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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
イザヤ書 29:1-41:18

ダビデの町への叱責

29 「ああ、ダビデの町エルサレムよ、
おまえは大きな災難に会う。
年ごとに、おまえは多くの供え物をささげる。
しかし、わたしが重い罰を加えるので、
泣き声と悲しみがあふれる。
「アリエル」というあだ名のとおり、エルサレムは血だらけの祭壇になるからだ。
わたしはおまえの敵となる。
エルサレムを包囲し、攻めたて、
周囲に要塞を築いて滅ぼす。
おまえの声は、埋められた地中から、
幽霊のようにかすかに聞こえるばかりだ。
だが残酷な敵も、あっという間に
もみがらのように吹き飛ばされる。
天の軍勢の主であるわたしは、雷と地震とつむじ風、
火をもって不意に彼らに襲いかかる。
エルサレムに戦いをいどむ国はすべて、
一夜の夢のように消え去る。
空腹の人が食事の夢を見ても
変わらず空腹であるように、
また、のどの渇いた人が水を飲む夢を見ても
変わらず渇きで苦しむように、
敵は勝利の夢を見るが、現実とはならない。」

あなたがたは信じられないのですか。
信じたくないのなら、かってに行動し、
見えない目で進んで行きなさい。
あなたがたは頭の働きが鈍くなりますが、
ぶどう酒に酔ったせいではありません。
足がふらつきますが、強い酒のせいではありません。
10 主が深い眠りの霊を注いだからです。
主が預言者や先見者の目をふさいだので、

11 将来の出来事のいっさいは、彼らにとって封をされた書物同然になりました。ですから、いくら読解力のある人に渡しても、「読めません。封がしてありますから」と答えます。 12 別の人に回すと、「残念ながら、私は文字を読むことができません」という返事です。

13 そこで主は語ります。

「この民は、口先ではわたしの民だと言いながら、
実際にはわたしに従っていない。
彼らの礼拝は、機械的に覚えた文句の反復にすぎない。
14 もう黙ってはいられない。
偽善者どもに思い知らせよう。
最高の知恵さえ、愚か者同然にしてしまおう。」
15 ああ、自分の計画を神に隠そうとする者、
陰で悪を行う者。
彼らは言います。
「神はこんなところまで目が届かない。
ここで何が起こっているかなど、
知っているわけがない。」
16 なんと愚かなことを言うのでしょう。
陶器師である神は、陶器にすぎないあなたがたより
偉くないのでしょうか。
あなたは神に向かって、
「あなたは私を造らなかった」と反抗するのですか。
機械がその考案者に、「あなたを解雇する」
と言うでしょうか。
17 もうしばらくすると、レバノンの荒野は
再び実り豊かな平野となり、
樹木が茂るよく肥えた森となります。
18 その日、耳の聞こえない人が書物のことばを聞き、
盲人は暗闇ごしに神の計画したことを見ます。
19 柔和な人は主からくる新しい喜びにあふれ、
貧しい人はイスラエルのきよい神によって
喜び踊ります。
20 弱い者をしいたげる者はいなくなり、
あざける者は断たれ、
悪事を企む者は一人残らず殺されます。
21 そういう者たちは、
ほんの少しのことにも言いがかりをつけては
けんかを売り、裁判になれば、
有罪の判決を下した裁判官を待ちぶせて
袋だたきにします。
あらゆる口実をもうけて不正を行うのです。

22 それゆえ、アブラハムを贖い出した主は、
こう語ります。
「わたしの民は恐れのあまり青ざめたり、
恥じ入ったりしない。
23 人口が急増し、経済が発展するのを見て、
わたしの名を恐れ、わたしをたたえるようになる。
24 間違いを犯していた者は真理を信じ、
不平ばかり言っていた者は、
進んで教えを受けるようになる。」

ファラオに頼ることのむなしさ

30 主は語ります。

「ああ、逆らってばかりいるわたしの子どもたち。
おまえたちは、わたし以外の者なら、
だれの忠告でも聞く。
しかも、これだけはしてもらいたくないことを、
平気でする。
不信者と手を結び、罪を重ねる。
わたしとは相談せず、助けを求めてエジプトへ下り、
ファラオの保護をあてにした。
しかし、ファラオをあてにすれば失望し、
屈辱を受け、恥がもたらされることは間違いない。
彼にはおまえたちを救う力などないからだ。
たとえ王の勢力がツォアンにまで及び、
おまえたちを歓迎する使者を
ハネスにまで遣わしても、
わずかな助けもできない。
おまえたちは恥をかくだけだ。
エジプトめざして、
恐ろしい荒野を進んで行く様子を思い浮かべよ。
エジプトの援助を買いつけるための宝物を積んだ、
ろばやらくだの列が進む。
ライオンやすばしこいまむしの住む地を越えて行く。
ところがエジプトは、何一つお返しをしてくれない。
エジプトは助ける力もない。
わたしはこの国を、『無気力なわに』と呼ぶ。

さあ、行って、
エジプトについてわたしが言ったことを書き記せ。
のちのちまで、イスラエルの不信仰に対する
起訴状として残しておくためだ。
そうでもしなければ、彼らは口をとがらせて、
『何ですって。神はただの一度だって、
そんな警告はしませんでした』と
文句を言うに違いない。
彼らは意地っぱりで、強情な反逆者だ。
10-11 神の預言者たちに向かって、彼らは言う。
『黙れ。おまえの言うことなど、
もう聞きたくもない』とか、
『ほんとうのことなど、どうでもいい。
耳ざわりのいいことだけを話してくれ。
うそでもかまわない。陰気くさいことはまっぴらだ。
「イスラエルのきよい神がこう言った」という
決まり文句はうんざりだ』と言う。」
12 イスラエルの聖なる神の返事はこうです。
「おまえたちはわたしの言うことを無視し、
根も葉もないことを信じて悔い改めようとしなかった。
13 それゆえ、災難が突然おまえたちを襲う。
ちょうど城壁にひびが入り、
がらがら音を立ててくずれ落ちるように、
あっという間の出来事だ。
14 わたしは皿を割るようにおまえたちを砕き、
少しも手かげんしない。
いろりから炭火を移したり、
井戸の水を少しでも運べるほどの破片も残らない。」
15 イスラエルのきよい神、主は、こう語ります。
「わたしに立ち返り、わたしの助けを
待ち望みさえすれば、おまえたちは救われる。
心を落ち着けて信頼することが、
おまえたちの力となるのだ。
ところがおまえたちは、そうしなかった。」
16 あなたがたは言います。
「とんでもないことだ。
さっそくエジプトの力を借りよう。
足の速い軍馬を提供してくれるはずだ。」
しかし実際に見るのは、
あなたがたを追いかける敵の速さだけです。
17 たった一人の敵に千人が追い回され、
わずか五人の敵で散り散りばらばらにされます。
こうしてあなたがたは、
遠くの山頂のまばらに生えた木のようになるのです。

18 しかし主は、あなたがたを愛し、
いつの日か、みもとに帰って来るのを待っています。
約束どおり、あなたがたをむりやりつかまえてでも
祝福しようと待ちかまえています。
主は約束は必ず守るお方なので、
主の助けを待ち望む人は幸いです。

19 エルサレムに住む私の民よ、もう泣くことはありません。神はあなたの叫びにこたえ、必ず恵みを与えるからです。 20 獄中でわずかなパンと水しか与えられないときでさえ、主はあなたのそばにいて教え導いてくれます。あなたは自分の目でその主を見ることができるのです。 21 あなたが神の道を離れて迷っても、うしろから、「そちらではない。こっちの道を歩きなさい」という声が聞こえます。 22 あなたは金や銀で造った偶像を打ち砕き、それらを手にするのも汚らわしい物のように、「消えうせろ」と言って投げ捨てるでしょう。

23 そののち、神は種まく時期には雨を、収穫時には黄金の穂波を、また乳牛には牧草をたっぷりと与えます。 24 畑を耕す雄牛や若いろばは、もみがらを除いたおいしい穀物を食べます。

25 神が乗り出して敵を滅ぼすとき、どの山や丘からも水が豊かに流れます。 26 主がご自分の民の傷をいやすときには、月は太陽のように明るくなり、太陽の光は七倍も明るく輝くのです。

27 主が怒りを燃え上がらせ、立ち上る濃い煙に包まれて

遠くから来る様子を見なさい。
口は激しい怒りの火を吐き、
ことばは炎のように何もかも焼き尽くします。
28 憤りは洪水のようにあふれ、
人も物も洗いざらい流し去ります。
神は思い上がった国々をふるいにかけ、
くつわをかけ、ほふり場へ連れて行きます。
29 しかし神の民は、聖なる祭りの晩のように、
心をこめて喜びの歌を歌います。
巡礼の一団が笛の音に合わせて、
イスラエルの岩である主の山へ
登って行くときのように、心をはずませます。
30 主が威厳ある声を響かせ、
怒りをこめて敵の頭上に力強い腕を振り下ろすとき、
燃える炎とつむじ風、
恐ろしい嵐と大きな雹の音となります。
31 主は恐ろしい声で、
以前は懲らしめの杖の役目をした
アッシリヤ人を罰するのです。
32 彼らが打たれるたびに、主の民は音楽を奏で、
歌を歌って喜びます。
33 アッシリヤのためには、
ずっと前から火葬のたきぎが高く積み上げてあります。
主の息が吹き上げる火山の火のように、
たきぎの山を一瞬のうちに燃やしてしまいます。

エジプトに頼る者への叱責

31 ああ、エジプトに助けを求めて走り、
イスラエルの聖なる神の指示を仰がず、
エジプトの強い騎兵と戦車をあてにする者。
神はご自分の知恵によって、
その民に大きな災難を下します。
しかも、お心を変えることがありません。
彼らの悪を決して見逃さず、
彼らの味方につく者も打ち倒します。
エジプト人はただの人間であって神ではありません。
その馬は取るに足らぬ動物で、
どんなものでも蹴散らす霊ではありません。
主がこぶしを振り上げると彼らはつまずき、
助けるはずだった人たちの間で倒れ、
どちらも滅んでしまいます。

4-5 しかし主は、こう語りました。

「ライオンが羊をかみ殺すときに、
羊飼いの叫び声や騒ぎなど気にもかけない。
さっと襲いかかって一気に食べる。
同じように、シオンの山の上で戦うわたしは、
おびえて逃げたりはしない。
わたしは天の軍勢の主だ。
鳥が巣の上を飛び回るように、
エルサレムの上空を舞う。
こうして都を守り、救い出す。」

それゆえ、私の民よ。反抗する者よ。神のもとへ帰りなさい。 やがて、あなたがたがみな、罪深い手で造った金や銀の偶像を捨てる、すばらしい日が来ます。

アッシリヤ人は滅びますが、

人の剣によってではありません。
「神の剣」が彼らを打ち倒すのです。
彼らはあわてふためいて逃げます。
屈強な若者は奴隷として引かれて行きます。
「イスラエルの軍旗を見ると、将軍たちさえ恐れて身震いし、
一目散に逃げる」と主は言います。
神の炎が、赤々とエルサレムに燃え上がるからです。

神は最後にご自分の民を救う

32 見よ。正義の衣をまとった王が、
忠実な部下を引き連れて来ます。
王はイスラエルを嵐と風から守ります。
イスラエルを砂漠を流れる川のようにし、
日照りで乾ききった地にある、
大きな岩の涼しい陰のようにします。
その時になって、
イスラエルの目は神に向かって大きく開かれ、
民は御声に耳を傾けます。
性急な者も沈着冷静になり、
口ごもる者もはっきり話せるようになります。
その時には、神を敬わない無神論者は
賞賛されません。
たとえ金持ちでも、人をだます者は、
りっぱな人とは呼ばれません。
だれもが見たとたん、これは悪人だとわかります。
偽善者は、もう誰もだませません。
神についてのうそも、飢えた人へのあざむきも、
一目瞭然だからです。
悪者の巧妙な手口も難なくあばかれます。
法廷で貧しい人を脅すための偽証も、
例外ではありません。
しかし、正しい人は他の人に寛大で、
何をしても神に祝福されます。

エルサレムの女

何もせずに怠けている女は、
私の言うことを聞きなさい。
その報いがどんなものか話してあげよう。
10 あと一年少しで、大変なことが起こります。
収穫期になっても作物がとれなくなるのです。
その時になってあわてても手遅れです。
11 女たちよ、のんきにかまえていないで、
無頓着な態度を改めなさい。
美しい服を脱ぎ、悲しみの日に備えて
荒布をまといなさい。
12 涙を絞って嘆きなさい。
よく肥えた畑は見る影もなくなり、
かつては実をいっぱいつけたぶどうの木は、
見る影もなくなるからです。
13 土地にはいばらや野ばらが生い茂り、
笑い声の絶えなかった家や、活気に満ちていた町は、
あとかたもなくなります。
14 宮殿や邸宅は荒れ果て、にぎわっていた町も
廃墟となります。
見張り塔のあった山の上では、
野生のろばややぎが草を食べるようになります。

15 しかしついには、天から御霊が注がれ、
再び見渡す限りの黄金の穂波が
見られるようになります。
16 その時、正義が全地を支配し、
17 正義が平和をつくり、
平穏と信頼がいつまでも続きます。
18 私の民はいっさいの危害から守られ、
静かに落ち着いて暮らします。
19 しかしアッシリヤは滅び、その町々は破壊されます。
20 神はご自分の民に豊かな祝福を注ぎます。
どこに種をまいても作物は豊富に実り、
牛やろばは緑の牧場で草を食べるのです。

絶望と救い

33 ああ、回りのものを手当たりしだいに破壊したが、
自分は痛い目に会ったことのないアッシリヤ人たち。
あなたがたは、人々には約束を守ることを
期待しながら、自分は彼らを裏切ります。
今度はあなたが裏切られ、滅ぼされる番です。
しかし主よ、私たちはあなたを待ち望んできましたから、
お心にかけてください。
毎日私たちの力となり、
苦難のときには救いとなってください。
主が大声を上げると、敵は逃げ、神が立ち上がると、
国々の民は散って行きます。
いなごが畑やぶどうの木を丸裸にするように、
エルサレムは、アッシリヤの敗残兵から奪い取ります。
主は偉大な方で、天に住み、
エルサレムを正義と恵みの住まいにします。
ユダのためには、あふれんばかりの救いが、
知恵と知識、それに神への尊敬とともに、
安全な場所に用意されています。

しかし今は、あなたがたの使者は
大いに失望して泣いています。
アッシリヤが和平の申し入れを退けたからです。
街道は荒れ果て、
旅人は裏道を遠回りしなければなりません。
アッシリヤ人は平和協定を破ります。
証人の前で取り決めた約束など
何も気にかけていないのです。
相手がだれであれ、手かげんしません。
イスラエル全土が苦難に巻き込まれます。
レバノンは滅ぼされ、シャロンは荒れ地となり、
バシャンとカルメルは略奪されます。

10 しかし主は宣言します。

「わたしは立ち上がり、大きな力を天下に示す。
11 おまえたちアッシリヤ人は、どれほどがんばっても、
何一つ手に入れることはできない。
かえって自分の息の炎で焼き殺されるだけだ。
12 自慢の軍隊は、いばらが切り払われ、火に投げ込まれるように、
焼かれて石灰になる。
13 遠い国々は、わたしのしたことを聞け。
近隣の国々は、わたしの力の偉大さを知れ。
14 わたしの民のうちの罪人は、
恐れに取りつかれて身震いし、口々に叫ぶ。
『すべてのものを焼き尽くす永遠の火の前に、
だれが立ちはだかれよう。』
15 それができるのは、
正直で公正な者、詐欺でもうけない者、
わいろが差し出されたとき、すぐに手を引っこめる者、
殺人の計画に耳をふさぐ者、
いっさいの誘惑に目をつむる者だ。
16 このような者は高い所に住む。
山の岩が、彼らを守る頑丈なとりでとなる。
食べ物は十分にあてがわれ、
欲しいだけの水が補給される。」

17 あなたの目は美しく着飾った王を見、
はるかかなたの御国を見ます。
18 また、アッシリヤの将校たちが
城壁の外で塔の数を数え、この都を占領したら
どれだけの分捕り物があるだろうかと考えていた、
あの恐ろしい時を思い浮かべます。
19 しかし彼らを見るのも、あとわずかです。
訳のわからないことばを話す荒くれ男たちは、
どこかへ行ってしまいます。
20 代わりにあなたがたは、
平和なたたずまいのエルサレムを見ます。
それは神を礼拝する場所で、
どんなことがあっても揺るがない都です。
21 栄光の主が大河となって私たちを守るので、
敵は一歩も近づけません。
22 主はさばく方、立法者、また王となって、
私たちを救います。
23 敵の船の帆は折れたマストに垂れ下がり、
船具は役に立ちません。
戦利品は神の民が分配し、
足の弱っている人も割り当てにあずかります。
24 イスラエルの民は二度と、
「病が重く、頼るものもない」とは言いません。
主が彼らの罪を赦し、彼らを祝福するからです。

諸国へのさばき

34 国々と、世界のすべてのものは、
私のことばを聞きなさい。
主の激しい怒りの炎が、
国々の軍隊に向けられたからです。
主は彼らを徹底的に打ち、
虐殺する者の手に渡します。
死体は放り出されたまま腐って、
悪臭が満ち、山々は血の海となります。
その時、天は溶けて巻物のように巻かれ、
星は木の葉や熟しきった実のように落ちて来ます。

「わたしの剣が天で一暴れしたあとどうなるか、
よく見ているのだ。
それは、わたしが滅亡の宣言をしておいた
エドム人の上に落ちる。
剣には血がしたたっている。
いけにえの子羊ややぎを裂いたときのように、
血をたっぷり吸っている。
わたしがエドムで大がかりないけにえをほふり、
大虐殺するからだ。
最強の勇士も倒れ、
若者も経験を積んだ者も共に滅びる。
地はたっぷり血を吸い、脂肪でよく肥える。
さあ、復讐の日だ。
エドムのイスラエルへの仕打ちに報復する時だ。
エドムの川には燃えるピッチがあふれ、
地は一面の火に包まれる。」
10 エドムのさばきは終わりがありません。
煙はいつまでも立ち上り、
地は何世代にもわたって荒廃します。
誰ひとり住みつく者もありません。
11 人間の代わりにペリカンや針ねずみが住み、
ふくろうやからすが巣を作ります。
神がこの地を見て、
滅ぼす以外にないと考えたからです。
そこの貴族たちのありさまを見て、
生きている資格はないと判断したのです。
その地は「虚無の地」と呼ばれ、
12 王子たちはみな姿を消します。
13 宮殿にはいばらが生い茂り、
要塞にはいらくさが一面に生えます。
こうして、山犬のねぐら、
だちょうの住みかとなるのです。
14 荒野の野獣が山犬といっしょになり、
その遠吠えが夜通し聞こえます。
夜の怪物はぶきみな叫び声を上げ、
悪鬼がそこを休み場にします。
15 蛇も巣を作って、卵を産み、
それをかえして、大事に育てます。
鳶のつがいもそこに来ます。
16 主の書を調べて、
主がこれからどうするかに目を留めなさい。
ただの一つも欠きません。
その地には、つがいでないものはいません。
主がそう命じ、主の御霊が、
そのとおりになるようにしたからです。
17 主はこの地を調べて区分し、
これらの生き物の住みかと定めました。
彼らは、代々にわたって、この地を所有します。

救われた者の喜び

35 その日には、荒野や砂漠さえ喜びます。
荒野には花が咲き乱れます。
いっせいに花が咲き競い、
歌声と喜びの声がわき上がります。
荒野はレバノン山のように緑に囲まれ、
カルメル山の牧場やシャロンの牧草地のように、
美しい景色になります。
そこは神の栄光の舞台となるからです。
この良い知らせで、絶望した人を元気づけ、
怖がっている人を励ましなさい。
「さあ、元気を出しなさい。怖がることはありません。
神が敵を滅ぼしに来ます。
あなたがたを救いに来ます」と伝えなさい。
神が来れば、盲人の目は見えるようになり、
耳の聞こえない者の耳は聞こえるようになります。
足の不自由な者は鹿のように跳びはね、
口のきけなかった者は大声で叫び、歌います。
荒野には泉がわき、砂漠には川が流れます。
乾いた地は池となり、
日照りのために地割れした所から水がわき上がります。
荒野の山犬の住みかは、葦やいぐさの茂みになります。
かつては荒野だった所に主要道が通ります。
それは「聖なる道」と呼ばれ、
心の汚れた者は通れません。
神が共に歩むので、
どんなに愚かと言われる人でも道に迷いません。
道にライオンが潜んでいることもなく、
危険な目に会うこともありません。
罪を赦された者だけが、そこを通ります。
10 彼らは喜び歌いながら、
この道を通ってシオンへ帰るのです。
悲しみもため息もみな過去のものとなります。
あるのは、喜びと楽しみだけです。

セナケリブ、エルサレムを脅かす

36 ヒゼキヤ王の治世の第十四年に、アッシリヤの王セナケリブがユダの要塞化された町々を残らず占領しました。 それからだいぶたってからのことです。王はラキシュから大軍をつけて使者を送り、エルサレムのヒゼキヤ王と交渉させました。使者の一行は、布さらしの野を通る道のほとりの、上の貯水池の出口近くに陣を張りました。 ヒルキヤの子でイスラエルの首相のエルヤキム、王の書記官シェブナ、それにアサフの子で王の秘書官のヨアフが休戦交渉の委員となり、彼らに会いに出かけました。 使者は、次のようなヒゼキヤ王への伝言を突きつけました。

「アッシリヤの大王は、エジプトのファラオの助けをあてにするのは愚か者だと仰せになっている。 ファラオの約束など、ぼろきれ同然だ。口先だけでは勝てない。それなのに、おまえは彼の助けをあてにし、私に手向かった。 エジプトは危険な同盟軍だ。何をしでかすかわかったものじゃない。寄りかかってきたら手を刺してやろうと、杖の先をとがらせて待っている。忘れるな、今までこの国に助けを求めた者は、例外なくひどい目に会ったのだぞ。 ひょっとしたらおまえは、『われわれは神にお頼りしている』と殊勝なことを言うかもしれない。だが、よく考えてみろ。その神にしてからが、ヒゼキヤ王が丘の上の神殿や祭壇を片っ端から壊したあげく、ユダの民に、エルサレムの祭壇の前でだけ拝めと命じた、あの神ではないか。 8-9 わが主君、アッシリヤの大王は、ちょっとした賭けをしたいと言っておられる。どうかな、そちらの兵は二千とは残っていまい。もし残っていたら、大王は二千頭の馬をくれてやろうとおっしゃる。それで編成した、吹けば飛ぶような軍隊では、わが軍の一番弱い部隊ですら撃退できまい。エジプトの助けなどあてにならないからだ。 10 それだけではない。そもそも、ここまでわざわざ出かけて来たのも、主がこの国を占領せよと言ったからだ。『さあ、行って、ユダを滅ぼせ。』そう、神は言ったのだ。」

11 これを聞いたエルヤキムとシェブナ、それにヨアフは、使者に頼みました。「私どもはアラム語(当時の国際共通語)がよくわかります。どうか、ヘブル語でなくアラム語で話してください。城壁の上にいる者たちに聞かれたくありませんので……。」 12 ところが、相手はますます居丈高に答えました。「大王は、おまえたちだけでなくエルサレム中の者に知らせたいと思っておられるのだ。おまえたちが降伏しなければ、この都はすっかり包囲され、だれもが飢えと渇きに我慢できなくなって、自分の糞を食べ、自分の尿を飲むようになることを知らせたいと。」

13 こう言うと、城壁の上で聞き耳を立てているユダヤ人たちに、大声でどなりました。「アッシリヤの大王のおことばを、よおく聞け。大王はこう仰せだ。 14 『ヒゼキヤにだまされるな。彼がどんなにもがいても、おまえたちを救えない。 15 神を信じろ、神がついていれば、アッシリヤ王に征服されることはないと言われても、耳を貸すな。 16 ヒゼキヤの言うことを聞くな。大王はすばらしい条件を出しておられる。さあ、降伏のしるしに貢ぎ物を出せ。門を開けて出て来い。そうすれば、もれなく畑と庭と飲み水を与え、 17 いずれ、こことよく似た国へ連れて行ってやろう。穀物もぶどうもよく取れる、豊かな国だ。 18 気休めにすぎないヒゼキヤのことばにつられて、こんなすばらしい特権をふいにするな。これまでに、大王の無敵の軍隊を負かした神々がいたか。 19 ハマテやアルパデがどんな目に会ったか覚えているだろう。彼らの神々は彼らを救ったか。セファルワイムとサマリヤの場合はどうだ。今、彼らの神々はどこにいる。 20 これらの国々の神が、私の手から人々を救い出したか。そんな例があったら、その神の名を挙げてみろ。なのに、おまえたちの神に限ってエルサレムを救えるとでも考えているのか。頭を冷やして、よく考えてみることだ。』」

21 人々は押し黙ってひと言も答えません。ヒゼキヤがそう命じておいたからです。 22 首相のエルヤキム、王の書記官シェブナ、それに王の秘書官ヨアフは、絶望のしるしに、着ている服をずたずたに裂き、ヒゼキヤのところへ帰って一部始終を報告しました。

エルサレム解放の預言

37 王は会談の結果を聞いて王服を裂き、屈辱と嘆きを示して、目のあらい布を身にまといました。それから、祈るために神殿に行きました。 一方、首相のエルヤキム、王の書記官シェブナ、それに年長の祭司たちにも同じような格好をさせ、アモツの子である預言者イザヤのところへ行かせたのです。 彼らは王のことづけを伝えました。「今日は苦しみと懲らしめと侮辱の日です。女が子を産もうとしてひどく苦しんでいるのに、なかなか産み落とせないような日です。 4-5 おそらくあなたの神である主は、アッシリヤの王の使者の、あの聞くに耐えないののしりをお聞きになったと思います。神がこのままで済ますはずはありません。あんな暴言を吐いたやつを責めるでしょう。お願いですから、ここに残っているわれわれのために祈ってください。」

「わかりました。王様に神のおことばを取り次ぎなさい。アッシリヤの王の家来の脅しと暴言で取り乱してはいけない。 アッシリヤから王のもとへ、帰国しなければならない急な知らせが届く。王は国へ帰り、そこで殺される。すべてわたしが手はずを整えたのだ。」

8-9 アッシリヤの使者はエルサレムを離れ、ラキシュに続いてリブナを攻撃中の王と相談するため道を急ぎました。ところが、アッシリヤの王はちょうどこの時、エチオピヤの皇太子ティルハカが軍隊を率いて向かって来るとの知らせを受けたのです。これを聞くと、もう一度エルサレムへ使いをやり、ヒゼキヤに手紙を渡しました。 10 「おまえは、エルサレムは私の手に渡さないとか、偉そうな口をたたいておるが、おまえの信じている神にごまかされるな。 11 私の行く先々でどんなことが起こったかを思い出せ。刃向かう者は手当たりしだいに押しつぶしてきた。自分だけは例外だと思うのか。 12 ゴザン、カラン、レツェフの町々、それにテラサルにいるエデンの住民が神々に救い出されたか。とんでもない! 彼らは皆殺しにされた。 13 ハマテの王、アルパデの王、セファルワイム、ヘナ、イワの町々の王の最期がどうであったか、忘れないことだ。」

ヒゼキヤの祈り

14 ヒゼキヤ王はこの手紙を読み終えると、すぐさま神殿に駆けつけ、主の前に手紙を広げ、 15 こう祈りました。 16-17 「天の軍勢の主、ケルビム(契約の箱を守る天使の像)の上におられるイスラエルの神よ。あなただけが世界でただひとりの神です。あなただけが天と地をお造りになりました。どうか今、私の願いをお聞きください。祈っている私に目を留めてください。ごらんください。これがセナケリブ王の手紙です。王は生きておられる神をあざけりました。 18 手紙にもあるように、王が国々を滅ぼしたのは事実です。 19 そして国々の神を火に投げ入れました。みな神とは名ばかりで、人間が木や石で造った偶像にすぎませんが。だからアッシリヤ人は、難なくこれらの神々の息の根を止めることができたのです。 20 ああ神よ、世界中の国が、あなただけが神であることを知るためにも、どうか私たちをお救いください。」

セナケリブの敗北

21 その時、アモツの子イザヤは使いをやり、ヒゼキヤ王にことづけを伝えました。「イスラエルの神、主のお告げがありました。主は、あなたがアッシリヤの王セナケリブのことで祈るのを、お聞きになりました。 22 彼についてのお告げはこうです。

よるべのないシオンの処女の娘であるわたしの民は、おまえを軽蔑し、笑い者にし、さげすんで頭を振る。
23 おまえがののしり、あざけった相手はだれか。
おまえはだれに毒づいたのか。
だれに高ぶり、言ってはならぬことを口にしたのか。
イスラエルの聖なる神、わたしにではないか。
24 おまえは使いをよこして、わたしをあざけった。
そして得意になって語った。
『私は強力な軍勢を引き連れ、西の国々を攻めた。
そびえるレバノン杉と良質の糸杉を切り倒した。
高い山々を征服し、密林を踏みにじった』と。
25 おまえは、征服した地に多くの井戸を掘ったことを自慢している。
エジプトが全軍をあげてかかっても、おまえには歯が立たない。
26 だが、こうなるように昔から決めていたのは、このわたしだ。
まだそのことに気づかないのか。
大昔からこのような力を与えておいたのは、わたしだったのだ。
おまえが城壁に囲まれた町々を瓦礫の山にしたのは、わたしの計画で実現させたのだ。
27 だからこそ、おまえが攻めた国々の住民は弱く、やすやすと餌食になったのだ。
彼らは草のように無力で、容易に踏みにじられる新芽のようにもろく、屋根の草のように、太陽に当たると黄色くしなびた。
28 わたしはおまえをよく知っている。
あらゆる行動が手に取るようにわかる。
わたしに向かっていきりたったのも知っている。
29 神にいどみかかるとは何事だ。
わたしは暴言を全部聞いた。
もう黙ってはいない。
おまえの鼻に鉤をかけ、口にはくつわをはめて、もと来た道を引き返させる。」
30 続いて神は、ヒゼキヤに言いました。
「この都をアッシリヤの王から救い出すのはわたしであるという証拠を見せよう。
今年、彼は包囲を解く。
種をまくには遅すぎるので、今年の秋は落ち穂から生えたもので我慢しなければならない。
だが来年は、まずまずのところまで持ち直し、二年先には、以前のように豊かな暮らしができる。
31 ユダにいるあなたがたはまた自分の土地に住み、繁栄し、増え広がる。

32 生き残った者がエルサレムを出て再び定住するからだ。

わたしが、これらのことをみな実現する。
33 アッシリヤ軍はエルサレムに侵入しない。
矢を放ち、城門の外に迫り、城壁沿いにとりでを築くこともしない。
34 もと来た道を引き返す。
この都に入ることは絶対にない。
35 わたしの名誉にかけて、また、わたしの忠実なしもべダビデのためにも必ずここを守る。」

36 その夜、主の使いがアッシリヤ軍の陣営に出て行って、十八万五千人の兵士を打ちました。翌朝、何も知らずに目を覚ました者たちの前には死体が累々と横たわっていました。 37 アッシリヤの王セナケリブは、自分の国のニネベへ逃げ帰りました。 38 そののち、彼が守護神ニスロクの神殿で拝んでいた時、息子のアデラメレクとサルエツェルが、いきなり剣を抜いて切りかかって彼を殺しました。二人はアララテの地へ逃げました。こうして、別の息子エサル・ハドンが王になったのです。

ヒゼキヤの病といやし

38 この出来事の少し前、ヒゼキヤは死の病に取りつかれました。そこへアモツの子である預言者イザヤが来て、主のことばを伝えました。「あなたはもう長くない。身の回りを整理しておきなさい。治る見込みはない。」 ヒゼキヤはこれを聞いて顔を壁に向け、必死に祈りました。 「ああ神よ、お忘れになったのですか。あんなに真実を尽くし、いつも言いつけに従おうと努力してきましたのに。」王は肩を震わせ、大声で泣きました。

それを見て、主はイザヤに告げました。 「さあ行って、ヒゼキヤに言ってやりなさい。『あなたの父祖ダビデの神である主は、確かにあなたの祈りを聞いた。あなたの涙を見て、あと十五年いのちを延ばすことにした。 あなたとこの都をアッシリヤ王の手から救い出し、あなたを守る、と主は言われる。 7-8 その保証として、アハズの日時計の目盛りを十度あとに戻す。』」

すると、日時計に落ちる日の影は十度あと戻りしました。

ヒゼキヤは元気になると、この経験を詩にまとめました。

10 「まだ働き盛りだというのに、
いっさいをあきらめなければならないのか。
これからの歳月は奪い取られ、
よみの門に入ろうとしている。
11 もう二度と、
生きている人の国で主を見ることはないだろう。
この世で友人の顔を見ることもない。
12 私のいのちは、羊飼いの天幕のように
風で吹き飛ばされ、機を織る人が中途で
手を止めるように中断された。
私のいのちは、たった一日で消えていく。
13 私は夜通しうめいた。
まるでライオンに引き裂かれるような苦しみだ。
14 私は錯乱状態になり、
雀のようにさえずり、鳩のようにうめいた。
助けを求めて上を見続けていたので、
目はすっかりかすんでしまった。
私は叫んだ。『ああ神様、助けてください。
苦しくてたまりません。』
15 しかし、私に何を言うことができよう。
私を病気にしたのは主なのだから。
苦しさのあまり眠ることもできない。
16 『主よ、あなたの懲らしめは益となり、
いのちと健康に導きます。
どうか病気を治し、私を生かしてください。
17 今やっとわかりました。
この苦しい経験は、みな私のためだったのです。
神が愛をもって私を死から救い出し、
いっさいの罪を赦してくださったからです。
18 死人はあなたを賛美できません。
そこには希望も喜びもありません。
19 生きていてこそ、今日の私のように、
あなたを賛美できるのです。
あなたの真実は父から子へ代々語り継がれます。』
20 ああ、主は病気を治してくださった。
これからは毎日、いのちある限り、
神殿で主への賛美を奏でよう。」

21 イザヤは王の召使に、「いちじくで塗り薬をつくり、はれものに塗りなさい。そうすれば、王様は元どおり元気になられます」と言いました。 22 するとヒゼキヤは、「病気が必ず治る保証として、主はどんなしるしを与えてくださいますか」と尋ねてきました。

バビロンからの使者

39 それからまもなくのことです。バルアダンの子、バビロンの王メロダク・バルアダンは、ヒゼキヤ王に好意を示し、贈り物を届けました。重病であったヒゼキヤが元気になったと聞いたからです。 ヒゼキヤはこれを喜び、バビロンからの使者を宮殿のあちこちに案内して回り、銀、金、香料、香水で満ちた宝物倉まで見せました。さらに宝石のしまってある部屋へ連れて行き、そこにある物を一つ残らず見せたのです。 それを聞いた預言者イザヤは、さっそく王のところに来て質しました。「いったい何をお見せになったのですか。使者というのは、どこから来たのですか。」「遠いバビロンからだ。」 「それであなたは、どの程度までお見せになったのですか。」

「全財産だ。貴重な宝物も残らず見せた。」

「そのことで、全能の主のことばがありました。 あなたの全財産、先祖がたくわえた宝物全部が、バビロンに運び去られる時がくる。何一つ残らない。 またあなたの子どもの中にも、バビロンの王の宮殿で宦官として仕える者が出る。」 「それはけっこうだな。神のおことばはみな、ためになることばかりだ。しかし、少なくとも私が生きている間は、平和が続くのであろう?」

神の民への慰め

40 「わたしの民を慰めよ」と主は命じます。
「エルサレムに優しく語りかけ、
悲しみの日は過ぎ去ったと言ってやりなさい。
その罪は赦された。
すべての罪に倍する報いを受けた、と。」
耳を傾けなさい。
荒野で叫ぶ声が聞こえます。
「主が通られる道を準備せよ。
荒野に、平らでまっすぐな道を、
主のために準備せよ。
谷を埋め、丘をけずり、
曲がりくねった道をまっすぐにし、
荒れた道を広げて平らにせよ。
主のすばらしさをすべての人々に示せ。」
主が命じた以上、そのとおりになります。
「大声で叫べ」という声が聞こえます。
「何と叫んだらよいのですか」と私は尋ねました。
「こう叫びなさい。
人は、しおれてしまう草のようなものだ。
人の美しさは、しぼんでいく花のように色あせる。
神の息がかかると、草はしおれ、花はしぼむ。
弱くもろい人間もそれと同じだ。
草はしおれ、花はしぼむ。
しかし神のおことばは、
いつまでもすたれることがない。」
良い知らせを伝える者よ。
山の頂上からエルサレムに向かって叫びなさい。
恐れずに大声で言いなさい。
ユダの町々に「神が来られる」と知らせなさい。
10 神である主は、全能の力を持って来ます。
恐ろしいまでの力で支配し、
一人一人の行いに応じて報います。
11 また、羊飼いのように群れの世話をし、
子羊を抱いて運び、雌羊を優しく導きます。

12 主のほかにだれが、手で海を支え、
手の幅で天の大きさを測ったでしょう。
だれが、地球の重さと、
山や丘の重さを知っているでしょう。
13 だれが主の御霊の助言者となり、
主の教師になったでしょう。
14 主は人間の助言を必要としたでしょうか。
何が正しく、何が最善であるかを知るために、
だれかの指示を仰いだでしょうか。
15 そんなことは絶対にありません。
すべての人間は、主と比べたら無に等しく、
桶の中の一滴の水、
はかり皿の上のちりにすぎないのです。
神は島々を、少しも重さがないもののように、
いとも軽々と持ち上げます。
16 レバノンの森林の木を全部集めても、
神にささげるいけにえを焼くたきぎにも足りません。
そこにいる獣を一匹残らず集めても、
いけにえとするには、とうてい足りません。
17 すべての国々は、神の目から見れば無に等しいのです。
18 神をどう説明したらいいでしょう。
神を何と比べることができるでしょう。
19 泥をこね、金をかぶせ、
首に銀の鎖をかけた偶像とでしょうか。
20 高価な神々を買えない貧しい人は、
腐らない木を見つけ、
それに顔を彫ってくれる人を雇います。
こうしてできた動くことさえできないものが、
神となるのです。
21 あなたがたは、何も知らないのですか。
世界が造られる前からあった神のおことばが
全く聞こえないというのですか。
一度もおことばを聞き、理解したことがないのですか。
22 神はこの地のはるか上にいます。
下界の人間など、いなごのように見えるでしょう。
神は、天を天幕のように広げて、
ご自分の住まいとします。
23 世界の偉大な者たちを
すべて無き者のようにします。
24 彼らがようやく仕事に取りかかり、
芽が出始めると、
神は痛い目に会わせ、彼らの働きは頓挫します。
そのうえ風が吹いて、
彼らをわらのように巻き上げるのです。
25 「おまえたちは、わたしをだれと比べるというのか。
わたしと肩を並べられる者がいるか」と、
聖なる方は問いかけます。
26 天を仰いでみなさい。
だれが星を造ったのですか。
羊飼いは群れを導き、羊たちを愛称で呼び、
一匹でもいなくなってはいないかと数えます。
同じように神も、星々を数えます。

27 ああ、ヤコブよ。イスラエルよ。
主は苦しみを見て見ぬふりをしているから
不公平だと、どうして言えるのですか。
28 まだわからないのですか。
全世界を造った永遠の神は、
決して疲れたり、衰弱したりしません。
神の知恵の深さを推し測ることができる者は、
一人もいません。
29 神は疲れた者に力を、弱い者に活力を与えます。
30 若者も疲れ果て、
若い男も限界に達します。
31 しかし、主を待ち望む者は新しい力がみなぎり、
わしのように翼を張って
舞い上がることができます。
どれだけ走っても疲れず、
どんなに歩いても息切れしません。

イスラエルを助ける者

41 海の向こうの島々よ。
わたしの前では口をつぐんで聞きなさい。
どんな難問でももってきなさい。
おまえたちのために法廷が開かれるから、
そこで話すがよい。
だれが、東の国に一人の人物(クロス王を指す)を起こし、
行く先々で勝利を得させたのか。
わたし以外の者であるはずはない。
わたしが彼に、多くの国々を征服し、
王たちを踏みにじり、
敵の軍隊を剣の餌食にする力を与えたのだ。
彼は敵を追いかけるが、
一度も通ったことのない道を安全に進んで行く。
その進撃によって歴史は大きく塗り変えられる。
こんな途方もなく大きなことを演出したのはだれか。
それはわたし、
初めであり終わりである、このわたしだ。
わたしこそが主である。
海の向こうの国々はおびえ、
今度の遠征計画について
彼のことばを待っている。
遠く離れた国々も戦々恐々で、戦争に備える。
職人は互いに励まして、「心配するな。
彼が勝つはずないから」と気休めを言って、
新しい偶像造りを急ぐ。
彫刻師は鍛冶屋をせかせ、
鋳物師は、かなとこをたたく手伝いをして、
「もう十分火が通った。
さあ、腕の部分をはんだづけしよう」と言う。
注意深く各部をつけて、堅くしめつけ、
ばらばらにならないようにする。

しかし、わたしのしもべイスラエルよ。
あなたはわたしの友アブラハムの家族だ。
だから、わたしはあなたを選び、わたしのものとした。
あなたを地の果てから呼び出し、
わたしだけに仕えよと言った。
わたしはあなたを選び、
どんなことがあっても見捨てない。
10 恐れるな。わたしがついている。
取り乱すな。わたしはあなたの神だ。
わたしはあなたを力づけ、あなたを助け、
勝利の右の手でしっかり支える。
11 いきりたつ敵はみな、無残に踏みにじられる。
あなたに刃向かう者はみな死に絶える。
12 彼らの姿を捜し回っても無駄だ。
一人もいなくなるからだ。
13 わたしがおまえの右手をつかみ、「恐れるな。
あなたを助けに来た」と励ます。
14 イスラエルよ、たとえ軽蔑されても恐れるな。
わたしは必ずあなたを助ける。
わたしは主、あなたを贖う者だ。
わたしはイスラエルの聖なる神だ。
15 あなたは新しい鋭い刃のついた打穀機となり、
敵という敵を粉々にし、もみがらの山をつくる。
16 それを空中に放り上げると、風が吹き飛ばし、
つむじ風がまき散らす。
こうして主の喜びがあなたの心を満たし、
あなたはイスラエルの神を誇りに思うようになる。

17 貧しい者や困っている者が水を求めても得られず、
のどは渇き、舌が上あごにつく。
そのようなとき、わたしを呼べば、わたしは答える。
イスラエルの神であるわたしは、
いつまでも彼らを見捨てない。
18 わたしは台地に川を開き、谷間には泉を湧かせて、
彼らに与える。
砂漠には池ができ、からからに乾いた地には、
多くの泉から川が流れだす。

Japanese Living Bible (JLB)

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