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Bible in 90 Days

An intensive Bible reading plan that walks through the entire Bible in 90 days.
Duration: 88 days
Japanese Living Bible (JLB)
Version
イザヤ書 1-13

ユダの王のウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に、アモツの子イザヤに幻の中で神から与えられたことば。その中で、神はイザヤに、ユダ王国と首都エルサレムがどうなるかを示しました。

イスラエルの反逆

天も地も、耳をすまして主の告げることばを聞きなさい。
「長い間かけて育て、世話をしてきた子どもたちが
わたしに逆らった。
犬や猫でさえ飼い主の顔を覚えていて、
その恩に感謝するというのに、
わたしの民イスラエルは違う。
どんなに尽くしても、知らん顔なのだ。
なんと罪深い民だろう。
罪の重さに耐えかね、前かがみで歩いている。
彼らの先祖も悪い者だった。
彼らは生まれながらの悪人で、
わたしに背き、わたしをさげすんだ。
自分から、わたしの助けを断わったのだ。
5-6 ああ、わたしの民よ。
おまえたちはもう十分に罰を受けたではないか。
それなのになぜ、なおもわたしに
むちで打たれようとするのか。
いつまでも反逆するつもりか。
からだ全部が病気にかかり、弱り果て、
今にも倒れそうではないか。
全身切り傷と打ち身だらけで、
傷口はひどく化膿している。
しかも、薬はおろか包帯も巻いてもらえない。
国は荒れ放題、町々は焼け落ちた。
外国人がおまえたちの見ている前で、
目につく物を手当たりしだい破壊し、略奪している。
しかし、おまえたちは取り残され、
ただ呆然と眺めるだけだ。
収穫期の終わったあとの番小屋、
荒れた畑の掘っ立て小屋のように、
だれからも捨て置かれている。」

もし天の軍勢の主が介入して、
わずかに生き残った私たちを救ってくれなかったら、
私たちはソドムやゴモラ(悪行のために神に滅ぼされた町)の住民のように
全滅していただろう。
10 さあ、聞きなさい。ソドムとゴモラのような
イスラエルの指導者と住民ども。
主が語ることを聞きなさい。
11 「おまえたちのいけにえなど、もううんざりだ。
これ以上わたしのところへ持って来るな。
丸々太った子羊もいらない。
おまえたちの供え物からしたたる血など見たくもない。
12-13 罪を悔いていない者のいけにえなど欲しくもない。
おまえたちのたく香は、
匂いをかぐだけで胸がむかつく。
新月や安息日の儀式、
それに、おまえたちが最もおごそかな行事だという
特別の断食も、すべてまやかしだ。
これ以上、そんなものにわずらわされたくない。
14 わたしは嫌気がさしている。
見ただけでも気分が悪くなるのだ。
15 これからは、手を天に差し伸べて祈っても無駄だ。
目を閉じ、耳をふさぐ。
どんなに祈っても、わたしは聞かない。
おまえたちの手は人殺しの手で、
罪のない犠牲者の血がこびりついているからだ。
16 身を洗いきよめなさい。
もうこれ以上、
悪い行いをわたしに見せるな。
悪の道ときっぱり縁を切るのだ。
17 正しいことに打ち込み、貧しい人やみなしご、
気の毒な未亡人を助け、人並みに扱いなさい。」

18 主はこうも告げます。
「さあ、語り合おう。
おまえたちの罪のしみがどんなに頑固でも、
わたしはそれをきれいにし、
降ったばかりの雪のように真っ白にする。
たとい紅のような真っ赤なしみでも、
羊毛のように白くする。
19 喜んでわたしの助けを求め、
わたしに従いさえすれば、
おまえたちを富む者にしよう。
20 だが、わたしに背き、
言うことを聞かないままでいるなら、
おまえたちは敵の手にかかって殺される。
主であるわたしがこう言うのだ。
21 エルサレムよ。
一度はわたしの貞淑な妻であったおまえが、
今では娼婦になり下がり、
ほかの神々に夢中になっている。
一度は『紳士の都』と呼ばれたのに、
今では人殺しのならず者だ。
22 以前は、混じり物のない銀のようだったのに、
今では安っぽい金属が混ざっている。
以前は純粋そのものだったのに、
今では混ざりもののぶどう酒のようになってしまった。
23 指導者たちは謀反人、どろぼうの仲間で、
だれもかれもわいろを取り、
未亡人やみなしごの肩をもたない。」

24 だからイスラエルの全能の神よ、
天の軍勢の主は告げます。
「わたしは、敵となったおまえに怒りをぶちまける。
25 この手でおまえを溶鉱炉にぶち込み、溶かし、
金かすを取り除く。
26 こうしていつか、以前いたような
りっぱな裁判官や助言者たちを与えよう。
そうすれば、エルサレムはまた
『正義の都』『忠実な町』と呼ばれるようになる。

27 神のもとに帰る正しい者は罪を免れる。

28 だが罪人は、最後の一人まで滅び去る。

わたしのところへ来ようとしないからだ。
29 おまえたちは恥ずかしくてたまらなくなる。
おまえたちにとって神聖だった樫の木立で、
偶像にいけにえをささげた時を思って赤面する。
30 まるで枯れ木か水のなくなった庭園のように、
見る影もなくなる。
31 勇士も燃えるわらのように姿を消す。
悪の火花がわらに燃えつき、
いったん燃え上がったらだれも消せない。」

主の山

ユダ王国とエルサレムについて、主からイザヤに別のことばがありました。

終わりの時代には、
だれもが、一度はエルサレムと神の神殿に
行ってみたいと思うようになります。
世界各地から多くの民が、
主を礼拝しに詰めかけます。
そして彼らは言います。「さあ、主の山へ登ろう。
イスラエルの神の神殿に行くのだ。
そこで主の教えを習おう。
私たちはそれに喜んでお従いしたい。」
その時代になると、
世界の支配権はエルサレムへ移ります。
主が国家間の紛争を解決するのです。
世界中で、武器を平和の道具に作り直します。
その時になって初めて、
いっさいの戦争は終わりを告げ、
いっさいの軍事訓練が不要になるのです。
イスラエルよ、さあ主の光の中を共に歩み、
主の教えに従うのです。

主の日

主はあなたがたを捨てました。
あなたがたがペリシテ人の習慣にならい、
魔術や悪魔礼拝をする東方の外国人を迎えたからです。
イスラエルは金や銀に満ち、
馬や戦車も数知れません。
そのうえ国中に偶像があふれています。
人間が造った像を拝んでいるのです。
地位のある人もない人も、
だれもが偶像を拝んでいます。
こんな罪を、神は決してお赦しになりません。
10 洞穴にもぐり込み、
主のまばゆいばかりの威光から身を隠しなさい。
11 身のほど知らずの思い上がりが、
打ち砕かれる日がきたからです。
たたえられるのはただ主だけです。
12 その日には、天の軍勢の主は
おごり高ぶる者にいどみかかり、
ちりの中でひれ伏させます。
13 レバノンの高くそびえる杉とバシャンの樫の大木は、
難なくへし折られ、
14 すべての高い山と丘も、
15 高い塔と城壁も、
16 誇らしげに波を砕く外航船も
美しく装った内航船も、
その日にはみな、主の前で無残に壊されます。
17 全人類の栄光は輝きを失い、その誇りも地に落ち、
ただ主だけがたたえられるのです。
18 すべての偶像は壊され、影も形もなくなります。
19 主が御座から立ち上がって地を揺るがすとき、
敵どもはおじ気づき、
威光を恐れて洞穴や洞窟に逃げ込みます。
20 その時彼らは、
金や銀で造った偶像をもぐらやこうもりに投げ与えます。
21 こうして崖の上の岩の裂け目に隠れ、
身震いするような主の御姿と、
地を恐怖に陥れる威光から、
少しでも遠ざかろうとするのです。
22 息のようにはかなく、あわれな人間よ。
そんな人間を絶対に信頼してはいけません。

エルサレムとユダへのさばき

天の軍勢の主は、エルサレムとユダ王国の
食糧と水の補給路を断ち、
指導者たち、軍隊、裁判官、預言者、長老、将校、
実業家、法律家、魔術師、政治家を取り去ります。
若者がイスラエルの王になり、
稚拙な政治をします。
そのため手のつけられない無政府状態となり、
だれもが人を踏みつけ、隣人同士で牙をむき合い、
権威に反抗し、身分の低い者が高貴な人を
あざ笑うようになります。
そのとき人は、兄弟にすがって哀願します。
「おまえには余分の着物があるではないか。
王になって、この混乱した社会を
何とかしてくれないか。」
ところが、相手は口をとがらせるばかりです。
「私は何の助けにもならない。
着物も食べ物も余分にはない。
巻き添えにしないでくれ。」
イスラエルが落ちぶれたのは、
ユダヤ人が主に背を向け、
主を礼拝しようとしなかったからです。
彼らは主の栄光に逆らいました。
彼らの顔つきが心の内をさらけ出し、
罪があることを物語っています。
おまけに、自分たちの罪はソドムの住民の罪に
匹敵することを誇り、
恥ずかしいなどと少しも思っていません。
なんという絶望的な状況でしょう。
自分で自分の滅亡を決めてしまったのです。
10 しかし神を敬う人は、何もかもうまくいきます。
そういう人には、
「すばらしい報いがある」と励ましなさい。
11 悪者には、「あなたにもふさわしい報いがある。
あなたは今に恐ろしい刑罰を受けるだろう」
と言いなさい。
12 かわいそうな民よ。
支配者がどんなにあなたがたを惑わしているか、
わからないのですか。
女のように弱く、子どものように愚かな者が、
王のまねごとをしているのです。
それで指導者といえるのでしょうか。
彼らはあなたがたを滅びへと
真っさかさまに突き落とす者たちです。
13 主は立ち上がります。
検察官として、自分の民の起訴状を読み上げます。
14 真っ先に主の怒りに触れるのは、長老や重臣です。
彼らは貧しい人から力ずくで巻き上げ、
力のない小作人から取り上げた穀物で、
倉をいっぱいにしました。
15 天の軍勢の主は、
「どうしてわたしの民をこんなに
踏みにじったのか」と、彼らを責めます。
16 次に主は、高慢なユダヤの女たちをさばきます。
彼女たちは気取って歩き、鼻をつんと高くし、
くるぶしの飾り輪を鳴らし、
男の気をひこうと人ごみの中で流し目を使います。
17 主はその頭をかさぶただらけにし、
裸にして人々のさらし者にします。

18 彼女たちはもう二度と、これ見よがしに外を歩けません。美しい化粧や装飾品、 19 ネックレス、腕輪、それにストールはみな、はぎ取られるからです。 20 スカーフ、くるぶしの飾り輪、ヘア・バンド、イヤリング、香水、 21 指輪、宝石、 22 夜会服、チュニック・コート、ケープ、彫り物のついたくし、さいふ、 23 鏡、美しい肌着、高価なドレス、ベールなどもなくなります。

24 彼女たちから香水の香りは消え、
吐き気をもよおす匂いがただよいます。
きれいにセットした髪は抜け落ち、
帯の代わりに荒なわをしめ、
夜会服の代わりに麻袋を着ます。
美貌は失われ、
あるのは恥と屈辱だけです。
25-26 夫たちは戦いに倒れ、
何もかも失って、座り込んで泣くのです。

その時、生き残りの男は数えるほどしかいません。
そこで、七人の女が一人の男を奪い合います。
「食べる物や着る物は何とかしますから、
どうか私たち全員と結婚してください。
あなたの名で呼ばれるようになればよいのです。
あざけりの目で見られるのはいやです。」

主の枝

2-4 滅びゆくエルサレムと運命を共にしないように、名前を書き記された人の汚れは洗いきよめられ、不道徳のしみも火で焼かれます。その人たちは、神のきよい国民となるのです。それだけでなく、地は黄金色の穂波と、みずみずしい果物を実らせます。 その時、主はイスラエル中の家と会合の場所に、昼は煙と雲の覆いをかけ、夜は火の雲の覆いをかけて、栄光の国を、 日中の暑さや風雨から守ります。

ぶどう園の歌

さあ、私の愛する方のために、
ぶどう園の歌を歌いましょう。
私の愛する方のぶどう園は、
よく肥えた丘の上にありました。
その方は畑を十分に耕し、石ころを全部取り除き、
最上のぶどうの木を植えました。
見張り台を建て、岩を掘って酒ぶねを造り、
収穫期を楽しみに待ったのです。
ところが、実ったぶどうは野生ですっぱく、
全くの期待はずれでした。
「エルサレムとユダ王国の者たちよ。
このような訴えがなされた。あなたが裁判官だ。
わたしはこのうえ、いったい何ができよう。
ここまでしたのに、なぜわたしのぶどう園は
甘いぶどうではなく、野生のぶどうを実らせたのか。
さくを壊し、ぶどう園を牧場にして、
家畜や羊の踏みにじるままにするほかない。
枝を下ろしたり雑草を除いたりせず、
いばらのはびこるままにしておこう。
もう二度と雨を降らせないよう、雲に命じよう。」

このぶどう園というのは神の民のことです。
イスラエルとユダは、神のお気に入りの土地でした。
神はそこが正義の国となるのを期待していたのに、
実際に目にしたのは流血でした。
正しいことが行われるようにと願っていたのに、
実際に耳にしたのは、
しいたげられた人たちの叫びでした。
土地はどんどん買い占められ、
住む所さえない人が大ぜいいました。
それなのにあなたがたは、広々とした土地の真ん中に
大邸宅をかまえ、まるでこの地は全部
自分のものだと言わんばかりの顔をしています。
しかし、それも今のうちです。
天の軍勢の主は、あなたがたが
きっと恐ろしい目に会うと予告しています。
「多くの美しい邸宅が荒れ果て、
そこに住む者は殺されるか、行方不明になる」
と告げるのを、この耳ではっきり聞きました。
10 十ツェメド(十組の牛が一日で耕す面積)のぶどう園から、
たった一バテ(二十三リットル)のぶどう汁も取れず、
一ホメル(二百三十リットル)の種をまいても、
たった一エパ(二十三リットル)の収穫しかありません。
11 朝早くから夜ふけまで酒をあびる者は、
必ず災難に会います。
飲んだくれはひどい目に会います。
12 あなたがたの豪勢な宴会には心地よい音楽が流れ、
雇った音楽隊も一流のものです。
ところが主のことは頭にありません。
13 「だから、おまえたちを捕虜として
遠い国へ連れて行く。
おまえたちは、わたしにどんなによくされたか
知りもせず、心にも留めていない。
大いに尊敬される者さえ飢え、
庶民は飲む水もなく、渇きで死ぬ。」
14 地獄は、エルサレムという、
おいしそうなごちそうを前にして舌なめずりし、
その市民を飲んだくれた群衆もろとものみ込みます。
15 その日には、傲慢な者もちりの中にひれ伏し、
尊大な者も腰を低くします。
16 天の軍勢の主だけが、ひときわたたえられるのです。
きよく正しい方は主だけだからです。
17 その時、廃墟の中では家畜の群れが草を食べ、
子羊と子牛、子やぎがたわむれます。
18 雄牛に綱をつけて引くように
自分の罪を引きずり歩く者はひどい目に会います。
19 イスラエルのきよい神さえさげすみ、
罰を受けることなど平気だという顔で言うのです。
「主よ、罰するなら早く罰してください。
あなたの力のほどを拝見したいものです。」
20 彼らは白を黒、黒を白と言い、
苦いものを甘い、甘いものを苦いと言い張ります。
21 自分には知恵があると思い、利口ぶる者は、
ひどい目に会います。

22 酒ならだれにも負けないと豪語する者も同じです。

23 彼らはわいろをもらって正義を曲げ、

悪者を保釈して罪のない者を牢にたたき込みます。
24 それゆえ神は彼らをきつく罰し、火で焼くのです。
彼らはわらのように、あっという間に燃え尽きます。
その根はたちまち腐り、花はしぼみます。
主の教えを捨て、
イスラエルのきよい神のことばを軽んじたからです。

25 だからこそ、主は
イスラエルに向かって怒りを燃え上がらせ、
御手を下して彼らを打ったのです。
丘々は震え、
人々のしかばねがごみのように町の中に捨てられます。
それでもまだ神の怒りが収まったわけではありません。
御手はなおも重くのしかかります。
26 神が遠く離れた国々に合図を送り、
地の果ての人たちを笛で呼ぶと、
彼らはエルサレムへなだれ込みます。
27 彼らは全く疲れを知らず、
つまずいたり立ち止まったりしません。
腰のベルトはきつく締まり、
くつひもも丈夫で切れません。
休むことも眠ることもなく走り続けます。
28 その矢じりは研ぎすまされ、弓はいっぱいに張られ、
馬のひづめは火花を散らし、
戦車の車輪は風車のように回ります。
29 彼らはライオンのようにほえ、獲物に襲いかかって
わたしの民をつかまえ、捕虜として連れ去りますが、
誰ひとり彼らを救い出す者はいません。
30 海鳴りのようなうなり声とともに、
犠牲者を、ひと呑みにします。
イスラエル中が絶望のやみと悲しみに沈み、
空は暗黒になります。

イザヤの任命

ウジヤ王の死んだ年に、私は主を見ました。主は高い御座に座っていましたが、神殿は栄光で満ちあふれていました。 神の回りを、三対の翼のあるセラフィム(人間の罪をきよめる天使)が舞っていました。セラフィムは一対の翼で顔を覆い、一対で両足を覆い、残りの一対で飛んでいます。 セラフィムは互いに歌いました。

「聖なる、聖なる、聖なるお方。それは天の軍勢の主。全地は主の栄光で満ちている。」

このすばらしい合唱のために神殿は土台から揺らぎ、聖所はたちまち煙でいっぱいになりました。

私は恐ろしくなって、思わず叫びました。

「もうおしまいだ。
口の汚れた罪深い民に属する口の汚れた私が、
天の軍勢の主である王を見てしまったのだから。」

すると、セラフィムの一人が祭壇へ飛んで行き、燃える炭を火ばさみでつまみ、 その炭を私のくちびるにつけて言いました。

「さあ、これであなたは罪がないと宣言された。
この炭がくちびるに触れたからだ。
あなたの罪はすべて赦された。」

続いて主の声がしました。「だれをわたしの民への使いとしよう。だれが行ってくれるだろうか。」

「主よ、私が行きます。私を使いに出してください。」

「では行って、こう言うのだ。

『おまえたちは、わたしのことばを何度も聞くが、
悟ることがない。わたしが奇跡を行うのを何度見ても、
それが何を意味するのか理解することができない。』
10 彼らの理解力をにぶらせ、耳を閉じ、
目を見えないようにしなさい。
彼らには、見たり聞いたり悟ったり、
また病気を治してもらったりするために、
わたしのもとに戻ってほしくないのだ。」
11 「主よ、人々があなたに聞きたいと思うようになるまで、どのくらいの年月が必要でしょうか」と私が言うと、主は答えました。
「町々が破壊され、住む者もいなくなり、
国中が荒れ果て、
12 すべての者が遠い外国へ奴隷となって連れ去られ、
イスラエル全土が荒野となる時までだ。
13 それでもなお民の十分の一は残る。
イスラエルは何度も侵略され、戦火に見舞われる。
しかし、切り倒されてもなお新芽を出す
切り株のように、必ず立ち直る。」

インマヌエルのしるし

ヨタムの子で、ウジヤ王の孫に当たるアハズ王が治めている時、エルサレムはシリヤの王レツィンと、レマルヤの子であるイスラエルの王ペカの攻撃を受けました。幸いエルサレムは占領されず、無事でした。 ところが、「シリヤとイスラエルが連合して攻めて来る」という情報が伝わると、王も民も震え上がり、暴風に揺さぶられる木々のようにおびえました。

その時、主はイザヤに命じました。「息子のシェアル・ヤシュブを連れて、アハズ王に面会を求めなさい。王は今、ギホンの泉から布さらしの野に通じる道の近くにある、上の貯水池へと向かう上水道の端にいる。 会って、『心配するな』と伝えるのだ。『すでに勢いを失っているレツィンとペカが怒りを燃やしているからといって、怖がることはない』と言って聞かせるのだ。 確かに、シリヤとイスラエルの王は攻めて来る。彼らはこう言うだろう。 『さあ、ユダに攻め上ってかき乱そう。それから一気にエルサレムへ進撃し、タベアルの子を新しい王にしよう。』

だがわたしは断言する。

この計画は成功しない。
ダマスコはシリヤの首都で終わり、
レツィン王の領土はこれ以上増えないからだ。
またイスラエルも、六十五年以内に跡形もなくなる。
サマリヤはイスラエルだけの首都で終わる。
ペカ王の勢力が拡大することはない。
わたしのことばを信じることができるか。
わたしに守ってほしければ、
わたしの言うことを素直に信じるのだ。」

10 それからまもなく、主はアハズ王に告げました。

11 「アハズよ、わたしはおまえの敵を粉砕すると言った。この約束の確かなしるしを求めよ。天でも地でも、望みどおりのものを。」 12 「とんでもないことです。そんなことで主を煩わすことなどできません。」王は首を振りました。 13 その返事を聞き、イザヤは言いました。「ダビデの家よ。あなたがたは私の忍耐を切らせるだけで満足せず、神の忍耐まで切らせようとするのですか。 14 それならそれでいいでしょう。しるしは主が決めます。見ていなさい。処女が男の子を産みます。彼女は生まれた子にインマヌエル(「神が私たちとともにいる」の意)という名前をつけます。 15-16 その子が乳離れして、正しいことと悪いことの区別を知るまでには、あなたがたが怖がっているイスラエルとシリヤの王は二人とも死にます。 17 しかし安心はできません。やがて、あなたとあなたの民とあなたの父の家に、恐ろしいのろいが下ります。ソロモンの王国がイスラエルとユダに分かれて以来、一度もなかった恐怖が襲います。アッシリヤの大王が大軍を率いて押し寄せるのです。

神の道具であるアッシリヤ

18 その時になると、
神はエジプトとアッシリヤの軍隊に合図します。
彼らははえのように群がり、
はちのように襲いかかって、
あなたがたを刺し殺します。
19 国中至るところに攻め入り、
よく肥えた地だけでなく、人家のない谷や洞穴、
いばらだらけの地までも侵略します。
20 その日には、
あなたが援軍として雇ったアッシリヤ人は、
神の手に握られた
かみそりとなり、土地も作物も人も、
あなたがたのものを全部そり落とします。
21-22 略奪を終えた時には、
国土は牧草地に変わり果てているでしょう。
家畜の群れは手当たりしだいに殺されるので、
一頭の牛と二匹の羊が残っているだけでも、
幸運な人と呼ばれます。
それでも牧草はあり余るほどあるので、
乳をたっぷり生み出し、
生き残った者は凝乳と野生のはちみつを常食にします。
23 豊かなぶどう園は、
いばらの生い茂る雑草地となり、
24 全土が巨大ないばらの野、
野獣の跳びはねる狩猟地となります。
25 以前はよく耕されていた土壤の肥えた山腹も
いばらに覆われ、だれも寄りつかなくなります。
ただ牛や羊が草を食べに来るだけです。」

しるしとしてのイザヤとイザヤの息子

神はまた、私に命じました。

「大きな看板を作り、やがて授かる子どもの名を、だれもが読めるように書きなさい。名前はマヘル・シャラル・ハシュ・バズ。『敵はまもなく滅びる』という意味だ。」 私は祭司ウリヤとエベレクヤの子ゼカリヤに頼んで、証人になってもらいました。まだ子どもの生まれないうちに、確かに私がこのことを書いた、と証言してもらうためです。 やがて妻はみごもり、男の子を産みました。その時、主の声が響いてきました。「この子をマヘル・シャラル・ハシュ・バズと呼べ。 この名は、この子が『お父さん』『お母さん』と言うようになるまでの数年のうちに、アッシリヤ王がダマスコ(シリヤ)とサマリヤ(イスラエル)を侵略し、金銀財宝を奪い去ることを予告している。」

主はさらに続けました。

「エルサレムの住民は、
わたしが親身に世話をしたのに見向きもせず、
レツィン王とペカ王が、
助けに来てくれないかと、やっきになっている。

7-8 だからわたしは彼らの上に、
ユーフラテス川の大洪水をもたらそう。
アッシリヤ王が大軍を率いて彼らに襲いかかる。
ああ、インマヌエル。
この洪水は、おまえたちユダ王国に堰を切ったように
流れ込み、端から端まで水浸しにする。」

9-10 シリヤもイスラエルもほかの国々も、
悪の限りを尽くしてみるがよい。
だが、そんな計画が成功するはずはない。
必ず計画倒れになる。
さあ敵どもよ、私の言うことを聞け。
私たちに戦争をしかけてみよ。そして滅ぶがいい。
参謀を呼び集め、緻密な作戦を立て、
抜かりなく攻撃準備を整えよ。
そして滅ぶがいい。私たちには神がついている。
11 主はきびしく命じました。
「どんなことがあっても、
シリヤとイスラエルに降伏しようという計画に乗るな。
12 神に忠実であることで同胞から
裏切り者呼ばわりされるのを恐れるな。
人々はシリヤとイスラエルが攻めて来るというので
恐れているが、あなたはあわてふためいてはならない。
13 天の軍勢の主のほかは、だれをも恐れてはならない。
わたしだけを恐れていれば、
誰ひとりとして怖くないはずだ。
14-15 おまえの安全は、わたしが保証する。
ところがイスラエルとユダは、
わたしの守りを拒んだために、
救いの岩につまずき、倒れて下敷きになった。
わたしが彼らとともにいたことが
かえって彼らに危害を及ぼすことになった。
16 これからわたしのしようとしていることを
残らず書き留め、将来のために封をしておけ。
神を敬う者に託して、
のちの時代の神を敬う者らに渡してもらうのだ。」

17 主は今姿を隠していますが、
私は主の助けを信じて、ひたすら待ち望みます。
主だけが私の希望です。
18 私の名も、神が授けてくれた子どもたちの名も、
みな天の軍勢の主の計画を暗示しています。
イザヤというのは「神はご自分の民を救う」、
シェアル・ヤシュブは「残りの民が帰って来る」、
マヘル・シャラル・ハシュ・バズは
「敵はまもなく滅びる」という意味です。

暗闇が光となる

19 だというのに、なぜあなたがたは魔術師や霊媒師などに相談し、将来どんなことが起こるかを知ろうとするのですか。彼らのささやきや呪文を聞いてはなりません。そもそも生きている者が、死んだ人間から将来のことを聞き出せるものでしょうか。知りたかったら、どうして神に直接尋ねないのですか。

20 神はこのように語ります。「魔術師どものことばを、神のことばと比較してみよ。彼らの言うことは、わたしの言うことと違うが、それは彼らがわたしの使者ではないからだ。彼らには真理の光などない。 21 わたしの民は捕虜となり、飢えて弱り果て、つまずきよろけながら連れ去られる。空腹のあまりうわ言をいい、天に向かってこぶしを振り、王と神をのろう。 22 どこを見ても、目につくものは苦しみと悩みと暗たんとした絶望だけだ。こうして彼らは暗闇の中に追いやられる。」

しかしながら、暗闇と絶望の時代は、いつまでも続くわけではありません。もうすぐ、ゼブルンの地とナフタリの地は神からの辱しめとさばきを受けますが、将来は、海沿いの道、外国人の住むガリラヤ、ヨルダン川の東の地は、神の栄光でまぶしいほどになります。

暗がりを歩いていた人たちは大きな光を見ます。

それは、死の陰の地に住んでいた者を照らす光です。
イスラエルはもう一度、偉大な民族となり、
収穫期を迎えた農夫のような喜びにあふれ、
分捕り物を山分けする者のように喜びに満たされます。
神は、ギデオンのわずかな部下で
ミデヤン人の大軍を破った時のように、
ご自分の民をつないでいる鎖を壊し、
懲らしめの鞭をへし折るのです。
すばらしい平和の時代が訪れ、
軍靴や血にまみれた軍服はみな焼き捨てられます。
一人の男の子が私たちのために生まれます。
その肩にすべての主権が与えられ、
その子は、「すばらしい助言者」「全能の神」
「永遠の父」「平和の君」と呼ばれます。
その主権は増し、平和は絶えることがありません。
彼はダビデの王座につき、
世界のすべての国々に真の正義と平和をもたらします。
天の軍勢の主の熱意で、
このことは必ず実現します。

8-10 われわれの国は廃墟となったが、
やがて、前よりりっぱに再建してみせると言う、
大ぼら吹きのイスラエルを主はたしなめます。
いちじく桑の木は切り倒されたが、
代わりに杉の木を植えようと、
イスラエルは考えているのです。
11-12 このうぬぼれに対して、
神は東からシリヤ人を西からペリシテ人を送り、
あなたがたに敵対させます。
彼らは牙をむき出して、イスラエルに襲いかかります。
それでも主の怒りはやまず、
振り上げたこぶしを下ろされません。
13 こんなにひどい罰を受けてもまだ、
悔い改めて、
天の軍勢の主に立ち返ろうとしないからです。
14-15 それゆえ主は、たった一日のうちに、
イスラエルの指導者と、
偽りを教える預言者を消し去ります。
16 それは、彼らが民を滅びの道へと引きずり込んだからです。

17 主はイスラエルの若い男たちを喜ばず、
未亡人やみなしごにさえ、あわれみをかけません。
だれもが下品なことばを吐き、
たちの悪いうそをつくからです。
主の怒りはなおも去らず、
一人残らず打ち殺そうと、
こぶしを振り上げたままなのです。
18 彼らの悪を焼き尽くす火は森林までなめ尽くし、
煙は立ち上って天を覆います。
19-20 地は、その火と天の軍勢の主の怒りによって黒ずみ、
地の住民は火をあおる燃料となります。
人々は兄弟と戦って食べ物を奪い合いますが、
まだ飢えて空腹はつのり、
ついには、わが子まで食べるようになります。
21 マナセとエフライムは争いが絶えませんでしたが、
その時ばかりはいっしょになってユダを襲います。
それでも、神の怒りは去らず、
その手はまだ振り上げられています。

10 「不正な裁判官と不公平な法律を作る者は
災いである」と主は言います。
彼らは、貧しい人やみなしごを見殺しにし、
未亡人や父のない子の権利を奪っています。
「わたしが遠い国から滅亡を招き寄せる。
さあ、どうするつもりか。
そのとき、だれに助けを求めるのか。
どこに財宝を隠すつもりか。
わたしは助けない。
道は二つ。
囚人となって、よろめきながら引かれて行くか、
虐殺されて横たわるかだ。
それでもわたしの怒りは収まらない。
なお打ちのめそうと、こぶしを振り上げる。

アッシリヤへの神のさばき

5-6 アッシリヤはわたしの怒りのむちだ。
わたしはその軍事力を使って、
滅びの運命にある、不敬虔なこの国を攻め立てる。
アッシリヤはこの民を捕虜にし、
略奪をほしいままにし、泥のように踏みにじる。
ところが当のアッシリヤ王は、
わたしにあやつられているとは夢にも思わない。
世界征服の一部として、
神の民を攻めているだけだと考える。

占領した国々の王に高官たちを据え、得意げに言う。

『さあ、カルケミシュのように

カルノもやっつけてしまおう。
ハマテなど一飲みだ。
アルパデのように必ず降伏するだろう。
サマリヤもダマスコのように
足腰が立たないようにしてやろう。
10 エルサレムやサマリヤの神より偉大な神々の国を、
われわれは片っ端から打ち倒してきた。
11 サマリヤとその神を打ち砕いたように、
エルサレムとその神もそうしよう。』」

12 主はアッシリヤ王を用いて目的を果たしたのち、今度は、高ぶるアッシリヤに襲いかかって罰を加えます。

13 彼らは豪語したのです。

「われわれは自分の力と知恵で戦いに勝ってきた。
われわれは高度の文明を誇る偉大な民だ。
われわれの手で国々の城壁をぶち壊し、
住民を滅ぼし、財宝を運び出した。
14 諸国の富を略奪し、
農夫が卵を集めるように、
王国を奪い取ってきた。
彼らはわれわれを阻止するどころか、
抗議することさえできなかった。」
15 しかし主は、きびしく問い返します。
「斧は主人に、
自分のほうに力があると自慢できるだろうか。
のこぎりは、それを使う人よりほめられるだろうか。
棒は、それを動かす手がなかったら、
人を打つことができるだろうか。
杖は一人で歩くことができるだろうか。」
16 あなたのおごりのゆえにアッシリヤの王よ、
天の軍勢の主は負け知らずのあなたの軍隊に
疫病をはやらせ、兵を打ちます。
17 光であるイスラエルの聖なる神は、
燃えさかる炎となって全軍を焼き尽くします。
イスラエルの国土を荒らした、
いばらのようなアッシリヤ人を、
一夜のうちに焼き払うでしょう。
18 今は壮麗な森のような大軍も無残な姿をさらし、
病人がやせ細っていくように、
身もたましいも滅び去ります。
19 おびただしい兵力を誇った大軍のうち
生き残る者はわずかで、
子どもにも数えられるほどの数です。

イスラエルの残りの民

20 そうなってようやく、
イスラエルとユダに残っていた者は、
二度とアッシリヤ人を恐れなくなり、
イスラエルの聖なる神である主だけを
頼みとするようになります。
21 全能の神に立ち返るのです。
22 しかし今、イスラエルの民は
海辺の砂のように多くいようとも、
その時まで生き残り、神に立ち返る者は、
ごくわずかしかいません。
神はご自分の民を滅ぼそうと、
堅く覚悟を決めているからです。
23 彼らを根こそぎにすることは、
主なる神によってすでに決められたことです。

24 それゆえ主なる神は命じます。「エルサレムに住むわたしの民よ、かつてのエジプト人のようにアッシリヤ人が圧力をかけても、怖がってはならない。 25 もうしばらくの辛抱だ。わたしの怒りはおまえたちから離れ、アッシリヤ人に向けられる。彼らは滅びるのだ。」 26 全能の主は、ギデオンがオレブの岩でミデヤン軍を打ち破った時のように、またエジプト軍が海でおぼれた時のように、アッシリヤ軍に立ち向かいます。

27 その日、神はご自分の民を解放し、

奴隷のくびきをはずして粉々に壊します。
28-29 見なさい。アッシリヤの大軍が押し寄せて来ます。
さっきまでアヤテにいたのに、
もうミグロンに着きました。
彼らはミクマスに軍用物資を置き、
渡し場を過ぎ、ゲバで野営します。
ラマの町は震え上がり、
サウルの町ギブアの住民は命からがら逃げ去ります。
30 ガリムの人たちよ、
恐怖につかれて声の限り叫びなさい。
大軍がやって来るのだから、
ラユシャに大声で危険を知らせなさい。
哀れなアナトテよ、あなたの運命は何とも哀れです。
31 あそこに行くのは、
落ち伸びて行くマデメナの人たちではありませんか。
ゲビムの住民は逃げる準備をしています。
32 その日、敵軍はノブで止まり、
シオンの山の上にあるエルサレムに向けて
進軍の手を振ります。
33 しかし、あれを見なさい。
天の軍勢の主が屈強な木々を切り倒しています。
大木と小木、将校と兵卒の区別なく、
あの大軍を滅ぼし尽くしています。
34 全能の主が、きこりが斧でレバノンの森の木々を
切り倒すように、敵をなで切りにするのです。

ダビデの家系から出る枝

11 ダビデ王の家系は切り倒されますが、
その切り株から新芽が生え、
そこから一本の若枝が出て、
その上に主の霊が宿ります。
それは知恵の霊、悟りの霊、助言と力の霊、
知識の霊、そして主を恐れる霊です。
この方は主に従うことを喜びとし、
外見や捏造された証拠、うわさによってさばかず、
貧しい人やさげすまれている人の味方になります。
反対に、このような人にひどい仕打ちをする
悪者どもには容赦しません。

公平と真実を身にまとっているからです。

その日には、狼と子羊がいっしょに休み、

ひょうと子やぎは大の仲良しになります。
子牛や丸々と太った家畜が
ライオンの間にいても心配はなく、
小さい子どもがその群れを追って行きます。
牛は熊の間に入り込んで草を食べ、
その子らはじゃれ合い、
ライオンは牛のように草を食べます。
幼子が毒蛇の間をはい回ってもかまれず、
子どもは平気でまむしの巣に手を入れます。
主の聖なる山のどこででも、
傷つけたり危害を加えたりするものは
一つもありません。
水が海を満たすように、
主を知る知識が地にあふれるからです。

10 その日、エッサイの家から出て
ダビデ王朝を開いたお方は、
全世界の人々の救いの旗となって翻ります。
この方のいる地は栄光のとどまる所となるので、
国々の民がこの方のもとへ集まります。
11 その時になって、主は、
生き残ったご自分の民を呼び戻します。
これは二度目の帰郷で、彼らはアッシリヤ、
エジプト、エチオピヤ、エラム、バビロン、
ハマテ、および遠く離れた島国から
イスラエルへ帰って来るのです。
12 神は国々の中に合図の旗を上げ、
散り散りになったイスラエル人を、
地の果てから呼び集めます。
13 ついにその時、
イスラエルとユダの互いのねたみはなくなり、
二度と戦いを交えません。
14 彼らは力を合わせて国々に飛びかかり、
東西に領土を延ばし、
エドム、モアブ、アモンを占領します。
15 主はエジプトの海の入江を干上がらせて道をつくり、
大河に向かって手を振り、
強い風を送って七つの流れに分けるので、
容易に渡れるようになります。
16 生き残った民のために、
アッシリヤからの広い道が備えられます。
かつて、イスラエル人が
エジプトから帰って来た時に備えられたように。

賛美の歌

12 その日、あなたは言うでしょう。
「主はなんとすばらしいお方だろう。
私のことを怒っておられたのに、
今は慰めてくださる。
そればかりか、神は私を救うために来てくださった。
私は主に信頼し、少しも怖くない。
主は私の力、歌、そして救い。
救いの泉から十分に飲める喜びを、
何にたとえたらいいのだろう。」
この記念すべき日に、あなたは言うでしょう。
「主に感謝し、御名をたたえよう。
世界中の人に、主の驚くべき愛を伝えよう。
主はなんと偉大なお方なのだろう。」
主がすばらしいことをなさったのだから、
主に歌いましょう。
その賛美を世界中に響かせましょう。
エルサレムの全住民が、
喜びにあふれて高らかに賛美しますように。
あなたの内に住んでおられるイスラエルの聖なる神は、
この上なく偉大で力あるお方だからです。

バビロンについての預言

13 以下は、神がアモツの子イザヤに示したバビロン滅亡の幻です。

「バビロンに攻め上る敵軍の旗を見よ。
資産家どもと権力者どもの屋敷を壊そうと
進撃して来る彼らに、歓声を上げて手を振れ。
主であるわたしは、
この時のために彼らを取っておいた。
わたしは、わたしの怒りを晴らすために
喜んで協力する者を呼び集めた。
山の上の騒動と、軍隊が行進して来る音を聞け。
あれは、多くの国の兵士がどよめき叫ぶ声だ。
天の軍勢の主が彼らを連れて来た。
それも、ずっと遠い国々からだ。
バビロンよ、彼らはおまえを攻め立てる神の武器だ。
神の怒りを運んで来て、おまえの国を見るも無残に踏みにじる。
いよいよ主の時が来たのだから、
恐怖におびえて泣き叫べ。
全能の神がおまえたちを打ち砕く時がついにきた。
あまりの恐ろしさに腕は麻痺し、勇気はくじけ、
震え上がる。産みの苦しみにあえぐ女のように、
激しい苦痛を伴う恐れに取りつかれる。
おまえたちは絶望して互いに見つめ合うが、
青ざめたその顔に映るのは、町を焼く炎ばかりだ。
さあ、神の日が来る。
それは、神の憤りと激しい怒りに包まれた、
身の毛もよだつような日だ。
地は、そこに住む罪人もろとも滅びうせる。
10 星も太陽も月も一筋の光さえ放たず、
天は真っ暗になる。
11 わたしは世界をその悪のために、
悪者どもをその罪のために罰する。
傲慢な者とおごる金持ちとを踏みつぶす。
12 わたしがそれを終えた時、
生き残っている者はほんの一握りだ。
その時、人を見いだすことは
金鉱を掘り当てることより難しく、
オフィルの金より価値あるものとなる。
13 わたしが憤りと激しい怒りで天を震わすので、
大地は元の場所から移動する。
14 バビロンの兵士は逃げ回り、ついに精根尽きて倒れる。
まるで犬に追われる鹿のように
故国めざして一目散に走り、
羊飼いに捨てられた羊のようにさまよう。
15 走る気力を失った者は無残に殺される。
16 幼子たちは彼らの目の前で、
舗道の石に投げつけられて殺される。
家は略奪され、妻は攻め入った敵兵に犯される。
17 わたしはメディヤ人をバビロンに敵対させる。
どれほど金銀を積んでも、
彼らを買収することはできない。
18 侵入した軍隊は、若者にも子どもにも幼子にも、
いっさい手ごころを加えない。
19 こうして、王国の誉れであり
カルデヤ文明の華であったバビロンは、
天からの火に焼かれたソドムとゴモラのように滅びる。
20 バビロンは二度と立ち上がれず、
永久に人が住みつかない。
遊牧の民でさえ、そこにテントを張らず、
羊飼いも、そこでは羊の群れを休ませない。
21 バビロンは荒野の野獣やだちょうの
住みかとなり果てる。
家々はみみずくの巣となり、悪鬼が来ては踊り回る。
22 ハイエナや山犬は宮殿を巣窟とする。
バビロンの寿命はあとわずか、運命の時はそこまで来ている。」

Japanese Living Bible (JLB)

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