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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
ヨシュア記 15:1 - 士師記 3:27

ユダ族の相続地

15 くじによってユダ族に割り当てられた地は、その南の境界線が、エドムの北の境から始まってツィンの荒野を通り、ネゲブ地方の北端まででした。 2-4 もっとくわしく記すと、この境界線は、塩の海(死海)の南の入り江から始まり、アクラビム丘陵地帯の南を走る道路に沿って、ツィンの荒野からカデシュ・バルネアの南にあるヘツロンに延び、さらにカルカとアツモンを通り、最後にエジプト川に出て、地中海に達します。

東の境界線は、塩の海の西岸沿いにヨルダン川の河口までです。北の境界線は、ヨルダン川が塩の海に注ぐ河口の入り江から始まり、 ベテ・ホグラとベテ・ハアラバの北方を経て、ルベンの子ボハンの石に至り、 その地点からアコルの谷を通ってデビルに進みます。デビルでギルガル方面へ北西に曲がりますが、ギルガルはその谷の南斜面、アドミム一帯の反対側に当たります。ギルガルより先は、エン・シェメシュの泉とエン・ロゲルに進みます。 さらにこの境界線は、その先ベン・ヒノムの谷を通り、エルサレムの町であるエブスの南側に沿って進み、それから西に向かい、ヒノムの谷とレファイムの谷の北端を見下ろす、山の頂に達します。 続いて、その山頂からメ・ネフトアハの泉へ延び、さらにエフロン山の町々に達し、そこからキルヤテ・エアリムとも呼ばれるバアラの周辺を北に迂回します。 10-11 続いて境界線は、バアラから西に回ってセイル山に至り、エアリム山の北斜面にあるケサロンの町を経て、ベテ・シェメシュに下ります。そこで再び北西に向きを変え、ティムナの南を通って、エクロンの北側にある山の斜面に出ます。そこで左に折れ、シカロンの南とバアラ山を通ります。そこから再び北に向かい、ヤブネエルを通って、最後は地中海に達するのです。

12 地中海の海岸線が、ユダ族の西の境界線です。

13 主はヨシュアに、ユダの領地の一部をエフネの子カレブに割り当てるよう指示しました。それでカレブは、アナクの父親にちなんだ名前の町キルヤテ・アルバ、すなわちヘブロンを与えられたのです。 14 カレブは、アナクの三人の息子、シェシャイ、アヒマン、タルマイの子孫を追い払い、 15 ついで、元はキルヤテ・セフェルといっていたデビルの住民と一戦を交えました。

16 その時カレブは、「キルヤテ・セフェルを攻め取った者には、私の娘のアクサを妻として与えよう」と宣言しました。 17 ケナズの子で、カレブの甥に当たるオテニエルがその町を征服したので、アクサはオテニエルの妻となりました。 18-19 嫁入りの際、オテニエルは、結婚祝いに父親から畑をもらうようにアクサを説き伏せました。父親と話そうと、彼女がろばから降りたので、カレブは彼女に尋ねました。「どうした。私にしてやれることがあれば、何でも言いなさい。」

「お父さん、お祝いにもっと頂きたいものがあるの。ネゲブの土地を下さるのなら、そこは荒れ地ですから、泉も分けてほしいわ。」それでカレブは、アクサに上の泉と下の泉も与えることにしました。

20 ユダ族に割り当てられた地は、次のとおり。 21-32 ネゲブにあるエドムの国境に面したユダの町々、すなわち、カブツェエル、エデル、ヤグル、キナ、ディモナ、アデアダ、ケデシュ、ハツォル、イテナン、ジフ、テレム、ベアロテ、ハツォル・ハダタ、ケリヨテ・ヘツロンすなわちハツォル、アマム、シェマ、モラダ、ハツァル・ガダ、ヘシュモン、ベテ・ペレテ、ハツァル・シュアル、ベエル・シェバ、ビズヨテヤ、バアラ、イイム、エツェム、エルトラデ、ケシル、ホルマ、ツィケラグ、マデマナ、サヌサナ、レバオテ、シルヒム、アイン、リモン。全部で、二十九の町とそれに属する周辺の村々です。

33-36 低地にあった次の町々も、ユダに与えられました。エシュタオル、ツォルア、アシュナ、ザノアハ、エン・ガニム、タプアハ、エナム、ヤルムテ、アドラム、ソコ、アゼカ、シャアライム、アディタイム、ゲデラ、ゲデロタイム。全部で、十四の町とそれに属する周辺の村々です。

37-44 ユダ族は、このほか二十五の町と、それに属する村々も相続しました。すなわち、ツェナン、ハダシャ、ミグダル・ガド、ディルアン、ミツパ、ヨクテエル、ラキシュ、ボツカテ、エグロン、カボン、ラフマス、キテリシュ、ゲデロテ、ベテ・ダゴン、ナアマ、マケダ、リブナ、エテル、アシャン、エフタ、アシュナ、ネツィブ、ケイラ、アクジブ、マレシャ。

45 ユダ族の領地は、エクロンの町々と村々の全部も含んでいました。 46 その境界線はエクロンから地中海にまで達し、アシュドデの境界付近の町々と周辺の村々、 47 アシュドデの町と周辺の村々、エジプト川に至るまでのガザと周辺の村々、さらに、南はエジプト川の河口から北はツロに至るまでの、地中海沿岸全域も含んでいました。

48-62 ユダはさらに、山地の四十四の町と周辺の村々も相続しました。すなわち、シャミル、ヤティル、ソコ、ダナ、キルヤテ・サナすなわちデビル、アナブ、エシュテモア、アニム、ゴシェン、ホロン、ギロ、アラブ、ドマ、エシュアン、ヤニム、ベテ・タプアハ、アフェカ、フムタ、キルヤテ・アルバすなわちヘブロン、ツィオル、マオン、カルメル、ジフ、ユタ、イズレエル、ヨクデアム、ザノアハ、カイン、ギブア、ティムナ、ハルフル、ベテ・ツル、ゲドル、マアラテ、ベテ・アノテ、エルテコン、キルヤテ・バアルすなわちキルヤテ・エアリム、ラバ、ベテ・ハアラバ、ミディン、セカカ、ニブシャン、塩の町、エン・ゲディ。

63 しかしユダ族は、エルサレムに住んでいたエブス人を追い出すことができませんでした。それでエブス人は、今もなおユダの人々とともに生活しています。

ヨセフ族の割り当て

16 1-4 ヨセフ族〔エフライムと、マナセの半部族〕がくじで割り当てられた地の境界線は、エリコ付近のヨルダン川から荒野を通り、ベテルの山地へと延び、ベテルからルズに、それからアルキ人の領地アタロテへと進みます。次に西に向かって、下ベテ・ホロンに近いヤフレテ人との境界に下り、さらにゲゼルに出て、地中海に行き着きます。

エフライム族の相続地

5-6 エフライム族に割り当てられた相続地は次のとおり。その東の境界線は、アテロテ・アダルから始まり、上ベテ・ホロンを通って地中海に達します。北の境界線は、地中海から東方へとミクメタテを通り、さらに東進してタアナテ・シロとヤノアハを通ります。 ヤノアハから南に回ってアタロテとナアラに下り、エリコを経てヨルダン川で終わるのです。 北の境界線の西半分は、タプアハからカナ川に沿って進み、終わりは地中海に達します。 なお、エフライム族には、マナセの半部族の領地内の町々も一部与えられました。 10 ゲゼルに住むカナン人は追い払われなかったので、今も奴隷として、エフライムの人々の中で生活しています。

マナセの半部族の相続地

17 ヨセフの子マナセの半部族がくじで割り当てられた地は次のとおり。マナセの長男で、ギルアデの父マキルの氏族は、〔ヨルダン川東岸の〕ギルアデとバシャンの地をすでに与えられていました。彼らが勇敢な戦士だったからです。 それで、ヨルダン川の西側の地は、アビエゼル、ヘレク、アスリエル、シェケム、シェミダ、ヘフェルの各氏族に割り当てられることになりました。

ところが、ギルアデの孫、マキルのひ孫、マナセから四代目に当たる、ヘフェルの子ツェロフハデには息子がいませんでした。その代わり、マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァという五人の娘がいました。 娘たちは、祭司エルアザル、ヨシュア、およびイスラエルの指導者たちの前に進み出て、申し立てました。「主がモーセ様におっしゃったことによれば、私どももこの部族の男の方々と同様、土地を相続できるはずです。」

5-6 その結果、主がモーセを通して与えた命令どおり、五人の娘は五人の大伯父と並んで相続地を受けました。結局マナセの相続地の全体は、ヨルダン川の東岸のギルアデとバシャンのほかに十の地区となりました。

マナセ族の北の境界線は、アシェルの境界から南下して、シェケム東方のミクメタテに達し、さらに南進し、ミクメタテからエン・タプアハに至ります。 タプアハの地はマナセのものでしたが、境界線上のタプアハの町はエフライム族に属していました。 境界線は、そこからカナ川の北岸に沿って下り、地中海に至ります。川の南にある町々は、マナセの領地にありながら、エフライム族のものでした。 10 川の南側、西は地中海に至るまでの地域は、エフライム族に割り当てられました。川の北側の地中海東岸地域はマナセ領となりました。マナセは、北はアシェルの領地と、東はイッサカルの領地とそれぞれ境を接していました。 11 マナセの半部族にはまた、イッサカルとアシェルの領地内の次の町も与えられました。ベテ・シェアン、イブレアム、ドル、エン・ドル、タナク、メギドとその周辺の村々です。 12 しかし、マナセの子孫はこれらの町の住民を一掃できなかったので、カナン人が残りました。 13 イスラエル人が勢力を増し、カナン人を奴隷として酷使するようになってからも、彼らを追い出すことはできなかったのです。

14 その後、ヨセフの二部族がヨシュアのもとに来て問いただしました。「主が私たちをこんなにも大所帯にしてくださったのに、なぜ一つの割り当て地しか下さらないのですか。」

15 「もしエフライムの山地が狭いのなら、こうしたらいいだろう。その気があるのなら、ペリジ人やレファイム人が住んでいる森林地帯を切り開くのだ。」

16-18 「あそこならありがたい。何しろ、ベテ・シェアンの回りの低地やイズレエルの谷のような所には、鉄の戦車を備えた、なかなか手強いカナン人がいますから。」

「ではまず、山地の森林地帯を手に入れることだ。あなたたちはこんなに数も多く、力も強い部族だから、きっとあそこを切り開いて住みつけるだろう。それに、いかに相手が手強く、鉄の戦車を持っていようと、谷からカナン人を追い出すことさえ不可能ではない。」

その他の七部族の割り当て

18 1-2 約束の地を征服したのち、といっても、まだ七つの部族は、神が与えてくださるという約束の地を征服したわけではありませんでした。イスラエルの民はシロに集まり、幕屋を建てました。 そこで、ヨシュアは言いました。「いつまでためらっているのか。主が与えてくださる地の住民を追い出しに行こうとしないのか。 さあ、各部族から三人ずつを選びなさい。その者たちに、まだ征服していない地を偵察させ、広さや分配方法について報告させよう。その情報に基づいて、土地を割り当てることにしたい。 5-6 偵察して来た者は、七区分に色分けした地図を作りなさい。私がくじを引いて、それぞれの地区をどの部族に割り当てればよいかを決めよう。 ただし、よく覚えておきなさい。レビ族はどの土地も受けてはならない。彼らは主に仕える祭司であり、そのこと自体がすばらしい相続なのだ。言うまでもないが、ガドとルベンの各部族およびマナセの半部族にも割り当て地はない。すでにヨルダン川の東側に、モーセが約束した相続の地を得ているからだ。」

そこで、調査隊は地図を作って、ヨシュアに報告するために出かけて行きました。その報告書に基づいて、ヨシュアはくじを引いて、その他をそれぞれの部族に割り当てることにしたのです。 調査隊は命じられたとおり、調べ上げた全地域を七区分し、それぞれに町の名を記入して、シロの宿営にいるヨシュアのもとに戻りました。 10 そこで主は、シロの幕屋の中で、くじによる土地の割り当てをヨシュアに指示したのです。

ベミヤミン族の相続地

11 ベニヤミン族がくじによって割り当てられた地域は、先にユダとヨセフの部族が得た領地の間にありました。

12 北の境界線はヨルダン川から始まり、エリコの北に出て山地を西に進み、ベテ・アベンの荒野を通ります。 13 そこからベテルとも呼ばれるルズに向かって南下し、下ベテ・ホロンの南の山地にあるアテロテ・アダルに至ります。 14 そこで境界線は南に回り、ベテ・ホロン付近の山を通って、ユダ部族の町キルヤテ・バアルすなわちキルヤテ・エアリムで終わるのです。これが西の境界線です。

15 南の境界線は、キルヤテ・バアルの端から、エフロン山を越えてメ・ネフトアハの泉に至り、 16 レファイムの谷の北に当たるベン・ヒノムの谷を見下ろす山のすそに下ります。そこからヒノムの谷を越え、エブス人の住むエルサレムの町の南を通り、エン・ロゲルに下ります。 17 エン・ロゲルから北東に向きを変え、エン・シェメシュに出て、さらにアドミムの坂に対しているゲリロテに出ます。それからルベンの息子ボハンの石に下り、 18 アラバの北端に沿って進みます。境界線はさらにアラバに下り、 19 ベテ・ホグラの南を通り、塩の海(死海)の北の入り江で終わるのです。入り江はヨルダン川の南端に当たります。

20 東の境界線はヨルダン川で、これがベニヤミン族の割り当て地です。 21-28 ベニヤミン族の相続地には、次の二十六の町が含まれていました。エリコ、ベテ・ホグラ、エメク・ケツィツ、ベテ・ハアラバ、ツェマライム、ベテル、アビム、パラ、オフラ、ケファル・ハアモナ、オフニ、ゲバ、ギブオン、ラマ、ベエロテ、ミツパ、ケフィラ、モツァ、レケム、イルペエル、タルアラ、ツェラ、エレフ、エブス〔別名エルサレム〕ギブア、キルヤテ・エアリム。これらの町とその周辺の村々がすべて、ベニヤミン族に与えられたのです。

シメオン族の相続地

19 二番目のくじによって、シメオン族は次の相続地を受けましたが、それは、先にユダ族に割り当てられた地に含まれていたものです。 2-7 彼らの相続地は、以下の十七の町とその周辺の村々を含んでいました。すなわち、ベエル・シェバ、シェバ、モラダ、ハツァル・シュアル、バラ、エツェム、エルトラデ、ベトル、ホルマ、ツィケラグ、ベテ・マルカボテ、ハツァル・スサ、ベテ・レバオテ、シャルヘン、エン・リモン、エテル、アシャン。

ネゲブにあるラマとしても知られていたバアラテ・ベエルのような南の町も、シメオン族のものとされました。 こうしてシメオンの相続地は、先にユダに与えられた地の一部を取りました。ユダに割り当てられた地域が広すぎたからです。

ゼブルン族の相続地

10 三番目のくじで領地を割り当てられたのはゼブルン族でした。その境界線はサリデの南側から始まり、 11 そこから西に回り、マルアラからダベシェテを通って、ヨクネアムの東を流れる川まで達します。 12 次に東に向きを変え、キスロテ・タボルの境界に至り、そこからダベラテとヤフィアに出ます。 13 それから東のガテ・ヘフェル、エテ・カツィン、リモンに進み、ネアの方へ曲がります。 14 北の境界線は、ハナトンを通り、エフタ・エルの谷で終わります。 15-16 この地域の町々には、すでに挙げた町のほか、カタテ、ナハラル、シムロン、イデアラ、ベツレヘムなどの町と、その周辺の村々が含まれていました。町は全部で十二です。

イッサカル族の相続地

17-23 四番目のくじで土地を割り当てられたのはイッサカル族でした。その境界内には、次の町が含まれています。すなわち、イズレエル、ケスロテ、シュネム、ハファライム、シオン、アナハラテ、ラビテ、キシュヨン、エベツ、レメテ、エン・ガニム、エン・ハダ、ベテ・パツェツ、タボル、シャハツィマ、ベテ・シェメシュ。これら十六の町には、周辺の村々も含まれます。イッサカルの境界線はヨルダン川で終わります。

アシェル族の相続地

24-26 五番目のくじで土地を割り当てられたのはアシェル族でした。その境界内には、次の町が含まれていました。ヘルカテ、ハリ、ベテン、アクシャフ、アラメレク、アムアデ、ミシュアル。境界線は、西のカルメルから始まってシホル・リブナテに至り、 27 東のベテ・ダゴンに向きを変え、エフタ・エルの谷にあるゼブルンまで進み、ベテ・ハエメクの北を通ってネイエルに達します。次にカブルの東を通り、 28 エブロン、レホブ、ハモン、カナを経て大シドンに至るのです。 29 それから境界線はラマに向かい、要塞の町ツロを経て、ホサのあたりで地中海に達します。その領地には、マハレブ、アクジブ、 30-31 アコ、アフェク、レホブなど、合計二十二の町と周辺の村々が含まれていました。

ナフタリ族の相続地

32 六番目のくじで土地を割り当てられたのはナフタリ族でした。 33 その境界線は、ヘレフとツァアナニムの樫の木から始まり、アダミ・ハネケブ、ヤブネエル、ラクムを通って、ヨルダン川で終わります。 34 西の境界線は、ヘレフの近くからアズノテ・タボルを通過しフコクに出ます。南はゼブルンと、西はアシェルと境を接し、東の境界線はヨルダン川です。 35-39 領地内の城壁を巡らした町は、次のとおりです。ツィディム、ツェル、ハマテ、ラカテ、キネレテ、アダマ、ラマ、ハツォル、ケデシュ、エデレイ、エン・ハツォル、イルオン、ミグダル・エル、ホレム、ベテ・アナテ、ベテ・シェメシュ。ナフタリの領地内の町は合計十九で、周辺の村々も含まれます。

ダン族の相続地

40 最後、七番目に土地を割り当てられたのはダン族でした。 41-46 その地域には次の町がありました。ツォルア、エシュタオル、イル・シェメシュ、シャアラビン、アヤロン、イテラ、エロン、ティムナ、エクロン、エルテケ、ギベトン、バアラテ、エフデ、ベネ・ベラク、ガテ・リモン、メ・ハヤルコン、ラコン、ヨッパ(ヤフォ)の近くの地。

47-48 しかし、その中には征服できない地域もあったので、ダン族はレシェムの町と戦って占領し、住みつきました。そして町の名を、先祖にちなんで「ダン」と呼ぶことにしたのです。

相続地の割り当ての終了

49 こうして、全地が明確な境界線のもとに、各部族に分配されました。さらに、特別な地域がヨシュアのものとされました。 50 主が、ヨシュアには望みどおりの町を与えようと言われたからです。ヨシュアはエフライム山中のティムナテ・セラフを選び、町を再建して住みました。

51 この部族間の土地分配をめぐる神聖なくじ引きには、祭司エルアザル、ヨシュア、各部族の族長が立ち会いました。これらは、神の見守りのうちに、シロにある幕屋の入口で行われました。

避難用の町

20 主はヨシュアに告げて言いました。 「モーセに指示しておいたことだが、避難用の町を設けるようにイスラエルの人々に言いなさい。 知らずに人を殺してしまった場合、その町に逃げ込み、被害者の身内の復讐を逃れるためである。 過って人を殺した者は、町に着いたら長老に会って事情を説明しなさい。彼らはその者を迎え入れ、町で暮らせるように一区画を与えてくれる。 たとえ被害者の身内が復讐しようと追いかけて来ても、偶発事故だったのだから、無実の殺人者を引き渡してはならない。 過って人を殺してしまった者は、正式の裁判まで、あるいは事故当時の大祭司が死ぬまでは、そこで暮らさなければならない。ただし、その後は自分の町や家に帰ることは自由である。」

避難用の町として選ばれたのは、ナフタリの山地にあるガリラヤのケデシュ、エフライムの山地にあるシェケム、ユダの山地にあるキルヤテ・アルバすなわちヘブロンです。 主はまた、エリコ付近のヨルダン川の東側にも、同じ目的で三つの町を設けるよう命じました。ルベン族の荒野にあるベツェル、ガド族の領地ギルアデのラモテ、マナセの半部族の領地バシャンのゴランです。 避難用の町は、イスラエル人だけでなく、在留外国人にも適用されました。だれであろうと、過って人を殺した者は、正当な裁判を受けるためにそこへ逃げ込むことができ、復讐の犠牲になることはなかったのです。

レビ人の町

21 さて、レビ族の指導者たちはシロに出向いて来て、祭司エルアザルやヨシュア、および他部族の族長に相談を持ちかけました。 その申し出は、「主がモーセによって指示なさったことだが、われわれにも住む家と家畜用の放牧地とを確保してもらいたい」というものでした。

そこで、征服したばかりの幾つかの町が、放牧地も含めて、レビ人に与えられることになりました。 町は十三でしたが、初めにユダ、シメオン、ベニヤミンの各部族に割り当てられたものです。これらの町は、レビ族の中でも、アロンの子孫であるケハテ氏族の祭司たちに与えられました。 このほかのケハテの人々には、エフライム、ダン、マナセの半部族の各領地から十の町が与えられました。 同様にゲルション氏族は、くじによってバシャンにある十三の町を譲り受けました。その町は初め、イッサカル、アシェル、ナフタリの各部族と、マナセの半部族に与えられたものでした。 メラリ氏族は、ルベン、ガド、ゼブルンの各部族から十二の町を譲り受けました。 モーセへの主のご命令どおり、これらの町と放牧地は、くじによって、レビ人に割り当てられたのです。

9-16 最初に割り当てを受けたのは、祭司、つまりレビ人のうちでもケハテ氏族の中のアロンの子孫でした。その領地の内訳を見ると、ユダとシメオンの部族から、次にあげる九つの町が、周囲の放牧地とともに与えられたのでした。まず、ユダの山地内の、避難用の町でもあるヘブロン。別名を、アナクの父アルバの名にちなんで、キルヤテ・アルバともいいます。ただし、町の畑と周辺の村々は、エフネの子カレブのものです。ほかに、リブナ、ヤティル、エシュテモア、ホロン、デビル、アイン、ユタ、ベテ・シェメシュ。

17-18 また、次にあげる四つの町と放牧地が、ベニヤミン族から譲られました。ギブオン、ゲバ、アナトテ、アルモン。 19 以上の合計十三の町が、アロンの子孫である祭司に与えられたのです。

20-22 ケハテの他の諸氏族は、エフライム族から、次の四つの町と放牧地を譲り受けました。避難用の町シェケム、ゲゼル、キブツァイム、ベテ・ホロン。

23-24 ダン部族からは、次にあげる四つの町と放牧地が譲られました。エルテケ、ギベトン、アヤロン、ガテ・リモン。

25 マナセの半部族は、タナク、ガテ・リモンの町と周囲の放牧地を譲りました。 26 以上、ケハテの他の諸氏族が受けた町と放牧地の数は、全部で十に上ります。

27 レビ人に属するゲルション氏族は、マナセの半部族から、次の二つの町と放牧地を譲り受けました。バシャンにある避難用の町ゴラン、ベエシュテラ。

28-29 イッサカル族は、次の四つの町と放牧地を譲りました。キシュヨン、ダベラテ、ヤルムテ、エン・ガニム。

30-31 アシェル族は、次の四つの町と放牧地を譲りました。ミシュアル、アブドン、ヘルカテ、レホブ。

32 ナフタリ族は、次の三つの町と放牧地を譲りました。ガリラヤにある避難用の町ケデシュ、ハモテ・ドル、カルタン。

33 こうして、合計十三の町と放牧地がゲルション氏族の所有となったのです。

34-35 レビ人のもう一つの氏族であるメラリ氏族には、ゼブルン部族から、次の四つの町と放牧地が譲られました。ヨクネアム、カルタ、ディムナ、ナハラル。

36-37 ルベン族は、次の四つの町と放牧地を譲りました。ベツェル、ヤハツ、ケデモテ、メファアテ。

38-39 ガド族は、次にあげる四つの町と放牧地を譲りました。避難用の町ラモテ、マハナイム、ヘシュボン、ヤゼル。

40 これでメラリ氏族は、合計十二の町を与えられたことになります。

41-42 レビ人に与えられた町と放牧地の数は、全部で四十八でした。

43 このようにして主は、イスラエルの先祖に約束した地をすべてイスラエル人に与えました。そこで、人々はその地を占領して住みついたのです。 44 約束どおり平和が訪れ、立ち向かって来る敵は一人もいませんでした。敵という敵はすべて、主の助けによって滅ぼし尽くしたからです。 45 主がイスラエルに約束された良いことはみな、そのとおりに実現したのです。

ヨルダン川東側の部族の帰還

22 さてヨシュアは、ルベンとガドの各部族、マナセの半部族からなる一隊を召集し、 2-3 こう語りました。「みんな、主のしもべモーセの命令をよく守ってくれた。また、私が語った主の命令も、ことごとく守ってくれた。戦闘がこんなに長引いたにもかかわらず、仲間の部族を見捨てず、よく戦ってくれた。 今われわれは、主のお約束どおり、勝利と安息を手に入れたのだ。さあ今、主のしもべモーセが与えた、あのヨルダン川の向こうの地へ帰るがよい。 これからも、モーセが与えたすべての律法を守り続けなさい。いのちの限り主を愛し、あなたがたのための主の計画に従い、主にすがり、主に熱心に仕えなさい。」 ヨシュアは彼らを祝福し、各自の領地へ帰らせました。

7-8 マナセ部族の場合は、その半分に、モーセがバシャンの地を割り当ててありましたが、他の半分は、ヨルダン川の西側の土地を与えられました。ヨシュアは彼らを送り出すに当たり、祝福し、彼らが得た莫大な富、すなわち家畜、金、銀、青銅、鉄、衣服などの戦利品を持たせてやり、帰ったら同胞と分け合うように指示しました。

それで、ルベンとガドとマナセの半部族は、カナンの地のシロでイスラエル人に別れを告げ、ヨルダン川を渡って自分の地であるギルアデの地へ向かいました。 10 ところがヨルダン川を渡る寸前、まだカナンの地にいる時、彼らは、だれの目にも留まるほど大きな、祭壇をかたどった記念碑を建てたのです。 11 このことを伝え聞いた他のイスラエル人は、 12 シロに全軍を集結し、戦いを交える構えを見せました。 13 それで、まず祭司エルアザルの子ピネハスを団長とする代表団を送ることにしたのです。一行はヨルダン川を渡り、ルベン、ガド、マナセの各部族と話し合うことにしました。 14 この代表団には、十部族の族長の家から一人ずつ、十人が加わっていました。

15 ギルアデに着いた一行は問いただしました。 16 「主の国民である私たちは、なぜ君たちがイスラエルの神に罪を犯すようなまねをしたのか、ぜひとも知りたい。なぜ主から離れ、反逆のしるしである祭壇を築いたのだ。 17-18 私たちがかつてペオルで犯した罪を覚えているか。そのために、あれほど大きな災いが下ったというのに、まだあの罪はぬぐい去られていなかったというわけか。あんなことなど問題ではないと言うつもりか。それで、また反抗するのか。わかっているのだろうか。君たちが今日、主に反逆すれば、明日、全員に主の怒りが燃え上がるだろう。 19 この地が汚れているので祭壇が必要だというのなら、川向こうの幕屋のある私たちの地に来るがよい。私たちの土地を君たちと共有にしてもかまわないのだ。主の祭壇はただ一つだ。ほかに祭壇を築いて、主に反逆するようなまねはやめなさい。 20 まさか忘れてはいないだろう。ゼラフの子アカンのことだ。彼一人が罪を犯したために、イスラエルの全国民がきびしく罰せられたではないか。」

21 こう言われて、ルベンとガドとマナセの半部族の人々は弁明しました。 22-23 「神の神、主に誓って申し上げます。私たちは反逆するつもりで祭壇を築いたのではありません。主はご存じです。皆さんにもわかってほしいのですが、私たちは、焼き尽くすいけにえや、穀物の供え物や、和解のいけにえをささげるために祭壇を築いたのではありません。もしそうなら、幾重にも主にのろわれますように。

24-25 実は、イスラエルの神、主を愛すればこそ、このようにしたのです。それに将来、私たちの子どもが皆さんの子どもから、こう言われはしないかと心配だったのです。『どんな権利があって、おまえたちはイスラエルの神様を礼拝するのだ。おまえたちと僕らは別々なんだ。主がちゃんとヨルダン川という境界を置いていらっしゃるではないか。おまえたちなんか主の民ではない』と。実際、息子の代になってから、私たちの子どもが主を礼拝するのをはばまれるかもしれませんから。 26-27 ですから、私たちも焼き尽くすいけにえや和解のいけにえ、その他のいけにえをささげて主を礼拝できることを、私たちと皆さんとの子どもに示す記念碑として、あの祭壇を築いたのです。そうすれば、私たちの子孫が、『おまえらなんか主の民ではない』などと言われることもないでしょう。 28 たとえそう言われても、胸を張って答えることができます。『僕らの先祖が、主の祭壇の型にならって作った、この祭壇を見てくれ。これは焼き尽くすいけにえや、その他のいけにえをささげるつもりのものではない。ただ、僕らと君たちが、共に神様と結び合わされた者どうしであることのしるしなのだ。』 29 焼き尽くすいけにえや穀物の供え物、その他のいけにえをささげる祭壇を築いて、主から離れたり、反逆したりするなんて、とんでもない。ありえないことです。いけにえをささげる祭壇は、幕屋の前にある祭壇だけなのですから。」

30 祭司ピネハスと随員は、ルベン、ガド、マナセの各部族から事情を聞いて、安堵しました。 31 ピネハスはこう言いました。「本日、私たちの真ん中には主がおられることが明らかになった。なぜなら君たちは、こちらが懸念したような主への罪を犯していないのだから。いやむしろ、私たちを滅びから救ってくれたのだ。」

32 ピネハスと十人の代表は、帰って一部始終を報告しました。 33 イスラエル人はみな大喜びし、神をほめたたえ、二度とルベンやガドの部族と戦おうとは言わなくなりました。 34 一方、ルベンとガドの人々は例の祭壇を、「私たちにとっても彼らにとっても、主が神であることの証拠だ」と言って、「あかしの祭壇」と名づけました。

ヨシュアの告別説教 

23 主がイスラエルを敵から守り、彼らに勝利を与えてから、かなりの年月がたち、ヨシュアも老人になりました。 彼は、イスラエルの指導者である長老、裁判官、長たちを呼び、語りました。「私も、もう年をとった。 あなたがたは、私の生涯を通じて、主があなたがたのためにどれほどのことをしてくださったか、つぶさに見てきたはずだ。敵と戦い、この地を分け与えてくださったのもあなたがたの神、主である。 4-5 見てのとおり、私は、すでに征服した国々だけでなく、まだ征服していない国々をも各部族に分配した。ヨルダン川から地中海に至る全地域はあなたがたのものだ。主が必ず、現在そこに住んでいる人々を一掃し、約束どおり、あなたがたが住めるようにしてくださる。 ただ、モーセの律法に記されたことは、一つ残らず守りなさい。少しでも違反してはならない。 この地になお残っている異教の民とは、断じて交わってはならない。その神々の名を口にしてもいけない。まして神々によって誓ったり、礼拝したりすることなど、あってはならない。 ただ、今まで同様、主にのみ従いなさい。 主が、目の前の強大な国を次々と追い払ってくださった以上、もうだれ一人、立ち向かう者はいない。 10 あなたがたは一人で千人を向こうに回して戦うことができる。主が約束どおり、あなたがたに味方して戦ってくださるからだ。 11 心して、いつまでも主を愛し続けなさい。 12 もし主を愛さず、周辺の民と結婚したりするなら、 13 しっかり覚えておきなさい。主は、敵であるその住民をこの地から追い出すのをやめられるだろう。それどころか、彼らの存在はあなたがたにとって罠となり、落とし穴となる。また、わき腹を打つむち、目を刺すとげとなる。そしてついには、あなたがたのほうが主の与えてくださったこの良い地から消え失せることになるのだ。

14 まもなく私は、世の人々の例にならい死を迎えるだろう。よくわかってくれていると思うが、主のお約束はすべて実現した。 15-16 だが主は、約束どおり良いものを与えてくださったのと同じ確かさで、あなたがたが従わない場合には、災いを下す方である。ほかの神々を拝んだりすれば、この地から抹殺されることになる。主の怒りが燃え上がれば、たちどころに滅ぼされてしまうのだ。」

シェケムでの契約の更新

24 次にヨシュアはイスラエル人全員を、指導者である長老、裁判官、長たちとともに、シェケムに召集しました。全部族が神の前に立った時、 ヨシュアは次のように告げました。「イスラエルの神、主は、こうお語りになった。

『もともとあなたがたの先祖たち、アブラハムやナホルの父テラはユーフラテス川の東に住み、ほかの神々を礼拝していた。 しかし、わたしはあなたがたの父祖アブラハムをユーフラテス川の向こうから連れ出し、カナンの地に導き入れ、その子イサクから多くの子孫が生まれるようにした。 イサクが授かった息子はエサウとヤコブだ。エサウにはセイル山周辺の地域を与えたが、ヤコブとその子どもたちは、エジプトへ下って行った。

その後、わたしはモーセとアロンを遣わし、エジプトに大災害をもたらした。そうして、エジプトからわたしの民を解放しようと連れ出した。 ところが、紅海まで来た時、エジプト人が戦車と騎兵で追いかけて来たのだ。 その時、イスラエル人がわたしに助けを叫び求めたので、わたしはイスラエル人とエジプト人との間に暗闇を置き、海を彼らに襲いかからせておぼれさせた。あなたがたイスラエル人はこの出来事を、その目でしっかりと見たあと、長い間、荒野で暮らした。

そして、ついにわたしは、ヨルダン川の東側、エモリ人の住む地にあなたがたを連れて行った。エモリ人は抵抗したが、わたしは彼らを滅ぼし、その地をあなたがたに与えた。 ついで、モアブの王バラクがイスラエルに宣戦布告をした。バラクは、ベオルの子バラムを呼び、あなたがたにのろいをかけようとたくらんだが、 10 わたしはバラムの願いなどに聞く耳を持たず、かえってあなたがたを祝福させた。こうしてイスラエルはバラクの陰謀から救われたのだ。

11 次にいよいよ、あなたがたはヨルダン川を渡ってエリコまで来た。エリコの住民は対抗して戦った。ほかにも、ペリジ人、カナン人、ヘテ人、ギルガシ人、ヒビ人、エブス人が同じように応戦してきた。しかし、入れ替わり立ち替わり立ち向かって来る敵を、わたしは全滅させた。 12 また、あなたがたの前にくまばち(神への恐れ)を送り、エモリ人の二人の王とその国民を追い散らしたこともあった。勝利をもたらしたのは、剣でも弓でもなかった。 13 わたしは、あなたがたが手に入れるために自ら労したわけでもない地と、自ら建てたわけでもない町々とをあなたがたに与えた。今住んでいるこれらの町々がそうだ。また、あなたがたの手で植えもしなかったぶどう畑とオリーブ畑から、わたしはあなたがたに食べ物を与えた。』

14 まさに、おことばのとおりだ。だから主を恐れかしこみ、誠心誠意、お仕えしようではないか。ユーフラテス川の向こうやエジプトで、先祖が拝んでいたような偶像とはきっぱり縁を切りなさい。ただ主に仕え、主を礼拝しなさい。 15 もし主に従いたくなければ、たった今、だれに従うかを決めなさい。ユーフラテス川の向こうで先祖が拝んでいた神々であろうが、この地に住むエモリ人の神々であろうが、好きに選ぶがいい。しかし、私と私の家族とは、あくまでも主に仕える。」

16 すると、民は言いました。「私たちが主を捨てて、ほかの神々を拝むなどありえないことです。 17 私たちの神、主は、エジプトで奴隷だった先祖を救い出してくださったお方ではありませんか。そして、荒野を旅する間にも、私たちの目の前で数々のくすしいわざを見せてくださったお方です。また、敵地を進む私たちを、いつも守ってくださいました。 18 エモリ人をはじめ、この地の全住民を追い出してくださったのも主です。もちろん、私たちは主に従う道を選びます。私たちにとって、神様は主おひとりだけですから。」

19 「いや、あなたがたは主に仕えきることはできないだろう。主は聖なるお方であるばかりか、ねたむお方なのだ。だから、あなたがたの反逆や罪を決してお見逃しにはならない。 20 もし主を捨てて、ほかの神々を拝むようなことでもあれば、たとえこうして長い間心にかけていただいたあなたがたでも、手加減はなさらない。」

21 しかし、民は断言しました。「私たちは主に従います。」

22 「今言ったことをほんとうに守れるのか。あなたがたは主に従う道を選んだのだ。」

「はい、私たち自身が証人です。」

23 「よろしい。では、今あなたがたのうちにあるすべての偶像を除き去りなさい。そして、イスラエルの神、主に従いなさい。」

24 「はい。主おひとりを礼拝し、ひたすらお従いいたします。」

25 ヨシュアはその日、シェケムで人々と契約を結びました。こうしてイスラエル人は、主と永遠の契約を結んだのです。 26 ヨシュアは、人々の応答を神の律法の書に記し、その記念として大きな石を取り、幕屋のそばにある樫の木の下にそれを立てました。 27 それから、人々を見渡して言いました。「この石は、主がお語りになったことをすべて聞いた。もしあなたがたが自分たちのことばに背くなら、この石が証人として罪を告発することになる。」

28 このあとヨシュアは、各部族をそれぞれ割り当てた地へ送り出しました。

ヨシュアの死

29 この後まもなくしてヨシュアは、百十歳で世を去りました。 30 遺体は、エフライムの山地、ガアシュ山の北側のティムナテ・セラフにある、彼の所有地に葬られました。

31 イスラエル人はヨシュアの存命中、主に従い続けました。その態度は、イスラエルのために行われた、主の驚くべきわざを目撃した長老たちが生きている間は変わりませんでした。

ヨセフの遺骨とエルアザルの葬り

32 エジプトを出る時、忘れずに携えて来たヨセフの遺骨はシェケムに葬られました。そこは、以前ヤコブが、ハモルの子から銀貨百ケシタ(羊百頭分に値する)で買い取った土地の一角でした。この地は、ヨセフ族に割り当てられた地域内にありました。

33 さらに、アロンの子エルアザルも世を去りました。彼はエフライム山中にある、彼の子ピネハスの所有する町ギブアに葬られました。

カナン人との戦い

ヨシュアの死後、イスラエルの民は主からの指示を仰ごうと尋ねました。「カナン人と戦うには、まずどの部族が出陣すればよいでしょうか。」 すると、「ユダ族が行きなさい。彼らに輝かしい勝利を約束しよう」と主は言いました。 そこで、ユダ族の指導者たちは、シメオン族に加勢を求めました。「私たちの割り当て地に住む者たちを追い払うのに力を貸してほしい。その代わり、あなたたちが戦う時には必ず応援するから。」そうして、シメオンとユダの軍隊は合流して出陣しました。

4-6 主の助けによって、彼らはカナン人とペリジ人を打ち破りました。このベゼクでの戦闘で、なんと一万人もの敵を打ったのです。アドニ・ベゼク王は逃げ出したものの、すぐ捕らえられ、手足の親指を切り取られました。 「わしもこうやって七十人もの王の親指を切り取り、わしの食卓から落ちるパンくずを食べさせたものだが、今、神はそのつけを回してこられたというわけか」と、ベゼク王は嘆きました。王はエルサレムへ連れて行かれ、そこで息を引き取りました。

ユダ族はエルサレムを占領し、住民を打ち、町に火をかけました。 そののちユダの軍隊は、低地に住むカナン人を攻めたばかりか、山地やネゲブのカナン人とも戦いました。 10 また、以前キルヤテ・アルバと呼ばれたヘブロンにいるカナン人に向かって進撃し、シェシャイ、アヒマン、タルマイなどの町を滅ぼしました。

11 さらにそののち、以前キルヤテ・セフェルと呼ばれたデビルを攻めました。 12 カレブは、「だれか、率先してデビルを攻撃する者はいないか。占領した者には、私の娘アクサを妻として与えるぞ」と全軍に呼びかけました。 13 カレブの弟ケナズの子オテニエルが、先陣を志願してデビルを占領し、アクサを花嫁に迎えました。 14 アクサは嫁ぐ時、夫にそそのかされて、贈り物としてもっと土地をくれるよう父に求めました。彼女がろばから降りると、カレブは尋ねました。「どうした。何か欲しいものでもあるのか。」

15 アクサは答えました。「ネゲブの地は十分に頂いたのですけれど、できれば泉も頂きたいのです。」そこでカレブは、上の泉と下の泉を彼女に与えました。

16 ユダ族が、アラデの南方ネゲブの荒野の新天地に移った時、モーセの義父の子孫であるケニ族の人々も同行しました。彼らは、「なつめやしの町」と呼ばれたエリコを離れ、以後ずっといっしょに生活しました。 17 そののちユダ軍はシメオン軍の加勢を得て、ツェファテの町に住むカナン人を打ち、彼らを滅ぼしました。今でも、その町はホルマ〔「絶滅」の意〕と呼ばれています。 18 ユダ軍はさらに、ガザ、アシュケロン、エクロンの町々と周辺の村々を手中に収めました。 19 主の助けがあったので、山地一帯の住民を滅ぼすことができたのです。ただ、谷の住民は鉄の戦車を持っていたので、征服できませんでした。 20 ヘブロンの町は、主の約束どおりカレブの手の中に落ちました。カレブは、そこに住むアナクの三人の息子を追い出しました。

21 ベニヤミン族は、エルサレムに住むエブス人を根絶やしにできませんでした。それでエブス人は、今でもイスラエル人といっしょに住んでいます。

22-23 ヨセフ族も、以前ルズと呼ばれたベテルの町を襲撃しました。主はヨセフ族とともにいました。まず、偵察隊が派遣され、 24 彼らは町から出て来た男を捕まえ、「町の城壁の出入口を教えてくれたらいのちを助けよう」と持ちかけたのです。 25 男が町に入る方法を話したので、ヨセフ族は町に攻め込み、全住民を打ちました。もちろん、その男と彼の家族だけは助かりました。 26 のちに、その男はヘテ人の地に町を建て、ルズと名づけました。今も知られているとおりです。

27 マナセ族は、ベテ・シェアン、タナク、ドル、イブレアム、メギドとその周辺の町々の住民を追い出すことに失敗しました。それでカナン人は、その地にとどまり続けました。 28 のちにイスラエルは強大になりましたが、カナン人を奴隷として働かせることはあっても、追い出すことはしませんでした。 29 ゲゼルに住むカナン人についても同じです。彼らは今もなお、エフライム族に混じって生活しています。

30 ゼブルン族も、キテロンとナハラルの住民を滅ぼすには至らず、奴隷として働かせました。

31-32 アシェル族は、アコ、シドン、マハレブ、アクジブ、ヘルバ、アフェク、レホブの住民を追い出しませんでした。それでイスラエル人は、今なお、原住民であるカナン人といっしょに住んでいます。

33 ナフタリ族は、ベテ・シェメシュとベテ・アナテの住民を追い出しませんでした。彼らは奴隷として、イスラエル人に混じって暮らし続けました。

34 ダン族の場合は、エモリ人に圧倒されて山地へ追いやられ、谷に降りることができませんでした。 35 しかし、のちにエモリ人は、ヘレス山、アヤロン、シャアルビムへと散在するにつれてヨセフ族に征服され、奴隷となりました。 36 エモリ人との境界線は、アクラビムの丘陵地帯から始まり、セラと呼ばれる地点を通り、そこから上の方に及びました。

主の使いの宣言

ある日、主の使いがギルガルから上って来てボキムに到着し、イスラエルの民に告げました。「わたしはあなたがたを、あなたがたの先祖との約束に従って、エジプトからこの地へ連れて来た。また、あなたがたと結んだ契約を決して破らないと宣言した。 ただし、それには条件があったはずだ。この地の先住民と友好契約を結んではならないという条件だった。この地の異教の祭壇を取り壊せと命じたではないか。それにもかかわらず、なぜ従わなかったのか。 あなたがたが契約を破った以上、もはや無効だ。もう、あなたがたの地に住む諸国民を滅ぼすとは約束できない。それどころか、あの人々はあなたがたの悩みの種となり、彼らの神々は常に誘惑となるだろう。」

主の使いが語り終えると、人々は声を上げて泣きました。 それでこの地は、ボキム〔「人々が泣いた場所」の意〕と呼ばれるようになったのです。人々はそこで主にいけにえをささげました。

主に背く新しい世代

ヨシュアがイスラエルの全軍を解散させると、各部族はそれぞれ新しい領地を目指して移動し、各自の所有地を手に入れました。 7-9 神の人ヨシュアは百十歳で世を去り、エフライム山中、ガアシュ山の北にあるティムナテ・ヘレスの自分の領地に葬られました。ヨシュアが生きている間、人々は主に忠実でした。彼の死後も、主がイスラエルに行った驚くべきわざを目撃した長老たちの存命中は、その態度に変わりはありませんでした。

10 ところが、ヨシュアと同世代の人々がみな世を去ると、あとの世代は彼らの神を主として礼拝せず、主がイスラエルのために行ったわざさえ関心を示さなくなったのです。 11 彼らは主に禁じられたことを次から次に行い、異教の神々を拝むことさえしました。 12-14 イスラエル人をエジプトから連れ出し、先祖たちが慕い礼拝してきた神、主を捨ててしまったのです。そればかりか、近隣諸国の偶像にひれ伏し拝んだので、主の怒りが全イスラエルに対して燃え上がりました。主に背を向け、バアルやアシュタロテのような偶像を拝むイスラエル人を、主は敵のなすままに任せたのです。

15 今や、彼らが敵と戦おうと出て行っても、主が行く手をはばむことになりました。こうなることは、主が前もって警告し、はっきり告げていたことでした。それでもなお、かつてない苦境に立たされた彼らを、 16 敵の手から救い出すために、主は士師(王国設立までの軍事的・政治的指導者)を起こしました。

17 しかしイスラエルは、その士師にさえ耳を貸そうとせず、ほかの神々を拝んで、主への信仰を捨て去りました。なんと早く、彼らは主の命令に従うことを拒み、先祖が歩んだ信仰の道から離れてしまったことでしょう。 18 どの士師も生涯を通して、イスラエルの民を敵の手から救い出しました。苦しみに押しつぶされそうな人々のうめきを聞き、主があわれんだからです。こうして主は、士師のいる間はイスラエルを助けました。 19 しかし、士師が死ぬと、人々はたちまち正しい道を捨て、先祖たちよりもいっそう堕落してしまったのです。人々は再び異教の神々に祈りをささげ、地にひれ伏して礼拝するようになりました。イスラエルの民はかたくなで、周辺諸国の悪習慣から抜け出すことができませんでした。

20 それで、主の怒りが再びイスラエルに対して燃え上がりました。「この民は、わたしが彼らの先祖と結んだ契約を踏みにじったので、 21 ヨシュアが死んだ時まだ征服していなかった民を、これ以上追い出すのはやめよう。 22 むしろ彼らを用いて、イスラエル人がほんとうに先祖にならってわたしに従うかどうか試すことにしよう。」

23 このように主は、これらの民を滅ぼすことを許さず、彼らをすぐにこの地から追い出さずに残したのです。

1-3 カナンで戦ったことのない、イスラエルの新しい世代を試すために、主がこの地に残しておいた諸国の民は次のとおりです。主はイスラエルの若者たちに、敵を征服することによって信仰と従順を学ぶ機会を与えようとしたのです。ペリシテ人の五つの町、カナン人、シドン人、バアル・ヘルモン山からレボ・ハマテまでのレバノン山系に住むヒビ人。 これらの民は新しい世代にとっての試金石となりました。モーセが与えた主の命令に、新しい世代が従うかどうかがはっきりするからです。

それでイスラエル人は、カナン人、ヘテ人、ヒビ人、ペリジ人、エモリ人、エブス人に混じって生活しました。 しかし、異民族を滅ぼすどころか、イスラエル人の若者は彼らの娘を妻にめとり、イスラエル人の娘たちも異民族の息子に嫁いだのです。やがてイスラエルの民は、異教の神々を拝むようになりました。

オテニエル

このように彼らは、彼らの神、主を裏切って、主の目に悪を行い、バアルやアシェラなどの偶像を拝んだのでした。 それで、主の怒りが燃え上がりました。イスラエルはメソポタミヤの王クシャン・リシュアタイムに征服され、八年間その支配に服することになったのです。 しかし、イスラエルが主に叫び求めると、主は救いの手を差し伸べ、カレブの甥オテニエルを遣わしました。 10 主の霊が彼を支配していたので、彼はイスラエルの改革と粛清を断行しました。その結果、オテニエルの率いるイスラエル軍がクシャン・リシュアタイム王の軍勢と対戦した時、主はイスラエルに加勢し、彼らに完全な勝利を収めさせたのです。

11 こうして、オテニエルが治めた四十年の間は平和が続きました。

エフデ

ところが彼が世を去ると、 12 イスラエルの民は再び罪を犯すようになりました。すると主はモアブの王エグロンに加勢し、彼らにイスラエルの一部を占領させました。 13 エグロン王と同盟を結んだのは、アモン人とアマレク人でした。同盟軍はイスラエルを破り、「なつめやしの町」と呼ばれたエリコを手に入れました。 14 こうしてその後十八年の間、イスラエルの民はエグロン王の圧制に苦しむことになったのでした。

15 イスラエル人が主に叫び求めると、主は、ベニヤミン人ゲラの子で左ききのエフデを救助者として立てました。エフデは、モアブの都に年貢を届ける務めに任じられていました。 16 彼は出発を前にして、長さ一キュビト(約四十四センチ)の両刃の短剣を作り、右ももに皮ひもでくくりつけて服の下に隠しました。 17-19 エグロン王はたいへん太っていました。貢ぎ物を渡すと、エフデは帰路につきました。ところが、町を出てギルガルの石切り場まで来た時、彼は同行の者を先に帰し、一人で王のもとへ戻ったのです。エフデは王に言いました。「王よ、内々に申し上げたいことがございます。」王はすぐに、お付きの者たちに座を外させ、二人きりになりました。 20 涼しい屋上の部屋に座っている王に歩み寄りながら、エフデは言いました。「実は、神のお告げがございまして……。」

王は、お告げを受けようと立ち上がりました。 21 すかさずエフデは左手を伸ばし、隠し持った短剣を抜き放ち、王の腹めがけて突き刺したのです。 22-23 短剣は柄までくい込んではらわたが流れ出し、刃は脂肪にふさがれて抜けなくなりました。すばやくエフデは部屋の戸に錠をかけ、階段伝いに逃げました。

24 戻って来た家来は部屋の戸に錠がかかっているので、王は用を足しているのだろうと思い、しばらく待っていました。 25 ところが、いつまで待っても王が戸を開けないので、心配になって開けてみると、なんと王は床に倒れて死んでいました。

26 その間にエフデは、石切り場を駆け抜けてセイラへ逃げました。 27 そして、エフライムの山地にたどり着くと、ラッパを吹き鳴らして兵を集め、全軍を指揮下に置いたのです。

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