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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
エゼキエル書 12:21-23:39

遅くなることはない

21 続いて、主は語りました。 22 「人の子よ。『時がたてば預言は意味を失う』という、イスラエル人たちが口にすることわざは何か。 23 神である主は、このことわざをやめさせる。人々はもう、それを口にしなくなる。代わりに、このことわざを言わせなさい。『すべての預言の成就する時がきた。』 24 その時、エルサレムの安全は保証されているという偽りの予告が暴露される。 25 わたしは主である。わたしが起こると警告することは、必ず起こる。ああ、イスラエルの反逆者たち。もう決して遅れることはない。おまえたちが生きているうちに、わたしはそのようにする。」こう神である主が言うのです。

26 また、このようなことばがありました。 27 「人の子よ。イスラエルの民は、『彼が見ている幻は、まだ当分の間実現しそうにない』と言っている。 28 だから、『神である主はこう言います。もう、これ以上遅れることはない。わたしは今、それを行う』と言ってやりなさい。」

さばきを受ける偽預言者

13 それから、次のようなことばがありました。

2-3 「人の子よ、イスラエルの偽預言者どもに預言しなさい。彼らは自分勝手に幻を考え出し、わたしが何も語らないのに、わたしからのお告げだと主張している。そのような者はのろわれるべきだ。 ああ、イスラエルよ。あなたの預言者どもは、まるで廃墟にいるきつねのように城壁再建の役には立たない。 ああ、悪い預言者ども。敵の攻撃に備えて城壁を補強し、主によってイスラエルを強化するために、おまえたちは何をしたのか。 かえって、『これは神からのお告げです』と言って、偽りを語っている。わたしはおまえたちなど遣わさなかった。それなのに、自分たちの預言が実現することを期待している。 見たこともないのに幻を見たと言ったり、わたしが何も語らないのに、『このお告げは神からのものです』と言ったりしたことを否定できるのか。」

それゆえ、神である主は語ります。「わたしはこれらの幻と偽りのゆえに、おまえたちを滅ぼそう。 わたしはおまえたちに向かい、イスラエルの指導者の中から切り捨てる。おまえたちの名を消し去る。おまえたちは二度と祖国を見ることがない。その時、おまえたちは、わたしが主であることを知る。 10 まことに、この悪者どもは、『神は平安を下さる』と言って、わたしの民を惑わしている。彼らに平安を与えることなど、わたしの計画には全く入っていない。わたしの民はもろい壁を建てているのに、偽預言者どもはそれをほめそやし、しっくいで上塗りをしている。

11 その者たちに、『その壁は倒れるぞ』と警告せよ。大雨が土台を浸食し、大粒の雹と激しい風が壁を打ち倒す。 12 壁が倒れると、人々は、『なぜ初めから、それではだめだと注意してくれなかったのだ。なぜ、上塗りをして欠陥を覆うようなことをしたのだ』と叫ぶ。 13 壁は必ず倒れるのだ。」そう主は言います。「わたしは怒りの嵐と洪水と雹とによって、壁をなぎ倒す。 14 しっくいで上塗りした壁を打ち壊す。壁はおまえたちの上に倒れて、おまえたちを押しつぶす。その時、おまえたちは、わたしが主であることを知る。 15 こうして、わたしの怒りは消える。それで、壁をほめそやした者どもについてわたしは、『壁も、それを建てた者たちも消え去った』と言おう。 16 彼らはまさしく偽預言者だった。ほんとうは平安がないのに、エルサレムには平安がある、と言っていたのだ。」神である主がこう語るのです。

17-18 「人の子よ。主からお告げを与えられているかのように装っている女預言者どもに、神である主はこう言うと語れ。『人々の手首に魔術のお札を結び、魔術のベールをかぶらせ、わたしの民のたましいを破滅させている女たちはのろわれよ。この女たちは、自分に利益がないと知ると、すぐに援助の手を引っ込める。 19 ほんの一つかみの大麦のために、あるいは、ほんの一切れのパンのために、わたしの民をわたしから去らせようとするのか。おまえたちは、死んではならない者を死に追いやったのだ。わたしの民を欺き、生きていてはならない者にいのちを約束している。そうするのが、彼女たちの好む手口だ。』」

20 主は語ります。「おまえたちがわたしの国民のたましいを魔術にかけているので、おまえたちを押し倒す。わたしは魔術のひもを引きちぎり、かごの鳥を放つように、わたしの民を解放する。 21 魔術のベールも引き裂き、おまえたちの手からわたしの民を救い出す。もう彼らは、おまえたちの餌食ではない。その時、おまえたちも、わたしが主であることを知る。 22 おまえたちの偽りは、わたしの意に反して、正しい人を落胆させた。それどころか、罪の生活を続ける者たちにいのちの約束をして、その悪者どもを力づけるようなことまでしたのだ。 23 だが、もうそんなことは許されない。見たこともない幻を見たと言ったり、魔術をしたりすることもできなくなる。わたしがおまえたちを滅ぼして、わたしの民をおまえたちの手から救い出すからだ。こうしておまえたちも、わたしが主であることを知る。」

偶像を拝む者はさばかれる

14 それから、イスラエルの長老たち数人が来て、主の御告げをうかがってほしいと願い出ました。 彼らのために私に示されたことばは、次のとおりです。 「人の子よ、この者たちは心の中で偶像礼拝をしている。どうして、彼らの願いなど聞いてやれるだろうか。 むしろ、わたしはこう言っていると告げなさい。イスラエルの中で偶像を礼拝しながら、平気でわたしに助けを求めて来るような者に、わたしは、それぞれに応じた処置をする。 わたしから離れて偶像礼拝に走る者たちの思いと心を、わたしは罰する。」

6-7 それゆえ、神である主は次のように警告します。「悔い改めよ。偶像を打ち壊し、心の中で偶像礼拝をすることをやめよ。主であるわたしは、イスラエル人でも、イスラエルに住む外国人であっても、わたしを拒んで偶像を礼拝していながら、わたしの助けや助言を求めて預言者のところへ来る者を必ず罰しよう。 そういう不届き者の敵となり、彼を完全に滅ぼして、恐るべきさばきの見本としよう。その時、あなたがたは、わたしが神であることを知る。 偽預言者の一人がお告げを語ったとしても、それは偽りだ。その預言は実現しない。わたしはその預言者を、わたしの民イスラエルから絶ち滅ぼす。 10 偽預言者と偽善者たち。わたしのことばが欲しいなどと、ぬけぬけと言う悪者たちはみな、その罪のために罰を受ける。 11 その時、イスラエルの民は、わたしを捨ててこれ以上罪に汚れた生活を続けるべきではなく、わたしの民となり、わたしも彼らの神となるべきだと身をもって知る。」主は、そう語ります。

避けられないエルサレムのさばき

12 また、次のようなことばがありました。 13 「人の子よ。この国の人々がわたしに罪を犯すとき、わたしは、こぶしで彼らを打ちのめし、食糧の供給を絶ち、ききんで人間も動物も絶ち滅ぼす。 14 たとえノアやダニエルやヨブが、今ここにいたとしても、本人だけがその思いや行いの正しさによって救われるだけだ。だれも、ほかの者を助けることはできない。わたしはイスラエルの残りの者を滅ぼす。」このように主は言います。 15 「わたしがこの地に危険な野獣を放ち、荒らすにまかせれば、 16 たとえこの三人がいたとしても何の役にも立たない。彼らは、待ちかまえている滅びから人々を救えない。」こう主は言います。「この三人だけは救われても、地は荒れはてる。 17 あるいは、わたしがこの地に戦争を起こし、敵軍にすべての物を破壊するようにと命じるとき、 18 たとえ彼らがここにいても、わたしが言うとおり、救われるのは彼らだけだ。 19-20 あるいは、わたしがこの地に憤りを注いで疫病をはやらせ、その災害で人間も動物も死ぬとき、たとえノアやダニエルやヨブが生きていたとしても、わたしが言うとおり、その思いや行いの正しさのゆえに救われるのは彼らだけだ。」

21 主は語ります。「戦争とききん、どう猛な野獣と疫病、この四つの厳罰がエルサレムに下り、すべての生きものを滅ぼそうとしている。 22 もし生き残る者がいて、バビロンに捕囚の身とされているあなたがたのところへ来たなら、あなたがたは自分の目で、彼らがどんなに悪い者であるかを見て、わたしがエルサレムを滅ぼしたのは当然だと認めるだろう。 23 彼らに会えば、起こるべきことがイスラエルに起こったのだとうなずくことだろう。」

価値のないぶどうの木

15 それから、このようなことばが主から与えられました。

「人の子よ。
森の中のぶどうの木に、どれだけの価値があるか。
ほかの木のように役に立つだろうか。
その枝の一本ほどの価値があるだろうか。
いや、ぶどうの木は、
食器を掛ける木くぎにさえできない。
役に立つことといえば、たきぎにするぐらいだが、
それも、燃えがよくない。
5-6 だから、たきぎにして燃やす前も、
燃やしたあとも、大して役に立たない。」
これは次のようなことを意味していると、
主は語ります。
「エルサレムの住民は森のぶどうの木のようなものだ。
火に投げ入れられる前も、投げ入れられたあとも、
まるきり役に立たない。
わたしは敵のように、彼らの前に立ちはだかり、
彼らが一度は火から逃れても、
次には必ず火に追い込む。
その時、あなたがたは、
わたしが主であることを知る。
彼らが偶像礼拝をやめないので、
わたしはこの地を荒れはてさせる。」
神である主は、そう語るのです。

姦淫の罪を犯すエルサレム

16 再び、主からのことばがありました。

「人の子よ、忌まわしい罪についてエルサレムに言いなさい。 神である主は、エルサレムについてこう語ると。あなたはカナン人の地で興ったが、カナン人にまさるところは何もない。父はエモリ人、母はヘテ人だったのだ。 あなたが生まれた時、だれも面倒を見てくれなかった。へその緒を切ってもらえず、裸のまま、産湯にも入れてもらえず、産声も上げられずに放置されていた。 目をかける人も、かわいそうに思って世話をしてくれる人もいなかった。生まれたその日に野に捨てられ、死ぬばかりだった。望まれない子だったのだ。

6-7 ところが、わたしが通りかかって、血まみれのあなたを見つけたのだ。『死んではいけない。野の草のようにたくましく、大きくなるのだ』と、わたしは言った。そして、そのとおりになった。あなたは背も高く、ほっそりとしなやかになり、玉のように美しい、うら若いおとめに育ち、乳房もふくらみ、髪も伸びた。だが裸のままだった。

しばらくして、あなたのそばを通りかかると、結婚できる年ごろになっていた。そこで、わたしは自分の衣であなたを覆い、結婚の誓いをした。誓約を交わして、あなたはわたしのものとなった。 9-10 結婚式の時、わたしは刺繍をほどこした豪華な服や、じゅごんの皮のサンダルをあなたに贈った。 11-12 また、美しい装身具、腕輪や首飾り、鼻輪、イヤリング、宝石のついた冠も整えた。 13 こうして、あなたは金や銀で美しく身を飾り、刺繍した絹や亜麻布をまとった。そのうえ最高のごちそうを食べて、いちだんと美しくなり、まるで女王のように、いや、女王そのものになった。 14 その美しさは回りの国々の評判になった。あなたはわたしの贈り物で美しさを極めた。

15 しかしあなたは、自分の美しさを鼻にかけ、それさえあれば、わたしなしでもやっていけると考えた。そして、やって来る男には、だれかれかまわず、娼婦のように身を任せた。その美しさは、それを求める男のものになり下がった。 16 わたしが贈った物を偶像の宮のために使い、また売春の床を飾るために使ってしまった。信じられない、それまで見たこともないようなことだった。 17 あなたはわたしが与えた宝石や金銀の装身具で男の像を造り、それを拝んだ。それこそ、わたしを裏切る姦淫だ。 18 また、わたしが与えた刺繍入りの美しい服を偶像に着せ、わたしの油と香とをその前に供えた。 19 あなたは、わたしが与えた上等の小麦粉や油やみつまでも偶像にささげたのだ。 20 そして、わたしのために産んだ自分の息子や娘を、偶像の神々にいけにえとしてささげ、殺してしまった。自分が娼婦になるだけでは満足できなかったのか。 21 ほんとうの神でもない偶像の祭壇で、わたしの子どもまで、いけにえとして焼き殺さなければならなかったのか。

22 あなたは長い間姦淫と罪の生活にふけり、裸で血まみれだった昔のことを一度も思い出さなかった。 23 あなたのすべての悪行、ああ、それはなんと忌まわしいことか。そのために災いが降りかかる。そのほかにも、 24 あなたは愛人たちのために売春宿を設け、道々に偶像の祭壇を建てた。 25 そこで、飽きもせず、通りかかる男という男に身を任せた。 26 さらに、好色なエジプト人たちに身を売り、同盟を結んだ。わたしの怒りは頂点に達した。

27 そのため、わたしはこの手であなたを打ち倒した。あなたの領土を小さくし、あなたを憎むペリシテ人の手中に陥らせた。ところが、その彼らでさえ、あなたの行状を見て顔を赤くしている。 28 あなたは、アッシリヤ人とも密通した。次から次へと新しい神々を見つけても、まだ満足できないようだ。アッシリヤ人と密通してもまだ飽き足りず、 29 あの大商都バビロンの神々をも拝んだ。だが、それでもまだ満足しなかった。」

30-31 神である主は語ります。「こんなことをするあなたの心は、なんと汚れているのだ。道々に売春宿である偶像の祭壇を築き、ずうずうしく淫行を重ねている。あなたは娼婦よりも悪い。金を得るためでもなく、ただ悪にふけるためにそうしているからだ。 32 あなたは夫以外の男と同棲する不貞の妻だ。 33-34 娼婦は報酬を得るために働き、男たちは多くの贈り物をする。ところがあなたは自分のほうから贈り物をして、自分のところへ来てくれるように男たちを買収している。娼婦とは全く反対のことをしているのだ。だれからも求められないから、自分から報酬を払わなければならないのだ。

35 ああ、ふしだらな女よ、神のことばを聞け。」

36 主は語ります。「わたしはあなたの汚れた罪や、偶像礼拝という姦淫の罪、わが子をいけにえとして神々にささげたことなどを見てきた。 37 その報いとして、このようにする。あなたが愛した者であろうと、憎んだ者であろうと、あなたと同罪の愛人、つまりあなたの同盟国すべてを集め、彼らの見ている前であなたを裸にする。 38 あなたを人殺しをした女、また不貞を働いた女として罰する。 39 あなたの愛人である多くの国々の手で、あなたを滅ぼす。彼らはあなたが建てた売春宿や偶像の祭壇を打ち壊し、着ている物をはぎ取り、美しい宝石を奪い取って裸にし、さんざん辱める。 40-41 彼らはあなたの家を焼き払い、大ぜいの女の見ている前であなたを罰する。わたしは、あなたが他の神々と通じることをやめさせる。あなたが同盟国にこびて報酬を支払うようなこともやめさせる。

42 その時ようやく、わたしは激しい怒りを静め、ねたむことをやめ、心穏やかになる。もう怒ることをしない。 43 だがまず、あなたが犯したすべての罪を徹底的に罰する。あなたは若いころに受けた恵みを忘れ、これらの悪を働いて、わたしを怒らせたからだ。」

主は言います。「あなたは悪を重ねるばかりか、感謝することも忘れている。

44 『あの母にして、この娘あり。』みながあなたのことを、そう言っている。 45 あなたの母親は夫と子どもをきらったが、同じことをあなたもしている。姉妹も同じで、夫や子どもをないがしろにした。あなたの母はヘテ人、父はエモリ人だったのだ。

46 あなたの姉サマリヤは娘といっしょに北に住み、妹ソドムは娘といっしょに南に住んでいる。 47 あなたは二人のようには罪を犯さなかった。いや、無関係と言ってよいくらいだった。それが、あっという間に、二人をはるかにしのぐほど堕落してしまった。」

48 主は語ります。「ソドムとその娘たちは、あなたやあなたの娘たちほど邪悪ではなかった。 49 妹ソドムとその娘たちの罪とは、貧しい人が飢えて苦しんでいるのを見ながらも思い上がり、安逸をむさぼって腹いっぱい食べていたことだ。 50 彼女たちはわたしの見ている前で、無礼にも多くの偶像を拝んでいた。だから、わたしは彼女たちを滅ぼしたのだ。

51 サマリヤでさえ、あなたの半分も罪を犯していない。あなたは姉妹たちがした以上に偶像を礼拝した。それに比べたら、姉妹たちはずっとまともに見える。 52 だから、彼女たちの罰があなたより軽いと言って驚いてはならない。あなたがやったことはひどいことだ。あなたに比べたら、姉妹たちは潔白にさえ見える。

53 いつの日にか、わたしはソドムやサマリヤ、そしてユダをも、以前のように栄えさせる。 54 あなたが受ける恐ろしい罰を見てソドムやサマリヤは、自分たちの罰はまだ軽かったと慰められるだろう。

55 やがて、あなたの姉妹ソドムとサマリヤ、また、その全住民は元の所へ帰る。その日には、ユダにも繁栄が戻ってくる。 56 あなたは、自分だけは特別だと得意になっていた時には、ソドムなど気にも留めなかった。 57 だが今、あなたの悪は全世界にあばかれ、エドムやその近隣の国々、すべてのペリシテ人の笑いものになっている。 58 これは、あなたが犯したすべての罪に対する罰の一部だ。」

59-60 神である主はこう語ります。「わたしは、あなたが約束を破ったので報復する。あなたは、わたしと結んだ神聖な契約を、いとも簡単に破ってしまった。だが、わたしは、あなたの若いころに結んだ契約を、これからも守る。わたしはあなたと永遠の契約を結んだのだ。 61 それであなたもようやく、自分のしてきた悪を残らず思い返して、恥じるようになるだろう。わたしがあなたの姉妹であるサマリヤとソドムとを選び取り、彼女たちをあなたの娘とし、あなたに統治させるとき、あなたは恥じ入る。わたしとの契約を破ったからには、こんな優しい取り扱いを受ける資格などないことが、よくわかっているからだ。 62 わたしがあなたとの約束をし直すとき、あなたはわたしが神であることを知るようになる。 63 あなたの今までの行いにもかかわらず、わたしは思いやりを示す。わたしがあなたの行った悪のすべてを赦すとき、あなたは恥じ入って口をつぐむだろう。」神である主が、このように語るのです。

大わしとぶどうの木

17 それからまた私は、このようなことばを主から与えられました。

「人の子よ、このなぞをイスラエルの民に示せ。
3-4 色とりどりの羽を持つ大わしが
レバノンに飛んで来て、
いちばん高い杉の木のこずえの若枝を摘み取り、
商人の町へ運んで行った。
そして、その地の種を取って、
柳のように早く育つようにと、
大きな川のほとりの肥えた地に植えた。
やがて、そのぶどうの木は根を張って成長し、
たけは低いが、わしに向かってつるを張り、
強い枝とよく茂った葉をつけた。
さて、大きな翼と豊かな羽をもった
別の大わしが来ると、
木はそのわしに向かって、根と枝を伸ばした。
もっとも、この木はすでに、葉を茂らせ、
実を結ぶ良いぶどうの木となるように、
水に恵まれた良い地に植えられていたのだ。」

主はこう言います。「わたしがこの木を成長させ、繁茂させるだろうか。いや、断じてさせない。根こそぎ引き抜いてしまおう。枝は切り落とし、葉は枯らす。それはたやすいことだ。大ぜいの人手も、いろいろな道具もいらない。 10 最初は順調に育っていても、ぶどうの木はそれでよく茂るだろうか。いや、そんなことはない。東風が吹きつけると、もののみごとに枯れてしまう。順調に育ってきた最適の地でも枯れてしまうのだ。」

11 また、次のようなことばがありました。 12-13 「イスラエルの反逆者どもに問いなさい。この二羽のわしのなぞが何を意味するか、わからないなら、わたしが教えよう。最初の大わしはバビロンの王ネブカデネザルだ。彼はエルサレムに攻めて来て、木のこずえの若枝である王と王子たちを捕らえ、バビロンへ連れて行った。ネブカデネザルは王家の一人ゼデキヤと契約を結び、忠誠を誓わせた。その若枝を摘み取って、大きな川のそばの肥えた地に植えた。これは、イスラエルの政治的指導者たちを捕囚として連れ去ったことを指す。 14 イスラエルが再び力をつけ、反逆することがないようにしたのだ。こうして、イスラエルはその契約を守ることにより、かろうじて国としての体面を保ち、その立場を認められた。

15 それにもかかわらず、ゼデキヤはバビロンに反逆を企て、ネブカデネザルと戦うため、別のわしであるエジプトに使者を立て、軍勢と馬の救援を求めた。このように約束を破って、イスラエルは繁栄し、存続できるだろうか。 16 そんなことがあるはずはない。」

主はこう語ります。「わたしは生きている。イスラエルの王は必ず死ぬ。ゼデキヤは、自分を王位につけてくれた王の住むバビロンで死ぬ。ネブカデネザルとの契約をないがしろにし、それを破ったからだ。 17 バビロンの王が再びエルサレムを包囲し、そこに住む多くの者を虐殺しても、エジプトの王とその軍勢はイスラエルを助けない。 18 イスラエルの王は忠誠を誓いながら、あとでその約束を破ったからだ。彼は罰を免れない。」

19 主はこう語ります。「わたしは生きている。だから、わたしの名にかけて誓った神聖な誓約をないがしろにした者を、必ず罰する。 20 その者の上にわたしの網を広げ、罠にかけて捕らえ、バビロンへ引いて行く。こうして、わたしに反逆した罪を罰するのだ。 21 イスラエルの精鋭もみな剣で殺され、エルサレムに残った者も四散させらされる。その時あなたは、主であるわたしがこのことを語ったのだとわかる。」

22-23 神である主はこう語ります。「わたし自身が、一番高いレバノン杉の木のこずえから、一番柔らかい若枝を摘み取り、イスラエルの一番高い山の頂に植える。木はやがて枝を伸ばし、実を結んで、りっぱな杉の木となる。その下にはあらゆる種類の動物が集まり、枝にはあらゆる種類の鳥が巣を作る。 24 こうして、高い木を切り倒し、低い木を高くし、緑の木を枯らし、枯れた木を生き返らせるのが主であるわたしであることを、すべての人が知る。主であるわたしがすると言ったことは、必ずそのとおりになる。」

罪を犯した者が死ぬ

18 さらに、主からのことばがありました。 「人々がイスラエルについて、『父親の罪で子が罰せられる』といわれるのはなぜか。」 主はこう語ります。「わたしは生きている。もう二度と、こんなことわざをイスラエルで口に上らせない。 わたしは、父であろうと子であろうと、すべての人を同じようにさばく。それも、自分の犯した罪のために罰せられて死ぬのだ。

もしある人が、法に従って正しく生き、 山に行ってイスラエルの偶像の前で食事することをせず、偶像を拝まず、姦淫をせず、生理中の女性に近づかず、 貧しい者に親切にし、金を貸しても質物は返してやり、飢えている者には食物を与え、裸の者には着物を着せ、 利息を取らずに貸し、悪の道から離れ、公平にさばきをし、 わたしのおきてを守るなら、わたしのことばどおり、その人はまさに正しい人だ。その人は必ず生きる。

10 だが、もし彼の息子が盗みや人殺しをし、自分の責任もはたさず、 11 わたしのおきてに逆らって、丘の上で偶像を拝み、姦淫を行い、 12 貧しい者を苦しめ、質物を取り上げ、偶像を愛してやまず、 13 高利で金を貸しつけるなら、その人は生きることができるだろうか。そんなことがあるはずはない。彼は自分の罪のために必ず死ぬ。

14 反対に、この罪深い男の息子が、父親のしている悪を見て神を恐れ、そんな生活は絶対しないと決意し、 15 丘に行って偶像の前で食事することをせず、偶像を拝まず、姦淫をせず、 16 借りる者を公平に扱い、不当な取り立てをせず、飢えている者に食べさせ、裸の者には着せ、 17 貧しい者を助け、利息を取らずに貸し、わたしのおきてを守るなら、彼は父親の罪のために死ぬことはない。必ず生きる。 18 しかし父親は、自分の罪のために死ぬ。

19 あなたがたは驚いて、『どうしてですか。子が親の罪を負わなくていいのですか』と聞き返すだろう。そうだ。負わなくていいのだ。その子が正しく生き、わたしのおきてを守るなら、必ず生きる。 20 罪を犯した本人が死ぬのだ。子は親の罪のために罰せられてはならず、親も子のために罰せられてはならない。正しい者は自分の善行に対する報いを受け、悪者は自分の悪行に対する報いを受ける。 21 だが悪者でも、すべての罪から離れ、わたしのおきてを守って正しく誠実に生きるなら、必ず生きて、死ぬことはない。 22 過去の罪はすべて忘れられ、彼は善行のために生きる者となる。」

23 主はこう尋ねます。「わたしが、悪者の死ぬのを見たがっているとでも思うのか。わたしは、彼が悪の道から離れ、正しく生きるようになることしか願っていない。 24 だが、正しい人が罪を犯し、ほかの悪者と同じことをするなら、そのような者を生かしておけるだろうか。もちろん、生かしておくわけにはいかない。これまでの正しい行いはすべて忘れられ、その罪のために死ななければならない。

25 しかしあなたがたは、『神は不公平だ』と文句を言う。さあ、イスラエルの民よ、聞きなさい。不公平なのはわたしだろうか。それとも、あなたがただろうか。 26 正しい人が正しく生きることをやめて悪を行い、そのまま死ぬなら、それは彼が行った悪のせいだ。 27 また、もし悪者であっても、悪から離れ、わたしのおきてに従って正しいことを行うなら、彼は自分のいのちを救うことになる。 28 深く反省して、罪の道からきっぱり離れ、正しい人生を送ろうと決心したからだ。彼は必ず生きる。決して死ぬことはない。 29 それでもイスラエルの民は、『神は不公平だ』と言い張る。ああ、イスラエルよ。公平でないのは、わたしでなくあなたがただ。

30 ああ、イスラエルよ。わたしは一人一人を、その行いに応じてさばき、報いを与える。さあ、今のうちに悪から離れるのだ。 31 悪の道をあとにして、新しい心と新しい霊を受けよ。ああ、イスラエルよ。なぜ死に急ぐのか。 32 わたしは、あなたがたが死ぬことを喜ばない。悔い改めなさい。悔い改めて、生きるのだ。」神である主がこう語るのです。

指導者たちへの哀歌

19 イスラエルの指導者たちのために哀歌を歌いなさい。

あなたの母はなんという女だろう。
まるで雌のライオンのようで、
子どももライオンの子のようだ。
そのうちの一頭(エホアハズ王)は
強いライオンに育ち、獲物を捕らえることを習い、
ついに人を食べるようになった。
そこで、諸国から狩人が集められ、
そのライオンを落とし穴で捕らえると、
鎖につないでエジプトへ連れて行った。
母ライオンであるイスラエルは、
その子への望みが絶たれたので、
残る子の中から別の一頭(エホヤキン王)を取り、
百獣の王となるように訓練した。
それで、このライオンは仲間の指導者となり、
獲物を捕らえることを習い、
やがて人を食べるようになった。
近隣の国々の宮殿を破壊し、町々を廃墟とし、
農地を荒らし回り、作物をだめにした。
この地の人はみな、そのうなり声を聞くと、
恐ろしさのあまり震え上がった。
それで、諸国の軍が四方から攻め上り、
彼を落とし穴に追い込んで捕らえた。
そして彼を檻に入れ、バビロン王の前に連れて行った。
彼は捕囚となり、その声は二度と
イスラエルの山々で聞かれなくなった。
10 あなたの母はまた、
水のほとりに植えられた
ぶどうの木のようだった。
豊かな水のおかげで葉も青々と茂っていた。
11 その一番強い枝が王の杖となった。
それは他のものから抜きんでて高く、
遠くからもすぐ目についた。
12 だが、そのぶどうの木も憤りで根こそぎ引き抜かれ、
地に投げ捨てられた。
枝は強い東風に折られて枯れ、実も焼かれてしまった。
13 今ぶどうの木は、
水のない乾ききった荒野に植えられている。
14 すでに内側から枯れ始め、
強そうな枝ぶりも見られない。
この悲しい預言は、すでに現実となっている。
もう、その実現をとどめることはできない。」

粛清される反逆のイスラエル

20 エホヤキン王が捕らえ移されてから六年後の第五の月、イスラエルの長老たち数人が、主に伺いを立ててほしいと尋ねて来て、私の前に座っていました。 その時、主はこのようなことばを私に与えました。 「人の子よ、イスラエルの長老たちに、神である主はこう語ると言いなさい。よくも助けを求めに来られたものだ。わたしは決して語らない。 さあ、人の子よ、彼らをさばき、責めなさい。先祖の時代から今日まで、この国の人々が行ってきた、すべての罪を教えてやりなさい。 5-6 神はこう語ると告げるのだ。わたしがイスラエルを選び、エジプトでわたしが神であることを示した時、彼らとその子孫とにこう誓った。彼らをエジプトから連れ出し、彼らのために探しておいた、乳とみつが流れる最良の地に導くと。 それから、こう命じた。『すべての偶像を捨てよ。わたしこそ、おまえたちの神、主だ。エジプトの神々を拝んで身を汚すようなことをしてはならない。』

だが彼らは、わたしに背いて、いっこうに聞こうとしなかった。偶像を除くことも、エジプトの神々を捨てることもしなかった。それで、彼らがまだエジプトにいる時、わたしは彼らに怒りを注ごうと思った。

9-10 しかし結局、そうはしなかった。イスラエルの神は自分の民を守ることもできなかった、とエジプト人にあざ笑われることがないように、わたしの名誉を守ろうとしたからだ。それで、エジプト人の目の前で、わたしの民をエジプトから連れ出し、荒野へ導き入れたのだ。 11 そして、その荒野で、彼らにおきてを与えた。そのおきてを守ることによって、彼らが生きるためだった。わたしのおきてを守るなら、だれでも生きる。 12 わたしは彼らに安息日(毎週七日目の休息日)を与えた。それは彼らとわたしとの間で、彼らを選び分けて、ほんとうに神の民とするのは、このわたしであることを思い起こさせるしるしだった。

13 それなのに、イスラエルはわたしに逆らった。あの荒野で、わたしのおきてに従うことを拒んだのだ。わたしの定めを守るなら真のいのちが与えられるのに、それを守ろうとはしなかった。安息日も悪用した。それで、わたしは怒りを爆発させ、荒野で彼らを滅ぼしてしまおうと考えた。

14 しかし、わたしの名誉を守るために、またも思いとどまった。エジプトから彼らを連れ出すのを見ていた国々の民に、主は民を守ることができず滅ぼすことになってしまったと言わせないためだ。 15 そこでわたしは彼らに、一度は与えようと思った選ばれた地、乳とみつの流れる地に、彼らを導き入れないことにすると告げた。 16 わたしのおきてを鼻であしらい、わたしの願いを無視し、安息日を守らなかった報いだ。彼らの心は偶像に引き寄せられていたのだ。 17 それでも、わたしは彼らを惜しんで、荒野で滅ぼすことはしなかった。

18 わたしは彼らの子どもたちに警告した。『親と同じ罪を犯してはならない。偶像礼拝で身を汚すな。 19 わたしこそ、あなたがたの神である。わたしのおきてを守り、わたしの命令に従え。 20 安息日を特別な日として、身も心もきよく過ごすのだ。安息日は、わたしがあなたがたの神、主であることを思い起こさせるために、わたしたちの間に立てた契約のしるしなのだから。』

21 しかし、子どもたちもまた、わたしに逆らった。わたしのおきてを守るなら、正しく生きることができるのに、それを拒んだ。安息日も汚した。そこでわたしは言った。『もう限界だ。今すぐ、この荒野で、あなたがたに怒りを注ぎ出す。』 22 それでもなお、わたしは彼らを罰せずにおいた。エジプトから彼らを連れ出したわたしの力を見た国々の中で、わたしの名が傷つけられないためだ。 23-24 だが、彼らが荒野にいた時、はっきり言い渡した。わたしのおきてを守らず、それをあざ笑うかのように安息日を破り、父たちが拝んだ偶像を慕ったので、地の果てにまで彼らを散らす、と。 25 わたしは、彼らが愚かな習慣や教えを取り入れるのを見ても、好きなようにさせておいた。そんなものを守っても、いのちを得ることなどできない。 26 わたしは彼らに、自分のやっていることがどんなに恐ろしいことかを知らせ、また、わたしだけが神であることに気づいてほしいと思い、わたしが与えた非常に良いもので、彼らが自分の身を汚すのをそのままにさせた。彼らは、最初に生まれた子どもを偶像にささげて、焼き殺したのだ。

27-28 人の子よ、神である主がこう語ると、彼らに告げよ。あなたがたの先祖は、約束の地に導き入れられてからも、高い丘や木の下で、所かまわずいけにえをささげ、香をたいて、いつもわたしを裏切り、冒瀆してはばからなかった。彼らが神々にいけにえをささげた時、わたしの怒りは燃え上がった。事もあろうに、偶像に香をたき、ぶどう酒を注いだからだ。 29 そこで、『おまえたちがいけにえをささげに行く場所は何なのだ』と問いただした。それで、そこは今も、『いけにえの高台』と呼ばれている。

刷新される反逆のイスラエル

30 神、主は、知りたがっている。あなたがたも先祖のように身を汚し、偶像を拝み続けるつもりなのか。 31 現に今、偶像へのささげ物として幼児を焼き殺し、灰にしているのに、イスラエルよ、どうしてあなたがたの願いを聞いて、助けることができるだろうか。」

神である主は語ります。「わたしは生きている。いくら願っても、わたしは何も答えない。 32 いくら、回りの国々を見ならって木や石の偶像を拝もうとしても、それはできない。

33 わたしが鉄のこぶしを振り上げ、大きな怒りをこめて、おまえたちを治めるからだ。 34 憤りをこめた強い力で、散らされていた国々からあなたがたを連れ出し、 35-36 荒野にあるわたしの法廷に集め、そこであなたがたをさばく。あなたがたをエジプトから連れ出したあと、荒野でした時のように、反逆者を取り除く。 37 あなたがたを念入りに数え上げ、ほんの一握りの者だけをイスラエルに戻す。 38 残る大部分の者は、わたしに反逆して罪を犯しているので、みなの間から取り除く。彼らは捕らえられている国から連れ出されるが、イスラエルには入れない。このとおりのことが起こる時、あなたがたは、わたしが神であることを知るようになる。」

39 ああ、イスラエルよ。神である主はこう語ります。「そんなにも偶像を拝みたければ拝むがいい。だが、そうするなら、わたしにささげ物を持って来るようなことはしてはならない。そのようなことをして、わたしの聖なる名を汚すようなことはやめよ。」

40 主はこう語ります。「わたしの聖なる山エルサレムで、全イスラエルはわたしを礼拝する。その所で、わたしはあなたがたを喜んで迎え、いけにえと最上のささげ物を求めよう。 41 わたしがあなたがたを捕囚から連れ戻す時、あなたがた自身がわたしにささげられた良い香りとなる。諸国の民はあなたがたの心に大きな変化が起こったことを知る。 42 さらに、わたしが約束した地に連れ戻す時、あなたがたはわたしが主であることを知るようになる。 43 その時、自分が犯した罪をことごとく思い起こし、その悪のゆえに自分自身を忌みきらうようになる。 44 その悪にもかかわらず、あなたがたを祝福することによって、わたしの名誉を守る時、イスラエルよ、あなたがたはわたしが主であることを知るようになるのだ。」

エルサレムとネゲブへの預言

45 さらに、このようなことばが主からありました。 46 「人の子よ、エルサレムの方へ顔を向け、エルサレムとネゲブの森に、 47 こう預言せよ。神のことばを聞け。ああ、森よ。わたしはおまえに火をつける。生木も枯れ木も、木という木をすべて焼き尽くそう。その燃えさかる炎は消されず、国中を焼け野原とする。 48 そしてすべての国々は、主であるわたしが火をつけたことを知るだろう。その火が消されることはない。」

49 そこで、私は叫びました。「おお主よ。彼らは私のことを、『なぞをかけるようにしか語らない者』と言っています。」

神のさばきの剣であるバビロン

21 それから、このようなことばが主からありました。 「人の子よ、エルサレムに顔を向け、イスラエルとわたしの神殿とに預言しなさい。 主はこう語る。イスラエルよ。わたしはあなたを攻める。剣を抜き、善人も悪人も区別なく、みな滅ぼす。 正しい者も生かしてはおかない。南のネゲブから北の国境まで、国中の者をきれいに一掃する。 すべての国々は、こうしたのが主であるわたしであることを知る。わたしは剣を手にし、このことをやり遂げるまで剣をさやに納めない。

人の子よ、激しい苦悶のあまり、人々の前で嘆き、うめき声を上げよ。 どうしたのかと聞かれたら、こう答えよ。『神が恐ろしいことを語ったからだ。そのとおりになったら、どんな勇敢な者も恐怖におののき、意気消沈し、だれのひざも震える。神である主がそう語ったのだ。』あなたは滅びに向かっている。わたしのさばきは成就する。」

続いて、主のことばがありました。

9-11 「人の子よ、このように人々に告げよ。
大虐殺のために、
もう一振りの剣が研ぎすまされている。
それでも、笑い飛ばそうというのか。
あなたよりずっと強い者も滅んでいった。
その剣が今、刑を執行する者の手に渡されている。
12 人の子よ、さあ、人目もはばからず泣きわめけ。
その剣で、わたしの民と指導者がみな殺されるからだ。
みな同じように死ぬ。
13 こうして、すべての者が試される。
逃れることはできない。」
神である主がこう語るのです。
14 「このように預言せよ。
力いっぱい手を打ち鳴らせ。
それから剣を取って、二回、三回と振り回せ。
それこそ彼らが虐殺されるしるしだ。
15 彼らを震え上がらせよ。
抜き放たれた剣が、どの家の門口でも光っている。
その鋭い刃先が、人を切り殺そうと、
いなずまのように光っている。

16 さあ剣よ、右に左に、思うままに切りまくれ。

17 あなたが手を打ち鳴らして預言したように、

主であるわたしがエルサレムを打ちのめして、
わたしの憤りを静めよう。」

18 それから、このようなことばが示されました。主はこう語りました。 19-20 「人の子よ、地図を作りなさい。その上に、バビロンの王が攻めて来る二つの道を書きつけるのだ。一つはエルサレムに通じる道、もう一つはヨルダン川東岸のラバに向かう道だ。バビロンからの道が二つに別れる地点にしるしをつけておきなさい。 21 バビロンの王はその地点で、エルサレムを攻撃しようか、ラバを攻撃しようか、と思案するからだ。彼は占い師を呼んで占わせる。占い師は矢筒から矢を振り出したり、偶像にささげたいけにえの肝を調べたりする(神々から情報を得る、古代の占い法)。 22 その結果、エルサレムに向かえ、と言うだろう。彼らは城壁を破壊する兵器を持って、城門めがけて攻めかかり、『皆殺しにしろ』と口々に叫ぶ。また、包囲攻撃用に塔を建て、城壁を乗り越えるためにとりでを築く。 23 エルサレムはバビロンの裏切りを理解できない。どうして占い師は、こんな恐ろしい間違いをしでかしたのか。バビロンはユダの同盟国ではないか。エルサレムを守ると約束してくれたではないか。だがバビロンの王には、ユダの民が反逆した時のことしか念頭にないのだ。王はユダを攻め、民を滅ぼす。」

24 さらに主は語ります。「あなたがたの罪は何度もあばかれている。人前もはばからず、ぬけぬけと悪を行っているからだ。あなたがたはどこへ行っても、何をしても、悪いことばかりしている。今こそ罰を受ける時だ。 25 ああ、悪にまみれたイスラエルの王ゼデキヤよ。あなたの最後の刑罰の日がきた。」

26 神である主が語ります。「宝石をちりばめた冠を取り去れ。世の中がひっくり返る。今や、貧しい人が高い地位につき、金持ちが低くされる。 27 わたしはユダの王国を根底からくつがえす。たとえ新しい体制が生まれても、それに権威を授ける者が現れるまで、決して国は確立しない。わたしが、その者にあらゆる権威を与えるのだ。

28 人の子よ、アモン人にも預言せよ。彼らはわたしの民が苦しんでいた時、それをあざ笑っていた。彼らにこう言え。おまえたちを切るために、わたしの剣がさやから抜き放たれた。その剣は鋭く研ぎすまされ、いなずまのように光っている。 29 おまえたちの占い師や偽預言者どもは、おまえたちの神々がバビロンの王の手から救ってくれるから、『安全だ。心配はない』と偽りを言った。こうして、おまえたちを他の悪者とともに死に追いやったのだ。最後の罰の下る日がくるとき、おまえたちは傷ついて死ぬ。 30 おまえたちを罰せずに、わたしの剣が元のさやに納められることはない。おまえたちの祖国で滅ぼそう。 31 わたしの憤りをぶちまけ、怒りの炎を吹きつけよう。そして、破壊することの上手な、残忍な者どもの手に引き渡そう。 32 おまえたちは火に注がれる油で、その血が自分の国で流される。おまえたちは一掃されて、歴史から完全に忘れ去られる。主であるわたしが、こう語ったからだ。」

エルサレムの罪へのさばき

22 また、別のことばがありました。主はこう語ったのです。 「人の子よ、エルサレムを殺人のかどで告発しなさい。その恐るべき残虐行為を、公然と非難しなさい。 のろわれ、滅ぼされようとしている流血の町、汚れと悪臭にまみれた偶像の町。 あなたは殺人と偶像礼拝の罪を犯している。今、滅びの日が近づいている。あなたに与えられた年月は終わりに達した。あなたをすべての国々の笑いものとし、非難の的としよう。 近くの者も遠くの者も、悪名高き反逆の町として、あなたのことをあざ笑うだろう。

城壁の中に住むイスラエルの指導者たちは、人殺しに夢中だ。 両親は全く顧みられず、寄留者や旅行者は保護という名目で不当な金を払わされ、孤児や未亡人は不正な扱いを受け、さんざんな目に会っている。 神に関することは、どうでもよいことのように思われ、安息日も軽んじられている。 囚人はぬれ衣を着せられ、死刑にまでされている。どの山の上も偶像で満ち、みだらなことが至るところで行われている。 10 父の妻と姦淫したり、生理中の女と寝たりする男がいる。 11 人妻や息子の嫁、あるいは腹違いの姉妹との姦淫も普通のことになっている。 12 雇われて人殺しをする者、暴利をむさぼる高利貸し、不当に搾取する者がそこらじゅうにいる。わたしのことも、わたしの戒めのことも、念頭にない。」

主はこう語ります。

13 「さあ今、わたしは手を鳴らして、あなたの不正な利得と流血をやめさせる。 14 わたしが罰する日に、あなたは強く、勇敢でいられるだろうか。主であるわたしが語るのだ。みなそのとおり行われる。 15 わたしはあなたを世界中に散らし、あなたのうちにある悪を焼き滅ぼそう。 16 あなたは国々の間で辱められる。その時、あなたはわたしが主であることを知る。」

17 それから、主は語りました。 18-20 「人の子よ。イスラエルの民は、銀を精錬するときに出る、何の役にも立たないかすのようなものだ。真鍮、すず、鉄、鉛を混合するとき出る浮きかすだ。」主はこう語ります。「あなたがたは役に立たない浮きかすだから、わたしの炉であるエルサレムに集め、わたしの怒りの火で溶かそう。 21 憤りの炎を吹きつけ、 22 その激しい熱で、銀のように溶かしてしまおう。その時、あなたがたは主であるわたしが怒りをぶちまけたことを知る。」

23 さらに、このような主のことばがありました。 24 「人の子よ、イスラエルの民に言いなさい。わたしの憤りが爆発する日、あなたは汚い荒れ地、雨の降らない荒野のようになる。 25 あなたの預言者たちは、獲物に忍び寄るライオンのように陰謀を巡らす。彼らはむさぼり食うように多くのいのちを奪い、財産や宝を強奪し、国中に未亡人を増やす。 26 また、祭司は祭司で、わたしの律法を破り、神殿を汚し、わたしを汚した。彼らにとって、祭司の務めは日々の仕事以上に重要なものではない。わたしの民に善悪の区別を教えず、安息日も無視した。こうして、わたしは彼らの間でひどくさげすまれている。 27 指導者も、獲物に飛びかかる狼のように、自分の利得のために人のいのちを奪っている。 28 預言者は偽りの幻を語り、わたしがひと言も語らないのに、神がこう語ったと偽りを語っている。こうして、しっくいで壁の上塗りをするようにごまかしている。 29 それで民も、貧しい者たちを虐げ、物をかすめ、在留外国人からも強奪している。

30 わたしは、この国を守る正義の城壁を建て上げ、破れ口に立ちふさがって、わたしのさばきからあなたを守ってくれる者を探し求めたが、一人も見つからなかった。 31 そこで、怒りの炎で、あなたを焼き尽くそう。あなたのすべての罪に見合う報いをする。」

姦淫の姉妹

23 再び、主からのことばが私にありました。

2-3 「人の子よ、二人の姉妹のことを話そう。二人はうら若いおとめであったころ、エジプトで淫行を繰り返していた。 4-5 姉はオホラ、妹はオホリバと言った。この二人とは、サマリヤとエルサレムのことだ。二人はわたしの妻となり、それぞれ息子や娘を産んだ。ところが、オホラはわたしのもとを離れて他の神々に走り、隣のアッシリヤ人を愛した。 みな魅力的な若者で、鮮やかな青い衣を着て、さっそうと馬にまたがった司令官や隊長だったからだ。 こうして彼女はアッシリヤのえり抜きの男たちと姦通の罪を犯し、彼らの偶像を拝んで身を汚した。 オホラはエジプトを出てからも、みだらな心が消えていなかった。エジプト人が彼女に欲情を募らせて、その純潔を奪った、あの若いころと少しも変わっていなかったのだ。

それでわたしは、アッシリヤの神々に夢中になっている彼女を、アッシリヤ人の邪悪な手に渡した。 10 彼らは彼女を裸にして殺したうえ、その子どもたちを連れ去って奴隷にした。彼女の名は、当然の報いを受けた悪女として、女たちの語り草となった。

11 妹のオホリバ(エルサレム)も、姉の身に起こったことを見ていながら、同じことをしたばかりか、さらにひどい罪を犯した。 12 彼女も、堂々と軍馬にまたがった若者、りっぱな制服を着た士官であるアッシリヤ人に、手当たりしだい、だれでもよいとばかりに媚びへつらった。 13 こうして妹も、姉の歩んだ道をまっしぐらに進んだ。

14-15 事実、オホリバの堕落ぶりはサマリヤをはるかに上回っていた。彼女は壁にかかっている絵を見て、そのとりこになってしまったのだ。そこに描かれていたのは、バビロンの士官たちで、目の覚めるような赤い制服を着け、りっぱなベルトを締め、頭には垂れるほどのターバンを巻きつけていた。 16 その絵を見ただけで、彼女は男たちにすっかり魅せられ、使者をカルデヤに遣わした。もちろん、彼らを自分のもとに招くためだ。 17 彼らは来て彼女と姦淫し、恋の寝床で彼女を汚した。しかしその後、彼女は彼らをいやがるようになり、彼らのもとを離れて行った。

18 わたしは、姉と同様、妹にも愛想が尽きた。この妹は、これ見よがしに裸体を彼らの前にさらけだし、彼らの情欲に身をまかせたからだ。 19-20 それでもいっこうに懲りもせず、さらに淫行を重ね、エジプトで淫行をした若いころの愛人たちを思い出し、よりを戻してみだらな行為を重ねたのだ。 21 こうして、エジプト人に純潔をささげた、あの若かった昔の日々をたたえているしまつだ。」

22 それで今、神である主は語ります。「ああ、オホリバ。わたしは、あなたが愛想を尽かして別れたその国々を奮い立たせて、あなたに立ち向かわせる。 23 見よ、バビロニヤ人が攻めて来る。ペコデやショアやコアから、すべてのカルデヤ人がやって来る。それに、馬にまたがった、アッシリヤの美しい若者、高官たちが加わっている。 24 彼らは戦車や車に乗り、戦闘準備を整えた大軍を率いて、北から攻めて来る。この大軍団は四方からあなたを囲み、やりたい放題のことをする。 25 わたしはあなたを断じて赦さず、恐ろしい目に会わせる。耳も鼻も切り落とされ、生き残った者も殺される。子どもたちは奴隷として連れ去られ、残った者は焼き払われる。 26 美しい服や宝石もはぎ取られる。 27 こうしてわたしは、エジプトから持ち込んできた、みだらな行為をやめさせる。あなたはもう二度とエジプトにあこがれたり、その神々を慕うことがない。」

28 神である主は語ります。「わたしは、あなたが忌みきらう敵どもの手にあなたを必ず渡す。 29 彼らは憎しみをこめてあなたを罰し、何もかも奪い取って、裸にして放り出す。こうして、淫乱の恥がすべての国々にさらされるのだ。 30 それも自分で招いたことだ。外国の神々を拝み、偶像礼拝によって自分自身を汚したからだ。 31 あなたは姉と同じ道をたどったので、わたしは姉を滅ぼしたのと同じ恐ろしい罰を、あなたにも下す。

32 そう、姉に臨んだ恐るべきことが、あなたにも降りかかる。
姉が飲んだ杯は、あふれていた。
おまえが苦しむのを見て、
国々があざ笑うだろう。
33 あなたも、姉サマリヤのように悲嘆にくれ、
酔っぱらいのようによろめき歩くようになる。
34 苦しみもだえながら、
なおも恐怖の杯を最後の一滴まで飲み干すのだ。
これを語ったのはわたしだ。

35 わたしを忘れ、わたしに背を向けた責任はみな、あなたが自分で負わなければならない。

36 人の子よ、恐ろしい悪を重ねているエルサレムとサマリヤを非難せよ。 37 彼らは姦淫と殺人の罪を犯した。偶像を拝み、わたしのために産んだ子どもたちを、偶像の祭壇にいけにえとしてささげ、焼き殺してしまったのだ。 38 その同じ日にわたしの神殿を汚し、安息日を無視した。 39 子どもを殺して偶像にささげておきながら、同じ日にその足で、神殿へ礼拝に来るのだから。彼らのわたしに対する態度は、こんなものでしかないのだ。

Japanese Living Bible (JLB)

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