を送る原則を示すのだ。 21 そして、全員の中から有能な、神を敬う、わいろなど取らない正直な人物を探し、問題の処理に当たらせたらどうだ。千人につき一人そういう指導者を選び、その下に十人の責任者を置く。それぞれが百人の面倒を見る。さらにその下に、五十人の問題を処理する者を二人ずつ置き、その二人がまた、十人の相談相手になる者を五人ずつ受け持つ。 22 これらの人たちがいつでも問題の処理に当たって、正しく職務を果たせるようにするのだ。特に重要な問題とか難しい問題は、あなたのところへ直接持って来させるが、小さな問題は彼らに任せる。こうやって、少しずつ責任を分担すれば、あなたは今より負担が軽くなるはずだ。 23 どうだね、私の言うとおりにしてみないか。主も、きっと賛成してくださると思うが。そうすれば、どんな大変な仕事もやり抜けるだろうし、野営地の中も平穏になるだろう。」

24 モーセは、イテロの提案を受け入れることにしました。 25 すべてのイスラエル人の中から有能な人物を選び、指導者に任命しました。千人、百人、五十人、十人、それぞれのグループごとに指導者を置いたのです。 26 この人たちは、問題が起こればすぐ解決して、正しい判決を下すことができるようになっていました。難しい問題はモーセのところへ持って来ますが、小さな問題は自分たちだけで裁きました。

27 それからまもなく、しゅうとのイテロはモーセに別れを告げ、国へ帰って行きました。

シナイ山にて

19 エジプトを出てから三か月後、イスラエル人はシナイ半島に入りました。 2-3 レフィディムの野営地をたたみ、シナイ山のふもとに来て、そこにテントを張ったのです。モーセは神に会うため、ごつごつした岩山を登りました。すると、どこからともなく、主の呼ぶ声が聞こえました。「モーセ、人々にわたしのことばとして伝えなさい。 『あなたがたはわたしがエジプト人に何をしたか見た。わしの翼に乗せるようにして、あなたがたをわたしのところへ連れて来たのを見た。 もし、わたしに従い、契約を守るなら、あなたがたは地上のあらゆる国々の中にあって、わたしの大切な民となる。全世界はわたしのものだからだ。 あなたがたは神に仕える祭司の国、聖なる民となる。』」

モーセは山から帰ると指導者たちを呼び集め、主のことばを伝えました。

「私たちは、主がせよと言われることは、必ずそのとおり行います。」一同は口をそろえて答えました。

モーセがそのことばを伝えると、主はモーセに語りました。「わたしは厚い雲の中からあなたと会おう。あなたと話す時、民もわたしの声を自分の耳で聞けるようにしよう。そうすれば、彼らはいつもあなたを信じるだろう。 10 さあ、山を下りなさい。わたしが行ってもいいように、人々に準備をさせなさい。今日と明日、特別に身をきよめ、衣服を洗うように言いなさい。 11 三日目に、わたしは人々全員が見守る中で、シナイ山に降りる。 12 間違って人々がそこへ足を踏み入れたりしないよう、周囲に境界線を引きなさい。そしてこう言うのだ。『気をつけよ。山へ登ってはならない。境界線に触れてもいけない。万一そんなことをしたらいのちはないものと思いなさい。 13 よいか、決して手を触れてはならない。さもないと、人であろうと動物であろうと、石で打ち殺されるか、刺し殺されることになる。』雄羊の角笛が長く響き渡るのを聞くまで、山へは絶対近づかないようにしなさい。角笛が鳴ったら山のふもとに集まりなさい。」

14 モーセは山を下り、民のところに帰ると、すぐに身をきよめ、衣服を洗うように言いました。 15 「二日後に神様がおいでになるから、準備をしなさい。男は女に近づいてはならない。」

16 いよいよ三日目です。朝から恐ろしい嵐になりました。雷は耳をつんざき、いなずまは宙を走ります。厚い雲が山に垂れ込め、雄羊の角笛のような大きな音が長く響き渡りました。あまりの恐ろしさに、人々はみな震え上がりました。 17 神をお迎えしなければなりません。モーセは人々を促して野営地から連れ出し、全員が山のふもとに立ちました。 18 見ると、シナイ山全体が煙に包まれています。主が山の上に、炎に包まれて下ったのです。煙は、まるで炉に燃えさかる火のように空に渦巻き、山全体が強い地震で揺れ動きました。 19 ラッパのような響きがますます大きくなる中で、モーセが語り、神の答える声は天地にとどろき渡るのでした。 20 こうして、主はシナイ山の頂上に降り、モーセを招きました。モーセは主のもとに登って行きました。

21 しかし、主はモーセに告げました。「今すぐ下り、決して境界線を越えないよう人々に警告して来なさい。主を見ようという気を起こして、ここへ来るといけないからだ。そんなことをしたらいのちはない。 22 祭司でさえ、務めをするときは主に打たれないよう身をきよめるのだ。」

23 モーセは主に言いました。「だれ一人、山へ登って来る者はありません。あなたのきびしいご命令を、みな聞いております。あなたは山の回りに境界線を引けとおっしゃいました。あなたの場所だから人が入ってはならないと宣告するよう、お命じになったからです。」

24 主は彼に言いました。「とにかく、今は山を下りなさい。今度はアロンを連れて来るのだ。しかし、祭司も民も境界線を越すことは決して許されない。そんなわきまえのない者は滅ぼす。」

25 そこでモーセは山を下りて人々のところに行き、主の語ったことを告げました。

十戒

20 それから、神は次のようなことば(十戒)を告げました。

「わたしは、あなたをエジプトの奴隷生活から救い出した、あなたの神、主である。

わたしのほかに、どんなものも神として拝んではならない。

決して偶像を造ってはならない。鳥でも動物でも魚でも、どんな像も造ってはならない。 それらを拝んでもならない。どのような方法で礼拝してもならない。あなたの神はこのわたしだけである。わたしはねたみ深いから、わたしとほかの神を同時に愛することは許さない。わたしの罰は、わたしを憎む者の子ども、孫、ひ孫までも及ぶ。 しかし、わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、千代に至るまでも恵みを与えよう。

実行するつもりもないのに、むやみにわたしの名を使って誓ってはならない。そのようなことをしたら必ず罰せられる。

主の定めた安息日を特別の日として守りなさい。 すべての仕事は六日のうちにすませなさい。 10 七日目は神の休息の日だから、その日は一日、人も家畜も仕事をしてはならない。外国人も、ここでいっしょに住んでいる限り、この戒めを守る義務がある。 11 わたしが六日の間に天と地と海と、その中のいっさいのものを造り、七日目に休んだからだ。わたしは安息日を祝福し、特別な日と定めた。

12 あなたの両親を尊敬しなさい。そうすれば、主であるわたしが与える国で、長く幸せな一生を送ることができる。

13 人を殺してはならない。

14 姦淫してはならない。

15 盗んではならない。

16 うそをついてはならない。

17 隣人の家をうらやんではならない。隣人の妻に情欲を燃やしたり、使用人、牛、ろば、そのほか何でも、隣人の持ち物を欲しがったり、持ち主をねたんだりしてはならない。」

18 人々はみな、山にいなずまが走り、煙が立ちこめるのを見ました。また、雷と恐ろしいラッパの音が鳴り続けるのも聞きました。だれもが遠く離れて立ち、恐怖に身を震わせました。

19 人々はモーセに言いました。「神様がどんなことをおっしゃったか教えてください。私たちは言われたとおり従います。ただ、神様が直接私たちにお話しにならないようにしてください。そうしないと、私たちは死んでしまいますから。」

20 「心配はいらない。神様がおいでになったのは、偉大なるお力をあなたがたに示すためだ。神様の力を知れば、これからは罪を犯すことを恐れるようになるだろう。」

21 民が遠く離れて立ち尽くしている中を、モーセは神のおられる濃い暗闇の中に入って行きました。

契約の書

祭壇について

22 主はモーセに、神の代弁者として人々に語るよう命じました。「わたしは天からあなたがたに呼びかけ、わたしの気持ちを知らせた。あなたがたはその証人である。 23 金や銀、そのほかの偶像を造ったり拝んだりしてはならないことを忘れてはならない。

24 わたしの祭壇は簡素な土の祭壇でなければならない。羊と牛の、焼き尽くすいけにえや和解のいけにえなどをその上でささげなさい。祭壇はわたしが命じる場所にだけ築けばよい。そこで、わたしはあなたがたを祝福する。 25 石を使うのはさしつかえないが、切り石はいけない。道具を使って、石をけずったり刻んだりしないようにしなさい。そんな石はわたしの祭壇にふさわしくない。 26 祭壇には階段をつけてはならない。服の間からあなたがたの裸が見えたりするといけないからだ。

奴隷について

21 ほかに守らなければならないおきてには、次のようなものがある。

ヘブル人(イスラエル人)の奴隷を買う場合は、六年の間仕事をさせたあと、七年目には無償で自由にしなければならない。

奴隷になった時は独身で、のちに結婚した男の場合は、男だけが自由にされる。奴隷になる前に結婚していたなら、妻もいっしょに自由にされる。 しかし、主人が妻を与え、息子や娘が生まれたのであれば、妻と子どもたちは主人のものだから、自由の身になるのは夫だけである。

しかし、もし彼が、『自由になるより、ご主人様や妻子といっしょにいたい』とはっきり宣言するなら、 主人は彼を裁判官のもとへ連れて行き、公にこの家に仕え続ける奴隷であることを示すため、彼の耳をきりで刺し通さなければならない。そのあと彼は一生主人に仕えることができる。

娘を奴隷に売る場合は、六年たっても、男奴隷のように自由を与えてはならない。 主人は、いったん自分のものにした女が気に入らなくなったら、必ず彼女を買い戻せるようにしてやらなければならない。彼女を傷つけたのだから、外国人に売り飛ばす権利はない。 ヘブル人の女奴隷と息子を婚約させたなら、もはやその女を奴隷として扱ってはならない。娘と同じに考えるべきである。 10 自分が女奴隷と結婚し、そののち別の妻を迎えた時は、彼女への食べ物や衣類の割り当てを減らしてはならないし、夫婦の営みをおろそかにしてもいけない。 11 この三つの点で少しでも主人に落度があれば、女は金を支払わずに自由に家を出てかまわない。

傷害を受けた場合

12 人を強く打って死なせた者は死刑に処せられる。 13 しかし、殺意がなく、事故でそうなった場合は、むしろ、神であるわたしがそうしたと言ってよいかもしれないので、わたしが彼の安全な逃げ場所を指定する。そこへ逃げ込めばいのちは助かる。 14 しかし殺意を持って計画的に人を殺した者は、たとえわたしの祭壇から引きずり降ろしてでも、殺されなければならない。

15 自分の父または母を打つ者は死刑に処せられる。

16 誘拐した者は死刑に処せられる。人質を手もとに置いている時に逮捕された場合でも、すでに奴隷として売り飛ばした場合でも同じである。

17 自分の父または母の悪口を言ったり、のろったりする者は死刑に処せられる。

18 人がけんかをし、一人が石かこぶしで相手を打って傷つけ、そのために一命はとりとめたが床につかなければならなくなった場合、 19 たとえ、少々不自由であっても歩けるまでに快復したときは、打った男は刑罰を免れる。ただし、完全に傷が治るまで、いっさいの損害の弁償をし、治療費は全額払わなければならない。

20 人が、男奴隷でも女奴隷でも、奴隷を打って死なせたなら、必ず罰せられる。 21 ただし、奴隷が一日、二日の間に死ななければ罰せられない。奴隷はその人の所有物だからである。

22 人が争ったときに妊娠中の女を傷つけ、女は助かったものの流産した場合、彼女を傷つけた男は、裁判官が認める範囲で、女の夫が要求するだけの罰金を支払わなければならない。 23 しかし、母親まで死ぬようなことになれば、男は死刑に処せられる。

24 もし女の目が傷ついたら、償いとして男の目を傷つけ、歯が折れたら歯を折る。手には手を、足には足を、 25 やけどにはやけどを、傷には傷を、むちにはむちをもって償わなければならない。

26 人が、男奴隷でも女奴隷でも、奴隷の目を打ち、そのために目が見えなくなってしまったら、奴隷は目の代償として自由にされる。 27 人が奴隷の歯を折ったら、その歯の代償として彼を自由にしなければならない。

28 牛が男または女を突いて死なせたなら、その牛は石で打ち殺さなければならない。その肉は食べてはいけない。しかし、牛の持ち主は罰せられない。 29 ただし、その牛が人間を突くくせがあるとわかっていた場合、そして、持ち主がそのことを知っていながら、なお管理を十分にしていなかったのであれば、牛は石で殺され、持ち主も死刑に処せられる。 30 しかし被害者の身内の者が願うなら、補償金を取って釈放することもできる。金額は裁判官が決める。

31 牛が少年あるいは少女を突いた場合も、同じ規定が適用される。 32 もしその牛が、男でも女でも奴隷を突いた場合は、その牛の持ち主は奴隷の主人に銀貨三十枚を支払い、牛は石で打ち殺さなければならない。

財産が損害を受けた場合

33 人が井戸を掘り、ふたをしなかったために、牛やろばが落ちた場合は、 34 井戸の持ち主は家畜の持ち主に、損害の全額を弁償しなければならない。ただし、死んだ家畜は井戸の持ち主のものになる。

35 牛がほかの人の牛を傷つけて死なせた場合は、生きているほうの牛を売り、その代金と死んだ牛を、双方の持ち主が半分ずつ分ける。 36 しかし、もともと突くくせがあるとわかっていたのに、牛の所有者が管理を十分していなかったのであれば、代金を分け合うことはしない。生きている牛の所有者は、全額を弁償しなければならない。ただし、死んだ牛は彼のものになる。

財産の保護

22 人が牛か羊を盗み、それを殺したり売り飛ばしたりしたなら、五倍の罰金を払わなければならない。盗んだ牛一頭につき五頭分を弁償する。羊の場合は四倍にし、盗んだ羊一頭につき四頭分を返す。

どろぼうが家に押し入るところを見つけ、捕まえて殺しても、殺した者は無罪である。 ただし、昼間であれば殺人とみなされ、有罪となる。どろぼうして捕まった場合は、損害を全額弁償しなければならない。できなければ、奴隷として身を売ってでも弁償する。

牛、ろば、羊、そのほか何でも盗みの現行犯として捕まったなら、二倍にして償わなければならない。

放した家畜が他人のぶどう畑に侵入したり、わざと人の畑に家畜を放して作物を食べさせたりした場合は、損害の全額を弁償しなければならない。畑の持ち主に、最良の収穫に見合う分を支払う。

野焼きの最中に火が燃え広がって人の畑に燃え移り、刈り穂や穀物を焼いた場合、出火させた者は損害の全額を弁償しなければならない。

隣人に預けた金や物が盗まれた場合、どろぼうが捕まれば、その犯人が損害の倍額を支払う。 犯人が捕まらない場合は、貴重品を預かった者は神の前で裁判を受け、自分が盗んだのではないことをはっきりさせなければならない。

牛、ろば、羊、衣類、そのほか何でも紛失した場合、持ち主がほかの人に疑いをかけ、しかも、相手がそれを否認する場合は、双方が神の前で裁判を受ける。神に有罪と宣告された者は、損害の倍額を支払わなければならない。

10 ろば、牛、羊、そのほかどんな動物でも、人に預け、死ぬか傷つくか盗まれるかした場合、それが実際にどうであったかを報告する目撃者がいない場合は、 11 預かった者は、自分が盗んだのではないことを神に誓わなければならない。持ち主がその言い分を受け入れれば、弁償の必要はない。 12 しかし、その家畜が確かに盗まれたのであれば、預かっていた者は持ち主に弁償しなければならない。 13 また、野獣に襲われたのであれば、証拠として、食い荒らされた死体を持って来なければならない。この場合は弁償の必要はない。

14 人から家畜を借り、それが傷つくか死ぬかして、しかも、持ち主がその場に居合わせなかった場合は、借りた者が弁償しなければならない。 15 しかし、持ち主が居合わせた場合は弁償の必要はない。ただし、有料で借りたものについては、借り賃はきちんと払わなければならない。

道徳的規定

16 だれとも婚約していない女性を誘惑し、彼女と関係を結んだ者は、しきたりどおりの結納金を支払って彼女を妻にしなければならない。 17 しかし、父親が結婚に反対の場合は慰謝料を払う。

18 女の呪術師は死刑に処せられる。

19 動物と性的関係を持つ者はすべて死刑に処せられる。

20 唯一の主以外の神々にいけにえをささげる者は死刑に処せられる。

21 在留異国人を苦しめてはならない。自分たち自身がエジプトで外国人だったことを忘れてはならない。

22 未亡人や孤児につらく当たってはならない。 23 少しでもそんなことがあれば、彼らはわたしに助けを求めるだろうし、わたしは必ず彼らを助ける。 24 わたしの怒りは燃え上がり、剣であなたがたを殺す。あなたがたの妻が未亡人に、子が孤児になる。

25 困っている仲間のヘブル人(イスラエル人)に金を貸す場合、利息を取る普通の取り引きをしてはならない。 26 服を借金のかたに取ったら、夕方には返さなければならない。 27 おそらくそれが、彼の体を暖める唯一の物だからである。着る物もなくて、どうして眠ることができるだろう。もし返さなければ、彼はわたしに助けを求めるだろう。わたしは願いを聞き、彼を助ける。わたしは情け深いからである。

祭儀的規定

28 神を冒瀆してはならない。国の指導者をのろってはならない。

29 収穫物やぶどう酒のささげ物、また長男を買い戻す金をささげるのに、遅れてはならない。

30 牛と羊の初子は七日間、母親のそばに置き、八日目にささげなさい。

31 あなたがた自身が聖なるもの、わたしの特別な民だから、野獣に殺された動物の肉を食べてはならない。死体はそのままにして、犬に食べさせなさい。

裁判において

23 根拠のないうわさを流してはならない。証言台で偽証をし、悪人を助けることがないようにしなさい。

2-3 多数の力に流されて、悪事に加担してはならない。証言台に立つとき、その場の雰囲気に左右されて不当な証言をしてはならない。また、ただ貧しいというだけで人に同情し、証言をゆがめてはいけない。

あなたの敵の牛やろばが道に迷っているのを見たら、彼のもとに送り返しなさい。 もしあなたの敵のろばが重荷に押しつぶされてうめいていたら、そのまま見過ごしにしてはならない。力を貸してろばを立たせてやりなさい。

正義を曲げ、貧しい人に不利になる裁判をしてはならない。

絶対に、うその訴えをしてはならない。無実の者が死刑になるようなことは決してあってはならない。

わいろを取ってはならない。わいろは人の目をくらませ、判断を誤らせるからである。わいろは正しい人の申し立てをゆがめる。

在留異国人をしいたげてはならない。外国に住む心細さはよく知っているはずである。エジプトでの体験を思い出しなさい。

安息年、安息日

10 六年間は種をまき、収穫を得なさい。 11 七年目は土地を休ませ、貧しい者が自然に生えたものを刈り取れるようにする。あとは、野の動物たちが自由に食べられるように残しておきなさい。この規定はぶどう畑とオリーブ畑にも当てはまる。

12 六日間は働いて七日目は休みなさい。牛やろばを休ませ、奴隷や在留異国人も含め、家族全員に休息をとらせるためである。

13 これらのおきてを必ずすべて守らなければならない。特に忘れてはならないのは、ほかの神々の名を決して唱えてはならないことだ。

祭りについて

14 毎年、守るべき祭りが三つある。 15 最初は種なしパンの祭りである。すでに命じておいたように、七日間、種を入れないパンを食べる。この祭りは第一月(太陽暦では三月)、つまり、あなたがたがエジプトから脱出した時期に毎年行う。この時はささげ物を持って来る。 16 次に、刈り入れの祭りがある。この時は最初の収穫物を持って来なければならない。最後に、収穫期の終わりに収穫の祭りがくる。 17 毎年この三回、イスラエル人はみな神の前に出なければならない。

18 いけにえの血は、種を入れたパンといっしょに供えてはならない。いけにえの脂肪を翌朝までそのまま残しておいてはならない。

19 刈り入れの時、最初の収穫の中でも最良の物を持って来なさい。それをあなたの神、主にささげなければならない。

子やぎを母親の乳で煮てはならない。

戒めを守る者への祝福

20 わたしは、約束の地に無事にあなたがたを連れて行くため、使いを送る。 21 彼を敬い、その教えに従いなさい。背いてはならない。彼はあなたがたの罪を赦さないからだ。この使いはわたしの名において行動する。

22 しかし、心を尽くして彼に従い、あらゆる戒めを守るならば、あなたがたの敵はわたしの敵となる。 23 わたしの使いが先立って、あなたがたをエモリ人、ヘテ人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人の国に導き、そこに住まわせる。その国々を、わたしはあなたがたの目の前で滅ぼそう。

24 こういった国々の偶像を拝んではならない。どんなことがあっても、それらの神々にいけにえをささげてはならない。異教徒の悪い習慣に染まらず、むしろ完全に彼らを征服し、その汚れた偶像を打ち壊さなければならない。

25 あなたがたの神、主にだけ仕えなければならない。そうすれば、わたしはみなを祝福して食べ物と水を与え、あらゆる病気をなくす。 26 流産もなくなり、子を産めない女もいなくなる。それぞれの一生を全うできるようにする。

27 わたしは、これから征服する地の民に恐れを抱かせる。彼らはあなたがたの前から逃げ去る。 28 わたしはまた、ヒビ人、カナン人、ヘテ人を追い払うために、くまばちを送る。 29 しかし、一年のうちに彼らを追い出すことはしない。そんなことをしたら、土地が荒れ果て、野生動物が増えて手に負えなくなってしまうからだ。 30 だから、あなたがたの人口が増え、国の全土に広がって住むようになるまで、彼らを少しずつ追い払う。 31 あなたがたの領土も広げよう。紅海(ここではアカバ湾)からペリシテの海岸(パレスチナ西海岸)まで、南の砂漠からユーフラテス川に至るまでとする。その地の住民をあなたがたの手に渡すので、あなたがたは彼らを追い出すことになる。

32 彼らといっさい契約を結んではならない。彼らの神々とかかわり合ってはならない。 33 彼らをイスラエルに住ませてはならない。さもないと、偽りの神々を拝む彼らの罪に染まってしまう。それは、あなたがたにとって災い以外の何ものでもない。」

契約の締結

24 主はモーセに告げました。「アロン、ナダブ、アビフをはじめ、イスラエルの長老たち七十人といっしょに、わたしのもとに上って来なさい。しかし、あなた以外の者は遠く離れて拝するように。 あなただけはわたしに近づいて来なさい。忘れてはならない。そのほかの一般の民はだれも山に登ることは許されない。」

モーセが、主から与えられたことばと定めを伝えると、人々は声を合わせて答えました。「すべて言われたとおりにします。」

モーセは主から与えられたことばを書き記しました。そして翌朝早く、山のふもとに祭壇を築き、その回りに、イスラエルの十二部族を表す十二本の柱を立てました。 それから数名の青年を送り、焼き尽くすいけにえと和解のいけにえを主にささげさせました。 モーセはいけにえの血を半分取って鉢に入れ、残りの半分は祭壇に注ぎました。

そして、自分が書いた契約の書を読み上げました。人々は、「この戒めを一つ残らず守ることを約束します」と誓いました。

モーセは人々に鉢の血を振りかけました。「主はこれらのことばを与えることによって、あなたがたと契約を結ばれた。この血が契約のしるしだ。」

モーセ、アロン、ナダブ、アビフ、それにイスラエルの長老七十人は、主のもとに上りました。 10 そしてイスラエルの神を仰ぎ見ました。その足もとはサファイヤを敷きつめたように青く輝き、澄みきった空を思わせました。 11 長老たちは神を見たのに死なず、そればかりか、神の前でいっしょに食事をしました。

12 神はモーセに告げました。「山に登り、わたしのもとに来なさい。そこで待ちなさい。わたしが石に記したおきてをあなたに授けよう。あなたはそれにより人々を教えることができる。」 13 モーセと従者のヨシュアは、神の山に登りました。

14 モーセは長老たちに言いました。「われわれが戻るまで、ここで待ちなさい。留守中に何か問題が起こったら、アロンとフルに相談しなさい。」

15 そう言うと、モーセは山に登り、頂上を覆う雲の中に姿を消しました。 16 主の栄光がシナイ山を包み、雲は六日間、山をすっぽり覆い隠しました。七日目に主は雲の間からモーセに呼びかけました。 17 一方、ふもとにいたイスラエル人たちの目には恐ろしい光景に映りました。山頂に、燃えさかる火のような主の栄光が現れたのです。 18 モーセは雲に包まれた山頂に、四十日四十夜とどまりました。

幕屋とその器具、祭司について

25 1-7 主はモーセに命じました。「次のように人々に告げなさい。だれでも心から進んでするなら、ささげ物をわたしのところへ持って来てよい。ささげてよいのは、次のものである。金、銀、青銅、青の撚り糸、紫の撚り糸、緋色の撚り糸、亜麻布、やぎの毛、赤く染めた雄羊のなめし皮、じゅごんの皮、アカシヤ材、ともしび用のオリーブ油、注ぎの油と香に使う香料、しまめのう、エポデと胸当てにはめる宝石類。

わたしがイスラエルの民の中に住めるよう、聖なる住まい(幕屋)を造りなさい。 住まいは天幕(テント)にすること。その設計図と必要な器具の細かい寸法は、次のとおりである。

契約の箱

10 まずはアカシヤ材を使って長さ二キュビト半(一・一メートル)、幅一キュビト半(六十六センチ)、高さ一キュビト半の箱を作りなさい。 11 内側にも外側にも純金を張り、周囲に金の縁飾りをつける。 12 金の環を四つ作り、箱の下の四隅につける。片側に二個ずつ。 13-14 アカシヤ材で棒を作って金をかぶせ、箱の両側につけた金の環に通してかつげるようにする。 15 棒は取りはずさず、差し込んだままにしておかなければならない。 16 わたしが与える十のおきて(十戒)を記した石板を、その箱に納めなさい。

17 また、純金のふたを作りなさい。長さ二キュビト半、幅一キュビト半にする。これは罪を赦す神の恵みの座となる。 18 次にふたの両端に、一対の天使の像を槌で打ち出して作る。 19 それは『恵みの座』の一部分で、その両端になる。 20 ケルビムというその天使の像は、互いに向かい合って『恵みの座』を見下ろし、翼が金のふたを覆うようにしなければならない。 21 ふたができたら箱にかぶせる。箱には十のおきてを記した石板を納めなさい。 22 わたしはそこであなたに会い、ケルビムにはさまれた『恵みの座』からあなたと語る。箱にはわたしの契約のおきてを納める。わたしはそこから、イスラエルの人々に命じることをあなたに伝える。

テーブル

23 次に、二キュビト(八十八センチ)、幅一キュビト(四十四センチ)、高さ一キュビト半のテーブルをアカシヤ材で作りなさい。 24 それに純金を張り、周囲に金の縁飾りをつける。 25 テーブルの上部に一手幅(約七・四センチ)のわくをつけ、その周囲にぐるりと金の縁飾りをつける。 26-27 テーブルを運ぶ棒を通すために、金の環を四つ作り、それを四本の足の上部に、外側へ向けてつける。 28 棒はアカシヤ材で作り、金をかぶせる。 29 金で皿、ひしゃく、水差し、細口びんなどを作り、 30 テーブルの上には、供え物用に特別なパンをいつも置きなさい。

燭台

31 純金のかたまりを槌で打って燭台を作りなさい。燭台は台座と支柱から成り、ともしび皿と飾りの花びらをつける。 32-33 真ん中の支柱の両側から三本ずつ枝を出し、それぞれの枝は三つのアーモンドの花で飾る。 34-35 真ん中の支柱は四つの花で飾る。三対になっている枝の間に一つずつ、その上に一つ、その下に一つ、計四つの花をつける。 36 飾りと枝と支柱はみな、一かたまりの純金を打って作る。 37 それに七つのともしび皿を作り、あかりが前を照らすように置く。 38 芯切りばさみと芯取り皿も純金で作る。 39 燭台とその付属品のために、一タラント(約三十四キログラム)の純金が必要となる。 40 作る物はみな、この山の上でわたしが指示する型どおりに、正確に作らなければならない。

幕屋

26 1-2 上等の撚り糸で織った亜麻布十枚をつなぎ合わせ、神の天幕(幕屋)を作りなさい。布はそれぞれ長さ二十八キュビト(十二・三メートル)、幅四キュビト(一・七六メートル)でそろえる。青と紫と緋色の撚り糸を使い、全体にケルビム(天使の像)を織り出す。 五枚ずつへりとへりをつなぎ合わせて、大きな布を二枚作り、幕屋の両側面とする。 4-5 この二枚の端と端をつなぎ合わせるために、へりに青いループをつける。それぞれのへりに対になるよう五十ずつのループを作る。 ほかにループをつなぐ五十個の留め金を金で作る。こうしてわたしの住まいである幕屋を一つに組み立てる。

7-8 屋根の部分にはやぎの毛皮の防水布をかぶせる。それぞれ長さ三十キュビト(十三・二メートル)、幅四キュビトのものを十一枚用意する。 このうち五枚をつなぎ合わせて幅広の幕にし、残りの六枚も、つないで一枚の幕にする。長いほうの六枚目に当たる部分は、上から垂らして、聖なる天幕の正面で折り重ねる。 10-11 この二枚の幕をつなぎ合わせるために、それぞれのへりに五十個のループを作り、五十個の青銅の留め金を使って一枚にする。 12 天幕のうしろは、屋根を覆う幕が一キュビト垂れ下がり、 13 また、正面にも一キュビト垂れ下がる。 14 この防水布の上に、赤く染めた雄羊のなめし皮を敷き、その上にじゅごんの皮をかける。これで屋根が完成する。

15-16 幕屋のわく組みをアカシヤ材で作りなさい。それぞれ長さ十キュビト(四・四メートル)、幅一キュビト半の板を、まっすぐ立てて組み合わせる。 17 側面にほぞ(はめ込み用の突起)を二つ作り、隣の板をはめ込む。 18-19 こうして二十枚つなぎ合わせたものが、幕屋の南側になる。それぞれの板は銀の土台二個にはめ込む。板一枚につき二個ずつ、計四十個の銀の土台が必要となる。 20 北側にも同じような板が二十枚、 21 それぞれに二個ずつ、計四十個の銀の土台を使う。 22 西側には六枚の板、 23 そして両隅に二枚の板を使う。 24 隅の板は下を重ね、上を環でつなぎ合わせる。 25 最終的に、西側には板が八枚、銀の土台がそれぞれに二個ずつで、計十六個あることになる。

26-27 アカシヤ材で横木を作り、わく組み全体に張り渡しなさい。両側面に五本ずつ、さらに西に面するうしろ側に五本、 28 わくの真ん中になる中央の横木は、端から端まで通す。 29 板に金をかぶせ、横木を通すために金の環を作る。横木にも金をかぶせる。 30 この幕屋を、わたしが山で指示したとおりに建てなさい。

31 〔幕屋の内側には〕青と紫と緋色の上等の撚り糸で織った亜麻布で垂れ幕を作り、それにケルビムを織り出しなさい。 32 これをアカシヤ材の四本の柱の上から、金のかぎ四つを使って垂らす。柱には金をかぶせ、それぞれ銀の土台に立てる。 33 幕はかぎから垂らし、その奥に、契約の箱を置きなさい。この幕が聖所と最も神聖な至聖所とを分ける。

34 至聖所の箱には金のふたをし、『恵みの座』をしつらえなさい。 35 幕の外の聖所に、テーブルと燭台を向かい合わせに置く。燭台は南側、テーブルは北側である。

36 幕屋の入口にかける垂れ幕を、もう一枚作りなさい。青と紫と緋色の上等の撚り糸と、撚り糸で織った亜麻布で作り、精巧な刺しゅうを施す。 37 その幕を五本のアカシヤ材の柱から、金のかぎを使って垂らす。柱には金をかぶせ、青銅の土台に立てる。

祭壇

27 アカシヤ材で祭壇を作りなさい。一辺が五キュビト(二・二メートル)の正方形で、高さは三キュビト(一・三二メートル)にする。 四隅に角をしっかり取りつけ、全体に青銅をかぶせる。 灰を取るつぼ、十能(灰をすくう道具)、鉢、肉刺し、香炉も、みな青銅で作る。 青銅の格子を作り、四隅に青銅の環をつける。 炉の半ばほどの高さの所に棧を作り、そこに格子を取りつける。 祭壇を移動させるために、青銅をかぶせたアカシヤ材の棒を作る。 祭壇の両側面に環をつけ、その中に棒を通して運ぶ。 祭壇は板で作り、中を空洞にする。すべて、わたしが山の上で指示したとおりに作りなさい。

幕屋の周囲の庭

9-10 次に幕屋の庭を造る。上等の撚り糸で織った亜麻布で幕を作り、庭を囲む。南側には百キュビト(四十四メートル)にわたって幕を張り、二十個の青銅の土台にはめ込んだ二十本の柱で支える。柱に取りつけた銀のかぎに銀の環をかけ、幕を垂らしなさい。 11 北側も同じようにする。青銅の土台に二十本の柱をはめ込み、銀のかぎと環で百キュビトの幕を張る。 12 西側は土台十個に柱十本、幕は幅五十キュビト(二十二メートル)とする。 13 東側も同じく五十キュビトである。 14-15 ただし、中央に入口があり、その両側に十五キュビト(六・六メートル)ずつ幕を張る。三個の土台にはめ込んだ三本の柱が、それを支える。

16 庭の入口は幅二十キュビト(八・八メートル)の幕をかける。青と紫と緋色の撚り糸と、撚り糸で織った亜麻布で作った、美しい刺しゅう入りの幕である。幕は、四個の土台にはめ込んだ四本の柱に取りつける。 17 庭の回りの柱はすべて銀の環をつけ、銀のかぎを使う。柱は青銅の土台にしっかりはめ込んでおく。 18 こうして庭全体は長さ百キュビト、幅五十キュビトになる。周囲の幕は撚り糸で織った亜麻布で、高さ五キュビトの仕切りとなる。

19 幕屋での奉仕に使う道具類、それを壁からつるすための釘や庭のくいなど、すべて青銅で作る。

ともしび

20 人々に命じて、ともしび用の純粋なオリーブ油を持って来させ、幕屋の中で、絶えずともしびを燃やし続けなければならない。 21 アロンとその子らは、この永遠の炎を契約の箱の前にある垂れ幕の外側に置き、昼も夜も消えることがないように、主の前で番をする。これはイスラエルの永遠のおきてである。

祭司の装束

28 あなたの兄アロンとその子ナダブ、アビフ、エルアザル、イタマルを選び出して祭司に任命し、わたしに仕えさせなさい。 そして神に対して特別にきよくされた者だというしるしに、アロンのために特製の服を作りなさい。それは見た目にも美しく、祭司としての威厳を示す服である。 そのための特別な才能を、わたしはある者たちに与えた。彼らに、アロンがほかの者とは違うことを示す服を作らせなさい。祭司としてわたしに仕えることができるようにするのだ。 祭司が着る服は、胸当て、エポデ(ひざ下までの、そでなしの上着)、青い上着、市松模様(チェック柄の一種)の長服、ターバン、飾り帯である。このほかアロンの子らのためにも、特別あつらえの服を作りなさい。

エポデ

5-6 エポデは、最も優秀な技術者に、金と青と紫と緋色の撚り糸で織った亜麻布で作らせなさい。 その両方に肩当てをつけ、両端を留める。 同じ生地、金と青と紫と緋色の撚り糸で織った亜麻布で、あや織りの帯を作る。 二個のしまめのうに、イスラエルの十二部族の名を彫りなさい。 10 それぞれに六つずつの名を彫り、全部族の名が誕生順になるようにする。 11 名前を彫る時は、印章を彫る技術を用いる。その二つの石を金の台にはめ、 12 エポデの肩に縫いつけて、イスラエル国民を記念する石とする。アロンは主の前に出るとき、いつも全部族の名を身につけ、絶えずそのことが頭から離れないようにする。 13-14 また、純金を撚って二本の鎖を作り、エポデの肩の部分で金の留め金につける。

胸当て

15 次に、最もすぐれた技術を用いて、神の託宣を聞くために用いる胸当てを作りなさい。エポデと同じく、金と青と紫と緋色の撚り糸で織った亜麻布を使う。 16 大きさは一あたり(親指と小指を広げた間の長さ。約二十二センチ)四方で、二つに折って袋状にする。 17 それに石を四列に取りつける。最初の列はルビー、トパーズ、エメラルド。 18 二列目はトルコ玉、サファイヤ、ダイヤモンド。 19 三列目はヒヤシンス石、めのう、紫水晶。 20 四列目は緑柱石、しまめのう、碧玉。これらはみな金の台にはめる。 21 それぞれの石はイスラエルの部族を表し、その部族の名を、印章と同じように彫りつけなければならない。

22-24 二本の純金を撚って鎖を作り、胸当ての縁をエポデにつなぎ合わせなさい。それぞれの鎖の一端は、胸当ての上辺の外側につけた金の環に結びつける。 25 もう一端は、エポデの両肩に取りつけたしまめのうの台に、外向きに結びつける。 26 次に金の環をもう二個作り、胸当ての下のへり、内側の二箇所に取りつける。 27 また、もう二つ金の環を作り、エポデの肩当てのすその外側、帯を締める位置につける。 28 胸当ての下とエポデのすそにある環とを青いひもで結び、胸当てとエポデを、ずれないようにしっかりつなぐ。 29 アロンは、聖所に入るときはいつでも、胸当てに十二部族の名をつけていることになる。こうして主がイスラエルのことを絶えず心にかけ、神の託宣が下されるようにするのである。 30 胸当てのポケットにウリムとトンミム〔神意を伺う一種のくじ〕を入れ、アロンが主の前に出るときはいつも、胸の上にあるようにしなさい。アロンは主の前にいるとき、いつでも神の託宣を胸に入れていることになる。

エポデの下に着る服

31 エポデの下に着る服は、青い布で作らなければならない。 32 それに頭を通す口を開ける。口の回りには織った縁をつけ、ほつれないようにする。ちょうど、よろいの首回りのようにする。 33-34 青服のすそのへりには、青と紫と緋色の撚り糸でざくろを作ってつけ、ざくろとざくろの間に金の鈴をつける。 35 アロンは、この務めのために主の前に出るときはいつも、これを身につけなければならない。聖所の主の前に出入りするたびに、鈴が鳴るようにする。そうすれば死を免れる。

額に当てるプレート

36 次に、純金のプレートを作り、ちょうど刻印を彫るように、『神のために特別に選ばれた者』と彫りなさい。 37-38 このプレートは、青いひもでアロンのターバンの正面につける。アロンはそれを額につけ、イスラエルの民のささげ物のことで何か過ちがあれば、その罪を負う。主の前に出るときはいつもそれを額につけなければならない。こうして、人々は主に受け入れられ、罪を赦される。

アロンとその子らの装束

39 上等の撚り糸で市松模様に織った亜麻布を使って、アロンの長服を作りなさい。ターバンも同じ布で作る。そのほかに刺しゅうをした帯も作る。

40 アロンの子らには上着と帯を作り、また、名誉と威厳を与えるためのターバンを作りなさい。 41 アロンとその子らにこれらの服を着せ、頭にオリーブ油を塗って、祭司に任命しなさい。わたしに仕える者として特別に選び、きよめるのである。 42 また、体にじかにつける下着を亜麻布で作りなさい。これは腰からももまでを覆う。 43 アロンとその子らが幕屋に入ったり祭壇に近づいたりするときは、いつでもこの下着をつけなければならない。罪を負って死ぬことがないためだ。これは、アロンとその子らが守る永遠のおきてである。

Japanese Living Bible (JLB)

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