Bible in 90 Days
焼き尽くすいけにえ
1 さて主は、幕屋(主がイスラエル人と会う天幕、聖所)からモーセに語りました。 2-3 「イスラエルの民に次のような指示を与えなさい。主にいけにえをささげるときは、自分の群れの牛か羊を使いなさい。雄牛を焼き尽くすいけにえとしてささげるときは、体に傷のないものでなければならない。まず、いけにえ用の雄牛を幕屋の入口へ引いて来る。そこで、祭司がそのささげ物を受け取る。 4 いけにえをささげる人は、その雄牛の頭に手を置く。そうすることで、身代わりのいけにえと認められる。本人が自分の罪の刑罰として死ぬ代わりにその動物が死ぬことを、わたしは認めよう。 5 わたしの前で、自ら手を下していけにえを殺しなさい。祭司であるアロンの子たちが、その雄牛の血をわたしにささげる。幕屋の入口で、祭壇の回りに血を振りかけるのだ。 6-7 続いて、皮をはいで四肢に分け、祭司が祭壇に火を置き、たきぎを並べ、 8 ばらした部分と頭と脂肪を載せる。 9 そのとき、内臓と足は、いけにえをささげる本人がきれいに洗う。祭司はそれをみな祭壇の上で焼く。これが、主に受け入れられる、焼き尽くすいけにえである。
10 焼き尽くすいけにえにする動物が、羊かやぎの場合は、傷のない雄でなければならない。 11 いけにえをささげる人は、祭壇の北側で、わたしの前でそれを殺す。祭司であるアロンの子らが、その血を祭壇の回りに振りかける。 12 その人は死体を四肢に分け、祭司はそれを頭や脂肪といっしょに祭壇のたきぎに載せる。 13 その前に、内臓と足は、いけにえをささげる人自身が水で洗う。祭司は主へのささげ物として、その動物をみな祭壇で焼く。焼き尽くすいけにえをわたしは喜ぶ。
14 鳥を使う場合は、山鳩か家鳩のひなのどちらかにしなさい。 15-17 祭司はそれを祭壇へ持って行き、首をひねって殺し、血は祭壇の横に絞り出す。餌袋(胃袋)と羽毛は祭壇の東側の灰捨て場に捨てる。このあと翼をつかんで引き裂くが、ばらばらにしてはならない。それを祭壇で焼く。わたしはこのいけにえを喜ぶ。
穀物の供え物
2 穀物の供え物をするときは、上等の小麦粉にオリーブ油を注ぎ、香料を加えなさい。 2 そのうちの一つかみを、祭司のところへ持って行き、焼いてもらう。わたしはその香りを喜ぶ。 3 残った粉は、アロンとその子らの食物となるが、それも神聖な焼き尽くすいけにえとみなされる。
4 かまどで焼いたパンをささげるときは、細かくひいた粉にオリーブ油を混ぜて焼きなさい。パン種(イースト菌)を入れてはならない。オリーブ油を塗った、パン種の入らない薄焼きパンも、ささげ物に使える。 5 菓子用の鉄板で焼いたものをささげるときは、細かくひいた粉をオリーブ油でこねて作りなさい。パン種を入れてはならない。 6 でき上がったものを細かくちぎって油をかける。これが穀物の供え物の形式である。 7 なべで作る場合も、細かくひいた粉をオリーブ油でこねて作る。 8 こうして用意ができたら、祭司のところへ持って行き、祭壇でささげてもらう。 9 祭司が焼くのはその一部だけだが、わたしは全部をささげ物と認める。 10 残りは祭司が取ってかまわない。それは全部、主への神聖なささげ物とみなされる。
11 粉で作るささげ物は、パン種を使ってはならない。主へのささげ物にはパン種やみつの使用は許されない。 12 粉で作るささげ物は最初の収穫を感謝する場合に認められ、焼き尽くすいけにえとしては使ってはならない。
13 ささげ物はすべて塩で味をつける。塩〔契約が真実であることを象徴的に表す〕は神の契約を思い出させるものだからである。
14 最初の収穫をささげるときは、初穂を砕くか焼くかしてささげなさい。 15 それにオリーブ油と香料を加えなさい。これが穀物の供え物である。 16 祭司は主の前で、オリーブ油と穀物を混ぜたささげ物を一つかみと、香料の全部をささげ物として焼く。
和解のいけにえ
3 和解(主への感謝)のいけにえの場合は、雄牛でも雌牛でも、どこにも傷のないものをささげなければならない。 2 いけにえをささげる人は、幕屋の入口でその牛の頭に手を置き、ほふる。祭司がその血を祭壇の回りに振りかける。 3-5 次に内臓を覆う脂肪、二つの腎臓とその上を覆う腰の脂肪、胆のうを主の前で焼く。わたしはそのいけにえを喜ぶ。
6 和解のいけにえに羊かやぎを使うときは、傷のないものであれば、雄でも雌でもかまわない。 7-8 羊の場合は、天幕の入口でその頭に手を置き、殺す。祭司は血を祭壇の回りに振りかけ、 9-11 背骨に沿って取り除いた脂肪、内臓を覆う脂肪、二つの腎臓とその上を覆う腰の脂肪、胆のうを、火によるいけにえとしてささげなさい。 12 そのささげ物がやぎの場合、 13 幕屋の入口でその頭に手を置き、ほふる。祭司は血を祭壇の回りに振りかけ、 14-16 火によるいけにえとして、内臓を覆う脂肪、二つの腎臓とその上を覆う腰の脂肪、胆のうを祭壇にささげなさい。このいけにえをわたしは喜ぶ。脂肪は全部、主のものだから、 17 あなたがたは脂肪も血も食べてはならない。これはイスラエルの永遠のおきてである。」
罪の赦しのためのいけにえ
4 主はさらに、次のような指示をモーセに与えました。 2 「人々に言いなさい。過ってわたしの戒めを破った場合の規定はこうである。 3 大祭司が過って罪を犯し、人々に悪影響を及ぼした場合、罪の赦しのためのいけにえとして傷のない若い雄牛をささげなければならない。 4 幕屋の入口に引いて来てその雄牛の頭に手を置き、主の前でほふる。 5 大祭司は血を持って幕屋に入り、 6 指を浸し、奥の至聖所へ通じる道をふさぐ垂れ幕の前に、七回振りかける。 7 次に、幕屋の中の主の前にある香の祭壇の角に血を塗る。残った血は、幕屋の入口にある焼き尽くすいけにえ用の祭壇の土台に注ぎかける。 8-10 内臓を覆う脂肪、二つの腎臓とその上を覆う腰の脂肪、胆のうを祭壇で焼く。主への和解のいけにえとしてささげる雄牛や雌牛の場合と同じである。 11-12 皮、肉、頭、足、内臓、腸など残りの部分は、野営地の外のきよい場所である祭壇の灰捨て場で焼く。
13 イスラエルの民全体が過って罪を犯し、してはならないことをした場合は、全国民が有罪となる。 14 罪に気づきしだい、罪の赦しのためのいけにえとして、若い雄牛を天幕の入口に引いて来なさい。 15 指導者たちが代表して、主の前でその雄牛の頭に手を置いてほふる。 16 大祭司は血を幕屋の中へ持って行き、 17 指を浸し、主の前で垂れ幕の前に七回振りかける。 18 次に、天幕の中にある香の祭壇の角に血を塗る。残りの血は、天幕の入口にある焼き尽くすいけにえ用の祭壇の土台に注ぎかける。 19 いけにえの脂肪はすべて取り除き、祭壇で焼く。 20 罪の赦しのためのいけにえの雄牛のときと同じようにする。こうして、祭司は民全体の罪を償う。これで初めて、全国民が赦される。 21 最後に祭司は、いけにえの死体を野営地の外へ運び出し、個人の罪のためのいけにえと同じように焼く。
22 指導者のだれかが過って罪を犯し、主の戒めに背いた場合は、 23 罪に気づきしだい、傷のない雄やぎをいけにえとして引いて来なさい。 24 焼き尽くすいけにえをささげる場所で、その頭に手を置いてほふり、主にささげる。これは指導者の罪の赦しのためのいけにえである。 25 祭司はそのいけにえの血を祭壇の角に指で塗り、残りは祭壇の土台に注ぎかける。 26 和解のいけにえと同じように、脂肪はすべて祭壇で焼く。こうして、祭司は指導者の罪を償い、彼は赦される。
27 一般のイスラエル人が、過って罪を犯したとき、 28 または自らそれに気づいたなら、罪の償いとして傷のない雌やぎを引いて来なさい。 29 焼き尽くすいけにえをほふる場所で、いけにえの頭に手を置いてほふる。 30 祭司は指に血をつけ、焼き尽くすいけにえ用の祭壇の角に塗る。残りの血は祭壇の土台に注ぎかける。 31 和解のいけにえの場合と同じように、脂肪はすべて取り除き、祭司が祭壇で焼く。わたしはそれを受け入れる。こうして、祭司が罪の償いをするとき、罪を犯した者は赦される。
32 罪の赦しのためのいけにえに子羊を引いて来るときは、傷のない雌でなければならない。 33 焼き尽くすいけにえを殺す場所に連れて来て、その頭に手を置き、罪の赦しのためのいけにえとして殺す。 34 祭司は指に血をつけ、祭壇の角に塗り、残りの血は土台に注ぎかける。 35 脂肪は和解のいけにえの羊と同じようにする。火で焼いて主にささげる他のいけにえと同じように、祭壇で焼く。こうして祭司が償いをし、罪は赦される。
5 ある犯罪について何かの事実を知っていながら、証言を拒否すれば、その人は罪に定められる。
2 野生でも家畜でも、食用にすることを禁じられている動物や昆虫の死体など、礼拝規則で汚れているとみなされるものにさわったら、気づかずにした場合でもその人は汚れ、責めを負う。 3 何であれ人体から生じる汚れにさわったら、たとえその時は気づかなくても、あとで気づいたときに責めを負う。 4 良いことでも悪いことでも、軽々しく誓いを立て、あとで愚かなことをしたと気づいたときには、責めを負う。
5 以上のどの場合も、罪を告白し、 6 償いとして、雌の羊かやぎを罪の赦しのためのいけにえとしてささげなさい。祭司はその人の罪の償いをしなさい。
7 貧しくて羊をささげる余裕がない場合は、山鳩か家鳩のひなを二羽ささげなさい。一羽を罪の赦しのためのいけにえに、もう一羽を焼き尽くすいけにえとする。 8 祭司は、初めに手渡されたほうを、罪の赦しのためのいけにえとし、その首をひねって殺す。ただし、切り落としてはならない。 9 次に、その血を祭壇の側面に振りかけ、残りは土台に絞り出す。これが罪の赦しのためのいけにえである。 10 祭司はもう一羽も、定められたとおりに、焼き尽くすいけにえとしなさい。こうして、祭司はその人が犯した罪の償いをし、その者は赦される。
11 もしその人が貧しくて、山鳩や家鳩のひなさえささげられないときは、細かくひいた小麦粉二・三リットルを持って来なさい。オリーブ油を混ぜたり、香料をかけたりしてはならない。罪の赦しのためのいけにえだからである。 12 それを祭司のところへ持って行き、そのうちの一つかみを祭壇で焼いてもらう。火で焼く他のささげ物の場合と同じである。これが、罪の赦しのためのいけにえとなる。 13 こうして、祭司はその人が犯した罪の償いをし、その者は赦される。残りの粉は穀物のささげ物と同じように、祭司のものとなる。」
罪過を償ういけにえ
14 さらに、主はモーセに告げて言いました。 15 「不実なことを行い、過って神聖なものを汚したときは、その罪を償うのに見合ういけにえとして、傷のない雄羊を一頭ささげなさい。 16 そのほかに、自分が汚した神聖なものや、ささげるのを怠った十分の一のささげ物の償いをしなければならない。自分が与えた損害額に二割を加えた額を、祭司に納める。祭司は罪を償ういけにえの雄羊で償いをし、その者は赦される。
17-18 主がしてはならないと定めたおきてのどれかに違反すれば、たとえ気づかずにしたことでも罪に定められる。そのときは、犯した罪に見合ういけにえをささげなければならない。これは自分の罪過を償ういけにえで、傷のない雄羊を一頭ささげる。祭司は雄羊一頭でその者の罪過の償いをする。過って犯した過失、知らずに犯した過失は、これで赦される。 19 罪を犯し、主の前に責めを負った者は、このようにして罪過を償ういけにえをささげなければならない。」
6 続いて主はモーセに命じました。 2-3 「借り物や預かり物、担保の品などを返さなかったり、盗んだり、脅し取ったり、落とし物を見つけながらも取った覚えはないと偽るなどして罪を犯した場合は、 4-5 その事実がはっきりした日に、取ったものを相手に返し、それに加えて二割の罰金を支払いなさい。また、幕屋に罪を償ういけにえを引いて来なさい。 6 その罪に見合ういけにえは、傷のない雄羊一頭である。それを祭司のところへ引いて来る。 7 祭司は主の前で罪の償いをし、その者は赦される。」
ささげ物の施行細則
8 主はモーセに命じました。 9 「アロンとその子らに、焼き尽くすいけにえについての決まりを示しなさい。焼き尽くすいけにえは、祭壇の上で一晩中、焼き続ける。 10 翌朝、祭司は亜麻布の下着と上着をつけ、その灰をすっかり集め、祭壇のそばに置く。 11 このあと着替えをし、灰を野営地の外のきよい場所に運ぶ。 12 祭壇の火はいつも燃やし続け、消してはならない。祭司は毎朝たきぎをくべて、毎日ささげる焼き尽くすいけにえを供え、和解のいけにえの脂肪を焼く。 13 祭壇の火は絶やしてはならない。
14 穀物の供え物の決まりは次のとおりである。アロンの子らは、祭壇の前に立ち、供え物を主の前にささげる。 15 なだめの香りとして、オリーブ油のかかった細かくひいた粉一つかみを、香料全部とともに祭壇で焼きなさい。わたしは喜んでそれを受けよう。 16 残りはアロンとその子らの食物となる。幕屋の庭で、パン種を入れずに焼いたパンにして食べなさい。 17 念を押すが、焼くときは絶対にパン種を入れてはならない。火で焼くささげ物のうち、この分は祭司に与える。罪の赦しのためのいけにえや、罪過を償ういけにえの場合と同じく、ささげられた全部がきよいとされる。 18 アロンの家系で祭司を務める者は、子々孫々に至るまで、これを食べることができる。火で焼く主へのささげ物は、祭司だけが食べられる。」
19-20 主はモーセに命じました。「アロンとその子らが油を注がれ、祭司の務めに就く日には、日々の穀物の供え物をささげなさい。細かくひいた上等の小麦粉二・三リットルを、朝と夕方に半分ずつ、 21 オリーブ油でこね、鉄板で焼いてささげる。わたしはそれを受け入れる。 22-23 祭司の子らは父の跡を継ぐ場合、油を注がれる任命式の日にこれと同じささげ物をする。これは永遠に変わらない定めである。このささげ物は全部を主の前で焼く。ほんの一口でも食べてはならない。」
24 主はモーセに告げました。 25 「次は、罪の赦しのためのいけにえについて、祭司が知っていなければならない決まりである。このいけにえは最もきよいものだから、焼き尽くすいけにえをほふる場所、主の前でほふる。 26 いけにえの儀式を行う祭司は、幕屋の庭でそれを食べる。
27 特別に選ばれ、きよくされた者、祭司だけしかその肉にさわれない。そのとき衣服に血がかかったなら聖所内で洗いきよめる。 28 煮沸するのに使った容器は、土の器なら壊し、青銅製ならきれいに磨き上げ、よくすすぐ。 29 祭司はみな、このささげ物を食べることができるが、それ以外の者は絶対に食べてはいけない。最も聖なるものだからだ。 30 しかし、聖所での罪の償いのためにささげるいけにえで、その血を幕屋の中に持って行くいけにえは、祭司といえども食べてはならない。それは、主の前で完全に焼きなさい。
7 罪過を償う最もきよいいけにえについての決まりは、次のとおりである。 2 いけにえの動物は、焼き尽くすいけにえと同じ場所でほふり、血は祭壇の回りに振りかける。 3 祭司は脂肪を全部、祭壇にささげる。背骨に沿ってついている脂肪、内臓を覆う脂肪、 4 二つの腎臓、腰のあたりの脂肪、胆のうなどをより分けて、いけにえとする。 5 それを、罪を償ういけにえとして祭壇で焼く。 6 祭司はみな、その肉を食べることができるが、それを神聖な場所で食べなければならない。最も聖なるいけにえだからだ。
7 罪の赦しのためのいけにえ、罪過を償ういけにえ、どちらの場合も、動物の死体は儀式を行う祭司の食物となる。 8 焼き尽くすいけにえの場合は皮が与えられる。 9 主への穀物の供え物をささげる祭司は、儀式に使った残りを全部与えられる。この規定は、供え物をかまどや鉄板で焼く場合も、なべで料理する場合も変わりはない。 10 ほかの穀物の供え物も、油を混ぜたものでも乾いたものでもすべて、アロンの子である祭司のものとなる。
11 次は、和解のいけにえとしてささげるいけにえについての決まりである。 12 それが感謝のささげ物の場合、いけにえのほかにパン種を入れていないドーナツ型のパン、オリーブ油を塗った薄焼きのパン、小麦粉をオリーブ油でこねて作ったパン、 13 さらに、パン種を入れたドーナツ型のパンを添える。 14 このうち一部を、儀式どおり祭壇の前で揺り動かしてささげる。それは、いけにえの血を注ぎかける祭司のものとなる。
15 感謝を表す和解のいけにえとして主にささげた動物の肉は、その日のうちに食べなさい。翌日まで残しておいてはならない。 16 感謝のいけにえでなく、誓願や任意のささげ物の場合は、その日に食べきれなければ、翌日まで残しておいてかまわない。 17-18 ただし、三日目まで残った分は焼き捨てなさい。三日目に食べるようなことがあれば、わたしはそのいけにえを受け入れない。いけにえとしての価値がなくなるからである。せっかくのいけにえも無効となり、肉を食べた祭司は罪を犯したことになる。それは主にとって汚れたものだからだ。食べた者は罪の償いをしなければならない。
19 礼拝規定で汚れているとみなされるものに触れた肉は、食べてはならない。焼き捨てなければならない。食用にする肉は、礼拝規定できよいとみなされる者だけが食べられる。 20 人が汚れている身でありながら和解のいけにえを食べるなら、もはやイスラエル国民ではない。神聖なものを汚したからだ。 21 だれでも、人であれ動物であれ、礼拝規定で汚れているとみなされるものに触れながら、和解のいけにえを食べるなら、イスラエル国民とはみなされない。神聖なものを汚したからだ。」
22 さらに主はモーセに命じました。 23 「イスラエル人は牛、羊、やぎの脂肪を食べてはならない。 24 死んだり野獣に裂き殺されたりした動物の脂肪は、何に使ってもかまわないが、食べることはできない。 25 火で焼くささげ物の脂肪を食べる者は、イスラエル国民とはみなされない。 26-27 どこであろうと、鳥や動物の血を食べてはならない。食べればイスラエル国民とはみなされない。」
28 神はモーセに告げました。 29 「人々に命じなさい。主への和解のいけにえは、本人の手でささげなければならない。 30 脂肪と胸の部分を持って来て祭壇の前で揺り動かし、主にささげるのだ。 31 脂肪は祭司が祭壇で焼き、胸肉はアロンとその子らのものになる。 32-33 右のもも肉は、いけにえの儀式を行う祭司がもらう。 34 胸とももは、国民から祭司へ納める物と決めたからである。祭司はいつも、いけにえのこの部分をもらう。 35 火で焼くいけにえのこの部分は、報酬として、主に仕える祭司、アロンとその子らのものとなる。 36 このことは、わたしが彼らに油を注いで祭司に任命する日から、必ず守らなければならない。子々孫々に至るまで変わらない彼らの権利である。」
37 以上が、焼き尽くすいけにえ、穀物の供え物、罪の赦しのためのいけにえ、罪過を償ういけにえ、祭司の任職式のいけにえ、和解のいけにえについての決まりです。 38 これが、シナイの荒野で主がモーセに教えた、いけにえのささげ方です。
祭司の任職式
8 1-3 主はモーセに命じました。「アロンとその子らを幕屋の入口に連れて来なさい。装束、注ぎの油、罪の赦しのためのいけにえ用の若い雄牛一頭、雄羊二頭、パン種を入れないパンが入ったかごを用意し、すべての民を集めなさい。」
4-5 幕屋の入口に集まった全員に、モーセは語りました。「これからすることは主のご命令だ。」
6 こう言うと、アロンとその子らを呼び寄せ、彼らの体を水で洗い、 7 アロンには特製の上着、飾り帯、青地の長い式服を着せ、美しく織った帯でエポデ(祭司が祭儀において着用する聖なる装束)をつけさせました。 8 次は胸当てです。その袋にはウリムとトンミム〔神意を伺う一種のくじ〕を入れました。 9 ターバンをかぶらせ、主に特別に選ばれた者であることを表す金のプレートを、正面につけさせました。主に命じられたとおりです。
10 それから聖なる注ぎの油を手に取り、幕屋とその中の用具全部に振りかけ、神聖なものとしてきよめました。 11 祭壇には特別に七回、その用具や、洗い鉢と台にも振りかけて、きよめました。 12 最後はアロンでした。頭に油を注ぎ、特別にきよめ分けられた主の祭司に任命しました。 13 それが終わると、今度はアロンの息子たちに式服を着せ、帯を締めさせ、ターバンをかぶらせました。主に命じられたとおりです。
14 いよいよいけにえをささげる時です。モーセは、罪の赦しのためのいけにえ用の若い雄牛を引いて来ました。アロンとその子らはその頭に手を置き、 15-16 モーセが牛をほふりました。モーセはその血を指につけ、祭壇の四本の角に塗って祭壇をきよめ、残りの血は祭壇の土台に注ぎました。こうして、祭壇を神聖なものとし、きよい儀式に使えるようにしたのです。次に、内臓を覆う脂肪、胆のう、二つの腎臓とその脂肪を祭壇で焼きました。 17 そのほかの部分は、皮も肉も糞も、野営地の外で焼き捨てました。主に命じられたとおりです。
18 次にモーセは、焼き尽くすいけにえとして雄羊をささげました。アロンとその子らがその頭に手を置き、 19 モーセがほふって血を祭壇の回りに振りかけました。 20 そのあと四肢に切り分け、まず頭と脂肪をいっしょに焼きます。 21 内臓と足は水洗いし、祭壇で焼きます。こうして全部を主の前で焼き尽くすのです。これが、主の受け入れる焼き尽くすいけにえです。モーセは、すべて主の命令どおりきちんと行いました。
22 それからモーセは、もう一頭の任職式用の雄羊を引いて来ました。まず、アロンとその子らがその頭に手を置きます。 23 モーセは雄羊をほふり、その血をアロンの右の耳たぶと手足の右の親指に塗りました。 24 続いて、アロンの息子たちにも同じようにします。残りの血は祭壇の回りに振りかけました。
25 次に、背骨に沿ってついている脂肪と内臓を覆う脂肪、胆のう、二つの腎臓とその脂肪、右のももなどを取りました。 26 その上に、かごから、パン種を入れないパンと、油を入れて焼いたドーナツ型のパンを一個ずつ、それに、オリーブ油を塗った薄焼きパン一枚を取り出して載せました。 27 それを全部、アロンとその子らの手に載せ、祭壇の前で揺り動かして主にささげさせたのです。 28 モーセはそれをもう一度もらい受け、焼き尽くすいけにえといっしょに、祭壇で焼きました。これが祭司任職のいけにえで、主に受け入れられるささげ物です。 29 このあとモーセは、雄羊の胸の部分を祭壇の前で揺り動かして主にささげました。これはモーセが受け取る分です。すべて主に命じられたとおりです。
30 続いてモーセは、注ぎの油と祭壇に振りかけた血を取り、アロンとその装束、息子たちとその装束に振りかけました。アロンとその子ら、およびその装束を、主の務めにささげるためです。
31 モーセは、アロンとその子らとに言いました。「教えたとおり、幕屋の入口で肉を煮て、任職式用のかごに入っているパンといっしょに食べなさい。 32 残った肉やパンは焼き捨てなさい。」 33 またモーセは、七日間は幕屋の入口を離れないようにと命じました。祭司の任命には七日を要するからです。 34 さらに、その日の儀式はすべて、主が命じられたとおりだと言いました。 35 そして最後にもう一度、七日間は昼も夜も幕屋の入口を離れてはならないこと、もし離れたら必ず死ぬと主に言われたことを告げました。
36 アロンとその子らは、主がモーセに命じたことをみな行いました。
アロンによる最初の任務執行
9 任職式の八日目にモーセは、アロン、その息子たち、イスラエルの指導者たちを集め、 2 雄牛一頭を罪の赦しのためのいけにえとして、傷のない雄羊を焼き尽くすいけにえとして、主にささげるようアロンに命じました。 3 「人々に、罪の赦しのためのいけにえ用に雄やぎを、焼き尽くすいけにえ用に傷のない一歳の子牛と子羊を用意させなさい。 4 また、雄牛と雄羊を和解のいけにえ用に、また、オリーブ油でこねた小麦粉を穀物の供え物用に持って来させなさい。今日、主があなたがたに現れるからだ。」
5 そこで人々は、命じられたとおりのものを幕屋の入口へ持って来て、主の前に立ちました。 6 モーセは、「主のご命令に従えば、必ずそのご栄光を仰げるのだ」 7 と言うと、アロンに、「祭壇に進み出て、罪の赦しのためのいけにえと、焼き尽くすいけにえをささげ、まず自分の罪の償いをし、次に民の罪の償いをしなさい」と命じました。主が命じたとおりです。
8 アロンは祭壇に進み出て、自分の罪が赦されるためのいけにえとして、子牛をほふりました。 9 息子たちがその血を手にすくうとアロンはそれに指を浸し、祭壇の角に塗り、残りは祭壇の土台に注ぎました。 10 そして主の命令どおり、祭壇でいけにえの脂肪、腎臓、胆のうを焼きました。 11 ただし、肉と皮は宿営の外で焼き捨てました。
12 次に焼き尽くすいけにえを殺し、息子たちがその血をすくい、それをアロンが祭壇の回りに振りかけました。 13 続いて息子たちは死体をばらばらにし、頭といっしょにアロンのところに持って来ました。アロンはそれを一つ残らず祭壇で焼きました。 14 そして、内臓と足もきれいに洗い、焼き尽くすいけにえとして祭壇で焼きました。
15 次は民のささげ物の番です。アロンは自分のときと同じ要領で、罪の赦しのためのいけにえとして、やぎをささげました。 16 さらに、主の指示どおり、焼き尽くすいけにえもささげました。 17 穀物の供え物がそれに続きます。その中から一つかみを取り、朝ごとのささげ物とは別に、祭壇で焼いてささげました。
18 ついで、雄牛と雄羊をほふりました。民のための和解のいけにえです。アロンの息子たちがその血をアロンのところに持って行き、アロンは祭壇の回りに振りかけました。 19 続いて、背骨に沿ってついている脂肪と内臓を覆う脂肪、腎臓と胆のうを取り出しました。 20 脂肪はいけにえの胸に載せ、祭壇で焼きました。 21 ただし胸と右ももは、モーセが命じたとおり、主の前でゆっくり揺り動かしてささげました。
22 それから民に向かって両手を上げ、彼らを祝福し、罪の赦しのためのいけにえ、焼き尽くすいけにえ、和解のいけにえをささげて祭壇から降りました。 23 今度はモーセとアロンがそろって幕屋に入ります。やがて出て来た二人が民を祝福すると、なんと彼らが見ている前で主の栄光が現れたのです。 24 その時、主の火が下り、祭壇のいけにえと脂肪を焼き尽くしました。民はみな大声を上げ、ひれ伏しました。
ナダブとアビフの違反
10 さて、アロンの子ナダブとアビフは、自分の香炉に神聖でない火を盛り、香をくべ、主の前にささげました。これは主の命令に反することでした。 2 たちまち主の前から火が吹き出し、二人を焼き殺してしまいました。 3 「『わたしに近づく者によってわたしのきよさを現し、すべての人々の前で栄光を現す』と主が言われたのは、こういうことなのだ」と言うモーセのことばに、アロンはただ黙ってうなだれるだけでした。 4 モーセはただちに、アロンのおじウジエルの子のミシャエルとエルツァファンとを呼び、「あなたがたの親族の遺体を神の幕屋の前から宿営の外に運び出しなさい」と命じました。 5 彼らは言われたとおり、式服のままの二人の遺体を外に運びました。
6 それからモーセは、アロンと残った二人の子エルアザルとイタマルに言いました。「気をしっかり持ちなさい。このことを悲しんではいけない。髪を乱したり、服を引き裂いたりして嘆いてはいけない。そんなことをしたら、あなたがたまで殺されてしまう。そうなれば、主の怒りはすべての民に下るだろう。ほかの者が、主の下された恐るべき火のことで、ナダブとアビフのために嘆き悲しむのはかまわない。 7 だが、あなたがたはだめだ。たとえ家族の者が主の罰を受けて死んだときでも、幕屋での務めを離れてはならない。あなたがたは油を注がれた者だからだ。」
彼らは命令どおりにしました。
8-9 次に、主はアロンに命じました。「幕屋に入るときは、ぶどう酒や強い酒を飲んではならない。さもないといのちはない。あなただけではない。息子たちも同じだ。このおきては、末代までも守らなければならない。 10 人々に代わって正しい判断を下すことが、あなたがたの務めだからだ。神聖なものと俗なもの、きよいものと汚れたものの区別を示し、 11 わたしがモーセに与えたすべてのおきてを教えなさい。」
12 このあとモーセは、アロンとエルアザル、イタマルの三人に言いました。「祭壇で焼いて主にささげる穀物の供え物は、必ずパン種の入らないものとし、一つかみだけささげる。残りは祭壇のそばで食べなさい。ささげ物は最も神聖なものだから、 13 聖所の神聖な場所で食べなければならない。それは、火で焼くささげ物のうち、あなたがたの取り分である。そのように、私は命じられている。 14 しかし、揺り動かしてささげる胸肉ともも肉は、聖所でなくとも、きよい場所ならどこで食べてもかまわない。家族全員が食べられるものだ。人々がささげる和解のいけにえのうち、これだけはあなたがたの取り分である。
15 脂肪を焼くとき、人々は取り分けてあるももと胸肉を、主の前で揺り動かしてささげる。そのあとで、あなたと家族がもらう。主がそうお命じになったのだ。」
16 こう言うと、モーセは罪の赦しのためのいけにえ用のやぎを捜しましたが、どこにも見つかりません。すでに焼いてしまっていたのです。このことで、モーセはエルアザルとイタマルとをしかりました。 17 「なぜ罪の赦しのためのいけにえを聖所で食べなかったのだ。それは最も神聖なもので、全国民の罪を取り除くために、主の前でその償いをさせようと主が下さったものではないか。 18 その血は聖所の中に持って行かなかった。だから、聖所で食べなければならない。ちゃんとそう言っておいたはずだ。」
19 その時、アロンが中へ割って入りました。「まあまあ、そこまで言わなくても……。確かに二人は今日、罪の赦しのためのいけにえと焼き尽くすいけにえをささげました。でも、あんなことが起こった日にいけにえの肉を食べても、主はお喜びにならないでしょう。」 20 言われてみればもっともです。モーセも納得しました。
きよい動物と汚れた動物
11 さて主は、モーセとアロンに命じました。 2-3 「人々に言いなさい。食用にできる動物は、ひづめが分かれ、反芻するものだけである。 4-7 らくだ、岩だぬき、野うさぎは食べてはならない。反芻はするが、ひづめが分かれていないからだ。ひづめは分かれているが、反芻しない豚もだめだ。 8 これらは肉を食べることはおろか、死体にさわってもいけない。絶対に食用にできない動物である。
9 魚は、ひれとうろこがあるものなら、海のものでも川のものでも食べてよい。 10 しかし、それ以外の水中動物は絶対に食べてはならない。 11 肉を食べてもいけないし、死骸にさわってもいけない。 12 くり返すが、ひれとうろこのない水中動物は食べられない。
13-19 鳥の中では、次のものは食べてはならない。はげわし、はげたか、みさご(タカ科の鳥)、はやぶさの類全部、とび、からすの類全部、だちょう、よたか、かもめ、たかの類全部、ふくろう、鵜、みみずく、白ふくろう、ペリカン、野がん、こうのとり、さぎの類全部、やつがしら、こうもり。
20 飛ぶもので四つ足のものは食べてはならない。 21-22 しかし、跳びはねるもの、いなごなどの類は別である。いなご、ばった、大いなご、小いなごなどは食べてかまわない。 23 それ以外に飛ぶもので、四つ足のものは食べてはならない。
24 その死骸にさわる者はみな、夕方まで汚れる。 25 死骸を持ち運んだ者はすぐ衣服を洗いなさい。礼拝規定で汚れた者とみなされ、夕方まで身を慎まなければならない。
26 ひづめが完全に分かれていない動物や、反芻しない動物にさわる者は汚れる。 27 足の裏のふくらみで歩く動物は食べられない。死骸にさわるだけで夕方まで汚れる。 28 死骸を持ち運ぶ者は衣服を洗わなければならない。夕方まで、礼拝規定で汚れた者とみなされる。
29-30 地面をはい回る動物のうち、次のものは汚れている。もぐら、とびねずみ、大とかげ類、やもり、わに、とかげ、すなとかげ、カメレオン。
31 これらの死骸にさわれば、夕方まで汚れる。 32 死骸が何かの上に落ちた場合は、木の容器でも衣服でも敷物でも袋でも、みな汚れる。それにさわった物は何でも水につけなさい。夕方まで汚れるが、また使ってもかまわない。 33 土の容器の中に落ちた場合、中の物は何でも汚れる。容器は砕いてしまいなさい。 34 汚れた容器の水がかかった食べ物はみな汚れる。汚れた容器に入っている飲み物も汚れる。 35 それらの動物の死骸が触れたかまどや炉は汚れたものなので、壊してしまいなさい。 36 死骸が泉とか水ために落ちた場合は、水は汚れない。ただし、死骸を引き上げる者は汚れる。 37 畑にまく種に死骸が触れても、種は汚れない。 38 ただし、ぬれた種の上に落ちた場合は汚れる。
39 食用にできる動物が病死した場合は、その死骸にさわれば夕方まで汚れる。 40 その肉を食べたり死体を運んだりした者は、衣服を洗いなさい。その者は夕方まで汚れる。
41-42 地面をはう動物は食べてはならない。爬虫類のうち、腹ではうもの、足のあるものも含まれる。たくさんの足ではうものも食べてはならない。汚れたものだからだ。 43 それにさわって自分を汚してはならない。
44 わたしはあなたがたの神、主である。以上のものについて身をきよく保ちなさい。わたしは聖なる者だから、あなたがたも聖なる者になりなさい。地をはい回るものにさわって身を汚さないようにしなさい。 45 わたしはあなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトから救い出した。だから、わたしが聖なる者であるように、あなたがたも聖なる者にならなければならない。」
46 以上が、動物、鳥、水中に住む動物、地をはう動物についての指示です。 47 これによって、地上の動物の中で、礼拝規定上どれがきよくて、食べてよいものか、どれが汚れていて、食べてはならないものかの区別ができます。
産後の汚れときよめ
12 主はモーセに、民に次のような指示を与えるよう命じました。 2 「男の子が生まれたときは、母親は七日間汚れる。生理のときと同じである。 3 八日目にその子に割礼(男子の性器の包皮の一部を切り取る儀式)を施しなさい。 4 さらに三十三日間は汚れをきよめる期間だから、聖なるものにさわったり幕屋に入ったりしてはならない。 5 女の子を産んだときは、汚れは二週間続く。その期間中、母親は生理のときと同じ制約を受ける。さらに、汚れをきよめるのに六十六日かかる。
6 彼女のきよめの期間が終わったら、男の子の場合も女の子の場合も、次のとおりにいけにえをささげなさい。一歳の子羊一頭を焼き尽くすいけにえに、家鳩のひなか山鳩一羽を罪の赦しのためのいけにえにする。それを幕屋の入口の祭司のところに持って来る。 7 祭司がいけにえを主にささげ、罪の償いをしてくれる。こうして、彼女は出産のときの出血の汚れからきよめられる。
これが産後のきよめの規定である。 8 しかし、貧しくて子羊を用意できない場合は、山鳩か家鳩のひな二羽でもよい。一羽を焼き尽くすいけにえ、もう一羽を罪の赦しのためのいけにえとしなさい。祭司がそれで罪の償いをしてくれる。これで、再び礼拝規定上きよい者となる。」
ツァラアトによる汚れときよめ
13 1-2 主はモーセとアロンに命じました。「皮膚に腫れもの、かさぶた、できもの、吹き出物が出て皮膚が透明状になったときは、ツァラアト(皮膚が冒され、汚れているとされた当時の疾患)の疑いがある。祭司アロンか、その息子のところに患者を連れて行き、 3 患部を見てもらいなさい。患部の毛が白くなり、患部が皮膚の下まで及んでいるようなら、ツァラアトである。祭司はツァラアトだと宣告しなければならない。
4 ただし、白い患部が皮膚の下までは及んでいないようで、毛も白く変わっていないなら、患者を七日の間、隔離する。 5 七日目に祭司が患部を調べる。患部がそのまま広がっていないなら、さらに七日の間、隔離する。 6 七日目にまた調べ、患部がよくなり、広がっていないなら、「きよい」と宣言する。ただの発疹にすぎなかったのだから、患者は衣服を洗うだけで、元どおりの生活に戻れる。 7 もし、調べてもらったあとで患部が広がったら、もう一度、祭司のところに行かなければならない。 8 調べた結果、患部が広がっているなら、祭司は彼を「汚れている」と宣告する。これはツァラアトである。
9-10 ツァラアトの疑いのある患者は、必ず祭司のところに連れて来る。祭司は皮膚に白い腫れものがあるか、患部の毛は白いか、腫れものがひどくただれているかなどを調べる。 11 そのような症状がはっきり見えたら、慢性のツァラアトである。祭司は患者に「汚れている」と宣言しなければならない。その人は明らかに汚れているので、検査を続けるために隔離される必要はない。 12 ツァラアトが足の先から頭の先まで全身に広がっているのがわかったら、 13 祭司はその人に、「きよい」と宣言する。全身が白くなっているので治ったのである。 14-15 ただし、一箇所でもただれたままの赤肌が残っているなら、「汚れている」と宣告される。 16-17 それがあとで白く変わったら、祭司に見てもらう。患部が完全に白く変わっていたら、祭司は「きよい」と宣言する。
18 できものが治っても、 19 白く腫れ上がっていたり、赤みがかって白く光っていたりしたら、祭司に見せなければならない。 20 祭司は調べて、できものが皮膚の下まで及んで見えたり、患部の毛が白くなっていたりしたら、「汚れている」と宣言する。できものの痕がツァラアトにかかったからだ。 21 ただし、患部の毛が白くなっておらず、患部が皮膚の下まで及んでいないように見え、色も灰色なら、患者を七日の間、隔離する。 22 その期間に患部が広がれば、「汚れている」と宣言する。 23 患部がひどくもならず、広がってもいないなら、できものの痕にすぎないから、祭司は彼を「きよい」と宣言する。
24 やけどの箇所が赤みがかった白か、ただ白く光っている場合は、必ず祭司に見せる。 25 光った患部の毛が白くなり、ただれが皮膚の下まで及んでいるようなら、やけどをした部分がツァラアトにかかったのだ。祭司は患者を「汚れている」と宣言する。 26 祭司が見て、患部の毛も白くなく、ただれも皮膚の下まで及んでおらず、治りかけているようなら、患者を七日間、隔離する。 27 七日目に彼を調べて、患部が広がっていたら「ツァラアトだ」と宣告する。 28 患部が転移したり広がったりせず、治りかけているようなら、やけどの痕にすぎない。祭司は「ツァラアトではない」と宣告する。
29-30 男でも女でも、頭かあごに、腫れものがあったなら祭司はその患部を調べる。患部が皮膚の下まで及んでいるように見え、黄色い毛が見つかったらツァラアトを宣告する。 31 ただし祭司が見て、患部は皮膚だけにとどまり、しかも黒い毛がないなら、患者を七日の間、隔離する。 32 七日目にもう一度調べるのだ。それで患部が広がりもせず、黄色い毛も見つからず、患部も皮膚の下まで及んでいないようなら、 33 患部の毛は残し、回りの毛を全部そり落とす。こうしてさらに一週間だけ隔離する。 34 七日目にまた調べて、患部が広がりもせず皮膚の下まで及んでもいないようなら、祭司は彼を「きよい」と宣言する。その人は衣服を洗えばいつでも帰してもらえる。 35 しかし、あとで患部が広がり始めたら、 36 祭司はその人を再び調べなければならない。確かに広がっていれば、黄色い毛を調べるまでもなくツァラアトを宣告する。 37 特に広がっているわけでもなく、患部に黒い毛が生えているなら治ったのであり、ツァラアトではない。祭司は彼を「きよい」と宣告する。
38 男でも女でも、皮膚に透明状の部分はあるが、 39 それが鈍い白色で、だんだん消えていくなら、単なる湿疹である。
40 髪の毛が抜け、はげてきたからと言って、ツァラアトである決め手にはならない。 41 前頭部の毛が抜けても、はげただけで、ツァラアトではない。 42 もし、はげた箇所に赤みがかった白い部分があれば、ツァラアトの疑いがある。 43 その場合は祭司が調べ、ツァラアトのような赤みがかった白い腫れものがあれば、 44 ツァラアトを宣告しなければならない。
45 ツァラアトだと宣告された者は、衣服を引き裂き、髪を乱し、口を覆って、『私は汚れている。汚れている』と叫んで歩かなければならない。 46 その症状がある間は汚れた者とみなされ、野営地の外で暮らす。
47-49 毛や亜麻布の衣服や織物、皮や皮細工物に緑あるいは赤みがかった斑点ができ、ツァラアトの疑いがある場合は祭司に見せなさい。 50 祭司はそれを七日の間、隔離しておき、 51 七日目に取り出して調べる。もし斑点が広がっていれば、伝染性のツァラアトである。 52 ツァラアトが発生した物は、衣服でも織物でも亜麻布や毛の覆いでも皮製品でも、焼き捨てなければならない。伝染するといけないからだ。
53 七日目に調べて斑点が広がっていなければ、 54 問題の物を洗い、さらに七日間そのままにしておきなさい。 55 そのあとも斑点の色が元のままなら、広がっていなくても確かにツァラアトだから焼き捨てなさい。その物は完全に汚染されている。 56 洗ったあと、斑点が消えたら、布でも皮製品でも、その部分を切り取る。 57 それでもなお斑点が現れるときはツァラアトだから焼き捨てなさい。 58 洗っただけで斑点がすっかり消えれば、もう一度洗い直してから前のように使える。」
59 以上は、皮や布製の衣服などにツァラアトが発生した場合の指示です。このようにして、ツァラアトかどうかの判断を下します。
14 1-2 主はまた、モーセに、ツァラアトが治った人をどうするかを指示しました。 3 「まず、祭司が野営地を出て、患者を調べ、確かにツァラアトが治っていたら、 4 食用にできる鳥を生きたままで二羽、杉の木、緋色の撚り糸、ヒソプの枝をその人のために持って来させる。治った者のきよめの儀式をするのだ。 5 祭司は、二羽のうち一羽を土器に入れた湧き水の上でほふるよう命じる。 6 生きているほうの鳥を、杉の木、緋色の撚り糸、ヒソプの枝といっしょにその血に浸す。 7 次にツァラアトが治った者にその血を七度振りかけ、「きよい」と宣告する。そのあと、生きているほうの鳥を野に放す。
8 治った者は衣服を洗い、毛を全部そり落として体を洗う。こうしてから野営地に戻り、元の生活をする。ただし初めの七日間は、自分のテントに入ってはならない。 9 七日目にもう一度、髪もひげもまゆも全部そり落とし、衣服と体を洗う。これで、完全にツァラアトが治ったと宣告される。
10 翌日、傷のない雄の子羊二頭と、傷のない一歳の雌の子羊一頭、細かくひいた上等の小麦粉六・九リットルをオリーブ油でこねたもの、オリーブ油〇・三リットルを持って来る。 11 祭司は、その者とささげ物を幕屋の入口へ引いて来る。 12 まず、雄の子羊一頭とオリーブ油〇・三リットルをささげ、祭壇の前で揺り動かして罪過を償ういけにえとしなさい。 13 幕屋の中の、焼き尽くすいけにえと、罪の赦しのためのいけにえをほふる場所で、その子羊をほふるのだ。このいけにえは、罪過のためのいけにえと同じく最も聖なるささげ物で、祭司の食物となる。 14 祭司はその血を取り、きよめられる者の右の耳たぶと手足の右親指に塗る。 15 それからオリーブ油を左の手のひらに注ぎ、 16 右手の指で、神の前に七回振りかける。 17 手に残った油は、患者の右の耳たぶと手足の右親指に塗る。つまり、罪を償ういけにえの血の上に塗ることになる。
18 まだ残っている油は、最後にその者の頭に注ぐ。こうして祭司は、主の前でその者の罪を償う。 19 このあと、罪のためのいけにえをささげ、もう一度、汚れからきよめられた人の罪を償う。それがすんだら、焼き尽くすいけにえをほふり、 20 祭壇に穀物の供え物といっしょにささげる。これらの儀式が全部すんで初めて、その人はきよくなったと宣告される。
21 貧しくて子羊二頭をささげられないときは、罪過を償ういけにえとして雄の子羊を一頭ささげなさい。ほかに、二・三リットルの上等の小麦粉をオリーブ油でこねたものを穀物の供え物とし、〇・三リットルのオリーブ油を添える。 22 また、山鳩か家鳩のひなを二羽持って来る。どちらでも手に入るほうでかまわない。一羽を罪が赦されるためのいけにえに、もう一羽を焼き尽くすいけにえにする。 23 この場合も子羊と同じように、八日目に幕屋の入口にいる祭司のところに持って来る。主の前で、きよめの儀式を行うためである。 24 祭司は子羊と〇・三リットルの油を罪過を償ういけにえとし、祭壇の前で揺り動かしてささげる。 25 子羊を殺し、その血を、きよめの儀式にあずかる者の右の耳たぶと手足の右親指に塗る。
26 次に、オリーブ油を左の手のひらに注ぎ、 27 主の前に右手の指で七回振りかける。 28 続いて、その者の右の耳たぶと右手足の親指に塗る。罪過を償ういけにえの血と同じ場所につけるのだ。 29 残りの油はきよめにあずかる者の頭に注ぎかけ、主の前でその者の罪を償う。 30 それから彼は、山鳩か家鳩のひな二羽をささげる。どちらでも手に入るほうでかまわない。 31 一羽を罪の赦しのためのいけにえ、もう一羽を焼き尽くすいけにえとし、穀物の供え物といっしょにささげる。こうして、祭司は主の前で、その者のために罪の償いをするのである。」
32 以上は、ツァラアトが治っても、きよめの儀式に普通のささげ物ができない者についての指示です。
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