Bible in 90 Days
イスラエルの回復
11 その時には、今は荒れ果てたままになっている
ダビデの町を再建し、以前のように栄えた町にする。
12 イスラエルは、エドムの残りの者と、
私に属するすべての国の残りの者とを所有する。」
このすべてを計画した主が、このように言うのです。
13 「大豊作で、やっと収穫が終わると思ったら、
息つく暇もなく別の種をまく有様で、
イスラエルの丘のぶどう畑は
甘いぶどう酒をしたたらせる時がくる。
14 わたしは、わたしの民イスラエルの繁栄を回復する。
彼らは荒れた町々を建て直し、
再びそこに住んで、ぶどうや果樹を栽培する。
自分たちの収穫した物を食べ、ぶどう酒を飲む。
15 わたしは彼らを、
わたしが与えた地にしっかり植えつける。
彼らは、再び引き抜かれることがない。」
あなたの神、主がこう言うのです。
オバデヤの幻
1 神である主は幻によって、これからエドムの地に起こることをオバデヤに示しました。
オバデヤは言いました。
「主から知らせがあった。
神は国々に使者を遣わして、
次のようにお命じになったと。
『よく聞け。軍を動員し、エドムを滅ぼすのだ。』
2 エドムよ。わたしはおまえを国々の中で小さい者とし、
さげすまれる者としよう。
3 おまえは人が寄りつけないような高い断崖に住んで、
高慢になっている。
『だれも、ここまで登って来られまい』と誇っている。
思い違いをしてはならない。
4 おまえが鷲のように高く舞い上がり、
星の間に巣を設けても、
わたしはおまえを引きずり降ろす」
と主は言います。
5 「夜中にどろぼうが来るほうが、はるかにましだ。
根こそぎ持って行きはしないから。
あるいは、ぶどう畑の実を全部盗まれるほうがましだ。
少なくとも落ちた実は残るだろうから。
6 だがおまえは、隅から隅まで家捜しされ、奪われる。
宝はすべて見つけ出され、持ち去られる。
7 同盟国はみな敵に回り、
この地からおまえを追い出そうとする。
平和を約束しながら、滅ぼすことを企んでいる。
信頼する友が罠をしかけ、
反撃はことごとく失敗する。
8 その日、エドム中を捜しても、
賢い者など残っていない」
と主は言う。
「わたしがエドムの賢者たちを愚かにするからだ。
9 テマンの最も強力な兵士もあわてふためき、
虐殺者を防げなくなる。
10 どうして、そんな目に会うのだろうか。
それは兄弟イスラエルにしたことへの報いだ。
今、おまえの罪は白日のもとにさらされる。
何の抵抗もできず、さんざん辱しめられ、
永遠に切り捨てられる。
11 イスラエルが困っていた時、見捨てたからだ。
イスラエルに侵入した者が財宝を持ち去り、
くじでエルサレムを分け合っていても、
知らん顔をして、指一本動かそうとしなかった。
まるで敵のようだった。
12 おまえは、そうすべきではなかった。
侵入者がイスラエルを遠い異国へ連れ去るのを見て、
ほくそ笑むべきではなかった。
彼らの不幸を喜ぶべきではなかった。
彼らが困っている時にあざけるべきでなかった。
13 そればかりか、災いにつけ込んで、
イスラエルの地に入り、略奪した。
彼らを犠牲にして豊かになったのだ。
14 おまえは十字路に立って、逃げようとする者を殺した。
彼らが恐ろしい窮地に立たされた日に、
生き延びた者を捕らえ、敵の手に渡した。
15 主はすぐにすべての国に復讐する。
イスラエルにしたとおりのことが、
おまえの身に起こる。
人にしたとおりのことが自分に返ってくる。
16 わたしの聖なる山で、
おまえたちはわたしの罰の杯を飲んだ。
回りの国々も飲むことになる。
そうだ、飲んで、よろめきながらあとずさりし、
歴史から姿を消す。
そのような国々は、もう存在しなくなる。
17 しかし、エルサレムは避難所となり、逃げ道となる。
イスラエルは再びその地を占領する。
18 イスラエルは、
エドムの乾燥した平野に放たれた火となる。
そこには、だれも生き残らない。」
主が、そう語ったのです。
19 そして、ネゲブに住む私の民は
エドムの丘陵地を占有し、
ユダの低地に住む者はペリシテの平野を所有し、
エフライムやサマリヤの平野を取り戻します。
ベニヤミンの部族はギルアデを所有します。
20 捕囚のイスラエル人は帰って来て、
フェニキヤの海岸地帯を
遠く北のツァレファテまで占領します。
小アジヤに連れて行かれた者も故国に帰り、
ネゲブの辺境の村々を征服します。
21 救う者たちがエルサレムに来て、
エドムすべてを支配するからです。
そして、主が王となられるのです。
主の前から逃げるヨナ
1 アミタイの子ヨナに、主から次のようなことばがありました。 2 「あの大きな町ニネベへ行って、主からの知らせを告げよ。『わたしはおまえたちを滅ぼす。おまえたちの悪行がわたしの前に上り、その悪臭が天にまで達したからだ』と。」 3 しかし、ヨナは行くことを恐れ、主の前から逃げました。ニネベとは反対方向の海岸の方へ向かい、ヨッパの港に着くと、タルシシュ行きの船が出るところでした。船賃を払って船に乗り込んだヨナは、主から身を隠そうと暗い船底に下りて行きました。
4 ところが航海が始まると、主が嵐を起こしたので、突然船は突風に見舞われ、今にも沈みそうになりました。 5 身の危険を感じた水夫たちは、必死の思いで、自分の信じている神々に助けを叫び求め、船を軽くしようと、積み荷を海に捨てました。その間、ヨナは船底でぐっすり眠っていたのです。
6 それで船長は船底に下りて行って、大声でどなりました。「おい! どういうつもりだ、こんな時に眠っているのは。さっさと起きて、あなたの神に祈ったらどうだ。そうすれば、お恵みで助けてもらえるかもしれないぞ。」
7 水夫たちはくじを引くことにしました。神々を怒らせて、こんな恐ろしい嵐を引き起こしたのはだれか、知ろうというのです。くじはヨナに当たりました。 8 「いったい何をしたのか、こんなに恐ろしい嵐を起こすとは。あなたは何者なのだ。仕事は何をしている? どこの国から来た?」
9-10 ヨナは答えました。「私はユダヤ人です。この地と海とをお造りになった天の神様である主を拝んでいる者です。」それから、主から逃げているところであることを話しました。
人々は話を聞くと、とても恐ろしくなり、「何でそんなことをしたのか。 11 嵐を静めるために、あなたをどうすればいいのだろう」と叫びました。海がいっそう荒れてきたからです。
12 ヨナは言いました。「私を海に投げ込んでください。そうすれば静まるでしょう。このひどい嵐は私のせいだとわかっていますから。」
13 彼らは陸に近づこうと必死に船をこぎましたが、どうにもなりません。暴風が猛烈に向かって来るのです。 14 そこで人々は、ヨナの神である主に大声で祈りました。「ああ主よ。この男の罪のために、私たちを死なせないでください。この男が死んでも、どうか責任を負わせないでください。私たちのせいではありません。特別な理由があって、あなたがこの男のところに嵐を送られたのですから。」
15 そして彼らは、ヨナを荒れ狂う海に投げ込みました。すると、嵐はおさまりました。 16 人々は主の前に恐れ、いけにえをささげて、主に仕えることを誓いました。
17 さて、主は大きな魚を用意して、ヨナをのみ込ませました。ヨナは三日三晩、魚の腹の中にいました。
ヨナの祈り
2 ヨナは魚の腹の中から、自分の神、主に祈りました。
2 「苦しくてどうしようもない時、
私が主に向かって叫ぶと、
主は答えてくださいました。
死の淵から叫ぶと、
主よ、あなたは聞いてくださいました。
3 あなたは私を大海の深みに投げ込まれました。
私は大水の流れの中に沈み、
激しくさかまく波をかぶりました。
4 その時、私は言いました。
『ああ主よ。
主は私を退け、投げ捨てました。
もう二度と、あなたの聖なる神殿を
見ることはできません』と申しました。
5 波にのまれ、もう少しで死ぬところでした。
大水が私をふさぎ、海草が頭にからみつきました。
6 私は海底にそびえる山々の底まで沈んだのです。
いのちから締め出され、
死の国の囚人になってしまいました。
しかし、私の神、主よ、
あなたは大きく開いた死の口から、
私を引き上げてくださいました。
7 全く望みが断たれようとした時、
もう一度、私は主に思いを向けました。
そして聖なる神殿におられるあなたに、
真剣な祈りをささげました。
8 (偽りの神々を拝む者は、
主が与えようとしておられるあわれみに
背を向けています。)
9 私は、あなた以外の何ものも拝みません。
あなたがしてくださったことを、
どう感謝したらよいでしょう。
私は必ず約束をはたします。
私の救いは主のみです。」
10 そして主が命じると、魚はヨナを海岸に吐き出しました。
ニネベに行ったヨナ
3 1-2 主は再び、ヨナに語りました。「あの大きな町ニネベへ行き、前に命じたように、滅びが迫っていることを警告せよ。」
3 そこでヨナは、言われたとおりニネベへ行きました。ニネベは非常に大きな町で、その周囲にもたくさんの村々がありました。町を一回りするだけでも、歩いて三日かかるほどでした。 4-5 しかし、ヨナが町に入って説教を始めたその日から、人々は悔い改め始めたのです。ヨナは回りを取り囲んだ群衆に、「今から四十日後に、ニネベは滅びることになる」と叫びました。すると、彼らはヨナのことばを信じて断食を呼びかけ、身分の高い者から低い者まで、すべての者が荒布をまとって、悲しみを表したのです。
6 ニネベの王は、ヨナが語っていることを聞くと、王座から下り、王服をわきに置いて荒布をまとい、灰の中に座りました。 7 そして王と大臣たちは、町中に次のようなおふれを出したのです。「何人も、動物さえも、食べ物を口にしてはならない。水も飲んではならない。 8 荒布を身にまとい、ひたすら神様に向かって叫べ。暴力や強奪をやめ、悪の道から足を洗うようにせよ。 9 もしかすると、神様は私たちを生かそうと決め、怒りを静めて、滅ぼさないでくださるかもしれないからだ。」
10 こうして神は、彼らが悪の道から離れたのを見ました。それで、彼らを滅ぼす計画を思い直し、それを実行しませんでした。
ヨナの怒りと主からの慰め
4 ところが、この主の計画変更にヨナはひどく腹を立て、 2 主に文句を言いました。「主よ、私が国にいて、ニネベへ行けと最初に言われた時、こうなさることはわかっていたのです。ですから私はタルシシュへ逃げたのです。あなたが恵み深く、あわれみに富み、なかなかお怒りにならず、思いやりのある神であることを知っておりましたから。ニネベの人々を滅ぼす計画も、簡単に取りやめることになるだろうと、わかっていました。 3 主よ、どうか私を殺してください。私が人々に語ったことが偽りになったのですから、生きているより死んだほうがましです。」
4 すると、主は言いました。「このことで、あなたは当然のように怒るのか。」
5 ヨナは町の外に出て、不機嫌な顔で、町の東側に腰を下ろしました。そこに木の葉の茂った日よけ小屋を作り、町がどうなるかを見るつもりだったのです。 6 小屋を覆っていた葉っぱが暑さでしおれてしまうと、主はとうごまを用意してすぐに成長させ、大きな葉がヨナの頭の上で日をさえぎるようにしました。それで彼は快適になり、とても喜びました。
7 ところが、神は一匹の虫を備え、翌朝、その虫が茎を食い荒らしたので、とうごまは枯れてしまいました。 8 太陽が昇って暑くなると、神は焼けつくような東風を吹かせました。太陽が頭にじりじり照りつけたので、ヨナはすっかりまいって死にたいと願い、「こんな思いをするくらいなら、もう死んだほうがましです」と言いました。
9 神はヨナに言いました。「この草が枯れたことで怒るのは当然のことだろうか。」ヨナは言いました。「もちろんです。死ぬほど怒って当然です。」
10 すると主は言いました。「あなたは、日よけが壊れただけでそんなにも嘆いているが、あれは自分が働いて作ったものではないし、もともと、はかないいのちでしかないものだ。 11 だとしたなら、このニネベのように大きな町をわたしが惜しまないはずがあるだろうか。そこには、霊的な闇の中にいる十二万の人々と、たくさんの家畜がいるのだ。」
1 次に述べるのは、ヨタム王、アハズ王、ヒゼキヤ王がユダ王国を治めていた時代に、モレシェテの町に住むミカに伝えられた主からのことばです。それはサマリヤとユダの両国へのことばで、幻によってミカに示されたものです。
2 よく聞け。
世界のすべての国々の民よ、耳をすませよ。
主が聖なる神殿の中から、
あなたがたを告発したのだ。
サマリヤとエルサレムに対するさばき
3 見よ、主が来ようとしている。
天の王座を離れ、山々の頂の上を歩きながら、
地上に来る。
4 山々は、火の中の蝋のように主の足の下で溶け、
丘を流れ落ちる水のように谷へ流れ込む。
5 どうしてこんなことが起こっているのか。
イスラエルとユダの罪のせいだ。
どんな罪か。
首都サマリヤとエルサレムを中心に行われている
偶像崇拝と虐待である。
6 それゆえ、サマリヤの町は瓦礫の山となり、
開けた野となって、
その通りはぶどうを植えるために掘り返される。
主はその城壁と要塞を壊し、土台をあばき、
その石を下の谷へ流し入れる。
7 刻んだ像は一つ残らず粉々に砕かれ、
礼拝者たちの寄進で建てた
きらびやかな偶像の神殿は焼き払われる。
嘆きと悲しみ
8 わたしは声をあげて嘆こう。山犬のようにほえ、
夜、泣きながら砂漠を横切る
だちょうのように悲しげに。
はだし、裸で歩こう。
9 わたしの民の傷が治せないほど深いからだ。
主はエルサレムを罰しようと、
すでにその門に立っている。
10 ガテの町は災いだ。
嘆き悲しむな。
ベテ・レアフラでは、悩み、
恥じてちりの中を転げ回れ。
11 シャフィルの民は身ぐるみはがされて、
裸になって恥じたまま、奴隷として引かれて行く。
ツァアナンの民は城壁の外に姿を現そうとしない。
ベテ・エツェルは町の土台ごと一掃される。
12 マロテの民は、
これから良い時代になるだろうと望みをかけている。
だが、待ちかまえているのは苦痛だけだ。
主が、今にもエルサレムを打とうとしているからだ。
13 急げ、ラキシュの民よ、
一番速い戦車で逃げるのだ。
ユダの町で最初にイスラエルの偶像礼拝の罪に
ならったのは、あなたなのだから。
そして南のすべての町が、
あなたの例にならうようになった。
14 ガテのモレシェテに書き送れ。
もう救われる望みはない。
アクジブの町は、できもしない援助を約束して、
イスラエルの王を欺いた。
15 マレシャの民よ、あなたは敵の賞品になる。
敵は、「イスラエルの誉れ」である
アドラムにまで侵入する。
16 泣け。
子どもたちのために泣き悲しめ。
子どもたちは奪い去られ、二度と会えなくなる。
奴隷として遠くの地へ連れて行かれてしまった。
頭をそって嘆き悲しむがいい。
人の計略と神の計画
2 夜中に寝床で悪事を企む者は災いだ。
あなたがたは計略を実行するために夜明けに起き出し、
実行する力があるのでやってのける。
2 その人の財産すべてなのに、
人の土地や家を欲しがり、
詐欺と脅しと暴力でそれを取り上げる。
3 しかし、神である主は言います。
「あなたがたの悪には悪をもって報いる。
何ものもわたしを止めることはできない。
わたしが見放したあとはもう二度と、
いばって人を見下すことはできなくなる。」
4 その時、敵はあなたがたをあざけり、
「私たちはおしまいだ。だめになった。
神は土地を没収し、私たちを遠くへ追い払い、
私たちのものを他人にやってしまう」
という、あなたがたの嘆きの歌をまねて、からかう。
5 その時には、
他人があなたがたの領土の境界線を決める。
「主の民」は連れ去られた所に住むようになる。
偽りの預言者
6 「そんなことを言うな」と人々は言う。
「そのようなことをくどくど言うのはやめろ。
そんな話はみっともない。
そんな悪いことが私たちに起こるはずがない。」
7 ヤコブの家よ。それは正しい答え方だろうか。
主の御霊が、好きでそんな荒々しい話し方を
すると思っているのか。そうではない。
その脅しは、あなたがたのため、
正しい道に立ち返らせるためのものだ。
8 それなのに、今この時まで、
わたしの民はわたしに反抗している。
あなたがたを信頼し、安心して歩いている者の背後から
上着をはぎ取っている。
9 未亡人を家から追い出し、
その子どもたちから神が与えた権利をもぎ取っている。
10 さあ、立て! 出て行け!
もうここは、あなたがたの土地でも家でもない。
罪でこの地をいっぱいにしたので、
吐き出されるのだ。
11 「酒の喜びについて説教しよう」と言うのが、
あなたがたの好きな
飲んだくれの偽預言者だ。
解放の約束
12 イスラエルよ。
わたしが残りの者を集め、
囲いの中の羊のように、牧場の群れのように、
もう一度集める時がくる。
それは騒々しく、幸せな集団だ。
13 メシヤがあなたがたを連れ去られた地から導き出し、
捕らわれていた町の門を通って、
自分たちの地に連れ戻す。
イスラエルの王はあなたがたの前を進み、
主が先頭に立って進んで行く。
指導者と預言者への叱責
3 イスラエルの指導者たちよ、聞け。
あなたがたは善悪の区別を知るべきだ。
2 それなのに、善を憎み、悪を愛している。
わたしの民の皮をはぎ、骨までしゃぶっている。
3 民を食い尽くし、こき使い、その骨を砕いて、
まるでなべに入れる肉のように切り刻んでいる。
4 それでいて、困ったことになると、
主に助けてくれと願う。
願いを聞いてもらえると本気で思っているのか。
顔をそむけられるだろう。
5 偽預言者たち、神の民を迷わせる者たちよ。
あなたがたは、食べ物をくれる者には
「平安があるように」と言い、
何もしてくれない者は脅すのだ。
そんなあなたがたに、神はこう告げている。
6 「夜があなたがたを取り囲み、
あなたがたの幻を断ち切る。
闇があなたがたを覆い、神から何のことばもない。
太陽は沈み、あなたがたの日は終わる。
7 そのようになってついに、恥じ入って顔を隠し、
自分たちの語ったことが
神から出たものでなかったことを認める。」
8 私は力に満たされ、主の御霊に満たされて、
神が罪を犯したイスラエルを罰すると、
恐れず告げよう。
9 イスラエルの指導者たち、私の言うことを聞け。
あなたがたは正義を憎み、不正を愛している。
10 エルサレムに、
殺人とあらゆる罪をはびこらせている。
11 指導者はわいろを取り、
祭司と預言者は、金をもらわなければ
教えることも預言することもしない。
それでいて、主にこびへつらって、
「すべて大丈夫。主は私たちとともにおられる。
どんな災いもくるはずがない」と言う。
12 そんなあなたがたのせいで、
エルサレムは畑のように耕され、廃墟となる。
神殿が立っている山の頂も藪で覆われる。
主の山
4 しかし、終わりの日に、
シオンは世界中の山々で最も名を知られるようになり、
世界のすべての国々から称賛され、
世界中から巡礼が訪れる。
2 彼らは互いに言う。
「さあ、主の山へ行き、
イスラエルの神の神殿を見よう。
神は、私たちがどうしたらよいか教えてくださる。
そうしたら、そのとおりにしよう。」
その日には、
主がエルサレムから全世界を支配する。
エルサレムから主の教えが発せられ、
主のことばが告げられる。
3 主は諸国の間を仲裁し、遠く離れた強国に指令を下す。
彼らは剣を鋤に、槍を鎌に打ち直し、
国々はもう争うことがない。
すべての戦争が終わるからだ。
平和が実現し、軍の士官学校や訓練場は閉鎖される。
4 彼らはみな自分の家で、豊かで落ち着いた生活を営む。
恐れるものが何もないからだ。
主ご自身がそう約束している。
5 それゆえ、たとえ回りの国々が偶像を拝んでも、
私たちの神、主に従おう。
神の計画
6 やがてくるその日に、主は次のようにすると言います。
罰せられたご自分の民、すなわち、病弱な者、
足の悪い者、貧しい者を連れ戻し、
7 彼らの地で再び強くし、強力な国とし、
主ご自身が永久に王となり、
シオンの山から支配すると。
8 エルサレム、神の民の見張り塔よ。
あなたの王権と力は、以前のように回復される。
9 だが、今は違う。
あなたはおびえて金切り声を上げる。
あなたを導く王はどこにいるか。
彼は死んだ。
賢い者たちはどこにいるか。
みないなくなった。
産みの苦しみをしている女のように、
苦痛があなたを捕らえて放さない。
10 シオンの娘よ、激しい苦痛に、身もだえしてうめけ。
あなたはこの町を出て、野宿しなければならない。
遠くバビロンへ追放されるのだ。
だが、そこでわたしはあなたを救い出し、
敵の手から解放しよう。
11 今、多くの国があなたに敵対して集まり、
あなたの血を求め、
滅ぼそうとやっきになっている。
12 だが、彼らは主の考えを知らず、
主の計画を理解してもいない。
主がご自分の民の敵を、
脱穀される麦束のように寄せ集める時がくる。
イスラエルに対して、彼らは全く無力となる。
13 シオンの娘よ、立って麦を打て。
わたしが鉄の角と青銅のひづめを与える。
多くの国々を踏みつけ、粉々にせよ。
そして彼らの富を、全地の主の主に、
ささげ物としてささげるのだ。
ベツレヘムから出る約束の王
5 軍を結集せよ。
敵がエルサレムを包囲している。
彼らは、イスラエルを治める者の頬を杖で打つ。
2 「ベツレヘム・エフラテよ。
あなたはユダの小さな村にすぎないが、
永遠の昔から生きている、
イスラエルの支配者が生まれる地となる。」
3 神は、子を産む女が男の子を産むまで、
ご自分の民を敵に渡す。
そののち、彼の同胞、
捕囚の地で生き残ったイスラエル人が、
ついに故国の兄弟たちのもとに帰る。
4 その王は立ち上がり、主の力によって、
彼の神、主の御名の威光によって群れを養う。
民は、そこで平安な生活を営む。
この方が全世界からほめたたえられるからだ。
5 この方は私たちの平和となる。
アッシリヤが攻め入り、
私たちの領土を踏みにじる時、
この方は、
七人の牧者と八人の指導者を立てる。
6 彼らは抜き身の剣でアッシリヤを支配し、
ニムロデの地(バビロニヤ)の門に入る。
アッシリヤ人が私たちの国に侵入する時、
この方が私たちを救い出す。
7 その時、イスラエルの国民は、
そっと下りる露や待ちに待った雨のように、
世界を潤してさわやかにする。
彼らはもはや人に望みを置かない。
8 イスラエルはライオンのように強くなり、
その前で、世界の国々は羊のようにおとなしくなる。
9 イスラエルが敵の前に立ちはだかると、
敵はひとたまりもない。
10 主はこう告げます。
「その日、あなたが頼みにしている武器を
一つ残らず破壊し、
11 城壁を破壊し、要塞を取り壊そう。
12 わたしはいっさいの魔術の息の根を止める。
運勢を占う易者はどこにもいなくなる。
13 また、すべての偶像を壊す。
あなたはもう二度と、
自分たちで造った物を拝まない。
14 わたしがあなたの間から異教の宮を取り除き、
偶像の宮がある町々を破壊するからだ。
15 わたしは、わたしに従うことを拒む国々に復讐し、
思い知らせよう。」
イスラエルに対する主の訴え
6 さあ、主がご自分の民に話そうとしていることを
聞きなさい。
「立ち上がって、わたしに対する反対を
述べてみるがいい。
山や丘を呼び寄せて、
あなたの訴えについて証人になってもらえ。
2 山々よ、主の訴えに耳を傾けよ。
主はご自分の民イスラエルに、言いたいことがある。
主は彼らを容赦なく告訴する。
3 わたしの民よ、なぜ、わたしに背くのか。
わたしがどんな悪いことをしたというのだ。
なぜ我慢できなくなったのか。
はっきり答えよ。
4 わたしはあなたをエジプトから連れ出し、
奴隷の鎖を断ち切った。
あなたを助けるために、
モーセ、アロン、ミリヤムを送ったのだ。
5 わたしの民よ、忘れたのか。
モアブの王バラクが、ベオルの子バラムにのろわせて、
あなたを滅ぼそうとした時のことを。
わたしはバラムに、あなたをのろうどころか、
かえって祝福させたのだ。
このように幾度も、あなたに好意を示した。
シティムやギルガルで起こったことも、
そこであなたを祝福したことも、
みんな忘れてしまったのか。」
6 あなたは尋ねます。
「私たちがやったことを、どうしたら償えるでしょうか。
一歳の子牛をささげて、
主の前にひれ伏したらよいのですか。」
そうではありません。
7 主は、幾千の雄羊と、幾万の川となるくらいの
オリーブ油をささげたら、喜ぶでしょうか。
満足するでしょうか。
長子をいけにえとしてささげたら、
主を喜ばせることになるでしょうか。
そして、罪を赦してもらえるでしょうか。
もちろん違います。
8 神は望んでいることをあなたに告げたました。
すなわち、えこひいきせず、公平で、
あわれみ深くあること、
また、謙遜にあなたの神と共に歩むことです。
イスラエルの罪と罰
9 主の声はエルサレム中に響き渡ります。
賢い人は主に耳を傾けなさい。
「侵入軍がやって来る。
主がそれを送っているのだ。
10 あなたの罪があまりにもひどいからだ。
人をだまして金を巻き上げることを、いつやめるのか。
悪者の家は、
汚らわしい財宝といんちきな量りでいっぱいだ。
11 人を欺く偽りの重りを使う商人に、
わたしは『それでよい』などと言うだろうか。
公正である神が、どうしてそんなことを言えようか。
12 金持ちは、脅しと暴力で富を得ている。
市民は、偽りを言うことに慣れているので、
その舌は真実を語れない。
13 それゆえ、あなたを痛い目に会わせよう。
罪を犯した罰に、みじめな思いをさせる。
14 あなたは食べても満腹せず、
いつも飢えで苦しみ、空腹感に悩まされる。
いくら金をためようとしても、何も残らない。
ほんのわずかな蓄えも、
わたしはあなたを征服する者に渡す。
15 種をまいても収穫することはなく、
オリーブを絞っても自分の体に塗るほどの油も出ない。
ぶどうを踏んでも、
ぶどう酒を作るだけのぶどう液は得られない。
16 あなたがたはオムリの命令しか守らず、
アハブの例にならうだけだ。
それゆえ、見せしめのためにあなたがたを滅ぼす。
あなたがたは世界中の物笑いになる。
あなたがたを見る者はみな、さんざんあざけるだろう。」
イスラエルの悲惨さ
7 1-2 ああ、悲しいことだ。
正直者を見つけるのがこんなにも困難だとは。
まるで、収穫期を過ぎてから、
ぶどうやいちじくの実を見つけるようなものだ。
どんなに欲しくても、
ぶどう一ふさ、初なりのいちじく一個もない。
正しい人は地上から消えてしまった。
誠実な人は一人も残っていない。
みな人殺しで、
自分の兄弟まで手にかけようとしている。
3 彼らは、あらゆる手段を用いて悪を働いている。
しかも、その手口のうまいこと。
政治家も裁判官も、わいろを求める。
金持ちは彼らを買収し、じゃま者を消す相談をする。
正義はゆがめられてしまった。
4 一番ましな者でも、いばらのようにとげとげしい。
最もまっすぐな者でも、
いばらの垣根よりねじれている。
そんなあなたをさばく日が、すばやくやってくる。
処罰の時がそこまできている。
混乱と破滅と恐怖があなたに起こる。
5 だれも信用するな。
親友も、妻でさえも。
6 息子は父親をばかにし、
娘は母親に逆らい、嫁はしゅうとめをのろう。
まさに、敵は自分の家の中にいる。
7 それでも、私は主に助けを求め、
神が私を救い出すのを待ち望む。
神は私の言うことを聞いてくださる。
イスラエルは立ち上がる
8 敵よ、私のことで喜ぶな。
私は倒れても、また起き上がるからだ。
たとえ暗闇の中に座っていても、
主が私の光となる。
9 主から罰を受けている間、私はじっと耐えていよう。
私が主に罪を犯したからだ。
そののち、私を敵の手から守り、
彼らが私にしたすべての悪を罰する。
神は私を暗闇から光の中へ連れ出し、
私は神のいつくしみを見る。
10 その時敵は、神が私の味方であることを認め、
「おまえの神はどこにいるのか」
とあざけったことを恥ずかしく思う。
今すでに、彼らが道の土のように
踏みつけられるさまが見えている。
11 神の民よ。あなたの町々は建て直され、
前よりも大きくなり、繁栄する。
12 アッシリヤからエジプトまで、
エジプトからユーフラテス川まで、海から海まで、
遠い山と丘から、多くの国の人々が来て、
あなたをほめる。
13 しかしまず、恐ろしい滅亡がイスラエルに臨む。
それはイスラエルの民のはなはだしい悪のためだ。
祈りと賛美
14 主よ、来て、あなたの民を治めてください。
あなたの群れを養い、
平和で豊かな生活を送らせてください。
昔のように、バシャンとギルアデの肥沃な牧草地を
楽しませてください。
15 主はこう答えます。
「そうしよう。
エジプトで奴隷となっていたおまえを
連れ出した時のように、
おまえのために力強い奇跡を行おう。
16 全世界はわたしのすることに驚き、
自分たちの力が取るに足りないものであることを知って
困惑する。
恐れのあまり口もきけず、
周囲のことは何も耳に入らない。」
17 彼らは、蛇や穴からはい出す虫けらのように、
みじめな自分に気づく。
そして、私たちの神、主に会うため、
自分たちのとりでから震えながら出て来る。
彼らは主を恐れかしこんで、立ち尽くす。
18 あなたのような神が、ほかにいるでしょうか。
あなたはご自分の民の中で生き残った者の
罪を赦してくださいます。
あわれみを好み、
ご自分のためをいつまでも怒ってはおられません。
19 再び、私たちにあわれみをかけてくださいます。
私たちの罪を踏みつけ、海の底に投げ込まれます。
20 昔ヤコブに約束したように、
私たちを祝福してくださいます。
先祖アブラハムに約束したように、
私たちを愛してくださいます。
1 神は、エルコシュに住むナホムに、ニネベに差し迫っている運命について次のような幻を示しました。
ニネベに対する主の怒り
2 神は、ねたむほどにご自分の民を愛している。
だから、その民を痛めつける者たちに復讐する。
その民の敵をすさまじい勢いで滅ぼす。
3 神は怒るのに遅いが、いったん怒ると、
その力は信じられないほどで、簡単には赦さない。
その力を恐ろしい台風や暴風雨の中に示し、
渦まく雲も、
神の足の下でかき立てられる砂ぼこりのようなものだ。
4 命じると、海も川も乾いた砂地となる。
バシャンとカルメルの青々とした草はしおれ、
レバノンの緑の森も枯れはてる。
5 神の前に出ると、山々は震え、丘は溶ける。
大地は崩れ、その住民は滅ぼされる。
6 だれが、怒りに燃える神の前に立てるだろう。
神の怒りは火のようで、
山々はその怒りの前に崩れ落ちる。
7 主はいつくしみ深い方、
苦難に会うとき、身を寄せるべき場所だ。
主は、ご自分に信頼する者をすべて知っている。
8 しかし、敵はあふれみなぎる洪水で一掃し、
一晩中追いかける。
9 ニネベよ、主に反抗するとは、
何をもくろんでいるのか。
神はおまえを一撃で仕留め、二度打つ必要もない。
10 ご自分の敵を、からみついたいばらの塊のように
火に投げ込む。
彼らはわらのように、あっという間に燃え尽きる。
11 主に刃向かおうとするとは、
おまえの王は、いったい何者か。
12 主は、少しも恐れていない。
主はこう宣言する。
「何百万もの強力な軍隊を組織しても、
消えうせる。
わたしの民よ。あなたはもう十分に罰を受けた。
13 今、あなたの鎖を砕き、
このアッシリヤの王の奴隷のくびきから解放しよう。」
14 それから、アッシリヤの王にこう宣告する。
「おまえの王朝はもう終わりだ。
息子たちが王位につくことはない。
わたしはおまえの神々や神殿を破壊し、
おまえを葬り去ろう。
罪の悪臭がひどいからだ。」
15 見なさい。うれしい知らせを伝える使者たちが、
山を駆け下りて来る。
「侵入者は一掃され、もう心配はない。」
ユダよ、感謝祭をするとふれ回り、
誓ったとおり、主だけを礼拝せよ。
二度と、ニネベから敵が攻めて来ることはない。
彼らは永久に滅ぼされ、再びその姿を見ることはない。
滅ぼされるニネベ
2 ニネベよ。おまえはもうおしまいだ。
すでに敵の軍隊に囲まれている。
警鐘を鳴らせ。城壁に人を配置し、守りを固め、
全力を尽くして敵の侵入を見張れ。
2 神の民の地は、おまえの攻撃で人はいなくなり、
破壊された。
だが主は、彼らの誉れと力とを回復する。
3 兵士の盾は太陽の光を受け、真っ赤に輝く。
攻撃開始だ。深紅の軍服を見よ。
飛び跳ねる馬に引かれて、
ぴかぴかの戦車が並んで進んで来るのを見よ。
4 あなたの戦車は、たいまつのような光を放ちながら、
向こう見ずに通りを突っ走り、広場を走り抜ける。
5 王は役人たちを呼んで叫ぶ。
彼らはあわてふためいてつまずきながら、
守備を固めようと、城壁に向かって走る。
6 だが、もう遅い。水門は開かれた。
敵が入って来る。宮殿は大騒ぎだ。
7 ニネベの王妃は裸で通りに引き出され、
奴隷として引いて行かれる。
泣き悲しむ侍女たちもいっしょだ。
彼女たちが鳩のように泣く声と、
悲しんで胸を打つ音を聞け。
8 ニネベは水のもれる水槽のようだ。
兵士たちは町を見捨てて、こっそり逃げ出す。
呼び戻すことはできない。
「止まれ、止まれ」とニネベが叫んでも、
彼らは走り続ける。
9 銀を奪え。金を奪え。
財宝はいくらでもある。
山のような富もはぎ取られてしまう。
10 まもなく、この町は人っ子一人いない
散乱状態となる。
心は恐怖におののき、ひざは震え、
彼らはぼう然として青ざめる。
11 諸国の間でライオンのようにふるまい、
闘志と大胆さをみなぎらせていた町、
年老いて弱くなった者も、いたいけな子どもも
恐れることなく暮らしていた町、
あの偉大なニネベは今、どこにあるのか。
12 ニネベよ、かつての勇猛なライオンよ。
おまえは妻子に食べさせるために
多くの敵を押しつぶし、
町と家を分捕り物と奴隷でいっぱいにした。
13 しかし今、全能の主がおまえに立ち向かう。
武器は破壊され、
戦車は使われないままひっそりと放置される。
すぐれた若者も死んで横たわる。
もう、他国を征服して奴隷を連れて来ることもない。
再びこの地を支配できないのだ。
ニネベの災い
3 ああ、流血の町、
偽りと略奪に満ちたニネベは災いだ。
2 聞け、むちの音を。
戦車がニネベに向かって進んで来る。
車輪とひづめの音を響かせて、
荒々しく通りを走り抜けて行く。
その音のすさまじいことよ。
3 騎兵が振りかざす剣と槍が、きらめいているのを見よ。
死人が通りに横たわっている。
どこもかしこも死体の山だ。
人々はそれにつまずいて転び、ようやく置き上がり、
再び倒れる。
4 こうなったのもみな、
ニネベが神の敵に自分を売ったからだ。
美しいが不誠実な町、死に至らせる魅力をもつ女王は、
その美しさで国々の気を引き、
彼らすべてに偽りの神々を拝むことを教えて、
あらゆる場所で人々を魅了した。
5 全能の主は言う。
「わたしがおまえに反対するのは当然のことだ。
今、全地がおまえの裸と恥を見ることになる。
6 おまえを汚物で覆い、
実際どんなに汚い者であるかを世界に見せよう。」
7 おまえを見る者はみな、恐れてしりごみする。
「ニネベは完全に廃墟と化した」と。
それでも、おまえの運命を悲しむ者は一人もいない。
8 おまえは、ナイル川の両岸にまたがり、
四方を川で守られていたテーベよりも
すぐれているだろうか。
9 エチオピヤとエジプト全土はテーベの力強い同盟者で、
テーベはプテとリビヤからと同様、
彼らからどんな援助でも求めることができた。
10 それでもテーベは陥落し、
住民は奴隷となって連れて行かれたのだ。
赤ん坊は道路の石にたたきつけられて死んだ。
高官たちは、くじ引きで兵士たちの召使にされた。
指導者はみな鎖につながれた。
11 ニネベも、酔っぱらいのようにふらつき、
おびえて身を隠すようになる。
12 要塞はすべて陥落する。
木を揺さぶる人の口の中に落ちる、
初なりのいちじくのように食べられる。
13 おまえの軍隊は女のように弱く、頼る相手がいない。
国のすべての門は敵に対して広く開けられ、
火で焼かれる。
14 籠城に備えよ。水をたくわえよ。要塞を強固にせよ。
城壁を修理するために、れんがをたくさん用意せよ。
洞窟に入って粘土を足でこね、型に詰めるのだ。
15 しかし、準備の最中に、火がおまえを焼き尽くす。
剣がおまえを切り倒す。
若いいなごが目の前にある物を平らげるように、
敵がおまえを食い尽くす。
おまえはばったのように増え広がるが、
逃れることはできない。
16 商人は星のように多く、
巨万の富でこの町を満たしたが、
敵はいなごのように群がり、それを持ち去る。
17 君主や役人たちは、いなごが寒い季節に
生け垣に群がるように、群がっている。
ところが、日が昇って地が暖まりだすと
いなごも姿を消すように、全員が逃げていなくなる。
18 アッシリヤの王よ。
おまえの君主たちは、死んでちりの中に横たわる。
おまえの民は山の向こうに散らされる。
今、彼らを集める牧者はいない。
19 おまえの傷は治らない。
あまりにも傷が深いからだ。
おまえの最期を聞く者はみな、手をたたいて喜ぶ。
みな、おまえの残虐なふるまいに苦しんだからだ。
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