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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
出エジプト記 29-40

祭司の任命式

29 アロンとその子らをわたしに仕える祭司として選びきよめるために、次の儀式を行いなさい。若い雄牛一頭と傷のない雄羊二頭を用意する。 また、種を入れないパン、油を混ぜた輪型の種なしパン、種を入れない薄焼きパンに油を塗ったものを準備する。これらは精製した小麦粉で作らなければならない。 それらをかごに入れ、若い雄牛一頭、雄羊二頭といっしょに幕屋の入口に持って来る。

入口のところでアロンとその子らに沐浴させる。 次に、アロンに上着を着させ、長服、エポデ、胸当て、帯をつけさせ、 頭には金のプレートつきのターバンをかぶらせる。 次に、特別に選ばれた者に注ぐ注ぎの油を、彼の頭に注ぐ。 さらに、彼の息子たちにも上着を着させ、 織って作った帯をつけさせ、頭に帽子をかぶらせる。こうして、彼らは永遠に祭司となる。あなたは、アロンとその子らを祭司職に任命しなさい。

10 まず、あなたが若い雄牛を幕屋に引いて来なさい。アロンとその子らは手を牛の頭に置き、 11 あなたが幕屋の入口、主の前でそれをほふる。 12 血は指で祭壇の角に塗り、残りは祭壇の土台に注ぐ。 13 内臓を覆う脂肪の全部と、胆のうと二つの腎臓と、それらを包む脂肪を、祭壇の上で焼きなさい。 14 死体は皮や汚物ごと野営地の外へ持って行き、罪の赦しのためのいけにえとして焼かなければならない。

15-16 次に、あなたは雄羊の一頭を引いて来なさい。アロンと息子たちがその頭に手を置いたら、あなたがこれをほふり、その血を集めて祭壇に振りかける。 17 死体を切り開いて内臓を取り出し、足を切り取る。それらをきれいに洗い、頭や体のほかの部分といっしょに置きなさい。 18 こうして、羊を全部、祭壇の上で焼く。それは主にささげる焼き尽くすいけにえで、神に大いに喜ばれるものである。

19-20 もう一頭の雄羊もほふる。その前に、アロンとその子らは手を羊の頭に置かなければならない。あなたは血を集めて、その一部分をアロンとその子らの右の耳たぶと手足の右親指につけ、残りは祭壇に振りかける。 21 続いて祭壇の上の血を取り、注ぎの油といっしょに、アロンとその子ら、また彼らの服に振りかける。このようにして彼らと彼らの服を、主のために選ばれたものとしてきよめなければならない。

22 次に、その雄羊の脂肪を取る。あぶら尾、内臓を覆う脂肪、さらに胆のうと二つの腎臓、それらの回りの脂肪、右のもも肉である。これは、アロンとその子らを祭司に任命する雄羊だからである。 23 さらに一かたまりのパン、油を混ぜた輪型のパン一個、薄焼きパン一枚を、主の前に置かれた種を入れないパンのかごから取る。 24 これらをアロンとその子らの手に載せ、彼らは奉納物として主にささげる。 25 そのあと、もう一度それらを受け取り、神への香ばしい焼き尽くすいけにえとして、祭壇の上で焼く。 26 それから、アロンの任職用の雄羊の胸肉を取り、奉納物として主にささげる。それはあなたの受ける分となる。

27-28 雄羊の胸とももは、アロンとその子らに与えなさい。イスラエル人はいつでも、和解のための感謝のいけにえのうち、胸とももは主へのささげ物として、アロンとその子らに与えなければならない。

29 アロンの神聖な服は、跡を継ぐ息子たちのために取っておかなければならない。こののち何代にもわたって、大祭司の油注ぎの儀式に用いるのだ。 30 アロンの次の大祭司がだれであろうと、その者は幕屋と聖所で務めを始める前に、七日間この服を着なければならない。

31 祭司の任職式にささげた雄羊の肉を、神聖な場所で煮なさい。 32 アロンとその子らはその肉とかごの中のパンとを、天幕の入口で食べなければならない。 33 彼らの罪を赦し、祭司として特別に選んで任命する儀式に用いられたこれらのものは、彼らだけが食べる。ほかの者は食べてはならない。これらはきよめ分けられたものだからである。 34 肉やパンが翌日まで残ったら焼き捨てなさい。食べてはならない。それは聖なるものである。

35 このようにして、アロンとその子らを祭司に任じなさい。任職式は七日間続く。 36 毎日、罪の赦しのためのいけにえとして、若い雄牛を一頭ささげなければならない。祭壇をきよめるために、罪の赦しのためのいけにえをささげ、その上にオリーブ油を注ぎなさい。 37 七日間、毎日それを続け、神のための祭壇としてきよめ分けなさい。それで祭壇は最も神聖なものとなり、それに触れるものは、主のために選び分けられ、きよめられたものとなる。

38 毎日、祭壇に一歳の雄羊を二頭ささげなさい。 39 朝に一頭、夕方に一頭である。 40 朝の雄羊をささげる時は、上等の小麦粉十分の一エパ(約二・三リットル)とオリーブ油四分の一ヒン(約一リットル)を混ぜたものを、いっしょにささげ、また、四分の一ヒンのぶどう酒を注ぎの供え物にしなさい。 41 もう一頭の雄羊は夕方、朝と同じ小麦粉のささげ物とぶどう酒の注ぎの供え物といっしょにささげる。これは神への香ばしい焼き尽くすいけにえである。

42 このささげ物は、一日でも絶やしてはならない。毎日、幕屋の入口、主の前でささげる。そこでわたしはあなたに会い、あなたと語る。 43 また、そこでイスラエルの民と会う。幕屋はわたしの栄光によってきよめられる。 44 幕屋と祭壇、また、わたしに仕える祭司、アロンとその子らは、わたしがきよめる。 45 わたしはイスラエルの民とともに住み、彼らの神となる。 46 彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知らなければならない。彼らといっしょに住めるように、わたしは彼らをエジプトから助け出したのだ。わたしは彼らの神、主である。

香をたく祭壇

30 香をたく小さな祭壇をアカシヤ材で作りなさい。 一辺が一キュビト(四十四センチ)の正方形で、高さは二キュビトとする。祭壇には角を彫りつけなさい。別に作ってあとから接着するのではなく、初めから祭壇の一部として作る。 香の祭壇の上と側面と角は純金をかぶせ、周囲には金の縁飾りをつける。 両側面の縁飾りの下に金の環を二つつけ、祭壇を運ぶ棒を通すようにする。 棒はアカシヤ材で作り、金をかぶせる。 この香の祭壇は聖所の垂れ幕のすぐ外側に置きなさい。十のおきて(十戒)を記した石板が納めてある箱(契約の箱)のふた、つまり『恵みの座』の近くに置くのだ。わたしはあなたとそこで会う。

アロンは毎朝ともしびの芯を切るとき、香の祭壇の上で、香りの高い香をたかなければならない。 また夕方、明かりをともすときにも、わたしの前で香をたかなければならない。これは代々守るべきことである。 この祭壇の上では、認められていない香や、焼き尽くすいけにえ、穀物のささげ物、注ぎのぶどう酒の供え物をささげてはならない。

10 アロンは年に一度、人々の罪が赦されるため、いけにえの血を香の祭壇の角に塗り、それをきよめなさい。これは毎年必ず行い、代々続けなければならない。主の最も神聖な香の祭壇だからである。」

いのちを買い取るための献金

11-12 主はさらにモーセに告げました。「イスラエル人の人口調査をする時は、登録される成年男子はみな、金を納めて自分自身を買い取らなければならない。人口調査によって、民に災いが起きないようにするためである。 13 金額は半シェケル(五・七グラム)とする。 14 満二十歳以上の者はみな、このささげ物をしなければならない。 15 金持ちもそれ以上ささげてはならないし、貧しい者もそれ以下であってはならない。自分自身を買い取るために主にささげるものだからである。 16 この献金は神の天幕の用にあてる。それは、イスラエル人をわたしが心にかけ、買い取るためである。」

洗い鉢

17-18 主はまた、モーセに告げました。「青銅の洗い鉢を作り、青銅の台をつけなさい。それを幕屋と祭壇の間に置き、水を満たす。 19 アロンと息子たちは手と足をそこで洗う。 20 幕屋に入り、わたしの前に立つとき、あるいは、わたしの前でいけにえを焼くために祭壇に近づくとき、その前にいつも手足を洗わなければならない。さもなければ死ぬ。 21 これは、アロンとその子孫に代々伝えなければならないおきてである。」

香料、注ぎの油

22-23 神はモーセに、最上の香料を集めるよう命じました。純粋な没薬五百シェケル(五・七キログラム)、シナモンとにおい菖蒲が、それぞれ没薬の半分の量、 24 桂枝が没薬と同じ量、オリーブ油が一ヒン(三・八リットル)集まりました。 25 そこで神は、熟練した香料作りに、これらの材料を使って聖なる注ぎの油を作らせるよう命じました。

26-27 また主は、次のように告げました。「神の幕屋と、契約の箱(十戒を記した石板が納められている)、供えのパンのテーブルおよびその付属品すべて、燭台およびその付属品、香の祭壇とに、この油を注ぎなさい。 28 焼き尽くすいけにえをささげる祭壇とその器具全部、また、洗い鉢とその台にも同じようにしなさい。 29 それらを、特別に選ばれたものとしてきよめるためである。それらに触れるものは何でもきよくなる。 30 アロンと息子たちにもこの油を塗り、祭司としてわたしに奉仕できるようにきよめなさい。 31 人々にはこう言うのだ。『これは主の聖なる注ぎ油としなければならない。 32 決して一般の者に注いではならない。自分でかってに作ってはならない。聖なるものだから厳重に取り扱わなければならない。 33 このような香料を作ったりする者、また、それを祭司でない者に注ぐ者はだれであれ、みな共同体から除名されなければならない。』」

34 香について主がモーセに与えた指示は次のとおりです。「香料として、ナタフ香、シェヘレテ香、ヘルベナ香、純粋な乳香を同量ずつ用意し、 35 香料作りの通常の方法で、それに塩を混ぜ、純粋で聖なる香にしなければならない。 36 その一部分は細かく砕き、天幕の中の、わたしがあなたに会う箱の前に置きなさい。この香は最も神聖なものである。 37 自分のためにそれを作ってはならない。それは主のためのものだから、神聖なものとして取り扱わなければならない。 38 自分のためにそれを作る者は、共同体から除名されなければならない。」

技術者の任命

31 1-2 主はまた、モーセに告げました。「わたしはユダ族のウリの子で、フルの孫に当たるベツァルエルを選んだ。 彼に神の霊を満たし、幕屋とその中にある物いっさいを作るのに必要な、知恵と才能と技術を与えた。 彼は、金、銀、青銅の細工を美しくデザインすることができる。 また宝石の細工にも、木の彫刻にも熟練した腕を持っている。

助手には、ダン族のアヒサマクの子オホリアブを任命した。さらにまた、優秀な技術者たちにも特別な力を与え、わたしの指示どおりの物を作れるようにした。 天幕、契約の箱とそのふたの『恵みの座』、天幕の中のあらゆる造作、 供えのパンのテーブルとその付属品、純金の燭台とその付属品、香の祭壇、 焼き尽くすいけにえの祭壇とその器具類、洗い鉢とその台、 10 祭司アロンの神聖な服、彼の子らが祭司として奉仕する時に着る服、 11 注ぎの油、聖所でたく香りのよい香である。彼らは、すべて、わたしがあなたに与えた指示どおりに作らなければならない。」

安息日の厳守

12-13 主はさらに、モーセに次のことも告げました。「人々に、安息日は休むよう命じなさい。安息日は、あなたとわたしの間の契約を永遠に思い出させるものである。わたしが主であり、わたしの民を聖なる民とする者であることを、安息日は思い出させてくれる。 14-15 だから、神聖な日として安息日には休みなさい。この日仕事をし、命令に従わない者はだれであれ死刑に処せられる。六日間だけ働きなさい。七日目は神の聖なる日、全くの休息の日である。 16 この律法は、イスラエルの民が永遠に守るべき契約であり義務である。 17 安息日はわたしとイスラエルとの契約の、永遠のしるしである。六日間、わたしは天と地を造り、七日目に休んだからである。」

18 こうして神は、シナイ山でモーセと話し終え、彼に二枚の石板を与えました。その板には、神の指で書かれた十戒が記されていました。

金の子牛

32 モーセがなかなか山から下りて来ないので、人々は不安になり、アロンのもとに文句を言いに行きました。「さあ、われわれを導く神を造ってくれ。そうしたら、その神のお告げに従おうではないか。エジプトからここまでわれわれを連れて来たモーセは姿を消してしまったではないか。きっと何かあったに違いないんだ。」

2-3 「それなら、あなたがたの耳にある金のイヤリングをはずして、持って来なさい。」アロンは答えました。

そこで、男も女も子どもたちもみな言われたとおりにしました。 アロンはその金を火で溶かし、鋳型に入れ、道具を使って子牛の形にしました。イスラエルの民は、「イスラエルばんざい! これこそ、われわれをエジプトから連れ出した神だ」と言って、喜び叫びました。 アロンはこれを見て、子牛の前に祭壇を築いて人々に告げました。「明日は主のために盛大な祝いをしよう。」

彼らは次の日、朝早く起き、子牛の像に、焼き尽くすいけにえと和解のいけにえとをささげました。そのあと、彼らは座り込んで食べたり飲んだりし、乱痴気騒ぎに興じました。

それを知った主は、モーセに命じました。「急いで山を下りなさい。あなたがエジプトから連れ出した者たちが、かってなことを始めている。目に余る有様だ。 わたしのおきてをもう捨ててしまったのか。子牛の像を造って拝み、それにいけにえまでささげ、『これこそ、イスラエル人をエジプトから連れ出した神だ』と言っている。」

主はまたモーセに言いました。「イスラエル人がどんなに強情で恩知らずの民か、よくわかった。 10 もう容赦はしない。こうなったら彼らを滅ぼし尽くす。じゃまをしてはならない。モーセよ、あの者たちの代わりに、あなたを大きな国民にしよう。」

11 しかし、モーセは必死で嘆願しました。「主よ、あなたご自身があれほど大きなお力を示し、すばらしい奇跡をもって、ご自分の民をエジプトから救い出されたのではありませんか。その民に、なぜそのようにお怒りになるのでしょう。 12 そのようなことをなさったら、エジプト人は何と言うでしょう。『それ見ろ。イスラエルの神は彼らをだまして山へ連れ出したのだ。その証拠に、彼らは一人残らず殺されてしまった』とあざけるかもしれません。どうぞ怒りを収めてください。そんな恐ろしいさばきは思いとどまってください。 13 あなたのしもべアブラハム、イサク、イスラエル(ヤコブ)に約束されたことを思い出していただきたいのです。『あなたの子孫を空の星のように増やそう。約束の地をすべてあなたの子孫に与え、永遠に受け継がせよう。』こう誓われたではありませんか。」

14 すると、主は思い直し、彼らへの制裁を見合わせることにしました。

15 モーセは山を下りました。手には、十戒を表と裏の両面に記した二枚の石板を持っています。 16 神が自らその板に記されたのです。 17 やがて、ふもとの方から人々のどよめきが聞こえてきました。ヨシュアはモーセに言いました。「まるで戦いでもしているような騒ぎです。」

18 「いや、あれは勝利の歓声でもないし、敗北を嘆く声でもない。歌って騒いでいるのだ。」

19 野営地に近づくと、子牛の偶像と踊り狂っている人々の姿が目に入りました。それを見たモーセは怒りがこみ上げ、思わず石板を地面に投げつけ、山のふもとで砕きました。 20 彼はやにわに子牛の像をつかみ、火にくべて溶かし、粉々にして水の上にまき散らし、イスラエル人にむりやり飲ませました。

21 それからアロンに向き直り、きびしく問い詰めました。「いったい何があったのです! ただごとではありませんよ。兄さんも兄さんだ。いっしょになってこんな恐ろしい罪を犯すとは、どういうつもりなんですか!」

22 「まあ、そんなに興奮しないでくれ。あなたも知っているだろう。この民はひどい者たちなんだ。 23 『おれたちを導く神を造ってくれ。エジプトからおれたちを連れ出したモーセはきっとどうかなってしまったに違いない』と詰め寄ってくるのだ。 24 それで、『みんなから金のイヤリングをはずして、持って来い』と言ってやった。するとどうだ。彼らは持って来るじゃないか。それを火に投げ込んだら、この子牛が出て来たというわけなんだ。」

25 アロンにはまるで反省の色がありません。人々の醜態をなすがままにしていたので、敵方の物笑いになっていました。 26 モーセは野営地の入口に立って叫びました。「主につく者、私と行動を共にする者は、ここに集まってくれ。」すると、レビ族が全員集まって来ました。 27 モーセは彼らに言いました。「イスラエルの神、主が言われる。『剣を持って野営地中を回り、兄弟だろうが、友人だろうが、知り合いだろうが、子牛を礼拝した者を殺しなさい』と。」 28 彼らは命令どおりにしたので、その日、約三千人が死にました。

29 モーセはレビ族に言いました。「今日、あなたがたはりっぱに主に仕えた。息子や兄弟を殺してでも、主に従った。必ずすばらしい祝福を受ける。」

30 翌日、モーセは人々に言いました。「あなたたちは大きな罪を犯した。それで、もう一度山に登り、主にお願いしようと思う。あなたたちの罪を赦していただけるかもしれない。」

31 モーセは主のもとに戻って言いました。「主よ、あの者たちは大きな罪を犯しました。金で偶像を造ったのです。 32 けれども、あえてお願いします。どうか罪を赦してやってください。もし、どうしてもだめだと言われるのなら、あなたが書き記される書から、私の名前を消してください。」

33 すると、主は答えました。「わたしに罪を犯した者はみな、わたしの書から名前を消される。 34 今は黙って、わたしが話しておいた地に民を導くのだ。わたしの使いが必ずあなたの前を行くようにする。だが、今度のことは見逃すわけにはいかない。彼らの罪は罰する。」

35 こうして、そのことばどおり主は、人々がアロンの子牛を礼拝した罰として大きな災いを下しました。

33 主はモーセに告げました。「あなたはこの民をエジプトから連れ出した。あなたは、わたしがアブラハム、イサク、ヤコブに約束した地に彼らを導きなさい。『この地をあなたの子孫に与えよう』と約束したからだ。 わたしは先立って神の使いを送り、カナン人、エモリ人、ヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人を追い払わせよう。 その地は、『乳とみつの流れる』国である。しかし、わたしは行かない。あなたがたが手に負えない強情者なので、いっしょに行けば、途中であなたがたを滅ぼしてしまうかもしれない。」

民はこのきびしいことばを聞いて悲嘆し、宝石や飾りを身につける者は一人もいませんでした。 それは、彼らにこう伝えるよう、主がモーセに命じておいたからです。「あなたがたは、わがままで強情な民だ。たとえ一時でもわたしがいっしょに行くなら、あなたがたを地上から消し去ってしまうだろう。自分たちの処分がはっきり決まるまでは、宝石や飾りは全部取りはずしなさい。」

それ以後、イスラエル人は飾り物を身につけなくなりました。

モーセの嘆願

モーセはいつも、神とお会いする天幕を、野営地から遠く離れた所に張りました。主に伺いを立てる者は、みなそこまで行くのです。 モーセがその天幕へ行くときはいつも、人々はみな自分のテントの入口に立ち、彼が中に入るのを見守るのでした。 中に入ると雲の柱が降りて来て、主がモーセと話している間、入口に雲がかかるのです。 10 人々はみな自分のテントの入口で、雲の柱に向かって伏し、礼拝しました。 11 天幕の中では、まるで親しい友のように、主はモーセに語りました。そのあと、モーセが野営地に帰ると、彼の従者であるヌンの子ヨシュアはそのまま天幕に残りました。

12 さて、モーセは天幕の中で主に言いました。「あなたは私に、『人々を約束の地へ連れて行け』とおっしゃいます。けれども、だれが私といっしょに遣わされるのか、まだ教えてくださいません。あなたは、もったいなくも私を友のように扱ってくださいます。また、あなたのお心にかなった者だとも言ってくださいました。 13 もしそれがほんとうなら、どうぞ私の歩むべき道をはっきりと示してください。そうすればあなたを理解できるようになり、あなたに喜ばれるでしょう。この民があなたご自身のものであることを、お忘れにならないでください。」

14 「わかった。安心しなさい。わたしがいっしょに行って、失敗のないようにあなたを守ろう。」

15 モーセは言いました。「あなたがごいっしょでなければ、この場所から一歩でも動くのを許さないでください。 16 あなたが共にいてくださらなければ、私とこの民があなたのお心にかなっていること、また、地上の他の民とは違うことがどうしてわかりましょう。」

17 「いいだろう。あなたの言うとおりにしよう。確かにわたしはあなたに目をかけている。あなたを友のように思っている。」

18 それからモーセは、神の栄光を見させていただきたいと願いました。

19 主は答えました。「わたしが与えるあらゆる良いものを、あなたに見せよう。また、わたしの名によってはっきり宣言しよう。わたしは、自分がそうしようと思った者に恵みを与え、あわれみを与える。 20 しかし、あなたはわたしの顔の栄光を見てはならない。わたしを見た者で、生きている者はいない。 21 だから、そばの岩の上に立ちなさい。 22 わたしの栄光が今、通り過ぎる。あなたを岩の裂け目に入れ、わたしが通り過ぎるまで、手であなたを覆う。 23 わたしが手をのけると、あなたはわたしをうしろから見るが、顔を見ることは決してできない。」

再度与えられた戒め

34 主はモーセに命じました。「前と同じ石板を二枚用意しなさい。あなたが割った板に書いたのと同じことばを、もう一度その板に書こう。 朝になったら、準備を整えてシナイ山に登りなさい。山頂でわたしと会うのだ。 だれもいっしょに来てはならない。山のどこにも人がいてはならない。羊や牛の群れも、山の近くでは放牧しないようにしなさい。」

そこで、モーセは前と同じ石板を二枚用意し、東の空が白むころ、主に命じられたとおり、二枚の石板をかかえてシナイ山に登りました。 5-6 主は雲の柱となって天から下り、モーセのそばに立ちました。それから彼の前を通り過ぎ、ご自分の名によって宣言しました。「わたしは主である。あわれみと情けに富み、怒るのに遅く、恵み深い神である。わたしは愛と真実の神である。 わたしは人々の罪を赦し、千代にもわたって彼らを愛し通す。しかしまた、罰すべき者を見過ごしにはしない。父親の犯した罪のために、息子や孫、さらにのちの世代の者が報いを受ける。」

それを聞いて、モーセは思わず主の前にひざまずき、ひれ伏して願いました。 「主よ、ほんとうに私があなたのお心にかなっているのでしたら、どうぞ私たちといっしょに約束の国まで行ってください。彼らは確かに頑固でわがままな民に違いありません。けれどもお願いです。どうぞその罪をお赦しください。神の民として受け入れてください。」

10 「では、あなたと契約を結ぼう。かつて地のどこでも、見たことも聞いたこともない奇跡を行う。イスラエル人はみな、主の力を目の当たりにするのだ。あなたによって、わたしは恐るべき力を示す。 11 契約の相手としてのあなたの義務は、わたしの戒めをすべて守ることである。そうすれば、あなたの前からエモリ人、カナン人、ヘテ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人を追い払う。

12 目指す約束の国へ着いたら、そこの住民と決して妥協しないよう、くれぐれも気をつけなさい。一度でも妥協すれば、知らず知らずのうちに、彼らの悪習に染まってしまうからだ。 13 異教の祭壇や礼拝用の石柱などは取り壊しなさい。偶像も切り倒しなさい。 14 わたし以外に、どんな神々も拝んではならない。わたしは絶対の忠誠と、心からの献身を求める神である。

15 その地の住民と、どんな契約も結んではならない。彼らは、偶像を慕ってみだらなことをし、神々にいけにえをささげることによって姦淫を行っている。万一あなたが彼らと親しくなり、食事に招かれると、偶像にささげられた食物を拒むことができなくなるだろう。 16 他の神々を拝む娘たちを息子の嫁に迎えると、息子たちは妻の信じる神々を拝み、堕落した道徳が持ち込まれ、わたしに反逆することになる。 17 だから、偶像とはいっさい関係を持たないようにしなければならない。

18 種なしパンの祭りを七日間、必ず祝わなければならない。毎年第一の月(太陽暦では三月)の決まった時に、教えておいたとおりに祭りを守りなさい。それは、あなたがたがエジプトを出た月である。 19 牛、羊、どんな家畜も最初に生まれた雄は、わたしのものだ。 20 ろばの初子は代わりに羊をささげて買い戻すことができる。買い戻さないなら、首を折らなければならない。しかし人間の場合、長男はみな買い戻さなければならない。ささげ物を持たずにわたしの前に出てはならない。

21 忙しい耕作期や収穫期でも、六日間働いて七日目は休みなさい。

22 毎年、祭りを祝うことを忘れてはならない。小麦の最初の収穫の時には七週の祭りを、それに収穫の祭りを祝いなさい。 23 年に三度、祭りの時にはイスラエルの男子はみな、わたしの前に出なければならない。 24 男子全員が主の前に出るこの時は、だれもイスラエルに攻撃をしかけない。しかけてくるような国はわたしが追い払い、イスラエルの国境を広げる。

25 わたしへのささげ物を、パン種を入れたパンに添えてささげてはならない。過越の子羊の肉は、どの部分でも翌朝まで取っておいてはならない。 26 毎年の最初の収穫から、一番良い物をあなたの神、主の天幕に持って来なければならない。子やぎを母親の乳で煮てはならない。」

27 また、主はモーセに言いました。「わたしが示したことばを書き記しなさい。これらのことばによって、わたしはあなたとイスラエルに対して契約を結ぶ。」

28 モーセは山で四十日四十夜、神とともにいました。その間は、食べることも飲むこともしませんでした。この時、契約のことば、十戒を石板に記したのです。

光り輝くモーセの顔

29 それから、モーセは二枚の石板をかかえて山を下りました。それまで神と話していたので、モーセの顔は輝いていましたが、自分では気がつきませんでした。 30 彼の顔の輝きを見て、アロンをはじめ、人々はそばに行くのを恐れました。 31 モーセに呼ばれてやっとアロンと指導者たちは来て、彼と話しました。 32 そのあと、今度は人々が全員集まったので、モーセは山で主に告げられたことを伝えました。

33 話し終えると、モーセは顔にベールをかけました。 34 主と話すために天幕に入る時はいつでもベールを取り、外へ出るまでそのままにしていました。そして、神から示されたことは全部人々に伝えました。 35 外に出て来る彼の顔を見ると光り輝いていました。そこでまた、彼は主と語るために天幕に入るまでベールをかけました。

幕屋とその器具を作る

35 さてモーセは、全国民を呼び集めて言いました。「あなたがたが守らなければならない神のおきては、次のとおりだ。 六日間だけ働きなさい。七日目は主を礼拝する神聖な日、休息の日である。この日に働く者は、だれでも死刑に処せられる。 家の中で火をおこすこともいけない。」

モーセはまた、彼らに言いました。「主は次のことをお命じになった。 5-9 ささげ物をしたい者はだれでも、これらのささげ物を主のもとに持って来てよい。金、銀、青銅、青の撚り糸、紫の撚り糸、緋色の撚り糸、上質の亜麻布、やぎの毛、赤く染めた雄羊のなめし皮、処理を施したじゅごんの皮、アカシヤ材、ともしび用のオリーブ油、注ぎの油と香に使う香料、エポデや胸当てにはめる、しまめのうや宝石類。

10-19 特別な技能に恵まれ、熟練した技術者はみな集まりなさい。そして、主が命じられたとおりの物を作りなさい。幕屋の天幕とその覆い、留め金、わく組み、横木、柱、土台、契約の箱とかつぎ棒、『恵みの座』、至聖所を囲む垂れ幕、テーブルとかつぎ棒と器具類いっさい、供えのパン、燭台、ともしび皿と灯油、香をたく祭壇とかつぎ棒、注ぎの油と香りの高い香、幕屋の入口用の垂れ幕、焼き尽くすいけにえをささげる祭壇、祭壇の青銅製の格子とかつぎ棒、器具類、洗い鉢とその台、庭の周囲を仕切る引き幕、柱と土台、庭の入口用の垂れ幕、幕屋用の釘、庭用の釘とひも、祭司が聖所で務めをするときの式服、祭司アロンとその子らが着る聖なる装束。」

20 人々はみな、ささげ物を用意するため各自のテントに戻りました。 21 心に感じた者たちは、幕屋とそれに必要な器具類、また聖なる装束を作るための材料を、ささげ物として持って来ました。 22 男も女も、すべて喜んでささげる者は、金や宝石でできたイヤリング、指輪、ネックレスなど、あらゆる種類の金の奉納物を持って来ました。 23 ほかの者は青、紫、緋色の撚り糸、上質の亜麻布、やぎの毛、赤く染めた雄羊のなめし皮、特別に処理したじゅごんの皮などを持って来ました。 24 銀や青銅を持って来た者もいます。ある者は建築に必要なアカシヤ材をささげました。

25 縫うことと紡ぐことが上手な婦人たちは、青、紫、緋色の撚り糸や、上質の亜麻布を持って来ました。 26 ほかの婦人たちは、腕によりをかけてやぎの毛を紡ぎ、布を織りました。 27 指導者たちはまた、エポデや胸当てに使うしまめのうや宝石、 28 それに、ともしび用や、注ぎの油や香り高い香を調合するための香料やオリーブ油を持って来ました。 29 こうして、神がモーセに命じた仕事に少しでも役に立ちたいと願った者たちはみな、心からのささげ物をモーセのところに持って来たのです。

30-31 モーセは彼らに言いました。「主はユダ族のウリの子で、フルの孫に当たるベツァルエルを名指しで召し出し、この仕事の総監督に任じられた。 32 彼は金や銀や青銅の細工にたけ、 33 宝石を切ったり磨いたりすることもうまい。美しい彫刻も得意だ。必要な技術はすべて身につけている。 34 また、ほかの人に教えるのも上手だ。ダン族のアヒサマクの子オホリアブも、同じような才能に恵まれている。 35 主はこの二人に特別な才能を与え、宝石細工人、建築師にしてくださった。そればかりか、亜麻布に青、紫、緋色の糸で美しい刺しゅうもできるし、織物も上手だ。これからの仕事に必要なあらゆる技術に秀でている。

36 1-2 ほかにも、才能に恵まれた技術者がたくさんいる。二人を中心にみなで力を合わせ、調度品を作り上げてほしい。」

ベツァルエルとオホリアブをはじめ、この仕事に参加したいと思った者たち全員に、モーセは仕事を始めるよう命じました。 そして、人々がささげた材料を彼らに渡しました。しかしそのあとも、新しい材料が毎朝ささげられました。 4-7 あまりに多くて、もうとても、現場ではさばききれません。彼らは仕事を中断し、モーセに実情を報告しました。「材料があまりにたくさん集まりすぎて、使いきれないくらいです。」そこでモーセは野営地中に、これ以上奉納する必要はないと伝えさせたので、ようやく人々は持って来るのをやめました。

8-9 腕のいい織物師たちが、まず上等の細い撚り糸で織った亜麻布で幕を十枚作り、青、紫、緋色の撚り糸でケルビム(天使の像)を織り出しました。幕の大きさは長さが二十八キュビト(十二メートル)、幅が四キュビトで、 10 これを五枚ずつつなぎ合わせ、長い布を二枚作りました。 11-12 次に、それぞれの端に青いひもでループを五十ずつ作り、対になるようにしました。 13 ループをつなぎ合わせる留め金を五十個作り、二枚の長い布を一枚にして、天幕ができ上がりました。

14-15 布の上には、二番目の覆いとして、やぎの毛皮で作った十一枚の幕を使いました。それぞれ長さ三十キュビト(十三メートル)、幅四キュビトのものです。 16 ベツァルエルはこの五枚をつなぎ合わせて一枚の長い幕とし、残りの六枚も別の長い幕としました。 17 次に、それぞれのへりに沿ってループを五十ずつ作り、 18 五十個の小さな青銅の留め金でつなぎ、二枚の幕をぴったりつなぎ合わせました。

19 屋根の外側にかぶせる覆いは、赤く染めた雄羊のなめし皮とじゅごん(海に住む哺乳動物)の皮で作りました。

20 天幕の側面にするために、まっすぐ立ったわく組みをアカシヤ材で作りました。 21 一枚の板は高さ十キュビト(四・四メートル)、幅一キュビト半です。 22 それぞれの板には二個のほぞをつけて、隣の板にはめ込みます。 23 南側に板が二十枚、 24 下の部分は銀の土台四十個にさし込みます。一枚の板に二個ずつの土台とほぞを使って、しっかり固定しました。 25-26 北側にも板が二十枚、それぞれに二個ずつ、全部で四十個の銀の土台を作りました。 27 西側、つまり天幕のうしろ側は板六枚と、 28 両隅に一枚ずつの板を置きました。 29 この二枚はそれぞれ下を重ね、上を環でつなぎます。 30 ですから西側には、全部で板が八枚、それぞれの下に二個ずつ、計十六個の銀の土台があることになります。

31-32 次にベツァルエルは、わく組みの板をしっかりつなぎ合わせるために、アカシヤ材で横木を作りました。天幕の三方に五本ずつの横木です。 33 五本のうち真ん中の横木は、板のほぼ中央を端から端まで通っています。 34 板と横木にはすべて金をかぶせ、木を通す環は純金で作りました。

35 天幕内を仕切る垂れ幕は、青、紫、緋色の撚り糸で亜麻布を織り、ケルビムを織り出しました。 36 幕は、アカシヤ材の四本の柱に金のかぎを四つ取りつけ、そこから垂らしました。柱には金をかぶせ、四個の銀の土台にはめ込んでありました。

37 次に幕屋の入口用の垂れ幕を作りました。目のつまった亜麻布に青、紫、緋色の刺しゅうをしたものです。 38 垂れ幕は五個のかぎで取りつけ、柱の頭部と環に金をかぶせました。土台は青銅で五個作りました。

37 次に、ベツァルエルは契約の箱を作りました。アカシヤ材で作り、長さ二キュビト半(一・一メートル)、幅一キュビト半、高さ一キュビト半に仕上げました。 内側にも外側にも純金を張り、周囲に金の縁飾りを巡らせました。 片側に二つずつ並ぶよう、四隅に金の環を四個つけました。 アカシヤ材でかつぎ棒を作って金をかぶせ、 箱の側面の環に通します。その棒をかついで箱を運ぶのです。

それから、純金で箱のふたを作りました。これは「恵みの座」と呼ばれます。長さ二キュビト半、幅一キュビト半です。 両端には、金をつちで打って作ったケルビムの像がついています。 ケルビムはふたの一部分で、切り離すことはできません。 ケルビムは互いに向かい合い、伸ばした翼が「恵みの座」に覆いかぶさって、それを見下ろす形になっていました。

10 次はテーブルです。同じくアカシヤ材で、長さ二キュビト(八十八センチ)、幅一キュビト、高さ一キュビト半です。 11 それに純金を張り、ぐるりと金の縁飾りをつけました。 12 周囲に一手幅(約七・四センチ)のわくをつけ、それに沿って金の縁飾りをつけました。 13 次に金の環を四つ作り、四本の足の、 14-15 縁飾りに近いところにつけ、アカシヤ材に金をかぶせたかつぎ棒を通すようにしました。 16 また、純金で鉢、水差し、皿、びんを作り、テーブルの上に置きました。

17 純金を打ち出して燭台を作りました。それは、台座、支柱、ともしび皿、アーモンドの花飾りが一体となるようにしています。 18 燭台の支柱には、両側から三本ずつ、計六本の枝が出るようにしました。 19 それぞれの枝は三つの花で飾りました。 20-21 支柱にも同じようにアーモンドの花飾りをつけました。三対の枝の間に二つ、下と上に二つ、合計四つです。 22 飾りと枝はみな、一かたまりの純金を打ち出して作りました。 23-24 枝の先に七つのともしび皿を作りつけ、芯切りばさみと灰皿とを純金で作りました。燭台全体は一タラント(三十四キログラム)の重さがあり、すべて純金です。

25 香の祭壇はアカシヤ材で作りました。一キュビト(四十四センチ)四方の正方形で、高さは二キュビト。隅に、壇の一部として角を彫りつけました。 26 全体に純金をかぶせ、へりには金の縁飾りをつけました。 27 壇の両側面、縁飾りの少し下に金の環を二個つけ、かつぎ棒を通しました。 28 かつぎ棒はアカシヤ材で、金をかぶせてあります。

29 次に、香りのよい香料を使って、聖なる油を調合しました。祭司に注ぐ油や、純粋な香として用いる油です。調合には高度の技術が必要でした。

38 焼き尽くすいけにえの祭壇も、アカシヤ材で作りました。上部は五キュビト(二・二メートル)四方の正方形、高さは三キュビトです。 四隅に、他の部分と切れ目なく続くよう、四本の角をつけました。祭壇には青銅を張り、 祭壇で使うつぼ、十能(灰をすくう道具)、鉢、肉刺し、火皿などの器具類も青銅で作りました。 次に、炉の半ばあたりに棧を張り、そこに青銅の格子を置きました。 環を四つ作り、格子の四隅の部分でかつぎ棒を通せるようにしました。 かつぎ棒はアカシヤ材で、青銅をかぶせてあります。 祭壇の側面につけた環に、その棒を通します。祭壇の側面は板で、中は空洞でした。

幕屋の入口で奉仕していた女たちが、青銅の鏡をささげたので、それを使って青銅の洗い鉢とその台を作りました。

次は庭です。南側は百キュビト(四十四メートル)で、細い上等の撚り糸を織って幕を作り、それを張り巡らしました。 10 幕を垂らす柱を二十本立てました。土台は青銅で、柱には銀のかぎと環をつけました。

11 北側にも百キュビトの幕を張り、青銅の柱二十本とその土台、銀のかぎと環があります。 12 西側は五十キュビトで、十本の柱と土台で幕を支えました。柱には、やはり銀のかぎと環がついています。 13 東側も五十キュビトです。 14-15 入口の両側には、幅十五キュビトの幕を垂らし、それぞれ三個の土台に立てた三本の柱で支えました。 16 庭の仕切りとして巡らした幕は、どれも細い上等の撚り糸で織ったものです。 17 柱はみな青銅の土台にはめ込み、かぎと環は銀です。柱の頭部には銀をかぶせ、幕を垂らす環は純銀でした。 18 庭の入口に垂らすカーテンは上質の亜麻布で作り、青、紫、緋色の撚り糸で美しい刺しゅうをしました。幕の幅は二十キュビト、高さは五キュビトで、庭の仕切りとした他の幕と同じ高さです。 19 幕は四本の柱と四個の青銅の土台、銀のかぎと環で支えました。柱の頭部も銀でした。 20 幕屋と庭を作るのに用いた釘は、すべて青銅です。

21 これが、契約の箱を納める幕屋(聖所)の建設工事の諸工程です。幕屋ができ上がり、ようやくレビ族が奉仕につけるようになりました。いっさいの工事は、モーセが立てた計画どおり行われ、祭司アロンの子イタマルが監督しました。 22 ユダ族のウリの子で、フルの孫に当たるベツァルエルが技術面での責任者となり、 23 ダン族のアヒサマクの子オホリアブが助手を務めました。彼も熟練した職人で、彫刻、設計、色とりどりの刺しゅうをするのに、すぐれた腕を発揮しました。

24 人々が奉納し、幕屋建設に使った金は約一千キログラムに達しました。 25-26 銀は三、四四〇キロ使われました。これは、人口調査の時に登録する二十歳以上の人から取り立てた、半シェケルの人頭税でまかなわれました。登録したのは、計六十万三、五五〇人です。 27 聖所の壁となるわく組みの土台と、垂れ幕を支える柱の土台には、一個につき三十四キログラム、計三、四〇〇キログラムの銀が必要でした。 28 残った銀は柱頭にかぶせたり、環やかぎを作るために使いました。 29 青銅は約二、四〇〇キログラム奉納され、 30-31 天幕の入口に立てる柱の土台、祭壇、格子、祭壇に付属する器具類、庭を仕切る引き幕を支える柱の土台、天幕と庭の釘などを作るのに使われました。

祭司の装束を作る

39 次に、青、紫、緋色の撚り糸で、祭司用の式服を作りました。同じ生地で、アロンの聖なる装束も作りました。すべて、主がモーセに命じたとおりです。 エポデ(祭司が着用する、ひざ下までのそでなしの上着)も、同じ亜麻布と、金、青、紫、緋色の撚り糸で作りました。 ベツァルエルは金の板を薄く延ばし、細く切って金糸を作りました。それを青、紫、緋色の糸に撚り込み、布に織ると、実に精巧な美しい布ができ上がりました。

4-5 エポデには肩当てをつけ、両端を留めるようにしました。上に締める帯も織りました。生地はエポデと同じく、金、青、紫、緋色の細い撚り糸を織り込んだ亜麻布で、たいへん美しいものでした。主がモーセに指示したとおりです。

6-7 二個のしまめのうを金の台にはめ、エポデの肩当てに縫いつけましたが、石には印章を彫るようにして、イスラエルの全部族の名を彫りました。この石を見て、神がイスラエルの民を絶えず思い起こせるようにしたのです。すべて主がモーセに指示したとおりです。

胸当てもエポデと同じように、金、青、紫、緋色の撚り糸で織った上質の亜麻布で作りました。 これは一あたり(約二十二センチ)四方の布で、二つに折って袋状にしました。 10 そこには宝石を四列に並べました。最初の列はルビー、トパーズ、エメラルド。 11 二列目はトルコ玉、サファイヤ、ダイヤモンド。 12 三列目はヒヤシンス石、めのう、紫水晶。 13 四列目は緑柱石、しまめのう、碧玉。これらはみな金の台にはめました。 14 石には、イスラエルの十二部族の名を、印章と同じように彫りつけました。

15-18 胸当てをエポデに結びつけるために、エポデの肩当てに金の環をつけました。この環と、胸当ての上部の金の留め金とを金の鎖でつなぐのです。 19 ほかに、胸当ての下のへり、ちょうどエポデと接するところの内側にも、金の環を二個つけました。 20 別の金の環を、エポデの肩当ての下部につけました。エポデの上から、美しく織った帯を締めるあたりです。 21 胸当ての環とエポデの環とを青いひもでしばり、胸当てを、帯の上にしっかり結びつけました。すべて主の命じたとおりです。

22 エポデの下に着る服は青糸で織りました。 23 真ん中に、ちょうどよろいの首の部分のように頭を通す穴を開け、ほつれないようにかがりました。 24 長服のすそには、青と紫と緋色の撚り糸で作ったざくろをつけました。 25-26 ざくろとざくろの間には、純金の鈴もつけました。服のすそに鈴とざくろが交互に並ぶわけです。この長服は、アロンが祭司の務めをするときに着ます。主がモーセにそう命じたのです。

27 細い撚り糸で織った亜麻布で、アロンと息子たちのために上着を作りました。 28-29 美しいターバン、帽子、下着もみな同じ布で作り、帯には青、紫、緋色の糸で美しい刺しゅうをしました。主がモーセに命じたとおりです。

30 最後に、ターバンの正面につける聖なるプレートを純金で作りました。その上には、「神のために特別に選ばれた者」ということばを彫り、 31 青いひもでターバンに結びつけました。これも主が教えたとおりです。

32 こうしてついに、主がモーセに指示したいっさいの作業が終わりました。 33-40 そこで担当者は、でき上がった幕屋と付属品を全部、モーセのもとに運んで来ました。調度品、留め金、わく組みの板、横木、柱、土台、屋根と側面用の赤く染めた雄羊のなめし皮、特別になめしたじゅごんの皮、仕切り用の垂れ幕、十戒を納めた契約の箱、かつぎ棒、「恵みの座」、供えのパンのテーブルと付属品、供えのパン、純金の燭台とともしび皿、付属品、油、金の香の祭壇、注ぎの油、香りの高い香、天幕の入口用の垂れ幕、青銅の祭壇、青銅の格子、かつぎ棒と付属品、洗い鉢とその台、庭を仕切る引き幕とそれを支える柱、柱の土台と庭の入口に下げる幕、ひも類と釘、幕屋で使うあらゆる用具類です。 41 そのほか、美しく仕立てた祭司用の式服も、モーセに点検してもらいました。つまり大祭司アロンの聖なる装束と、彼の息子たちが公式に着る衣装などです。

42 このようにしてイスラエルの民は、主がモーセに指示したことを全部、そのとおりに行いました。 43 モーセはでき上がったものを見て、すべての仕事が主の指示どおりにされていたので、彼らを祝福しました。

幕屋の完成

40 主はモーセに告げました。 「第一の月の一日(ユダヤ暦による。太陽暦では三月中旬)に、神の幕屋を組み立てなさい。 そこに、十戒を納めた契約の箱を安置しなさい。至聖所に箱を置き、その前には仕切りの垂れ幕をしつらえる。 次に、供えのパンのテーブルを運び入れ、その上に用具類を並べる。燭台を持って来て、ともしび皿を載せる。

箱の前には金の香の祭壇を置き、天幕の入口に幕を垂らす。 入口の前に、焼き尽くすいけにえ用の祭壇を置く。 天幕と祭壇との間に洗い鉢を置き、水を満たす。 それがすんだら天幕の回りに庭を設け、庭の入口には幕をかけなさい。

組み立てが終わったら、きよめのための注ぎの油を幕屋とその中にある物全部に注ぎなさい。いろいろな用具類、すべての調度品にも注いで、それらをきよめる。 10 焼き尽くすいけにえ用の祭壇とその用具類も同じようにする。これで、祭壇は最も神聖なものとなる。 11 洗い鉢とその台も同様である。

12 次に、アロンと息子たちを幕屋の入口に連れて来て沐浴させ、 13 アロンに聖なる装束を着せて油を注ぎなさい。祭司としてわたしに仕えることができるように、彼をきよめなさい。 14 次に、彼の息子たちを連れて来て祭司の式服を着せ、 15 父親と同じように彼らにも油を注いで祭司とする。その『油注ぎ』は何代にもわたり、永遠に続く。息子たちも、そのまた息子たちも、永遠にわたしの祭司となるからだ。」

16 そこでモーセは、主に命じられたことをすべて実行に移しました。 17 二年目の第一の月の一日に、幕屋が組み立てられました。 18 モーセはまず、わく組みの板を土台にはめ込み、横木をつけました。 19 それから、屋根の覆いをかけ、さらに幕を重ねました。すべて主に命じられたとおりです。

20 契約の箱の中に十戒を刻んだ二枚の石板を入れ、環にかつぎ棒を通しました。箱の上には、『恵みの座』と呼ばれる金のふたを載せました。 21 それから箱を幕屋に入れ、仕切りの垂れ幕をかけました。すべて主に命じられたとおりです。

22 次に、供えのパンのテーブルを垂れ幕の外の北側に置き、 23 供えのパンを主に供えました。これも、すべて主に命じられたとおりです。

24 天幕の南側、テーブルの反対側に燭台を置きました。 25 次に、指示されたとおり、主の前にともしび皿を整えました。 26 それから、垂れ幕のすぐ前に金の香の祭壇を置き、 27 香りの高い香料で作った香をたきました。すべて主に命じられたとおりです。

28 天幕の入口には垂れ幕を取りつけました。 29 そして、外に出た所に焼き尽くすいけにえ用の祭壇を置き、その上でいけにえと穀物のささげ物を供えました。すべて主に命じられたとおりです。

30 次は洗い鉢です。幕屋と祭壇の間に置き、水を満たしました。祭司たちがその水で手足を洗えるようにしたのです。 31 モーセとアロンとアロンの息子たちは、そこで手足を洗いました。 32 天幕に入るために祭壇のところを通って行くときは、いつもそこで立ち止まり、手足を洗うのです。すべて主に命じられたとおりです。

33 それから、幕屋と祭壇を囲む庭を造りました。庭の入口にも幕を垂らしました。こうして、ついにモーセはいっさいの仕事を終わったのです。

34 すると、雲が幕屋にかかり、神の栄光が輝きわたりました。 35 あまりの神々しさに、モーセは中に入れませんでした。 36 雲が幕屋から離れて動き出した時には、イスラエル人はいつもそのあとに従って旅をしました。 37 雲が動くのをやめると一行もそこに止まり、雲が動き出すまでじっと待ちました。 38 昼間は雲が幕屋にかかり、夜は雲の中に赤々と火が輝き、人々はみなその有様を見ました。この光景は旅の間ずっと絶えることがありませんでした。

Japanese Living Bible (JLB)

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